「ファイナルファンタジー」シリーズ初の吹奏楽コンサート“BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra”。その最終公演が6月7日、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて行われた。

「ファイナルファンタジー」(以下「FF」)シリーズ初の吹奏楽コンサート“BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra”が、3月の東京公演以来3ヶ月ぶりに東京公演を皮切りに全国16都市19公演を回り、6月7日、そのツアーに幕を下ろした。

本記事では、長いツアーの最終公演となった、2015年6月7日東京Bunkamuraオーチャードホールにて行われた東京・夜公演の模様をレポートする。

なお、楽曲のアレンジなどの詳細は“BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra”初日公演で詳しくレポートしているので、ぜひそちらも参照してほしい。

いつの間にか完成していた超レアグッズ「ブラボーバッジ」!

公演開始前には恒例の「ブラボー係」を決めるが、3ヶ月前の東京公演ではブラボー係に任命したファンにお菓子を配っていた植松伸夫氏。しかしさすがに毎回お菓子を配るのも、ということで、このツアー中に“ブラボーバッジ”を作成し、ブラボー係に任命された人にはこのバッジが配られることに。

ブラボー係を決めるために会場を走り回る植松氏と、実際の“ブラボーバッジ”。

“ブラボーバッジ”の犬のイラストは、植松氏によって設立されたレコードレーベル「DOG EAR RECORDS」のイメージキャラクターと同じものとなっている。レアなグッズがもらえるとなった途端に挙手した人が増えたのは、筆者の気のせいだっただろうか。

なお、このオレンジ色のバッジがなくなったら次は違う色で作成するらしい。ブラボーバッジフルコンプの道は、歴代の「FF」をフルコンプしてきた光の戦士でも遠く険しい道のりとなること必至だ。

「FF」シリーズの中でも少し変わった選曲のセットリスト

セットリストの内容のおおよそは3月の東京公演からほぼ変わっていないが、本日の昼公演と夜公演にそれぞれ1曲が追加された。

第一部

1.FF バトル2 メドレー
「バトル2」(「FFIV」)~「バトル2」(「FFV」)~「死闘」(「FFVI」)~「バトル2」(「FFXI」)~「勝利のファンファーレ」(「FFシリーズ」)
2.赤い翼~バロン王国(「FFIV」)
3.FF ダンジョンメドレー
「ダンジョン」(「FFIV」)~「ダンジョン」(「FFV」)~「迷いの森」(「FFVI」)~「Find Your Way」(「FFVIII」)
4.FF7 バトルメドレー
「J-E-N-O-V-A」~「闘う者たち」~「更に闘う者たち」(「FFVII」)
5.FF モーグリのテーマ
6.アリア (「FFVI」)
7.FF メインテーマ(「FFシリーズ」)

第二部

8.FF メドレー
「勇者の帰還」(「FFIII」)~「船」(「FFI」)~「山頂への道」(「FFIII」)~「メインテーマ」(「FFI」)
9.守るべきもの(「FFIX」)
10.星降る峡谷(「FFVII」)※ツアーファイナル昼公演のみ演奏
11.飛空艇メドレー
「エンタープライズ空を飛ぶ」(「FFIII」)~「飛空艇」(「FFIV」)~「親方シド」(「FFIV」)~「飛空艇ブラックジャック」(「FFIV」)~「Ride On」(「FFVIII」)
12.Fragment of Memories(「FFVIII」)
13.ザナルカンドにて(「FFX」)
14.Never Look Back~Dead End(「FFVIII」)
15.ビッグブリッヂの死闘(「FFV」)

アンコール

16.片翼の天使(「FFVII」)
17.ハンターチャンス(「FFIX」)※ツアーファイナル夜公演のみ演奏
18.みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>

昼公演にはスクウェア・エニックスの代表取締役社長・松田洋祐氏も訪れていたらしく、「既にCDに収録されていな楽曲が6~7曲ほどあるから、そこにあと3~4曲足せば次のCD作れちゃうし、そうしたら次のツアーもできるよね!?」と松田氏にステージから迫ったという植松氏。

松田氏はどちらも快諾してくれたとのことなので、今回のツアーに参加できなかった人は楽しみに待っていよう。もちろんただ待つだけではなく「まだ”BRA★BRA FINAL FANTASY II”出ないの?」と、定期的にスクウェア・エニックスにお伺いをたてることも、ファンとしては忘れてはならない。

会場全体でボディパーカッションをして楽しむ「FF モーグリのテーマ」は、”モーグリおじさん”こと、ティンパニ奏者の荻原松美さんの衣装が初日の東京公演のものよりも大分パワーアップして耳や羽や鼻までついたものになっていた。

3ヶ月前のツアースタート時は白いヘルメットにモーグリのポンポンがついていただけだったが、荻原さんが参加できなかった回に代打で”モーグリおじさん”になったSiena Wind Ohchestraの土田さんが勝手に耳をつけ、鼻や羽を作ってバージョンアップさせたものだという。

しかしそのバージョンアップのせいで、モーグリの鼻の中に納豆を詰めるイタズラをする事件などが起こるほどSiena Wind Ohchestraは楽しいひとたちの集まりだという、ツアー中の秘話も明かされた。

今回の公演で初披露となった「ハンターチャンス」はオーケストラコンサートでは何度も演奏されている曲だが、オーケストラバージョンよりも原曲に近いと感じる演奏だった。コンサートで聴けなかった人は、2枚目のCDに収録されることを心待ちにしよう。

“みんなで吹こう”企画には、ステージから溢れるほどファンが殺到!

今回のツアーは、“みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>”企画ということで、アンコールのラストで必ず「マンボ de チョコボ」を演奏。マンボにちなんで、植松氏やMCの山下まみさんもカラフルなウィッグをかぶって登場した。

この企画では、自分の演奏できる楽器を持参してステージにあがり、シエナ・ウインド・オーケストラや植松氏らと一緒に演奏することができる。楽器なんてできないよ…という人たちでも気軽に参加できるように、カスタネットやトライアングル、マラカスといった楽器でも参加することが可能だ。

さすが東京公演とあってか、持ち寄られた楽器は多種多様。そして楽器を持っている人があまりに多かったため、まずは大型の楽器を持ってきたファンたちが優先でステージに上がり、隙間があれば他のファンたちも上がるという処置がとられることに。

これまでの公演の噂や、初演を東京で見ていたファンたちが、それだけ「自分も参加したい」と思うような内容のコンサートであったという証明だろう。

中には工事中などの目印に使われる三角コーンを持ってきた人も。どうやら中に小さな玉を入れてから穴を塞ぎ、
マラカスのように振る自作の楽器だったようだ。
ステージに乗り切れなかった人たちはステージ前で演奏に参加した。

子供から大人までがさまざまな楽器を持ってステージに集った最後の最後となる「マンボ de チョコボ」は、ツアーのファイナルを飾るに相応しい、賑やかで豪華なファンと演者の共演となった。ちなみにステージには、「FFXI」の音楽などでお馴染みの谷岡久美氏や、「ワイルドアームズ」シリーズの音楽で知られるなるけみちこ氏の姿などもあった。

なお、この「BRA★BRA FINAL FANTASY」の吹奏楽スコアの発売が決定したという最新情報も飛び出した。発売日などはまだ未定とのことなので、続報を待とう。いつか、学校の吹奏楽部などで「FF」の曲を演奏するのがメジャーになる日が訪れるかもしれない。

今回演奏された曲には意外な裏話が!? ツアーを終えた植松氏にインタビュー!

公演後、無事に全ての公演を終えた植松氏がインタビューに応じてくれたので、その模様をお届けしよう。今回の演奏曲目にまつわる、意外すぎる秘話なども語ってくれた。

――16都市19公演全て終わって、いかがでしたか?

植松氏:あっという間でしたね。始めのころはみんなで「えー、まだ半分も終わってないのかー」とか言っていたのに、どこも楽しかったのでやっているうちに終わってしまったという感じです。

――1回目と最終公演は違いましたか?

植松氏:1回目は要領がわからないのでどうしても手探りになるんですけど、あちこちでやっているうちに「ここがお客さんの喜ぶツボなんだな」っていうのがわかってくるので、やりやすくはなりますよね。でも県民性とかでも違ってはくるんですけどね。

例えば地方だと最初から喜ぶ準備が出来ていたりするんですよ。その点、東京はクールな人が多い。突ついてあげればどっと乗ってきてくれたりするんだけど。ブラボー係も夜の公演は希望者がたくさんいたけれど、昼はちょっとおとなしかったんですよ。今日の東京公演の前が仙台公演だったんですが、仙台の盛り上がりがすごくて、東京も煽っていかなきゃ! と思っていたら昼がちょっとおとなしかったんで、どうなるかなぁって不安でしたが、夜はすごかったですね。でもあれも「ブラボーバッジあげます」って言ったらみんな手をあげるんだから現金だよね(笑)。

――昼には松田社長もいらしていたようですが、何かまた新たな企画は決まりそうですか?

植松氏:2000人のお客さんがいる前で「CD出していいっすか?」って言われたら「ダメ」って言えないですよね。上手いやり方だったかなと思っています(笑)。でもこれで2枚目のCDと来年のツアーは決まったようなものですね! CDのほうは、そもそももう今回のツアーで6曲くらいストックがあるし、他の曲もこんなアレンジにしようとかいうアイデアは浮かんでいます。

――次に入れたい曲は決まっていますか?

植松氏:ありますよ、まだ言えないですが(笑)。結構1枚目が渋い選曲で、いつもオーケストラでやっているような曲はあえて外したりしたので、もう1~2枚くらいは渋い選曲でいけるのかな、と思いつつも、どこかで「あれは聴きたい」という有名な曲も入れておかなきゃならないし。でも次にコンサートやるなら1曲目にやろう、っていう曲はもう決めているんです。

――例えば吹奏楽でやってみてほしい「FF」楽曲を投票で選んでもらうというのはどうでしょう? 上位1位は必ずやる、みたいな感じで。

植松氏:それもいいですね。あと2枚目を作るなら、シエナさんの50人近くの楽団員さん全員でぜひリコーダーをやってほしいんですよ。リコーダーなら経験した方も多いので、CDの収録の時にいっそファンを呼んで一緒に演奏してもらうとかね。アイデア段階で全然決定事項とかではないですけど。あと「マンボ de チョコボ」をどうするか(笑)。あのアンコールをまた次もやるのか、他の曲をやるのか。でもアンコールはアンコールとして、最後は定番で「マンボ de チョコボ」で大騒ぎ、っていうパターンを作ってもいいのかな、とは思いますね。

――あのアンコール企画は本当に面白かったですね。あんなにたくさんの人たちと、多様な楽器が集まるとは思っていませんでした。

植松氏:驚いたのは、工事現場の三角コーンを持ってきた人ですよね(笑)。振って鳴らしていたので手作りのマラカスだったみたいですが、ああいうのは嬉しいですよね。楽しんでくれているんだなというのがわかるので。

――今回の昼と夜に追加された二曲は、なぜあれを選ばれたのですか?

植松氏:「星降る峡谷」は、2012年にプラハでレコーディングした「FINAL FANTASY ORCHESTRAL ALBUM」というアルバムのがあったんですけど、それに「星降る峡谷」を入れるはずだったんですよ。でもちゃんとリストにもいれたのに、何故かそれがいつの間にかリストから抜けていて、しかも誰も気づかなかったんですよ(笑)。

それで録音し終わったあとになってから「何か足りないなぁ」と考えていたら、あの曲が足りないことに気づいた(笑)。でも好きな曲だったし、みんなもオケアレンジで聴きたいっていうのはわかっていたので、いつかやりたいと思っていたので、今回こういう形で演奏してもらいました。「ハンターチャンス」はオーケストラでは何回かやっているんですよね。「ハンターチャンス」は、オーケストラとまた違った雰囲気が出せればな、と思って。

――シエナさんはどういう楽団ですか?

植松氏:あそこは本当に自由で楽しい楽団ですね。面白ければ何やってもいいじゃん、みたいなところがあるし、モーグリおじさんもそうだし、指揮者の栗田さんからしてゆるい人だったりね。終わったらへべれけになるまで飲んでいたり(笑)。指揮者さんからしてあんな感じなんで、本当に楽しかったですね。

――シエナさんは植松さんと相性が良かったように感じました。植松さんの心をそのまま汲んで演奏してくれるような雰囲気というか。

植松氏:ああいう人たちだと組みやすいですよね。堅い音楽をやるオーケストラも、もちろんそれはそれでいいと思うんですが、ゲーム音楽ですから楽しくていいと思うんですよ。来てくれるお客さんがどれだけ満足してくれるかが重要じゃないですか。だからそういう意味だとブラボーを煽るっていうのも、そもそも観衆的にはどうなんだろう、とはわかっているんですよ。むりやりブラボーと言わせるのはあまりよろしくない、と思う音楽家さんもいるだろうけれど、まあこういう音楽があってもいいんじゃないかな、と。

――――3ヶ月走り抜けて、このあと何をしたいですか?

植松氏:もうやりたいことなんてないよ、やらなきゃいけないことだらけで(笑)。バンドのライブもあるし。バンドのライブもあるし。バンドのライブもあるし!(笑)

――――来月のEARTHBOUND PAPAS(植松伸夫氏のバンド)のライブですね(笑)。

植松氏:ファンクラブ(植松伸夫氏公式ファンクラブ:中位のおっさん)に入ってくれるとチケットが取りやすいですよ!(笑) 今回のツアーからファンクラブの人を抽選で毎公演5名選んでゲネプロに参加してもらったんです。コンサートのリハーサルが見れるとかすごく貴重な機会ですよね。ファンクラブに入ればそんな特典も受けられます!(笑)

――――はい(笑)。ありがとうございました!

公演概要

公演名:BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra
公式サイト:http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/brabraff/tour/

オーケストラ:シエナ・ウインド・オーケストラ
作曲:植松伸夫
主催:スクウェア・エニックス/一般社団法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ/WOWOW/ローソンチケット
後援:一般社団法人全日本吹奏楽連盟
制作:プロマックス
制作協力:ハーモニクス・インターナショナル
協力:スマイル・プリーズ/ドッグイヤー・レコーズ
主催:スクウェア・エニックス/一般社団法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ/WOWOW/ローソンチケット/日本海テレビ
※千葉公演のみ
共催:公益財団法人松戸市文化振興財団
※三重公演のみ
主催:公益財団法人四日市市文化まちづくり財団/スクウェア・エニックス/一般社団
法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ/WOWOW/ローソンチケット

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