セガは本日3月27日、東京・秋葉原のクラブセガ秋葉原新館にて、PS3/PS Vita用ソフト「初音ミク -Project DIVA- F 2nd」の発売記念イベントを開催した。
「Project DIVA」シリーズ最新作となる本作は「これまでのDIVA←→これからのDIVA」をテーマにしており、“これまで”のシリーズを継承しつつ、“これから”のプレイヤーに向けた新機能や便利機能が搭載されている。そうした見所は、過去の記事でお伝えしてきた通りだ。
本日開催された抽選会は、声優陣やKEI氏のサイン入りポスターなど、前作の抽選会と同様、豪華景品が多数用意されていた。また、小雨が降ったり止んだりという天候の中、本作のプロデューサー・林 誠司氏と、ディレクターの大坪 鉄弥氏も訪れていた。両氏には発売を迎えた心境をはじめ、今作でのこだわりや今後の展開を伺ったので、その内容をお届けしよう。
――まずは発売日を迎えた気持ちをお聞かせください。
林氏:少し遅れてしまいましたが、ようやく発売日を迎えることができて、ちょっとだけホッとしています。たくさんの方に手に取っていただけるよう、いろんな楽曲やキャラクターを一生懸命作りましたので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
大坪氏:お待たせしてしまいましたが、無事に発売できて嬉しい気持ちです。開発チームでたくさん詰め込んだので、楽しんでいただければと思っています。
――本作のテーマに込めた思いを教えてください。
林氏:PSPのシリーズとしては2009年から展開して、5年ほど経ちます。1作目から積み重ねてきたものを、ここから先に繋げていきたいという意味を込めています。PSPシリーズで使用させていただいた楽曲を今の最新技術で美しくリメイクし、システム周りもユーザーさんからの声を参考に長く遊んでいただけるものにしようという気持ちで作ってきました。
――本作にはリメイクと新曲含め40曲収録されていますが、それぞれの選曲基準を教えてください。
林氏:キッチリ20曲ずつというわけではありせんが、大体半分ぐらいずつの構成になっています。リメイクに関しては、僕は最初期から好きになったほうですが、初音ミクを好きになったきっかけは色んなものがあると思うので、そういった方々の思い出であったり、「この曲で初めてミクさんを好きになった」という気持ちが蘇るような選曲を心掛けています。
新曲については、現在進行形で初音ミク界隈で活躍されていて、まだ「Project DIVA」シリーズに参加いただいていなかった方に多く加わっていただきたいと思いました。その方々の代表曲であったり、リズムゲームに合う曲をできるだけ取り入れさせていただいています。
――今回のミクさんは前作から「ここが可愛くなった!」と思うところはありますか?
大坪氏:CGのキャラクターは止まっているものを見ると表情が硬くなりがちですが、動いたときの表情がすごく可愛いです。モデリングも前作で「最高に可愛い!」といって出したものを、いったん「これは可愛くない」と思い込みながら全キャラクター調整していますので、動いているところを見ていただけると、表情の豊さや、ちょっとしたニュアンスで萌えるポイントがあると思います。この瞬間、というよりは表情の変化を見ていただきたいですね。
林氏:リメイク曲を見ると、結構印象が変わっているなと思います。やっぱり表情がよりきめ細やかになったり、表現力がアップしています。彼はモデルにすごいこだわりを持つ男なので、デザイナーとずっと一緒に調整していますから。
大坪氏:「これでオッケーだよね」といったすぐ後に「やっぱり可愛くない」ということは日常茶飯事なんですけど、スタッフが粘り強くついてきてくれるので(笑)、僕も頑張れています。
――2012年の東京ゲームショウでは、大坪さんがメガネ好きでカスタマイズ機能を…なんて話もありましたが、ご自身で一番こだわったと思うところはどこでしょうか。
大坪氏:一番はキャラクターですね。今回トータルで80種ほどモジュールを増やしていますが、PSP版から移植しているものもあれば、新規のものもあります。PSPのミクさんは当然可愛いですしユーザーさんからも好評をいただいていますが、僕らが改めて見ても可愛いと思うので、それを「F 2nd」に持ってくるにあたり、設定面から立ち返りました。その設定のいいところはどこかを見て作るんです。いったん移植した上で、もっと可愛くできるところを、それこそ舐めまわしながらと言えるぐらい、ポリゴンレベルで調整しています。メガネが好きなことについては、今回そんなにメガネを増やしていませんので(笑)、どちらかというとキャラクターを中心に愛情を注いでいます。
映像についても細かいところで表現力を増しています。前作でも色んなチャレンジをしましたが、そこを越えなければいけないため、空気表現といいますか、映像としての一体感をもっと深めようとこだわっています。前作でかなりやりきったため、元々あったものに詰めようと思っても入らないので、ひとつひとつの要素を事細かに最適化して、新しいことができる余力を作りだしたり、画質を向上させたりしています。
――今後のDLCはどのようなものを予定しているのでしょうか?
林氏:まず本日より記念スキンを無料コンテンツ(※5月4日までの期間限定)として配信します。今回はスキンを変えて自分好みの画面で遊んでいただけるようにしていますので、そのバリエーションを増やしていきたいなというのがあります。あとはARライブとライブステージの曲として「ODDS&ENDS」と「Tell Your World」の2曲がライブ風に楽しんでいただけるようになっています(詳細はこちら)。
この先については、モジュールと楽曲はPSPからのリメイクを本編に収録していますが、まだまだたくさんのご要望をいただいていますので、それらを「F」クオリティでお届けしたいなと思っています。具体的な曲名や内容は発表できるタイミングまでお待ちいただければと思います。
――開発中にPVなどを見てホロリときたものはありますか?
林氏:若いスタッフが「メテオ」のPVを見てはずっと泣いていたようで、僕もホロホロとしていました。「メテオ」は元々の曲が8分以上ある大作で、発表されたときから好きだったのですが、今回リズムゲームにするにあたり、4分弱ぐらいまで縮めていただく必要がありました。当初は実現できるか分かりませんでしたので、ご相談したところ快諾いただけて、リズムゲームに収まった瞬間は違う意味でもホロリとしましたね。
大坪氏:僕は「桜ノ雨」ですね。今まで色んな事情で移植できず、今回ついにそれが叶うということで、音源を変えたり、映像も改めて作り直したりと、新曲並にイチから作っています。これを見るたびに「学生に戻りたいな」とか「学生時代の友人に会おうかな」と思ったり、ホロリときますね。
――最後にユーザーの方へメッセージをお願いします。
林氏:今回リズムゲームだけでなく、DIVAルームのコミュニケーション部分にも手を入れていますし、エディットモードも改善しています。リズムゲームで遊んでいただいて、さらにエディットモードで曲を作っていただいて、疲れてきたらルームでミクさんたちに癒される。ゲームから出られないぐらいの気持ちで楽しんでいただければと思います。
大坪氏:リズムゲームはもちろんですが、やっぱりコミュニケーションやエディットもこだわっています。エディットについてはpiaproさんと連動して音源を入手しやすくしたり、SCEさんにも協力いただいてエディットのアップロードをしやすくしたりと、ゲーム自体の使い勝手だけでなく、その周辺にもかなり手を入れています。大作のエディットデータが上がってくることを開発一同期待していますので、ぜひリズムゲームを遊んでいただき、一息ついたらエディットなどにも手を出していただけると嬉しいです。
――ありがとうございました。
イベントの模様は以上となるが、こちらでもお伝えしている通り、体験版の配信も開始となっている。体験版では4曲プレイできるほか、チュートリアルやオプション関係が充実しているというので、購入を迷っている方はまずこちらを触ってみるといいだろう。