11月12日より韓国・釜山のBEXCOにて開催されているゲームショウ「G-STAR 2015」。Nexonがパブリッシングするモバイルゲーム「野生の地:Durango」を紹介する。
本作は「マビノギ」や「マビノギ英雄伝」を開発したディレクター、イ・ウンソク氏の新作タイトル。プレイヤーは、謎の事故で空間がねじれ、現代から原始時代へワープしてしまう。未開拓の土地を切り拓き、他のプレイヤーと共にコミュニティを形成、国家を作りあげていく。
モバイルタイトルでありながら、リアルタイムに進行する本格的なMMORPGで、インタビューに応じてくれたNexonのWhat! Studioでディレクターを務めるイ・ウンソク氏は、モバイルMMORPGの概念を根底から覆すものと表現していた。
ここでは、会場で試遊したインプレッションとともにイ氏のインタビューをお届けする。
戦闘は自動戦闘でお手軽、列車で恐竜に襲われる独特の世界観
現在、本作は開発中の段階で、会場で触れることができたのもチュートリアルのほんの一部だけだ。ゲームを開始すると電車に乗っている乗客の中からプレイキャラクターを選ぶことになる。サラリーマンや求職活動中の人、従業員、主婦など、現代社会のどこにでもいるような人々を選択可能だ。
移動はオーソドックスな画面をタッチするバーチャルスティック操作で、話したい人物の近くに行くと会話アイコンが表示され、アイコンに触れれば話すことができる。
途中、電車の椅子の下にアクセサリーを落としてしまった少女に出会うのだが、会話で「奥を探す」「手前を探す」といった選択肢があった。おそらく、選択によっても何らかの変化があるのだろう。
その後、食堂車で食事をとっていると、突如、列車が嵐のようなものに巻き込まれてしまう。列車の後方に向かう途中、何かに襲われる人と遭遇する。斧を手に入れ、追いかけたところには人の3倍ほどの大きさの恐竜に襲われる乗客の姿が。ここで、恐竜との戦闘になる。
戦闘は至って簡単で基本は自動で行ってくれる。画面には攻撃ボタンと回避ボタンが表示され、回避ボタンを押して数秒の間に敵が攻撃してくると自動で回避してくれる。
その後、しばらく戦っているとティラノサウルスのような巨大な恐竜が列車に食らいつき、戦っていた恐竜をくわえながらいなくなってしまう。そこで、試遊は終了となった。
肝心のオンライン要素や開拓要素などを体験することなく終了してしまったが、グラフィックが美しく、動作も軽快で可能性を感じさせる仕上がりとなっていた。インタビューでは開拓要素や部族といったコミュニティについて解説してくれた。
土地を手に入れたり国家建設も!?イ氏にインタビュー
イ氏は、モバイル技術の発達により可能性が広がったモバイルアプリ市場で、従来の非同期型のゲームではないフルMMORPGを目指して本作を開発したという。
タイトルになっている「Durango」とは、“水の地”という意味でメキシコに同名の都市が存在しているそうだ。水が重要な資源となっており、人だけではなく、動物などの生き物も水を求めて生活している。
本作のワールドは広大だが、マップ全体がクライアントに入っているわけではなく、その都度読み込む形式になっているという。地図アプリを思い浮かべてもらえればわかりやすいだろう。
しかしマップは広大な大陸ではなく、大陸と小さな島々で成り立っており、基本的には1km四方の小さな島が舞台となる。島にした理由については、一番ゲームを楽しむことのできる形だからとのことだ。
島は何もない荒れ地の状態からスタートし、プレイヤーが村や街を建設していく。その過程で、土地を手に入れたり、資源を独占したりとサンドボックス的な楽しみ方ができる。
サンドボックス型だと先行者が有利になってしまいがちだが、そこは島にしたことで解決したという。土地を開発しても隣に気に入らない人が来てしまった場合、どのように対処するのかを考えたところ、島を分けてプレイヤーが選べるようにしたそうだ。
ひとつの島にはチュートリアルを終えた30人程度のプレイヤーが到達する。チュートリアルを終えた段階で、先にプレイしている友達の名前を入力すればその島にいくことができるし、何もしなければ新規の島でスタートとなる。
本作には、安定した島と不安定な島の2種類が存在し、普段は安定な島で生活することになる。安定した島では、土地を手に入れて開発したり、村や街を発展させていくことが可能だ。不安定な島は、狩りや資源を手に入れる場所で、1~2週間程度で消滅してしまうセッション制になる。この2種類の島を行き来する点が革新的なポイントだ。
部族と呼ばれる30人程度のコミュニティを形成することができる。部族はギルドのようなもので、複数の部族が集まって国を作ることも可能だ。国同士が領土をめぐって対立するといった構想もあるそうだ。
部族にもさまざまなタイプがあり、たとえば農業を発展させれば優秀な作物を作ることができ、大きな貿易施設を作れば他の部族も利用してくれたりと、注力する施設によって様々な遊び方ができる。
本作のリリース時期は未定だが、2015年12月に韓国でテストが行われる予定だ。