スクウェア・エニックスは3月28日、、ウェアハウス川崎にて「ロード オブ ヴァーミリオンIII」の公式配信イベント「ヴァーミリオンフェスティバル2 紅蓮勢力戦争最終決戦」を実施した。
「ロード オブ ヴァーミリオンIII」は、スクウェア・エニックスによるオンライン対戦型トレーディングカードゲーム。筐体で実際のカードを使い、4対4のプレイヤー同士で行われる戦略性の高いシステムに、「ファイナルファンタジー」シリーズや「ギルティギア」シリーズといった様々な人気タイトルとのコラボレーションが特徴の人気アーケードゲームだ。
今回行われた「ヴァーミリオンフェスティバル2 紅蓮勢力戦争最終決戦」は、2015年3月1日から23日にかけて全国で実施された、「紅蓮勢力戦争」の勝敗を決める戦いだ。全国のプレイヤーが皇国軍と反乱軍、2つの陣営に分かれ、それぞれが獲得した累計ポイントの多い方が、勝利チームに参戦したプレイヤーはさまざまな得点を入手できる。
今回のイベントでは投票で選ばれた、それぞれ皇国軍・反乱軍に所属する総勢16名のトッププレイヤー同士による熱戦が展開された。当日会場で発表された、新バージョンである「Chain-Gene」の最新情報と合わせて、その模様をお届けしていく。
「紅蓮勢力戦争」の結末を賭けた、トッププレイヤー達による決戦!
今回のイベントの総合司会を務めるのは、「LoVIII」にも出演している、声優の三宅麻理恵さん(ブリュンヒルデ役)と荒川美穂さん(コノハナサクヤ役)の2人。加えて、紅蓮勢力戦争の実況・解説役として、声優の立花慎之介さん(ラムザ役)、「ロード オブ ヴァーミリオンIII」ゲームプランナーのノイ氏が登壇。大のゲーム好きで熱心な現役「LOVIII」プレイヤーとしても知られる立花さんだが、本日はなんとゲスト声優ではなく解説役としての出演となっており「まさか、解説として呼ばれることになるとは……」と慣れない立ち位置にやや困惑気味の様子だった。
個性豊かなそれぞれの陣営を代表する16名のプレイヤーが入場した後、いよいよ紅蓮勢力戦争の最終決戦の幕が上がる。これまでの累計獲得ポイントは皇国軍が11926110P、反乱軍が11596050Pとなっており、僅かに皇国軍が優勢という状況で、これから行われる各試合ごとの獲得ポイントこそ明かされなかったものの「頑張れば十分に逆転が可能」な範囲とのこと。それぞれ勝利への自信を聞かれた両チームは、敵チームの強さを称えつつも、「味方が強いのでどうにかなる」とチームメイトを信頼したコメントで自信を覗かせていた。
まず戦いの火蓋を切る第1・2回戦は、通常のスタンダードな全国大会ルールによる対戦でスタート。第1戦に出場したプレイヤーは2第戦には出場できないため、同じチーム同士の戦いながら全く異なる試合展開が繰り広げられることになる。
第1戦目では、プレイヤー人気投票で1位も獲得した一軍隊選手が、開幕アフロディーテ&ペイルライダーという超攻撃的な編成で序盤から戦況を荒しにいくものの、対するおもち選手&ダメダメ選手がこれを見事に凌ぎきり、その勢いのまま反乱軍は最も戦略的に重要な中央のタワーを確保することに成功。タワーを抑えられ、左右のストーンも均等に削られてしまうという非常に厳しい状況の中、皇国軍は残り80秒から複数のメンバーがアルティメットスペルを連続して発動し、一発逆転の攻勢に出る。対する反乱軍もアルティメットスペルを次々と発動させ、1戦目から総力戦といった、力と力のぶつかり合いの様相に。しかし早い段階で中央のタワーを取られてしまった不利はやはり響き、リードを守った反乱軍の勝利となった。
2戦目も同じく、攻める皇国軍と守る反乱軍という対象的なスタイルで、反乱軍は1戦目と同様に守りを固め、序盤の皇国軍のヘラとカイネによる猛攻を凌ぐことに成功。しかしここでカウンターから攻めに転じた不意に、強力なアテネが撃破されてしまうという手痛い展開になってしまう。皇国軍はそのまま中央のタワーを制圧し、反乱軍がそれを取り返すべく左右から部隊を動かそうとしたところをすかさず叩くという完璧な荒しのパターンが成功し、有利な状況を作り出す。しかし、反乱軍もここから皇国軍の大型使い魔がいなくなった隙をつき、中央のストーンに殺到し、凄まじい勢いでストーンを削っていく。だが、あと一歩というところで僅かに時間が足りず、中盤の有利を守った皇国軍が勝利を収めた。
1戦1敗という互角の戦績で迎えた3・4戦の対戦ルールは、それぞれのプレイヤーがストーリーモードをプレイし、クリア時の残りタイムを合計して多かったチームが勝利となるタイムアタック形式。これまでの大会では行われなかった新しい試みながら、これが大きな盛り上がりを見せることになる。
まず第3戦のステージになったのは、屈指の難易度の高さを誇る「マギナレム大神殿 血戦」。敵を倒しながらストーンを削っていると、次々と強力な敵が湧き出してくるというステージだ。しかし今回の視点となった皇国軍の仁義なき青井選手は、このステージに対して「戦わずに勝つ」と戦術を名言。最初に出現するラケシス、クロートーを囮であるレネゲイドひたすら誘導し続け、残る全員でストーンを破壊するという驚きの戦法を披露し、3桁残せれば早いといわれるステージを、259秒を残しつつクリアするという素晴らしいプレイングを見せつけた。皇国軍は全員がこの戦術を使い、チーム平均が250秒を超えるという1000点を超えるすさまじい成績を叩き出し、反乱軍に圧勝した。
第4戦のステージは、同じく非常に難易度が高いとされている「分岐点(クトゥルフ戦)」。ボスであるクトゥルフは高い防御力を誇るが、落とし子であるクトゥルヒを倒していくことでステータスを弱体化して倒せるようになる。しかし今回視点となったのは、なんとこのステージを今までクリアしたことがないという反乱軍のガミー選手。先ほどとは会場の空気も一転し、ガミー選手がクリアできるかをハラハラしながら見守るという雰囲気となり、途中のミスに悲鳴を上げるなどひやりとする場面もあるも、オードソックスな戦術でガミー選手は無事ステージをクリアすることに成功。同時に客席からは拍手喝采が沸き起こるという盛り上がりを見せていた。
一方、試合結果はガミー選手よりもかなり早いタイムで、皇国軍の一軍隊選手がステージをクリアしていたこともあり、再び皇国軍の勝利……かと思われていたのだが、なんと皇国軍のプレイヤー4人中2人がクトゥルフの餌食となり、クリアに失敗していたことが試合後に判明。対する反乱軍は4人全員がステージクリアに成功しており、結果として合計タイムでは2倍近い差をつけて反乱軍が勝利するという、まさかの結末となった。
2勝2敗という、ここまで完璧に互角な展開で迎えた最終戦は、それぞれの陣営から視聴者投票で選ばれた8人による対戦の形式で行われる。投票の結果選ばれたのは、皇帝軍がSilver皿選手、仁義なき青井選手、LOVプロ(><)/選手、一軍隊選手。対する反乱軍がガミー選手、飛鳥☆選手、HERO選手、おもち選手というメンバーで、LOVプロ(><)/選手とHERO選手の兄弟プレイヤー対決など、何かと見所の多い面々となった。
最後の視点となったのは、反乱軍のおもち選手。超覚醒状態で攻め込んでくるカイネを、ほとんどの被害を出さず一切寄せ付けずに追い返すという完璧すぎるフリッカーの使い方から、攻めてくるツバキをHERO選手に全て任せ、自らはカイで皇国軍のタワーにカウンターを入れるというチームメイトを完全に信頼しているからこそできるプレーなど、見所が満載。客席からも何度も完成やどよめきが上がり、まさにトッププレイヤーの貫禄を見せつけてくれた。しかし一方でその間に反乱軍は逆側を皇国軍に突破され、ストーンを一気に破壊されてしまう。すかさずおもち選手もフォローに回るも、その間に皇国軍は中央のタワーを制圧し、大幅にリードを広げてくる。反乱軍も最後の意地を見せ、戦力を集中させてイザナギを撃破、立て続けに中央のタワーを取り返し攻勢に転じるも、大きく開いていたストーンの差を補うことはできず、タイムアップ。これで元々のリードに加え、最終決戦でも3勝2敗と勝ち越ししたことで、「紅蓮勢力戦争」は皇国軍の勝利となった。
試合終了後、本作のプロデューサーを務める丹沢悠一氏が登場すると、勝利陣営となった皇国軍のプレイヤーたちに向け、着せ替えパーツ「軍制服」と、使い魔ドール「ロロ」、ギデオン、黒曜、バルド、アンジェラを愛用していたプレイヤーには使い魔ドール「ヤニワニ」の先行配信を発表。さらに今回の大会に参加した16名のトッププレイヤー達には特別称号「ヴァーミリオンソルジャーズ」が贈られた。マッチングで敵に「ヴァーミリオンソルジャーズ」の称号を見た時は、相応の覚悟をして挑む必要がありそうだ。
「Fate/stay night」、「ガンスリンガーストラトス2」とのコラボ、そして「ツクヨミ」の復活に会場も大興奮!
そして気になる新情報発表コーナーでは、メインゲームデザイナーでもある横山賢介氏も加わり、既にこちらの記事でもお伝えした通り、最新バージョンである「Chain-Gene」から実装される新カードが次々と公開された。
その中でも会場で盛り上がりを見せたのは、やはり大人気アニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」とのコラボレーション。これまでのイベントでのアンケートなどでも「Fate」はコラボを希望する作品として常に上位につけていた、非常にユーザーからの要望の高い作品なのだそうで、発表された瞬間、客席から上がった歓声も一際大きいものとなっていた。
なおアーチャーの代名詞とも言える固有結界「Unlimited Blade Works」もゲーム中にバッチリ再現されており、「LOVIII」では「一定時間の間、ターゲットにした対象の攻撃力をコピーする」というものの。使いこなせれば間違いなく強力な性能を発揮しそうな能力なだけに「一定時間ってどのくらいですか?」と立花さんが鋭い質問を飛ばすと、「一定時間は……普通くらいです」とタジタジになったノイさんが言葉を濁すという一幕も見られた。
一方、発表されたオリジナル使い魔で注目を集めたのが、新システム「CHANGE」を引っさげての登場となるヤマトタケル。このキャラクターのイラストは「鉄のラインバレル」でおなじみの清水栄一さん×下口智裕さんのコンビが手がけているのだが、使用すると使い魔の姿が巨大ロボットのような姿に変化し、がらりと性能が変化するとアーツ「CHANGE」の仕様が決まった時、キャラクターとメカニックで役割を分担している2人だからこそ描けるキャラクターであると、すぐに話がまとまったという。なおタイトルである「Chain-Gene」は、この「CHANGE」をもじったものだという意外な(?)裏話も明かされた。
また会場で大きな反響があったのは前作で非常に高い人気を誇ったカードである「ツクヨミ」の復活だ。発表した瞬間、D.C.選手は両手を挙げて歓喜の声を上げたほどで、すかさず立花さんに突っ込まれるという光景も。自身の移動と攻撃速度を上げる能力に加え、新システムであるマテリアルはフィールドに設置し、周囲の敵ユニットの移動速度を下げる効果をもつ。これまでと一風異なる運用方法が必要になりそうなユニークな使い魔となりそうだ。
さらに会場では、もう1つの新発表である「ガンスリンガーストラトス」とのコラボレーションも発表。「LOVIII」に登場するのは風澄徹と竜胆しづねの2人ということが明かされたが、立花さんは自身が演じる「蘇芳司」が登場しないことを残念がり、客席の笑いを誘っていた。
そしてイベントの最後には、サプライズとして「Chain-Gene」に向けたプロモーション映像が上映。映像の中には本日の発表にはなかった新カードや、この時点ではまだ明かされていなかったコラボレーションカード「セイバー」「ギルガメッシュ」の姿が映し出され、その度に客席からは大歓声が上がるなど、最高の盛り上がりの中イベントは幕を閉じた。