今のファンの目にどう映るか知りたい―PS Vita/PSP「アンジェリークルトゥール」ルヴァ役・関俊彦さんインタビュー

0 2015年7月13日 00:00

担当：近藤智子

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コーエーテクモゲームスが、2015年10月1日に発売を予定しているPS Vita/PSP用ソフト「アンジェリークルトゥール」に、ルヴァ役として出演する関俊彦さんへのインタビューをお届けする。

本作は、コーエーテクモゲームスの女性向け恋愛ゲーム「ネオロマンス」シリーズ初の作品として、1994年に発売した恋愛シミュレーションゲーム「アンジェリーク」をリメイクした最新作だ。

女王が宇宙を統べる世界。新たな女王候補に選ばれた主人公はライバルとともに女王試験を受けることになり、守護聖と呼ばれる男性たちと交流していくことに。使命と恋、どちらを選ぶかはプレイヤー次第となる。

ここでは、本作で攻略対象キャラクターのひとり、知恵を与える地の守護聖であるルヴァ役・関俊彦さんのアフレコ収録後にお話を聞くことができたので紹介しよう。

――アフレコを終えての感想をお願いします。

関俊彦さん

関さん：文量もすごかったですし、1人で喋りっぱなしだったので疲れましたね…って皆言ってると思いますけど（笑）。

コーエーさんの方からは「今までの続きではなく、元に戻してください」というようなことを言われました。僕たちが「アンジェリーク」という作品を続けていって、守護聖はチームとして仲良くなったんですけど、1番最初の、お互いがお互いに完全に心を許してない初期の状態、緊張感のある関係でやってくださいというようなことがありまして、このあたりは気を付けました。

でも終わってみれば大半はアンジェリークとのコミュニケーションだったので、ルヴァとしてはそういう意味で苦労するところはそうありませでした。もっと守護聖同士の会話が多いのであればまた違ったかもしれませんが、上手くいったと思います。

――関さんが演じられたルヴァの魅力を教えてください。

関さん：新しいビジュアルを見ると、ずいぶんイメージが変わった気もしますね。絵の手法が違うのかもしれませんけど、前はもっとアニメ的というか、線が柔らかな印象があったというか。僕たちの間ではずいぶん変わったねという感じなんですが、見てくださる方がどんな反応をするのかこれから楽しみですね。

でもキャラクターとしては今までのルヴァと変わりないので、おっとりとして物腰柔らかで、穏やかで、人をほっとさせるような、安らぎをもってもらえる人物です。今回もそれを踏襲して演じたつもりです。

――ルヴァは中和剤のような一面もありますね。

関さん：ジュリアスやクラヴィスにルヴァを含めた3人が守護聖の古株ですけど、この2人が自分勝手なので、どうしてもルヴァがパイプ役にならないと、まとまらないというか。お決まりの流れですけど。

前の地の守護が、人の世話を焼いたり、気遣ったりする性格だったようなんですよ。ルヴァ自身も元々そうだったかもしれませんけど、一緒に暮らしている周囲の人たちへの気遣いを忘れないキャラクターなので、支持してもらえるのはそんな部分なんじゃないでしょうか。ツンデレがいいという方もいれば、ルヴァのようにしっかりと接してくれる人が良いって思う人もいるんじゃないですかね。

――ご自身とルヴァに共通点はありますか？

関さん：こんな立派な人ではないので…。芝居で役を演じるときは、自分以上に優れた現実に生きる人間だと思ってやらないといけないので。似ている部分は…もちろん見つけようとはするんですけど、ルヴァに対しては恐れ多いですよ。人のお世話とかもダメですしね。

ただ、中間管理職的なところの気持ちはわかるんですけど…皆で楽しくやれればいいなとは思いますが、僕はわりと自分勝手なほうなので。むしろルヴァの影響を受けて、ちょっとでも人を良くしたいなという感じですね。

――もしご自身が「女王候補」の立場となった場合、恋と使命どちらを選びますか？

関さん：やっぱり好きな人を選ぶんじゃないでしょうか。そこが自分勝手なところだと思うんですけど。きっと皆も恋って言う気がしますね、この作品そのものがそういう印象ですし。でも誰かきっとウケ狙いで違う答えを言う人がいると思うので、それは楽しみですね。

――もしご自身守護聖になれるとしたら、何を司る守護聖になりますか？

関さん：なかなか難しいですね…。僕はルヴァを演じてきたので、大地の恵みじゃないですけど…自然のもつ安らぎの力、人を守るような力で世界中の争いごとを収められたらいいですね。そういう力をもつ守護聖になりたいです。

――新しくなったルヴァのデザインについて感想をお聞かせください。

関さん：「ちょっと格好良すぎじゃないか？！」って、こんなに格好良くしてもらっちゃっていいのかなと思いました。ルヴァは僕の中だと中東系のイメージがあったんですけど、砂の星では皆ターバンをしていて、好きな人の前では取るんですよね。僕はそれを知らなくて、びっくりしましたね。

他のキャラクターでは…やはりジュリアスとクラヴィスは特別な感じですよね。あとはオリヴィエが変わりましたね。「これじゃ男じゃん！」って。

――20周年を迎えた「アンジェリーク」ですが、これまでの作品・イベント・歌った曲などで特に印象に残っている思い出があればお聞かせください。

関さん：「アンジェリーク」といったら、ネオロマンスの始まりじゃないですか。それがやっぱり1番の衝撃ですよね。恋愛シミュレーションのパイオニアですから、作品のもつ牽引力はすごいものがあったんじゃないかなと今更ながらに思います。

我々もまだ「えっそれって何？！」っていう状態から始めて、手探りながら「これでいいの？」みたいな中で作られてきて、CDドラマになったりアニメーションになったり、どんどん枠が広がっていって。そうした熱を1番如実に、自分の視覚や聴覚で感じるのってファンの皆さんと接する時じゃないですか。それをあからさまに見せられたのがパシフィコ横浜の、恐ろしい人数のイベントですね。「なんでこんな僕たちにキャーキャー言うんだ？！」っていう、あの女性たちのエネルギーを目の当たりにしたのは、ある意味カルチャーショックでした。

それまでも色々なアニメのイベントとかで、喜んでいただくファンの方と接する機会はあったんですけど、この「アンジェリーク」という世界はすごく特別でした。そういう反応のジャンルが違うというのがあらかさまに出ていて、最初はすごく申し訳ない気持ちにもなったんですけど…こんなに喜んでもらっていいのって。

まあ、出演者はサービス精神旺盛ですから、周りの人に乗っかる人もいれば頑張る人もいて…すごく楽しい出発点でした。驚きと楽しさとが混ざり合って、ファンの人たちと皆で作っていったと思っています。

――今後「アンジェリーク」に新たな展開があったら、どんなことをしてみたいですか？

関さん：コーエーさんの発想とセンスでずっとやってきてますが、大概のことはやってきたんじゃないかと思うんですよね。僕が発想することなんて二番煎じになっちゃうので、とても言いたくないんですけど…どうしてもというなら…洒落ですけど、このまま学園ドラマに持っていって、1つ作品を作っちゃっても面白いかなと。まあ、何といっても元締めのコーエー先生に怒られちゃいますので、戯言だと思って聞いてください（笑）。

――ここぞという聞きどころ、ポイントについてお聞かせください。

関さん：先ほども言いましたが、一人ひとりが初期のイメージで演じているので、僕自身も実際ゲームを遊んだ方がどんな印象を受けるのかがとても興味ありますし、知りたいですね。そこが制作側からの見どころの1つになっていると思いますし、そのためのイメージ変化だと思うので、新時代というか、今これから始めてみる「アンジェリーク」という作品が、今までのファンの目にどう映るのか、今まで「アンジェリーク」を知らなかった方たちにどういう印象を与えるのかが見どころになるんじゃないでしょうか。

ルヴァとしては、やっぱり演じてみて「告白する」という行為はいくつもある芝居の中でも1番エネルギーを使うものだなと、この長丁場を通じて改めて思いました。この「アンジェリーク」はもちろん恋愛シミュレーションなんですけど「恋愛ってエネルギーいるんですねー！」っていう。個人的にはルヴァをはじめ、他の人のそうした所もみてほしいですね。

――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

関さん：改めて、新しく始まる「アンジェリーク」をどんな風に見ていただけるのか、とても気になります。新しい魅力を感じていただけたら、昔のように応援してもらえるととても嬉しいです。

――ありがとうございました。