日本ファルコムが2014年9月25日に発売を予定しているPS3/PS Vita用ソフト「英雄伝説 閃の軌跡II」。ここでは、間もなく発売を迎える本作のプレイレポートをお届けします!

これまでさまざまな視点による「閃の軌跡II」にちなんだ連載を展開してきましたが、発売が迫るこのタイミングで、ゲーム序盤を遊んでみて気づいたポイントを紹介したいと思います。
なお、前作「閃の軌跡」から引き続いている部分については今回は割愛しますが、基本的な部分は前作のプレイレポートやまとめ記事で紹介していますので、そちらをご参照いただければと思います。
まず最初に紹介したいのはストーリー部分。本作の序章では、前作「閃の軌跡」のラストで《VII組》の仲間たちと離れ離れになった傷心のリィンが再び立ち上がるまでの過程が描かれます。
その主な舞台となるのが、リィンとその妹・エリゼのふるさとであるユミル。「閃の軌跡」の限定版に付属したドラマCDで描かれたユミルの街、そしてリィンの両親がこうして映像で楽しめるというのは、それだけでもファンにはたまらないところでしょう。
ユミルでのさまざまな人との交流によって徐々に心を解きほぐしていったリィンでしたが、とあるきっかけを経て《VII組》の仲間たちを探す旅に出ます。その後はユミルを拠点に、広大な帝国のさまざまな場所に足を運び、《VII組》の仲間たちと再開し、行動を共にしていくことになります。
前作が学院生活という、ある意味で日常的な雰囲気を描き出していたのに対し、帝国内での内戦を描く今作では、動乱の最中にリィンたちが実習で得た経験をもとにどういった行動をしていくのかという、動的な物語の表現になっているように思います。前作以上にシーンごとに何が起こるのか、目の離せない展開が待ち受けていることでしょう。
続いて戦闘の変化したポイントとして、基本的な要素の中ですとスロットが3段階になったことが挙げられます。「閃の軌跡」ではスロットを開放することでクオーツを装備できるかたちでしたが、今作ではさらに各スロットを3段階まで拡張できるようになりました。これは軌跡シリーズのプレイヤーであればおなじみといったところでしょうか。
それによって何が変わったのかといえば、ひとつはアーツを繰り出す上では欠かせないEPの総量をより増やせるということ、そしてもうひとつがレアクオーツを装備するためにはスロットを2段階以上にする必要があるということです。
前作ではレアクオーツを装備する上での制限は特になかったのでマイナス要素に捉えられてしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。あくまでもレアクオーツに秘められた力をより引き出せるようになったということであり、前作以上にレアクオーツが冒険の助けになってくれることは間違いないでしょう。
また、戦闘における各キャラクター固有の技であるクラフトについても、単純に威力が強化されたものから新規のものまで、ゲームを進める中でさまざまなものを新たに覚えていきます。さらに、通常攻撃のモーションについてもキャラクターごとに一新されているので、前作と見比べてみるのも楽しいかもしれません。
そして、戦闘における今作の注目ポイントとなるのが、「戦術リンク」の発展形として新たに追加された「オーバーライズ」です。相手に攻撃を加えていくと画面右上にある円形のアイコンのゲージが溜まっていき、ゲージがマックスになると発動できるようになるという、Sクラフトと同様にタイミングが肝要なシステムとなっています。
攻撃コマンドで方向キーを押すと発動可能なオーバーライズでは、まず戦術リンクでつながっているパートナー同士で数ターンの間、連続行動を取ることができます。発動中は通常攻撃やクラフトでの体制崩しが100%発生、さらに発動に時間がかかるアーツも即座に発動できるなどの恩恵がありますが、筆者が触れておきたいのが発動時のボーナスです。
発動する際にはHPとCPがそれぞれ回復するという効果があるため、例えば劣勢時に発動すればHPが回復することでピンチを脱しつつ、CPがあればそれだけ戦略の幅が広がることになるので、一気に形勢を逆転するといった流れにもっていくことも可能です。効果的に攻撃を加えていればすぐに溜まるので、通常戦闘ではドンドン使って、ボス戦では状況を見て発動するといった、選択の幅の広さも魅力的なシステムと言えるでしょう。
もちろん、触れ忘れてはいけないのが新たに参加するパーティーキャラクターたち。序章~1章の途中まで遊んだところではトヴァル、エリゼ、クレアを操作できたのですが、トヴァルは自身の装備するクイックキャリバーによるアーツ発動の早さ、エリゼは兄とともに修業を積んできた剣技とバリエーション豊かなクラフト、クレアは《氷の乙女(アイスメイデン)》の名に相応しい強力なクラフトの数々と、それぞれに特徴的なキャラクターとなっていました。
このほかにもゲスト参加するキャラクターは続々と参加するということで、このあたりは軌跡シリーズ、ひいては英雄伝説の系譜を汲んだ熱い展開が待っていることに期待せずにはいられないところです。
戦闘についてはそのほかにもリィンの「神気合一」など新要素が盛々ですが、その中でも比較的序盤で楽しめる「騎神戦」についても触れておきたいと思います。
前作のラストで登場した《灰の騎神》ヴァリマールに乗って戦う騎神戦ですが、基本的な特徴は前作と同様、いかに相手の弱点の部位を攻撃するかという点になります。
さらに今作では、パートナーを選択することにより、「EXアーツ」「チャージ」「神気」といった特殊コマンドが使用可能になりました。相手の機甲兵(パンツァーゾルダ)たちは複数で攻めてくることもあるため、状況によってはピンチになってしまうことも。そんな時には各パートナーごとに特徴の異なるEXアーツをはじめ、リィンとヴァリマールを助けてくれる仲間たちの力を活用しましょう。
序盤ではそこまではたどり着けませんでしたが、ゲームが進むと通常戦闘でヴァリマールが使用できる特殊クラフト「騎神召喚」も選択できるようになります。ストーリー進行においても大きな役割を担うヴァリマールの活躍を存分に楽しめることかと思います。
本作では、前作のクリアデータを読み込むことで、アイテムセットや装備用アクセサリなど、クリアデータの内容に応じたボーナスコンテンツを手に入れた状態でプレイを開始することができます。
さらに、そのクリアデータでキャラクターごとの絆を深めていた場合、そのキャラクターとの会話台詞が変化します。わかりやすいところで言うと、《VII組》メンバーとの再会のシーンなどはぜひ注目してもらえればと思います。
そのほか、前作に登場したカードゲーム「ブレードII」に加えて、新たに登場するミニゲームにも期待したいところ。ユミルで楽しめる「スノーボード」は、コース上のフラッグを取得しながら制限時間内にゴールするというシンプルなものですが、徐々に高レベルコースが開放されていくようなので、どんなコースが待ち構えているのか、そしてクリアできるのかという点で気になります。
ゲーム序盤を遊んだだけでもこれだけの新要素を感じることができましたが、これらの要素が際立つのも、さまざまな地で問題を解決しながらキャラクターたちが成長していく作品としての根幹があってこそだと思います。シリーズの最新作としての期待に違わない仕上がりになっていますので、ぜひプレイしてみてください!