「ペルソナQ」のQは「真・女神転生NINE」のNINEと何か関係があるのかしら? でおなじみの(?)の「ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス」のインプレッションをお届けします。

人気のあるタイトルや実績のあるタイトルが発売されると、遊びたい気持ちは強いけれどどうしてもナンバリングの若い方から遊びたい気持ちの方が勝ってしまって、なかなか新作に手を出せません。1作目をリアルタイムで遊べていれば、そのタイトルが有名になった時、続編に目が行きやすいのですが、発売当時に遊べてない場合、どのタイミングでシリーズ作品を遊んでいいのかわからなくなって、そのままそのシリーズに触れる機会がなくなってしまう不幸があります。

こういう時にナンバリングの付いていない関連作品が出て来ると、ナンバリングの呪縛から解放されて手が出しやすくなるのは大変ありがたいです。

「ペルソナ」と聞くと、「頭に“女神異聞録”って付かないの?」と真面目な顔で聞いてしまうくらいに「ペルソナ」シリーズをなかなか触れられないでいました。しかし、元々ダンジョンRPGは大好物で、古くはファミコンディスクシステムの「ディープダンジョン」もスーパーファミコンの「真・女神転生」も方眼紙にマップを描いて攻略していましたし、最近だと「新・世界樹の迷宮」で下画面にマップを描いて攻略していましたし、仕事では「ダンジョンRPG ピクダン」シリーズや「星霜のアマゾネス」のダンジョンのマップや謎を作っていましたし、とにかくボクはダンジョンRPGが好きなので、新しいダンジョンRPGを楽しむというスタンスで「ペルソナQ」に興味を持てたのはラッキーでした。

そんなスタンスで6月6日の夜にとある家電量販店に駆け込むと、幸運なことに先着購入者特典のサントラCD付きでソフトを買うことができました。

そんなわけで初「ペルソナ」。Gamerさんのサイト内のニュースやアトラスさんのWebサイトでは軽く情報を眺めていますが、あまり詳しい情報を頭に入れていない状態で、さてゲームスタート。

「どちらの物語を体験しますか?」

あっ、やっぱりそうなっちゃいますよね。まぁ、大抵の方はご存知だと思いますが、「ペルソナQ」は「ペルソナ3」と「ペルソナ4」のキャラクターが共演するゲーム。そのため、プレイヤーが感情移入すべき主人公は「ペルソナ3」の主人公と「ペルソナ4」の主人公のどちらかを選んでプレイを始めることになります。そういえば、パッケージにもこんな情報が書いてありましたね。

「ペルソナ」フリークな方々ならば、好きな方の主人公でプレイを始めると思いますが、ボクの場合はあまり情報がないので、困った時はナンバリングの若い方を選ぶという法則にのっとって、「ペルソナ3」の主人公でゲームを始めることにしました。普段、ゲームで名前を入れるときは「さけかん」と入れるのが定番なのですが、「ペルソナQ」では苗字と名前が最大3文字ずつ入力できるようになっているので、悩んだ結果、「酒缶 さけ缶」にしておきました。

続いて難易度の設定ですが、「SAFETY」「EASY」「NORMAL」「HARD」「RISKY」の5種類から選びます。「RISKY」以外を選べば、ゲーム中に難易度を変更することは可能ですが、ここは日本人の中庸の心を忘れずに「NORMAL」を選択。

ちなみにこの後、選ばなかった方の主人公の名前も入力することになるのですが、ネタが思いつかなかったので「おまかせ」で決めてもらいました。あっ、最初に選んだ主人公キャラの名前も「おまかせ」で決められますよ。

プロローグを進めていると、「ペルソナ3」の登場人物が次々現れ、中には初対面の人たちもいるようなので、心の中で「はじめまして」と思っていると、乗っているエレベーターが高速で下り始めたのでこれから学級裁判でも行われるのではないかとドッキドキしていると変なところにたどり着きました。

場面は変わって異世界の学校の文化祭。どうやら今後の活動のベースはここになりそうです。そんな場で少年・善と少女・玲に遭遇。善と玲はどうやら記憶を奪われたようで過去のことがわからず、ペルソナの存在も知らないようです。「ペルソナ」シリーズ初体験のボクとしては仲間を発見! と思った次第。

「ペルソナ3」のメンバーと善と玲は仲間として、一緒にダンジョンへと潜ります。最初のダンジョン名は「不思議の国のアナタ」。「不思議の国のアリス」をモチーフにしたダンジョンでした。

ダンジョンに潜って最初に気付くのが、壁がオシャレなこと。ダンジョンRPGのダンジョンというと、薄暗いイメージだったり廃墟感があったりしますが……あっ、このゲームでも廃墟感は十分にあるのですが、それよりもファンタジー系のノリがあるため、独特なグラフィックになっています。

ダンジョンの壁は探索中ずっと見ることになるので、あんまり独特な壁や背景だと繰り返し見ているうちに飽きることが多く、おんなじオブジェクトが並んでいて使い回し感が出やすいのですが、このゲームの場合、その飽きる感覚が全くありません。壁も床も配置物も幻想的で歩けば歩くほどワクワクします。ここから脱出しないといけないはずなのに、まだ漂っていたい、そんな感じ。

下画面には現在いるダンジョンのマップが表示されていて、マッピングをするようになっていて、オプションでオートマップをONにしておくと踏んだ場所に色が付き、隣接する壁は自動的に描いてくれるので、宝箱や扉のアイコンを配置したり、メモを書き記しながらマップを完成させていきます。このシステムは「世界樹の迷宮」シリーズですでに実績のあるシステムですが、昨年発売された「新・世界樹の迷宮」のシステムがさらに使いやすくなっている印象です。

大枠のアイコンをタッチするとそのカテゴリーのアイコンが表示されます。一部のアイコンと床は色を変更することができ、ダメージ床なら紫、池があって通れない床なら水色、というように自分で工夫すれば使い勝手の良い自分だけのマップを完成させることができます。

また、「宝箱」アイコンを配置するとすでに中身を取り出した宝箱の場合は開いた宝箱のアイコンに変わり、「抜け道」アイコンを配置すると通り抜けられる方向によって自動で矢印が変更されます。自分で描いているのに、情報が変化するマップ。とても素敵です。

ダンジョンのどこかにマップを踏破することで開く宝箱が配置されているので、マップを踏破しようという意欲を持ってプレイをすることができます。

2画面ゲーム機の場合、下画面のマップが完璧すぎると上画面に目がいかなくなる欠点がありますが、上画面の情報も無視できません。幻想的なビジュアルなのでなるべく上画面を見ておきたい気になっていますけど、それ以外にも、例えば抜け道になっている壁などは遠くから見てもわかるようなビジュアルになっているため、まず上画面でマップの状況を把握してから下画面に詳細を描いて、実際の移動はやっぱり上画面で行う、という目の動きになります。

そして、マップがある程度完成してくると、素早く移動したくなりますが、そんな時にはBボタンを押してダッシュ移動、何度も繰り返して同じところを移動するのが面倒だと思ったらAuto Pilotの機能を使い、下画面にルートを描くことで、オートで移動させることができます。

さらに、マップの一部の区画をクリアすると、その後はショートカットでその続きから探索できるような「世界樹の迷宮」ライクなマップのつくりになっているため、ダンジョンの攻略がかなり快適になっています。

極めつけは、次のフロアに進んだ後、ベースからダンジョンに入りなおすときに最終到達階からダンジョン探索をできるようになっていること。そのため、繰り返し序盤のダンジョンをうろうろする必要はありません。

ちなみに、ダンジョンから脱出するときには、アイテムがないと自力でスタート地点まで歩いて戻らないといけないのでアイテム「カエレール」を持っていくのを忘れずに。

あと、上画面を見て楽しむという意味で一番大事なのが、F.O.Eの存在。通常、ダンジョンをうろうろしていると敵と遭遇してバトルになるのですが、マップ上に常に見えている敵もいて、この敵のことをF.O.Eと呼びます。このF.O.Eは通常の敵よりも強い代わりに視覚的に見えているため、避けながら進むことができます。しかし、このF.O.Eが謎解きの要素になっているところがあるため、誘導していくのがダンジョンRPGとして新鮮で楽しい。

F.O.Eの存在も大事ですが、通常のバトルも大事。上画面の右下に表示されているエネミーアピアランスが赤く光った時に敵に遭遇しやすくなっていて、敵に遭遇するとバトルが始まります。

バトルでは善と玲は二人で一人ですが、それ以外のキャラクターは各キャラ固有のメインペルソナを一体装備した状態がノーマルの状態。実際にはバトルで手に入れたペルソナをもう1体装備することができるので、各キャラクターはペルソナを2体装備した状態でバトルに挑みます。

と言っても、深く考える必要はありません。「ATTACK」コマンドが武器を使った通常攻撃で、「SKILL」コマンドが装備しているペルソナの特殊能力を使った攻撃ということです(善と玲はペルソナは使えないけれど、彼らの持つ特殊能力をSKLLLとして使用可能)。どのペルソナを装備するかによって攻撃できる魔法が変わると言えば、無限の戦略性を感じていただけますよね?

バトル中にXボタンを押すとオートでATTACKを続けるラッシュを発動できるのですが、何も考えずにラッシュをしているといつの間にか全滅していることもあるので、ある程度力差がはっきりとわかる状態になっていない敵にラッシュは危険です。

バトルでは主に敵の弱点を突く攻撃が主体になります。最初は弱点がわからないので、できるだけいろいろな属性で攻撃して弱点を把握して、次からはその弱点を突いた攻撃を繰り返します。Lボタンを押せばアナライズ画面を表示してこれまでに把握できている敵の弱点の把握をできるので、うまく活用していきましょう。

弱点属性を攻撃しているとそのキャラクターはブースト状態になり、最速で行動ができ、スキルの消費コストがゼロになります。ブースト状態の仲間が増えると総攻撃や追撃も発生しやすくなるため、バトルではとにかく弱点属性を把握することが大事です。

バトルで勝つとペルソナが手に入ることがあり、ブースト状態の仲間が多いほどペルソナを入手しやすくなっているので、ブーストをいかに継続していくかがポイントになります。

ベースに戻ると、便利な施設があります。

善と玲以外のキャラクターはペルソナを装備することができますが、「ベルベットルーム」に行くと、ペルソナ合体をすることができます。ペルソナ合体とは、2つのペルソナを合体させて新たなペルソナを生み出す行為で、ゲームが進むとペルソナ3体を合体させるトライアングル・スプレッドもできるようになります。

マップにはきらきら光っているパワースポットがあり、パワースポットではいろいろな素材を手に入れることができるのですが、この素材を「てづくりこ~ぼ~」に売ると、売ってもらえる武器やアイテムが増えていきます。

「保健室」は倒れた仲間を復活させたり体力を回復させたりするのに活用しますが、のちに依頼を受ける場としても活用することになります。

攻略を進めていくと、「ペルソナ4」の仲間たちが登場して、大所帯のチームが完成します。ダンジョンに潜るメンバー構成はもちろんのこと、誰にどのペルソナを割り当てるか、かなり悩むことになりそうです。

今回は「ペルソナ3」の主人公でゲームを始めた場合の話でしたけど、「ペルソナ4」の主人公を選んだ場合には、ちょっと違った展開を楽しめますよ。

まだまだ正味10時間程度、ゲーム全体のほんの一部しか楽しんでないですけど、「ペルソナ」のキャラクターは個性的で掛け合いも面白く、キャラクターをもっと掘り下げて楽しみたいと思ってしまいました。また、ダンジョン部分はビジュアルが魅力的でシステムもしっかりしていて依頼という名のミッションも豊富にあるようなので、かなり長く遊べそうです。

でも、やっぱり「ペルソナ」をもっと知ってから遊びこみたいので、続きを遊ぶ前に「ペルソナ3」の世界へ行ってきます。戻ってきたら「ペルソナQ」の続きをやるんだ。

ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス

アトラス

3DSダウンロード

  • 発売日:2014年6月5日
  • 12歳以上対象
  • ニンテンドーeショップ

プロフィール

酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/

■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DI3T160/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション4」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00IXLHLVE/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション5」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00KA6CZWU/

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(C)ATLUS (C)SEGA All rights reserved.

※画面は開発中のものです。

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この記事のゲーム情報

機種
3DS
プラットフォーム
パッケージダウンロード
OS
会社
アトラス
シリーズ
ペルソナ
ジャンル
RPG
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