ディー・エヌ・エーとgloopsは、スマートフォンゲーム開発プロデューサー、エンジニアを対象とした合同セミナー「ブラウザゲームの革新 ~先進技術とマルチデバイス展開~」を、本日10月29日に開催した。

昨今、スマートフォンネイティブゲームの台頭が目立つソーシャルゲーム界隈ではあるが、その中でMobageプラットフォームを提供しているディー・エヌ・エー(以下、DeNA)、そしてMobageをはじめとしたモバイルプラットフォーム上でタイトルを提供し続けているgloopsは、今なお積極的にブラウザゲーム開発を進めている。

今回開催された合同セミナーでは、gloopsがブラウザゲームとして開発を進める新作タイトルのデモなどを通して、今なお進化を続けるブラウザゲームの表現手法について紹介。そしてDeNAは、先進的なブラウザゲーム開発を可能にするMobageのプラットフォーム技術“NBPF(Next Browser Platform)”における、新たな取り組みを発表した。

風早亮氏

冒頭で挨拶を行った、DeNAのオープンプラットフォーム事業本部 ビジネス開発部 部長 風早亮氏からは、1年前からHTML5に特化したオープンプラットフォームとして展開しているNBPFについて、そのポイントと事例を紹介。

その内容については触れることができないため割愛するが、最終的な目的として、外ではスマホ、家ではPCというプレイスタイルに対応させるため、今後はスマートフォンのアプリがPC上で同じように楽しめることを目指すと話し、登壇者による説明に移っていった。

gloopsはなぜ今ブラウザゲームを作るのか
上田朋宏氏

まずは、「スカイロック」の立ち上げ時のディレクターなどを担当したという、gloops ソーシャルゲーム事業本部 Webアプリケーション部 プロデューサー 上田朋宏氏が登壇、同氏が企画し、現在製作中であるという新作ブラウザゲーム「LAPLACE LINK(ラプラスリンク)」を紹介。こちらは先日、スマートフォン向けタイトルとして発表され、現在はティザーサイト(http://laplacelink.jp/)が公開中となっている。

なぜ本作をブラウザゲームとして開発しようと考えたのか、そこには下の写真にもある通り、「自社の強み」「市場」「危機感」「開発環境の変化」と4つの理由があるという。ここでは上田氏の発言を踏まえるかたちで、それぞれについて紹介しよう。

gloopsといえば、過去には「大進撃!!ドラゴン騎士団」「大連携!!オーディンバトル」、近年ではTVCMも放送された「SKYLOCK(スカイロック)」など、ブラウザゲームにおける開発・運用ノウハウを持っている。それらを用いたイベントなどの施策、そしてDMと連携し、データを常に把握することによる改善のスピード、そしてMobageにとどまらず、各種プラットフォームでの展開実績などを自社の強みとして紹介。

続いて市場についてだが、現在のネイティブ市場は大手パブリッシャーの参入によリ、すでにレッドオーシャンと化している。その競争を勝ち抜くためにゲームはリッチ化、当然開発費は増加傾向にあるものの、よりヒット作を生み出すための敷居が上がっているのが実情だ。

一方、スマートフォンゲームにおける市場規模を徐々に減少させてきたブラウザゲームだが、その下げ幅は鈍化傾向にあるという。その要因として、「グランブルーファンタジー」に代表される、ユーザーに支持されるコンテンツが生まれていることに言及、つまりは、面白ければブラウザ、ネイティブの違いをユーザーは気にしていないということで、ブラウザゲームでも十分にチャンスがあるとした。

また、同社が感じる危機感として、ネイティブでの開発が当たり前になった時代で、ビジネス的な失敗のないように作ると、コンテンツの差別化が測れないこと、そして過当競争によって体力のないデベロッパーが退場していくこと、などによりますますコンテンツの多様性が失われていくことを指摘。その中でgloopsとしてはブラウザに可能性を感じており、本気でブラウザで革新的な挑戦をしようと試みているという。

と、これまで3つの理由について紹介したが、その上でやはり面白いコンテンツを生み出すための環境の変化が、今回ブラウザゲームとして開発を進める上で欠かせない部分だという。具体的な内容として、まずはWebの技術進化が進み、これまで不可能とされたきたことが実現可能になったこと、そしてさまざまなメリットを備えたNBPFが登場したことが大きいと話す。

Mobageのプラットフォーム技術はさらに進化
山口徹氏

その話を受け、NBPFの内容を具体的に紹介するべく登壇した、DeNA オープンプラットフォーム事業本部 副事業本部長 シニアアーキテクト 山口徹氏はWebブラウザの近況について、近年ではWebGLの採用事例が増えていること、またWebAssemblyが台頭していることを紹介。

その上で、プログラムや表現の高速動作、オフライン動作、リテンション、エコシステムの4点からネイティブの強みと、それに対する従来のブラウザ表現の弱点を説明。そのうち3点はWeb技術の進歩により完全に近づいているというが、唯一課題として残るエコシステムについて、プラットフォーマーであるMobageがマーケットを広げていくため、2つの取り組みを行っている。

そのひとつは多彩な表現力を可能にすることになるが、もう一つがWeb上に強力なマーケットを作る取り組みであり、そこを目指すために取り組んでいるのがNBPFだという。また、実際にマーケットを広げるためにはコンテンツも重要であるため、過去にもパートナーシップを組んできたgloopsをパートナーに連携をとっているとのこと。

ここからは、NBPFの具体的な内容について言及。その前提として、NBPFはHTML5の分野で強力なマーケットを作ることを目標にしているそうだが、スマートフォンに向けては新たにJS SDKを導入することで、ID連携やゲームサポートやコミュニティと連動するための機能の実装など、さまざまな面で改善を図ってきた。

さらに今後の施策として山口氏が挙げたのは、NBPFのPC展開を進めていくということだ。現在、Mobage上で提供されている「グランブルーファンタジー」や「神撃のバハムート」が、Chrome AppとしてPCでもプレイできるようになっているのは記憶に新しいが、今後は同様にChrome Web Store上で配信可能なSDKを、Proxy/NBPF両方に対応するかたちで展開していくという。

その理由としては、ほかのプラットフォームが苦戦をする中で、Mobageでは新たな市場の必要性を感じており、国内市場でアプリのおよそ半分のほどのユーザー数を持ち、海外市場でもまだ伸びしろのあるPCに注力することで、新たな可能性を見出したいということだ。

今後のロードマップとしては、まずはこれからPCブラウザ向けのNBPFを段階的に展開し、昨日リリースされた「アイドルマスター シンデレラガールズ」のように、Shell App SDK for Chrome Appsのタイトルが順次ローンチされていくという。

さらに、2015年度末にはPC App向けSDKを展開したいと話しており、これにより非Mobage系、例えば現在App Store/Google Play上で配信されているゲームタイトルの取り込みを図っていきたいという。これらについては今後も情報発信していくとのこと。

NBPFを活用した、「LAPLACE LINK」における新たな表現手法を紹介
坊野博典氏

上田氏が再び登壇すると、今度は「LAPLACE LINK」のデモプレイを交えつつ、同作で実践されているブラウザゲームの新たな表現手法を紹介していくことに。それを実現する上で大きな役割を担っているのが、DeNA システム本部技術開発室 ソフトウェアエンジニアの坊野博典氏。同氏の解説により、技術的なポイントが語られた。

まず本作では、従来のゲームでは考えられないほどの世界への没入感を実現するために、ゲーム中の街やダンジョンなどを自由に冒険できるようにしている。

そのこだわりは実際のデモプレイにおける、吹き出しによるセリフ表現、歩き、小走り、走りの3段階からなるキャラクターの移動などから感じることができたのだが、当初はとても遅くて重い動きになってしまっていたそう。

その理由として坊野氏がまず上げたのが、当初用いていたCanvas 2Dによる描画が遅いこと。それ自体はWebGLによる高速描画に加えて、膨大だった描画画素数を削減することで解決。同じく使用メモリ量が大きいという問題に対しても、テクスチャの圧縮や色数の変更など、画像をWebGL向けに最適化することで対処したという。

また上田氏は、ゲーム開始画面からOPムービー、チュートリアルの流れを途切れることなく進め、コンシューマゲームのような感情の波を作りたかったそうで、従来のプラットフォームにあった会員登録やログインが必要になるケースがネックになっていたという。ただ、今回のNBPFの場合はダウンロードレス、ログインレスでゲームを開始できるため、ゲーム開始後すぐにオープニングムービーを見ることができることを紹介した。

続いて、作中に用意されたシーンについて、高速切替をすることで没入感を実現できるように進めているそうだが、こちらも坊野氏が着手した時点では表情に遅い状態だったという。

その理由としては、ファイル数が多いこと、そしてファイルのサイズが大きいという理由があったことから、ファイルのキャッシュ読み込みとファイルサイズの縮小で対処し、実際のスピーディなシーン切り替えを実現しているのだとか。

また、後述するマルチバトルにもつながってくるのだが、ゲーム中、コンティニューしたいときなどにショップでアイテムを購入する場合、以前の仕組みではMobageへの遷移が必要だった。それによってアイテムを購入している間に戦闘が終わっている、なんて事態もあったようだが、NBPFにより、一定の要素を入れればデザインを自由に構成できること、そしてオーバーレイで購入フローが進むため、シームレスに購入できることを紹介した。

最後に、マルチバトルでは、ユーザー4人の動きがリアルタイムにそれぞれの端末に反映されることに言及。そうなれば当然通信にかかる負担も大きくなるわけで最初は通信が遅かったそうだが、そこは坊野氏が、リソースの先読みとデバイスの最適化を行うことで無事に解決し、デモプレイでもストレスなく楽しめている様子が確認できた。

利根川透氏

上田氏、そして閉会の挨拶を行ったgloops ソーシャルゲーム事業本部 本部長 利根川透氏が口を揃えたのは、Webの技術進化によって面白いゲームを作ることのできる環境は整っているということ。

従来よりブラウザゲームを手がけている同社のみならず、ブラウザゲームに挑戦できる企業が増えて盛り上げていければと、聴衆にエールを贈り、セミナーは終了となった。

(C) gloops, Inc.

※画面は開発中のものです。

この記事のゲーム情報

機種
Mobile
プラットフォーム
アプリ
OS
iOSAndroid
会社
gloops
ジャンル
RPG
その他
Mobage
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