バンダイナムコエンターテインメントが2016年に稼働を発表したアーケードゲーム「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON」。ここでは、10月31日・11月1日に実施されたロケテストの模様をレポートしていく。

目次
  1. 新たなEXバースト“エクステンド”の使用感はいかに?ロケテストの模様をお届け
  2. 多様な武装を使い分ける「G-セルフ」のプレイフィール
  3. オンラインを活かした多彩なイベントや大会も開催予定!大石勇気氏インタビュー

「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON」は、現在全国のアミューズメント施設などで稼働中の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト」に全国オンライン対戦機能や既存機体の調整、および新アクション・新機体の実装などが行われる「機動戦士ガンダム VS.」シリーズの最新バージョンだ。

10月31日・11月1日に、東京ガリバー松戸店、ラウンドワン横浜駅西口店、namco大阪日本橋店の3店舗にて、本作のロケテストが行われた。

ロケテストでは、全国オンライン対戦はもちろん、新アクションや武装が追加された一部機体がすでに使用可能となっていたほか、バランス調整の施された既存機体や「ガンダム Gのレコンギスタ」より初参戦となる「G-セルフ」、さらにリニューアルされたEXバーストシステムも体験することができた。

ここでは、いよいよ実装されることとなった全国オンライン対戦機能の気になる疑問点や刷新されたEXバーストシステムの解説のほか、ロケテストの様子および新機体「G-セルフ」の使用感を紹介。さらに、本作のプロデューサーを務める大石勇気氏に、マッチングの仕様や機体調整について聞くことができた。

新たなEXバースト“エクステンド”の使用感はいかに?ロケテストの模様をお届け

今回筆者は、東京ガリバー松戸店にて本作のロケテストに参加。筆者が到着した11時頃には2時間近い待機列が構成されており、店内ではプレイヤー同士で新要素・機体の情報交換が行われる一幕も散見できた。

シリーズの1プレイヤーであり、過去作のロケテストにも参加してきた筆者。最近は仕事などから大会等にもあまり参加できずにいたので、こういったゲームセンター独特の熱気を久方ぶりに肌で感じた。会場での懐かしさを思い出しつつ、まずは本作の最大の特徴であるオンライン対戦の始め方について紹介していこう。

オンライン対戦の始め方

ロケテストでは、オンライン対戦にはシャッフル戦(ソロ出撃)とチーム戦(チーム出撃)の2つがあった。シャッフル戦(ソロ出撃)ではクレジット投入後、「ラインセレクト」画面にて「ソロ出撃」を選択。使用する機体とEXバーストを選んだあとは、対戦で使用したいステージを決定する。

チーム戦もシャッフル戦と同様、クレジット投入後「ラインセレクト」画面にて「チーム出撃」を選択。続けていくつか用意されている参加チームのどれかに入ろう。各画面でしっかりとアナウンスが表示されるので、あまり迷うことはないだろう。

ドライブシステムとバーストシステムを統合した新たなEXバースト

本作より、「マキシブースト」に実装されていた2種類のEXオーバードライブとEXバーストが統合され、「ファイティングバースト」「シューティングバースト」「エクステンドバースト」の3種類のEXバーストが実装された。

筆者が実際に触れてみた第3のEXバースト「エクステンドバースト」の使用感を紹介しつつ、刷新された各種バーストの特徴を改めておさらいしておこう。

  F-BURST E-BURST S-BURST
固有性能 格闘の追従性能が大幅に向上 EXバースト中に撃墜されてもペナルティなし 一部の射撃攻撃をステップ可能
格闘攻撃時、相手がダウンしにくくなる EXゲージ50%以上で被弾時でもEXバースト発動可能 ロックオン距離が大幅に延長
格闘攻撃でガードブレイク可能 斜め方向へステップ可能 リロード速度が大幅に上昇
追加キャンセルルート 射撃攻撃を格闘攻撃でキャンセル可能 射撃攻撃を射撃攻撃でキャンセル可能
発動時のブースト回復 ↑↑↑ ↑↑
格闘攻撃ダメージ ↑↑↑
射撃攻撃ダメージ ↑↑↑
被ダメージ減少律 ↑↑↑
機動力 ↑↑↑ ↑↑

格闘の爆発力が光るファイティングバースト

ファイティングバーストは、格闘攻撃の性能を大きく向上させるEXバーストだ。イメージは、F-ドライブ+EXバースト。機動力と発動時のブーストゲージ回復量がピカイチなことからも、相手にブーストを使わせて追い詰めた時はもちろん、多少強引に攻めて格闘をねじ込むこともできる。

フルアーマーユニコーン(第三形態)やダブルオークアンタフルセイバーなど、格闘性能が優れている機体と組み合わせると驚異的な爆発力を発揮できる。通常では相手がダウンしてしまうような格闘コンボも繋げられるようになるので、使用する際はファイティングバースト中の格闘コンボもしっかりと覚えておこう。

なお、今作ではファイティングバースト中に射撃をステップでキャンセルすることができなくなっているので、あらかじめ注意が必要だ。

生存能力を高めるエクステンドバースト

本作から追加された新たなEXバースト。特徴は、EXゲージが50%以上溜まっていれば被弾時でもEXバーストを発動できることと、EXバースト中に撃墜されてもペナルティを受けないこと。

通常、EXバースト中に撃墜されてしまうと、EXゲージが0%の状態で復帰してしまう。エクステンドバーストを選択していれば、EXバースト中に撃墜されても一定数のゲージが溜まった状態で復帰できるようになる。しかしながら、撃墜されずにEXバーストを終えれば、たとえ耐久値が低くとも被ダメージ・与ダメージ分のゲージを稼げることを考えると、あくまで最悪の場合の保険と考えておくほうがいいだろう。

回避能力・生存能力に特化したEXバーストということもあり、機動力もファイティングバーストに次いで上昇する。この機動力上昇効果は機体によって差異があるものの、かなり大きく上がっているように感じられた。足回りの良さは純粋な強みになるので、こちらを活かしてしっかりと窮地を脱していこう。

なお、エクステンドバースト発動中は斜め方向へのステップも可能になる。相手に十字に位置取られてしまった時などは、こちらも念頭に入れて動くと生存率が上がるかもしれない。

攻めにも守りにも使えるシューティングバースト

シューティングバーストでは、一部の射撃を射撃によってキャンセルできるようになるほか、ロックオン距離延長およびリロード速度が上昇。

いちいちブーストダッシュを挟む必要がなくなり、その分相手とのブーストに差が付きやすくなるだけでなく、連射しながら近づくことで強引に射撃を押し付けてダメージを奪うような芸当も可能だ。

さらに、足を止めて撃つ射撃をステップによってキャンセルできるようになるので、相手と近距離で振り向きながら射撃してしまった時など、攻撃の誘導を切りつつ離脱or反撃に転じることができるのも嬉しい点だろう。

多様な武装を使い分ける「G-セルフ」のプレイフィール

本作から、「ガンダム Gのレコンギスタ」より、主人公のベルリ・ゼナムが操る「G-セルフ」が参戦。

既出の情報では複数形態をもつ2500コストの万能機ということで、同コスト帯のインパルスガンダムや2000コストのストライクガンダムのようなバックパックを換装しながら戦うような機体をイメージする人も多いのではないだろうか。以下では、本機の特徴を少しだけ紹介しよう。

通常時となる「宇宙用パック」は、平均的な性能のメイン射撃と格闘を持つ万能機といった印象。特筆すべきはサブ射撃で、ジ・Oの特殊格闘やキュベレイの後格闘のように自身の周囲にスタン属性のプレッシャーを展開できる。発動まではやや遅いものの、広い範囲にプレッシャーが広がるので、さまざまな場面で使えそうだった。

特殊射撃で機体背部に「リフレクターパック」を展開。原作ではビーム攻撃の吸収機能を備えていた本形態だが、今作でも機体背面からのビーム射撃を一定数防いでくれるバリアとなっており、原作の特徴が上手く再現されていた。

また、本機は変形コマンド(ジャンプボタンを押しながらステップ入力)によって「アサルトパック」形態へと移行する。「アサルトパック」形態では武装が一新され、強力な照射ビームや誘導の良いミサイル、ビームをばら撒くことができる。名前通りの高火力を叩き出せるので、上手く変形を織り交ぜながら戦うことが肝になりそうだった。

オンラインを活かした多彩なイベントや大会も開催予定!大石勇気氏インタビュー

――まずは、本バージョンの特徴を教えてください。

プロデューサー・大石勇気氏
プロデューサー・大石勇気氏

大石氏:一番はやはりオンライン化ですね。店内対戦が成立しづらい午前中などはオンライン設定にしておき、店内対戦が成立しやすい午後以降は店内対戦設定を多めにするなど、来店プレイヤーの属性に合わせて柔軟に設定を切り替えることが可能です。オンラインとオフラインの切り替えは、店舗が任意に設定できるので、プレイヤー同士がお店に集まってその場で盛り上がるという、従来の遊び方ももちろん可能です。

――マッチングは階級によって行われるとのことですが、どのくらいの幅でマッチングが行われるのでしょうか?

大石氏:本シリーズのアーケードでのオンライン対戦導入は初めての試みということもあり、まずは確実に人とマッチングさせることを最優先に設計しています。家庭用の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト」では何万人ものプレイヤーさんがオンライン対戦に接続しているので、階級を細かく区切ってもマッチング出来るのですが、アーケードでの同時接続人数は家庭用と比べると母数が少なく、家庭用と同じ様にやってしまうと「対戦が起きませんでした」ということが頻発してしまいます。なので、同じ階級だけという風にはあえて括らず、まずは対戦が起きやすいようにマッチングの幅を広めに取ってあります。イメージ的には、初心者・中級者・上級者の3段階くらいを想定して調整しています。この辺は実際に運営してみながら調整していきたいと思います。少なくともソロ出撃(オンラインでのシャッフル)では、民間人が元帥と当たったりするようなことはないので、ご安心ください。

――たとえば、階級に差がある人で組んでいた場合、マッチングはどのようになりますか?

大石氏:チーム同士のマッチングでも、なるべく同じくらいの実力のペアがマッチングする様にと考えています、現状ではお互いのチームで階級が高い方のプレイヤーをマッチングの基準とし、それぞれが組んでいるもう一人とペアでマッチングされます。

――階級の統計などはデータとして取っているのでしょうか?

大石氏:はい、階級と人口については重要なところなので、もちろん把握しています、現状のマキシブーストでは、やはり尉官クラスが一番人口が多く、形としてはそこから徐々に尖っていくような感じですね。

――機体の調整について質問です。何度か大型アップデートが実施されてきましたが、今回はこういった方向にしようといった指針はありますか?

大石氏:今回はこれまでの最大級の大型アップデートということと、本シリーズも5年以上の年月が経つこともあり、これを機に大胆な追加やアレンジに挑戦したいと考えています。特にシリーズ初期からずっと登場し続けている機体については、新しいアクションや新鮮さを与えたいと思いますし、それ以外の機体にも、もちろん変化を入れていきたいと考えています。

――V2ガンダムやνガンダムは印象ががらりと変わりましたね。

大石氏:シリーズ初期から登場している機体は、やはり調整の仕方というか、良くも悪くも味付けが後出の機体と異なっている部分が多く、そういった部分を最近の機体に少し寄せて新アクションなどを考案し、全体的にバランスのとれた実装を目指しています。方向性としては昔から変化の少ない機体、要望の多い機体などを優先的に調整していくように検討しています。

――今作ではEXオーバードライブとEXバーストが統一されましたが、こういった方向性に至った経緯を教えてください。

大石氏:「マキシブースト」で新要素として導入したEXドライブシステムですが、面白くなった部分、まとめきれなかった部分など、ユーザーさんからも多くのご意見をいただきました。今作ではオンライン対戦の導入ということもあり、家庭用フルブーストでオンライン対戦を楽しんで頂いているプレイヤーさんでも入りやすい環境も意識し、皆様から評価して頂いているフルブーストまでの良かった部分と、マキシブーストの良い部分を改めて見直し、それらをシンプルにまとめ、更に新しい要素も加えることで、幅広いプレイヤーの皆さんに楽しんで頂ける「新たなバトルシステム」としてリニューアルさせたいと考えています。また、オンライン対戦ではやはり処理負荷などが増えてしまうので、システムをシンプル化する事は快適なプレイ感を実現するための一環という側面もあります。

――なるほど。では、オンライン要素を取り入れたイベントや大会などの開催は予定されていますか?

大石氏:今回はオンライン対戦導入という事もあり、これまでになかった新しい楽しみとなる施策を考えています。その一つとして、期間限定で通常対戦とは異なるレギュレーションで戦う「オンラインイベント戦」を定期的に開催したいと考えています。店内コミュニティーの盛り上げという側面では、今開催中の「AUTUMN BATTLE」などの季節毎の公式大会もこれからも実施していく予定です。また、オンラインCPU戦の「VS.コンクエスト」にも新要素となる「緊急オペレーション」が追加され、報酬システムにも少し手を加えようと思っています。

――どのように調整されるのでしょうか?

大石氏:「マキシブースト」では、複数の勢力ごとに報酬が付与される形ですが、この形式だと、もの凄く頑張って所属勢力に貢献した人とそうでない人とで、得られる報酬の差がつきにくい面もあるので、今作ではもっと個人報酬の価値を高めた報酬付与のシステムを検討しています。

――報酬といえば、プレイヤーナビなどもかなりの数が実装されていますね。

大石さん:カスタマイズ要素はこれからもどんどん追加していく予定ですので、期待していてください。またそのほかにも、カスタマイズ価値の高いものとして、オンラインイベント戦、公式大会やランキング戦でしか手に入らない報酬といったものも検討していきたいと考えています。

――オンラインイベント戦はどの様なレギュレーションで行われるイメージでしょうか?

大石氏:まだ企画段階ですが、たとえば「連邦軍機体vs.ジオン軍機体限定」「C.E.作品機体限定」などの作品縛りや、「1500コスト限定」「3000×2000コスト限定」など、特定条件での機体選出の縛りのイベントなども考えています。

――コスト縛りだと、普段は見かけない機体も活躍できそうで面白そうですね。

大石氏:「この機体ってこんな動きができるのか!」というような、新しい発見ができると思いますね(笑)。160機近くが参戦しているので、ぜひいろんな機体を知ってほしいです。個人でも参加しやすいように勝利数などの獲得ポイントでのランキング形式も考えているので、今後の続報に期待してください。

――貴重なお話、ありがとうございました。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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