タイトーが運営する「NESiCAxLive」にて今夏配信予定の対戦格闘ゲーム「ヤタガラス Attack on Cataclysm」。今回は、本作にアズール役で出演する、梶裕貴さんへのインタビューを紹介する。
「ヤタガラス Attack on Cataclysm」は、日本の同人ゲーム製作サークルであるヤタガラス開発チームと、英NyuMedia社が共同で開発するオリジナル2D対戦格闘ゲーム。クラウドファンディングサイト「IndieGoGo」を用いて、開発費の寄付を募り、完成に至ったことでも話題になった作品だ。
本作では、シンプルで奥が深く誰でも楽しみやすいゲーム性はそのままに、大幅に新キャラクターを追加。さらに、既存のキャラクター8名に加え、3名の新キャラクターも登場する。
今回、本作に出演する市来光弘さん、梶裕貴さん、内田真礼さん、中原麻衣さんにインタビューを実施。本稿では、「慈悲深き狂人」と呼ばれる新キャラクター・アズールを演じた梶裕貴さんへのインタビューを紹介する。
アズール(Azure)
「”マン サカタ サリマ”オマエは沈黙という賢人になるだろう。神に感謝を」
「慈悲深き狂人」と呼ばれる男。
天文学を専攻する学生だったが紛争により家族と国を失う。この世界に存在する物質、感情、信仰すらも数式で割り出せると考え、探求している。神の力を内包する”神事”と数式を組み合わせる事によって理論を具現化させ、亡くした母親を再生しようと目論む。
研究していた錬金術から空海の存在を知り渡来。薬学を学ぶために訪れた甲賀の里で、忠誠を誓った主君のため、目的達成のため、ストイックに肉体を鍛え上げる忍者に感銘する。
――新キャラクターのアズールを演じてみて、どのような印象を持ちましたか?
梶さん:設定に「慈悲深き狂人」とありますし、イラストを見ても鋭い目つきと鍛えあげられた肉体が印象的で、最初は寡黙でキツイ性格の人なのかなと思いました。ですが実際は冷たいわけではなく、心優しい青年でした。また、忍者のような姿をしていて、古めかしい言葉使いであることも特徴ですね。
――古めかしい言葉使いということですが、気になったセリフはありますか?
梶さん:全体的に難しいことを言うキャラクターなのですが、ひとつだけ凄くシンプルに「アイ・アム・ニンジャ」というセリフがあるんです(笑)。これは勝利時に聞くことのできるボイスなんですが…果たしてユーザーさんがどういうリアクションを取るのか、すごく気になりますね。
――収録を終えての感想を教えてください。
梶さん:心優しい部分があるとはいえ、やはり格闘ゲーム。強く聞こえるように、そして勝利への執念、戦う覚悟を表現できるように心がけました。
――外国の方が見たニンジャのような一面がありそうですね。
梶さん:そうですね。しかし一方でアラビア語を交えたセリフもあったりして、多国籍な面を持ったキャラクターです。
――アラビア語の収録というのも、珍しいことだったのではないでしょうか。
梶さん:「マン サカタ サリマ」というセリフで、その後に自分自身で訳も喋っています。こればかりは、さすがにカタカナ語読みになりましたね(笑)。
――格闘ゲームだと技名を叫んだりと、パートごとの収録になりますが、アニメの収録とは意識の違いがあるのでしょうか?
梶さん:ゲームだと「技名を○秒以内に言ってほしい」と、コンマ単位で指示されることがあるんです。厳密に制限があるという意味では、多少違うかと思います。また、常に派手な音楽が流れている中でのセリフになるので、それに応じた声のボリュームを出すように心がけています。ですが、基本的にひとつの役を演じるという点で同じですね。
――ちなみに、普段格闘ゲームをプレイすることはありますか?
梶さん:深くやり込んだことはないですが、今回にかぎらず、格闘ゲームの収録に参加させていただく機会が何度かあり、その中でこのジャンルについて知っていきましたね。やはり演じてみると興味も湧いてきますし、自分自身もユーザーとして早く体験してみたいです。
――プレイするとなったら、ご自身の演じたキャラクターを使ってみたいですか?
梶さん:やはりそうですね。自分の分身みたいなものですから。今回で言えばアズールで、まずはひと通りクリアしてみたいです。昔は自分の声が画面から聞こえてきたときは、恥ずかしい気持ちもありました(笑)。ですが、それ以上にキャラクターに対する愛情が強いので、どんなかに関わらず、見てみたい、使ってみたいという思いがあります。
――最後に、本作に期待している方へ向けたメッセージをお願いします。
梶さん:今回、アズールというキャラクターを演じさせていただきました。難解で固い言い回しが多く、初めは冷たい印象を受けるかもしれませんが、それだけではなく、皆さんが感情移入できるような役作りを意識しました。稼働した際には、ぜひ使ってみてください。よろしくお願いします。
――ありがとうございました。