ニュース更新の少ない年始だからこそ、自分たちの思い入れのあるゲームを紹介したい! そんなGamer編集部のメンバーたちが好き好きに書きなぐった、冬休みゲーム特集をお届け。ここでは、バンダイナムコゲームスが手掛けた”君と響きあうRPG”「テイルズ オブ シンフォニア」を紹介する。

目次
  1. 身分、種族、偏見、差別…さまざまな“心”が奏でる物語
  2. 仲間との連携が重要な「ユニゾン・アタック」が決め手!バトルシステムを紹介
  3. そして物語は、本当の世界再生の旅へ

「テイルズ オブ シンフォニア」は、「テイルズ オブ」シリーズの本編作品第5作目。2003年8月にゲームキューブ用ソフトとして発売され、その後2004年9月にPS2用ソフトとして移植された。

2013年には、本作の2年後を舞台とした続編「テイルズ オブ シンフォニア-ラタトスクの騎士-」を同時収録したPS3用ソフト「テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック」も発売されている。

“テイルズオブ”シリーズといえば、王道のファンタジーRPGを連想する人が多いだろう。当然本作もその例に漏れることはないのだが、シンフォニアは特に“偏見や差別”といったものがテーマとして取り入れられており、こういった問題が絡み合う綿密なストーリーにぜひ注目してほしい。

身分、種族、偏見、差別…さまざまな“心”が奏でる物語

目の前の人間も救えずに、世界再生なんてやれるかよ!

本作の舞台は、全ての生命の源である“マナ”の減少によって衰退していく世界・シルヴァラント。主人公である17歳の少年・ロイドは、ある日幼馴染の少女・コレットが神託を受けたことを知る。世界を救うカギを握るとされる“マナの血族”の末裔であるコレットは、これをきっかけに衰退する世界を救うための苦難の旅、“世界再生”の旅に出ることに。

人々を救うための行為だと信じ、数々の苦難を乗り越えてきたロイドたちだったが、その旅程でもう一つの世界・テセアラの存在を知ることとなる。テセアラは、シルヴァラントと背中合わせのような関係にあり、お互いにマナを奪い合うことでその存在が成り立っていた。世界再生を成功させること…それはつまり、表裏一体である裏世界・テセアラを“衰退”させることを意味していたのだ。

世界を救うために苦難の旅に出るという、RPGではまさに王道の展開ではあるものの、背中合わせのもう一つの世界の存在が重要な要素となっている。自らの大切な人たちを守ることは、もう一つの世界を、そこに住む人たちを苦しめることになる。本作のストーリーは、そういったジレンマを抱えながら語られていく。

また本作には、人間のほかにエルフやハーフエルフ、ドワーフなど、人に近しい種族が多く共存している。彼らには当然、それぞれの歴史や文化があり、それ故に衝突や和解を繰り返すことが往々にしてあるわけだ。

一つの世界に共存する複数の種族たち

たとえば、エルフは生命の源であるマナを紡ぐ力を持ち、また寿命も人間より遥かに長寿で非常に優秀な種族といえるものの、遠い昔からハーフエルフとの不仲が続いていた。それは彼らがマナを利用した兵器である魔科学兵器の開発に協力したからであり、その行為に憤りを感じているエルフたちは、長い歴史の間常にハーフエルフに対して嫌悪感を抱いていた。

一方で、ハーフエルフたちはエルフに似た容姿や能力を有しており、また積極性や好奇心などの性格面では人間に近い性質を持っていた。双方の特徴を顕著に受け継いだ種族であるが、それゆえにか人とエルフの双方から差別されてしまう。

ロイド・アーヴィング(CV:小西 克幸) コレット・ブルーネル(CV:水樹 奈々)
人間であるロイドやコレットだが、ハーフエルフであるジーニアスとは深い絆で結ばれている。
しかし、それが原因で村の学校では浮いた存在になることもしばしば…。
ジーニアス・セイジ(CV:折笠 愛) リフィル・セイジ(CV:冬馬 由美)
聡明なジーニアスとリフィルの姉弟。聡いがゆえに、物事を見極めるのも早く、諦めも早い。
ジーニアスは、ロイドの人を差別しない人格を尊敬し、彼を深く慕っている。

本作のストーリーでは、こういった種族間における差別問題などが多々取り上げられ、物語の核心に迫る重要な要素の一つとなっている。本編において、幼い頃に父母を亡くしドワーフの養父に育てられた生い立ちのロイドは種族や立場に対する偏見がなく、そういった理不尽に真っ向から立ち向かっていこうとする。だが、その愚直なほどの真っ直ぐさゆえに他者と衝突することもあり、私たちにとっても決して遠い存在ではない差別や偏見といったものに葛藤する姿がプレイヤーの心を揺さぶるのだ。

仲間との連携が重要な「ユニゾン・アタック」が決め手!バトルシステムを紹介

同じ直線上に配置された敵・味方全てがリアルタイムで行動する「テイルズオブ」シリーズの伝統、「リニアモーションバトルシステム」。本作では、3D化にともなって本システムも進化し、敵味方のラインが平面上に複数置かれる「マルチライン・リニアモーションバトルシステム」へと発展された。

本作の戦闘では、フィールド上のキャラたちは各々がターゲットする敵と見えないラインで結ばれており、ターゲットを切り替えることでこのラインも変更される。これによって広いフィールドの中でより立体的な戦闘が楽しめるようになった。また、本作には技に「特技」・「秘技」・「奥義」の3種類が存在する。これらは左記の順番で連続して繰り出すことができるので、過去作よりもよりアクション性が強い戦闘システムになっている。

さらに、すべてのキャラクターには秘奥義というものが設定されており、戦闘中にさまざまな条件を満たすことで発動することができる。キャラクターによって条件が異なるため使用するのは難しいが、その分威力は申し分なく、何よりもキャラクターのカットインと共に開始される専用のモーションは圧巻の一言に尽きる。

大きな可能性を秘めた連携技「ユニゾン・アタック」

本作の最大の特徴でもある「ユニゾン・アタック」は、1体の敵に対して仲間が連続で術・技を畳み掛ける連続攻撃。戦闘中に敵にダメージを与えることでユニゾン・アタックゲージが溜まっていき、このゲージが最大になると発動可能になる。ユニゾン・アタック発動中は、事前に設定しておいた術・技を対応したボタンとスティック操作で発動でき、敵に対して大きなダメージを与えることできる。

また、ユニゾン・アタック中に特定の術・技を発動することで、“複合特技”と呼ばれる特殊な攻撃を繰り出すこともできるぞ。たとえば、ロイドの「虎牙破斬」とコレットの「ピコハン」をユニゾン・アタック中に使用すると、複合技「ピコ破斬」が発動する。組み合わせは実に多岐に渡るので、さまざまな技を試してどのような複合技が発生するか、いろいろと調べてみるのも楽しさの一つだ。

コレットの術「ピコハン」と、キャラクターの一人・プレセアの技「崩襲撃」の複合技。
巨大な斧を振り回して戦うプレセアだが、なんとその斧がピコピコハンマーに。思いのほか威力は抜群…?

自分の好みに合わせてキャラをカスタマイズできる「EXスキル」

EXスキルは、EXジェムと呼ばれるアイテムを使い、キャラクターにさまざまな効果を及ぼすことができるシステム。主な効果は攻撃力を上昇させたり防御力を上昇させたりと、パラメーターに関わるものが多いが、中には基本攻撃回数が増えるものや、特技後にもう一度特技が出せるものなどもある。

EXスキルには、レベル1~4までの種類が存在し、各キャラごとに最大で4つまで装備することができる。レベル1~4までのEXジェムはそれぞれ4種類のEXスキルを持ち、その中から1つを選択して自由に選択できる。

また、各EXスキルにはT(テクニカル)タイプとS(ストライク)タイプがある。どちらかを多く装備することで、キャラクターのタイプがTかSタイプに変化し、習得する術・技に影響を及ぼす。タイプがTだと、手数の多い技や範囲の広い術・技を覚え、Sだと単発かつ高威力な術・技を覚えるといった具合だ。なお、装備した種類が同数だと変化しないので注意しよう。

かっこよさだけじゃない!見た目やステータスにも影響する「称号」

ストーリーを進めていくと、随所で多彩な称号を習得することができる。これらの称号は、装備することでキャラクターのレベルが上がった時に各種ステータスをより上昇させてくれるので、ぜひいろいろな称号を見つけていこう。中には、水着や着ぐるみなど、キャラクターの見た目を変化させるものもあるので、こちらも見逃せないぞ。

そして物語は、本当の世界再生の旅へ

当時本作をプレイしていた筆者は、世界再生の真の目的やシルヴァラント・テセアラの関係など、緻密に築き上げられたストーリーとバックボーンである世界観に大きな衝撃を受けた。特に、過酷な試練をこなしていく中で焦燥していくコレットの姿と、それを歯痒い思いで見守りながら旅に同行するロイドとの関係は印象深く、要所に差し込まれたアニメーションムービーは今でもはっきりと記憶している。

本稿では、大まかなストーリーやゲームシステムについて紹介しているが、このほかにも本作にはまだまだ魅力的な要素が多数ある。本稿にて取り上げられなかった各キャラクターたちが抱える葛藤や悩み、そしてそれらが絡み合って展開される物語はきっと感動を覚えてもらえると思う。ここで筆者自身がその魅力のすべてを紹介しきれないのは大変心苦しいところではあるのだが、これを見て少しでも本作に興味を持ってくれた人がいたならば幸いだ。

テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック

バンダイナムコゲームス

PS3ダウンロード

  • 発売日:2013年10月10日
  • 12歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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