2014年10月29日より東京都の日本青年館大ホールにて公演が行われる「ダンガンロンパ THE STAGE」。それに先立ち、10月28日に関係者向けの公開ゲネプロが実施されたので、その模様をお届けしよう。
公演前には主演の本郷奏多さんや、演出・葉隠康比呂役(ダブルキャスト)のNON STYLE・石田明さんらが、今回の公演への意気込みを語ってくれた。
本郷奏多さん:我々一同、原作を勉強しながらみんなで一つの作品を一生懸命、イメージを大切に作り上げてきました。その結果、すごくいいところに着地できたのかな、と思っています。見応えのある、それでいてイメージを大切にした作品になりました。(演出の)石田さんが、みんなをとてもうまくまとめてくれました。フルパワーで演じていきますので、皆さん楽しみにしていただけたらと思います。
石田明さん:演出という慣れない経験の中、頼りになる役者さんたちに支えられてここまできました。原作好きの役者さんたちばかりで、すぐにこちらの説明をわかってもらえました。本当に面白い舞台になったと思います。途中から皆さんの頑張りで涙腺が崩壊し始めましたが、本当に良い経験をさせてもらいました。この「ダンガンロンパ」の舞台を、色んな方に楽しんでもらいたいです。
演出・葉隠康比呂役を務めた石田明さんにインタビュー
フォトセッション後、短い時間だったが、石田明さんのインタビューが行われたので、その様子もお届けしよう。
――今回の舞台は石田さんにとってどのようなものになりましたか?
石田さん:2008年のM-1優勝以来、自分が成長したといえる一年になるでしょう。それくらい良い経験が出来たと思っています。
――舞台の見所について教えてください。
石田さん:「ダンガンロンパ」というのはキャラクター自体がとてもしっかりしている作品なので、その中でキャラクターの良さを大事にしながらもキャストそれぞれの人間性などを出しながら、ゲームやアニメにはなかった世界観をいれたりして、面白く仕上がっていると思います!
――皆さんついてきてくれましたか?
石田さん:そうですね、こちら(※上記写真のポーズを取って)でちょっと誘惑しましてね!(笑) いやでも本当に皆さん仲良くなって、夜はみんなでご飯に行ったりだとか、LINEグループも作ったりとかしましたね。
――ありがとうございました!
ストーリー
あらゆる分野の超一流高校生を集めて育て上げる為に設立された、政府公認の特権的な学園「私立 希望ヶ峰学園」。この学園を卒業できれば、人生において成功したも同然とまで言われている。何百年という歴史を持ち、各界に有望な人材を送り出している伝統の学園である。
国の将来を担う“希望”を育て上げるべく設立されたこの学園に、これまで至極平凡な人生をひた歩んできた主人公、苗木誠(本郷奏多)もまた、入学を許可されていた。平均的な学生の中から、抽選によってただ1名選出された“超高校級の幸運”として…。
入学式当日、玄関ホールに足を踏み入れたその瞬間急なめまいが苗木を襲い、彼はその場で気絶してしまう。気がついたときには、希望ヶ峰学園の校舎と思われる、密室となった建物の中だった。「希望ヶ峰学園」という名前にはほど遠い、陰鬱な雰囲気。薄汚れた廊下、窓には鉄格子、牢獄のような圧迫感。
その後入学式へと集まった生徒たちに、この学園の学園長と称する「モノクマ」は語りかける。「これから皆さんには一生ここで暮らしていただきます。学園から卒業したければ仲間を裏切ること、つまり…殺さなくてはなりません。」と。
主人公の苗木を含め、この絶望の学園に閉じ込められたのは、全国から集められた超高校級の生徒15人。生徒の信頼関係を打ち砕く事件の数々。卑劣な学級裁判。黒幕は誰なのか。その真の目論見とは……。
目に見えない敵との戦いが今、幕を開ける。
凄まじい展開を見せる舞台に圧倒される!
実際の舞台の内容についてはネタバレ厳禁とあってあまり深くは紹介できないが、あの濃いストーリーを約3時間という上演時間内の中でよくぞやりきった、というような内容にまとめられている。
今回の舞台のストーリーは、「ダンガンロンパ」という作品を最も濃く凝縮した内容になっており、ファンはもちろんのこと、初めて「ダンガンロンパ」に触れる人にとってもゲームやアニメに興味を持つ、良いきっかけになるだろう。
舞台の中心にある大きなモニターは、場面に応じて役者の演技を映したりモノクマの登場シーンに使用されたりと、違和感なく溶け込んでいた。モニターのおかげで役者陣の細かい表情の演技なども楽しめ、その熱演ぶりをとても身近に体感できた。
主に黒子として登場するモノクマダンサーズも、モノクマらしい可愛らしさと残忍さを表す、影の功労者と言える。随所で出てくるモノクマダンサーズのキュートさには、ぜひ注目していただきたい。
期待を裏切らない再現度
各キャラクターの見た目はもちろんのこと、声や話し方なども原作のイメージを忠実に再現されており、山田一二三や大神さくらなどは、体型まで見事に再現されていた。しかも、現実世界にいたら明らかに異質であるはずの彼らに、違和感を全く感じないのだ。
「ダンガンロンパ」のキャラクターといえば各キャラクターの強烈な個性も魅力のひとつだが、そのイメージを壊さず、それでいて“リアルに存在する身近な誰か”として受け止められるようになっている点は、素晴らしいの一言に尽きる。
原作ファンならばお馴染みの、あのキャラクターやあのキャラクターなどについても、その期待を裏切らないはずだ。
原作にもある”笑い”の部分をうまく活かして、緊張感のある舞台に時折ほっと心の安らぐ場面も挟まれている。コメディタッチのシーンが入ることにより、見ている客席側からも良い緩急の感じられる構成となっていた。
ファンに好評な音楽も、舞台でふんだんに使用されとり、「それは違うよ!」などの苗木誠のお馴染みのセリフと共に入る効果音も再現されているので、そういった細かい部分にも注目すれば、より深く舞台を楽しめるだろう。
運良くこの公演のチケットを手に入れられたファンは、存分にリアルの世界に生きる彼らと共に、泣いて、笑って、喜んでほしい。ゲームの中だからこそ強烈なインパクトだった「ダンガンロンパ」の世界が、今自分の手の届くところにあると、きっと感じられるはずだ。
作品「ダンガンロンパ THE STAGE」
公演
2014年10月29日(水)~11月3日(月)/日本青年館 大ホール
出演
本郷奏多 / 岡本玲 / 小澤亮太 / 大沢ひかる / 藤江れいな(NMB48)※Wキャスト / 大島なぎさ ※Wキャスト / 石田晴香(AKB48) ※Wキャスト / 奥仲麻琴(PASSPO☆) ※Wキャスト / 石田明(NON STYLE) ※Wキャスト / 松風雅也 ※Wキャスト / 八神蓮 / 高木万平 / 池端レイナ / 向清太朗(天津) / 山口ゆきえ(カーニバル) / 宮下雄也(RUN&GUN) / 田中日奈子 / 風間トオル(映像出演) / 大山のぶ代(声の出演) / 神田 沙也加
チケット料金
S席:7,500円 / A席:5,500円 / 特別傍聴席:9,500円(税込・全席指定)
原作
スパイク・チュンソフト
演出
石田明(NON STYLE)
脚本
堀江慶
シナリオ監修
小高和剛(スパイク・チュンソフト)
音楽
高田雅史(サウンドプレステージ)