2016年1月20日より舞台「アルカナ・ファミリア Valentino」の公演が、東京都の池袋あうるすぽっとにて初日を迎えた。それに先立ち、1月20日に関係者向けの公開ゲネプロが実施されたので、その模様をお届けしよう。
目次
なお、今回は舞台専用の特別なオリジナルストーリーなため、一部ストーリーのネタバレとなる部分も含むため、見に行く予定がある方はあらかじめご注意いただきたい。
あらすじ
地中海に浮かぶ豊かな島―レガーロ島―を守る自警組織「アルカナ・ファミリア」。不思議な力を持つ「タロッコ」との契約を結び、「アルカナ能力」を持つ組織の構成員らは、今日も島をすべての災厄から守っている。
ある日、パーチェによって集められたアルカナ・ファミリアのメンバーは「アルカナベリッシモinバレンティーノ」の開催を告げられる。
アルカナ・ファミリア選抜メンバーとワイルドカード枠の1名を加えた7名でレガーロ島NO.1ベリッシモ(イケメン)の座を競うこのコンテスト。なんと優勝者(NO.1ベリッシモ)には「フェリチータからのキス」が!
俄然やる気になったメンバーは、それぞれ準備へ取り掛かる。…彼らを監視する“謎の影”には気づかずに。
エンディングのダンスの振り付けを覚えよう
舞台の開演時間の5分前くらいから、アンサンブルのメンバーによるエンディングで使用される曲のダンス振り付け指導が始まる。このダンスの振り付けの練習は舞台の開演前からスタートするので、会場にはできるだけ時間の余裕を持って向かうといいだろう。
また、エンディングの曲でのみ、ペンライトを使用することもできる。ペンライトは物販コーナーでも取り扱っているそうなので、忘れてしまった人はぜひ物販コーナーで購入しておくと良い。
いきなりエンディングの話から始まってしまったが、このポイントをしっかり押さえておくことでより”ファミリー”の一員として、舞台を楽しめるだろう。
ストーリーは舞台特別のオリジナルストーリー!
前述のあらすじでも触れた通り、今回の舞台でベースになるのはゲーム版でもアニメ版でもなく、まったく新規のオリジナルストーリーとなる。
ストーリーの詳細については極力触れないが、ゲーム版をプレイした人やアニメ版を見てきた人たちも、ドキドキのスリル満点なストーリーを楽しむことができる。
だが、舞台上で”ファミリア”についての説明やアルカナ能力などの説明はほとんどないため、もしも今回の舞台で初めて「アルカナ・ファミリア」の世界に触れる人はあらすじだけでも押さえておくとストーリーに入り込みやすい。
また今回注意したいのは、攻略可能キャラの一人だったダンテは舞台に出てこない点だ。それ以外のリベルタ、ノヴァ、デビド、パーチェ、ルカ、ジョーリィは舞台に登場するので、安心してほしい。
通路席の乙女には素敵なチャンスがあるかも…!?
最近の2.5次元の舞台では多くみられるが、「アルカナ・ファミリア」の舞台では特にキャストが舞台から客席に降りて客席で見ているファンをまるで”ファミリー”のように見立てて演技をするシーンが多い。
一部のシーンでは、キャストが直接ファンに聞き込みをするようなところも。通路席など、キャストが声を掛けやすい席の人は、チャンスが訪れることを祈りたい。かっこいいキャストたちが自分のすぐ横を通り過ぎていったり、目の前で演技をしてくれたり、話しかけてくれたりと、サービス満点どころではない。
なお、聞き込みの時にキャストに答えたことは、彼らが舞台上できちんと話題にしてくれるのも高ポイント。これは脚本通りなのか、アドリブなのか、それすらわからないくらいに自然に舞台のストーリーの中に反映してくれるので、まさに見ているこちらの気分はレガーロ島の住人そのもの。
また、ヒロイン役のフェリチータはとてもかっこよい女性で、まさに「少年漫画×乙女ゲーム」というコンセプトの元に作られた「アルカナ・ファミリア」の作品を代表するヒロインに相応しい。
ヒロインでありながら蹴り技などを繰り出すかっこいい殺陣シーンもあり、それでいて思いやりに溢れたキャラクターで、これならばみんなが好きになるのもわかる、と自然に思わせられる。
ゲームや漫画の中では一度もフェリチータが唱えたことのなかったアルカナ能力名を、今回の舞台で初めて迫力の演出と共に唱えるシーンも見どころのひとつだ。
ゲームやアニメの中では見られなかったシーンは、ほかにも盛りだくさん。これぞオリジナルストーリーだからこその醍醐味、とばかりに最初から最後まで笑いあり、シリアスなシーンありとなっている。
もちろん原作のキャラクターを活かし切っての演出となっているので、新しいストーリーながらも違和感なく「アルカナ・ファミリア」の世界に入れるところが素晴らしい。
舞台はなんとマルチエンディング?一体どうなる恋の行方!
エンディング直前で待っているのは、まさかの本気の告白タイム!各ファミリーのメンバーたちが毎回フェリチータに心の篭もった愛の言葉を囁いていく。
この時フェリチータがあえて背を向けて座ったまま、まったく動かないでいることで、客席のファンとフェリチータの立ち位置を同じにし、より感情移入できるようになっている。
だからこそだろうか、甘い雰囲気は会場を丸ごと飲み込むような勢いで広がり、これにはもうフェリチータでなくとも心臓が破裂しそうなほどだ。
フェリチータは果たして誰を選ぶのか。これは毎回変わるという噂もある。フェリチータが本当にその回で心動いた相手になるのかもしれない。だからこそファミリーのメンバーたちもフェリチータを本当に振り向かせるべく、本気の愛を伝えに行くのだろう。
なお、このゲネプロが終わったあとのインタビューで、フェリチータが今回誰の告白が一番心に響いたかを答えてくれているので、ぜひそのインタビューにも目を通してほしい。
ゲネプロを終えたメインキャストたちにインタビュー!
――まずはゲネプロを終えて一言お願いいたします。
中田さん:フェリチータ役の中田です。私自身アニメやゲームがとても大好きで、「アルカナ・ファミリア」も大好きな作品のひとつだったので、オーディションのときから気持ちがたかぶっていて、実際にフェリチータ役に決まったときは本当にうれしかったです。今こうしてファミリーのみんなとステージ上に立っていられることが幸せです。こんな私ですが、どうか最後まで見守ってください。
大島さん:リベルタ役の大島です。ゲネプロならではのアクシデントもありましたが、怪我なく終えられてよかったです。これから全10公演、怪我なくみんなで毎公演高め合い、怪我なく千秋楽を迎えられたらと思っています。
大海さん:ノヴァ役の大海です。稽古がはじまって1ヶ月、今日(公演初日)をターニングポイントとして頑張ってきました。誰ひとりかけることなく今日をむかえられてうれしいです。これから10公演、アルカナファミリーとして絆を深めていきたいです。
校條さん:デビド役の校條です。稽古がはじまってファミリーの絆が強くなっていき、本当にみんなにありがとうと伝えたいです。日を増すごとに座組の絆はもちろんのこと、登場キャラクター全員の絆が色濃く深くなったとおもいます。
小林さん:パーチェ役の小林です。やっと本番がはじまるのかという思いで、とても楽しみです。僕自身ステージ上でよく食べるキャラクターなので、お見苦しくならないように精一杯おもしろおかしくできたらとおもいます。
北村さん:ルカ役の北村です。今回の「アルカナ・ファミリア」は僕にとってとても大切な作品のひとつとなりました。原作ファンの皆さんはもちろん、新規の方にも、一人でも多くの方に見ていただきたいと思えるような作品になったとおもいます。今日おかげさまで初日を迎えますが、演出の八十島さんを筆頭にみんなでひとつの輪になって、千秋楽まで誰一人欠けることなく駆け抜けたいと思うので、明日からもよろしくお願いいたします。
塩口さん:ジョーリィ役の塩口です。この舞台「アルカナ・ファミリア Valentino」というのはファミリーの仲間がいろいろなことに立ち向かいながら成長していくストーリーです。これからいよいよ初日の幕が開けますが、これからどんどん物語と同じように僕たちも成長していけるのではないかと思っています。10公演、最後まで駆け抜けたいです。
――稽古中のおもしろエピソードはありますか?
塩口さん:稽古中ではないのですが、みんなで初詣に行ったんですが、大海くんの袖に鳥のフンがついていたんですよね(笑)。大海くんはウンがついた、ということでおさめたかったようですが、それからしばらくいじられてましたね(笑)。
――稽古中に何か事件はありましたか?
中田さん:とにかく他のメンバーとの距離が近くて、特にデビドあたりを筆頭にやたらに顔が近いので、私恋愛経験も乏しいもので(笑)、最初の稽古のあたりは役に入っていても思わずにやけてしまっていました。今は大分慣れたんですが、最後の告白シーンとかはまだやっぱり…(笑)。
――ちなみに、ゲネプロでの告白は誰の告白に一番ときめきましたか?
中田さん:これガチで答えてみんな芝居変えたりしませんよね?(笑)ゲネプロでは、ジョーリィが好きでした(笑)。
塩口さん:(ガッツポーズ)
一同:芝居変えるか(笑)
中田さん:最初は「何やってるんだこのひと」と思っていたんですけど、最後の最後で髪にチューされるとは思わなくて(笑)。
一同:やっぱキスかあ(笑)
――作品の好きなシーンはどこですか?
中田さん:全員が黒スーツで服装からびしっとかっこいい作品で、ゲームとかやっているとかっこいいだけじゃなく可愛い部分や面白い部分もたくさんあって、そこが「アルカナ・ファミリア」の魅力だなと思います。
舞台「アルカナ・ファミリア Valentino」で一番見ていただきたいのは、アクションシーンですね。原作でもかなり戦ってますが、舞台でもかなり戦っています。男性陣の殺陣はもちろんかっこいいですが、私にも殺陣シーンがありますし、アンサンブルのみなさんまで含めてとてもかっこよく仕上がっていると思います。あとオープニングとエンディングは必見かなと。
――パーチェはいろいろ食べていますが、あれは毎回何を食べるか変わるんですか?
小林さん:あれは毎回同じものとは聞いているんですが…ああいうシーンは舞台だとエアでやったりするじゃないですか。でも稽古で「まだ食べれる」とどんどん増やされていって、結果的に今ガチで食べさせられています。辛いですけど、頑張っています(笑)。稽古中には口に入れたものを吹き出してしまったことがあるので、舞台上で吹き出さないようにしたいです(笑)。見所のひとつです。
――原作に寄せるためにがんばった部分などがありましたら教えてください。
中田さん:ゲーム中はフェリチータはほとんどしゃべらないので、声はアニメやドラマCDを頼りにしたり、あとは漫画版を読んで勉強したりしました。
フェリチータといえば蹴り技がすごいのと、ナイフさばきがすごい綺麗なので、そこらへんの動作はとてもがんばりました。特に蹴り技は靴がピンヒールなので、バランスが取れるまでが大変でした。
大島さん:リベルタは十代の男の子なので、にじみでる可愛さとか真っすぐな心を表現できるようにがんばりました。僕自身24歳なので、忘れかけていた少年時代の心の引き出しをちょっと開けたりして、思い出してみて、いかにわざとらしくかわいくするのではなく演じられるか研究しました。
大海さん:ノヴァはこの中だと年齢が一番低いですが、僕は童心ながらの純粋さは常にもっているので(笑)、その開いている引き出しから、これとこれとこれ、と選んで役に重ねました(笑)。声だったりしぐさだったりも、ひとつひとつ研究しました。
小林さん:僕は身長と年齢と普段からメガネをかけているとか、パーチェと普段の自分と似ている部分がたくさんあったので、ありのままで楽しもうという意識でやっています。
校條さん:僕は声や歩き方などのベースはもちろんなんですけど、酒と女とギャンブルと、あとはヒャッハーです(笑)。すごく大事なところです(笑)。
北村さん:ルカは最初もっと単純で真っすぐな人かとおもっていたのですが、原作をやっていろいろな表情を持っているキャラだったんだなぁと思いました。複雑な関係性とかもたくさんあるので、キャラクターによって接し方を変えていくなど、そういう部分を意識しました。
塩口さん:ジョーリィはとにかく喋るのがゆっくりで声も低くて、普段の僕は早口なうえに声も高くて、真逆なんですよ。表現としての陰と陽が自分と全然ちがうので、まずはゲームなどで声のトーンなどを研究しつつ、ゲームのスチルにある仕草をいれたりしています。
――最後に一言お願いします。
塩口さん:素晴らしい原作とファンに支えられている素敵な作品だと思います。その作品に関われてうれしいです。ぜひ一度と言わず何回でもその時の「アルカナ・ファミリア Valentino」を見に来てください。
北村さん:初の舞台化ということでそれぞれの思いもあるとおもいますが、これからも長く続いていく作品になれるように頑張っていきたいと思います。
小林さん:ぼくら自身が楽しんでいきますので、皆さんも一緒に楽しんでください。
校條さん:「アルカナ・ファミリア」のみんながここで今生きていますので、ぜひ会いにきてください。
大海さん:僕たち「アルカナ・ファミリア Valentino」のキャストだけでなく、見に来てくださる方ひとりひとりをファミリーと思っています。一人でも多くの方に見ていただきたいので、ぜひ劇場に足を運んでください。
大島さん:この一ヶ月みんなで家族のように話して、悩んでつくりあげてきた大切な作品です。ひとりでも多くの方に見ていただきたいです。僕らの身体を借りてキャラクターが生きられるのはたったの10回です。なので、この10回をぜひ皆さんに見ていただきたいと思います。
中田さん:私自身初の2.5次元、初の主演、そして自分自身が好きな作品に関われることが本当に光栄です。緊張もしていますが、優しいファミリーのみんなと一緒に作品を作り上げられるのが楽しくて嬉しいです。今も多くの人に愛されている「アルカナ・ファミリア」という作品を、舞台「アルカナ・ファミリア Valentino」でさらに愛される素敵な作品にできたらいいなと思うので、ぜひ皆さま劇場にお越しください。
舞台演出の八十島美也子氏より、キャストたちへのメッセージ
この業界に十数年関わってきて初めて舞台に携わりましたが、映像と違い舞台をグループショットでつけるのにとても時間がかかり、キャストにもたくさんアイデアを借りました。ここからはみんながみんなを信じて、演じる時間です。私の想像を超えたお芝居を期待しています。
作品概要
公演
舞台「アルカナ・ファミリア」
公演期間:1月20日(水)~27日(水)全10公演
劇場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
出演
フェリチータ:中田美優
リべルタ:大島崚
ノヴァ:大海将一郎
デビト:校條拳太朗
パーチェ:小林涼
ルカ:北村健人
ジョーリィ:塩口量平
チケット料金
剣のセリエ席(特典付※非売品グッズ・前方席)8,500円
聖杯のセリエ席(一般席・前方~中段最前列)7,000円
金貨のセリエ席(一般席・中段)6,500円
棍棒のセリエ席(後方座席)6,000円
※全席指定・税込
イープラス
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CNプレイガイド
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