一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会は、「CEDEC AWARDS 2014」の5部門における最優秀賞を決定、本日9月3日付けで発表および授賞式を実施した。
「CEDEC AWARDS」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカスし、技術面から開発者の功績を称え表彰するという企画。2008年に初めて開催され、今回で7回目の開催を迎えた。去る7月11日に、「CEDEC AWARDS 2014」の最優秀賞候補となる「エンジニアリング」「ビジュアル・アーツ」「ゲームデザイン」「サウンド」「ネットワーク」の5部門、計25の個人・団体の優秀賞授賞者(最優秀賞ノミネート)が決定され、この中からCEDEC 2014受講申込者、講演者ならびにCEDEC運営委員会の投票により、各部門の最優秀賞授賞者が選出される。
今回は、本日会場にて発表された最優秀賞の受賞者およびその授賞理由が公開された。
CEDEC AWARDS 2014 最優秀賞
エンジニアリング部門
ゲームエンジンの民主化を更に推進
「Unreal Engine 4」開発チーム(Epic Games)
授賞理由:先進的な開発環境やシェーディング技法を取り入れ、わずかな月額課金でソースコードを公開することにより、ゲーム開発者へ技術情報の開示を行った点を評価。
ビジュアル・アーツ部門
3DCGゲーム開発黎明期から多くのアーティストを支え続けた陰の立役者
「SOFTIMAGE」開発チーム(Autodesk)
授賞理由:3Dゲーム開発黎明期から現在に至るまで数多くの作品、アーティストを生み出し続けている3Dコンピュータグラフィックスの制作用ソフトウェア。その存在はアーティストにとって、苦楽を共にした相棒のように大きく、今もなお新たな作品、アーティストを生み出し続けている。ゲーム業界の発展に貢献した功績は大きい。
ゲームデザイン部門
擬人化・女性化という手法を艦船に応用したコンセプトワーク
「艦隊これくしょん」開発チーム(株式会社DMM.com/株式会社角川ゲームス)
授賞理由:ミリタリーという分野でも特に擬人化、女性化が難しいと思われる艦船を、その特徴的な部分をキャラクターに残し、広く受け入れられるコンテンツに昇華させた点を評価。
サウンド部門
ファンとの交流を通じてゲーム音楽を文化に昇格させるための積極的取組み
坂本英城氏(株式会社ノイジークローク)
授賞理由:「討鬼伝」など評判の高い自らの音楽制作はもちろん、2日におよぶゲーム音楽イベント「沖縄ゲームタクト2014」の企画、ゲームコンポーザーによるトーク&ライブの配信、「世界で一番長いゲーム用書き下ろし楽曲」としてギネス世界記録認定など話題作りやファンサービスを通じて、ゲーム音楽を文化に昇格させるための積極的取組みを評価。
ネットワーク部門
PS4のユーザー自身による体験の配信と共有手段
「PS4 Share」 開発・運営チーム(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
授賞理由:ユーザーのゲーム体験を自由に共有できる手段を、権利的にクリアな形でプラットフォームが提供したことを高く評価。観るだけでなく、参加する形の共有ができることへの将来性に期待。
CEDEC AWARDS 2014 特別賞・著述賞
コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した方を表彰する「特別賞」と、ゲーム関連書籍の著者に贈る「著述賞」は以下の通りで決定しております。
特別賞:すぎやまこういち氏
国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの作曲家であるすぎやま氏は、同作品をはじめとする数々のゲーム音楽の楽曲制作および演奏活動に携わってきました。音源の性能に頼らなくとも純粋に譜面の力でプレイヤーを魅了できることを証明し、今日のゲーム音楽発展の礎を築きました。また、すぎやま氏自らがタクトを振るう交響組曲「ドラゴンクエスト」のフルオーケストラコンサート開催など、ゲームユーザーに留まらない幅広い層の支持を受け続けています。
著述賞:DeNA
著書:「Mobageを支える技術~ソーシャルゲームの舞台裏~」(技術評論社・刊)
著者:DeNA(株式会社ディー・エヌ・エー)
執筆担当:小野篤司、城戸忠之、小林篤、渋川喜規、嶋田裕二、武部雄一、立花啓、濱田晃一、藤井正義、松信嘉範、山口徹(敬称略)
ソーシャルゲーム開発においては、フロントエンドからバックエンドまで、広く深い知識が求められます。本書では、これら各領域の開発・運用テクニックを網羅的に解説しています。初心者は技術を俯瞰的に把握でき、経験者は再検討に役立てることができる充実した内容となっています。