「遙かなる時空の中で・ファン感謝祭」は、「遙か」シリーズ15周年を締めくくる初のファン感謝祭。「遙かなる時空の中で」から「遙かなる時空の中で4」までのタイトルでキャラクターボイスを務めた関智一さん、中原茂さん、井上和彦さん、保志総一朗さん、置鮎龍太郎さん、川村万梨阿さん、浅川悠さんによるトークやライヴが盛り込まれた華やかな宴が催された。今回はその昼公演の模様をレポートする。

ステージが始まると、「遙かなる時空の中で」の役に扮したキャスト陣が登場。中原さんと保志さんが客席に降りファンとの交流を楽しんだかと思えば、川村さんと浅川さんが客席から現れどこに呪詛をまこうかと“かわいい”ファンを吟味。その様子に見惚れた(?)保志さんが進行を忘れると、すかさず中原さんらの助け舟が入り「永泉様の特技は目を開けて眠ることです!」と、客席を沸かせた。

ストーリー仕立てでオープニングは展開し、怨霊の登場に八葉はピンチに陥るが、会場の神子たちの大きな声援を力に変え怨霊を封印することに成功、キャスト全員で「遼遠の旅路を行け」を歌い上げると早くも会場が一つになった。

続いてのトークコーナーでは「15周年の今こそ聞きたい 遙か1~4のあれやこれや」と題し、ファンから集められたお題に沿ってキャスト陣がこの15年を振り返る企画がMCの久遠一さんと展開された。最初に「一番思い出に残っているイベントは?」というお題に、キャスト陣は口々に「ネオロマンス・フェスタ 遙か十年祭」の京都公演をあげた。実は、トークコーナーが始まる前に関さんと川村さん演じる源九郎義経・北条政子がクイズ形式で「遙か十年祭」にふれており、さらに掘り下げる形でトークが進行。

置鮎さんが、宿泊場所の鳥海さんの部屋で飲んだ際に井上さんが眠ってしまったことを語ると、中原さんも宿泊所近辺で川村さんが遭難してしまったエピソードを披露。川村さんはキャストの皆に大福を買いに出たのだが、山中で暗かったため帰りが遅れ、結局夜中の11時頃に中原さんだけにその大福を差し入れたという。その時を振り返り「なぜか俺が万梨阿ちゃんとマネージャーさんにお茶をだしたりしてね」と言う中原さんに、「もてなされてしまいました」と川村さんが返し、会場は微笑ましい空気に。

また、井上さんはダンスの振りが過激で、見返したら自分がロボットみたいだったと恥ずかしそうに語り、浅川さんは鳥海さんとの寝坊と謝罪の応酬があったことを明かした。関さんに至っては、自身が「遙か十年祭」に参加したか記憶が曖昧で、客席に「俺、京都出てる!?」と何度も確認し会場が笑いの渦に包まれた。

2つ目のお題は「『遙か』出演が決まった15年前の自分に、何とアドバイスする?」。置鮎さんは「長く続く作品だから、1回成功したダイエットを維持しろ!」と長年にわたる体調管理をアピール。続いて中原さんは自身のファッションセンスについての注意を促す自虐的ともとれるコメントをした。

また、自身をこの作品のマスコットキャラと自負する保志さんは、「この作品が始まった時は20代だったが、今は40代。生き残るためにはカワイイ声を維持しろよ!」と意気揚々だったが、浅川さんから「過去の自分に言いたいことは、これから15年保志くんと一緒にイベントをするから、イライラしないように」と、オープニングを引きずった強めのジョークを受けてしまった。

最後に川村さんは、自身のキャラクターや曲の演出をネタにしつつも、作品によって異なる役を演じる苦労を滲ませた。各々が15年間作品と向き合ってきたキャスト陣ならではのコメントを聞くことができた貴重なトークだった。

トークコーナーが終わると、MCの久遠さん、関さん、井上さん、そしてアシスタントのアンフィニの2人によるプレゼント抽選会が開催。キャストの寄せ書きサイン入り公式パンフレットと、「『ネオロマンス・ライヴ 遙か祭2015』キャラバナー/友雅、翡翠、景時、風早」「『ネオロマンス・ライヴ 遙か祭2015』キャラバナー/天真、勝真、九郎、サザキ」が会場から抽選で合計6名にプレゼントされた。キャラバナーはレアな非売品ということもあり、大いに盛り上がっていた。

続くコーナー「遙かなる時空の中で2」のコミカルミニドラマ「紅葉狩り!?日和」では、紅葉狩りを楽しむ藤原幸鷹、源泉水と神子が呪詛をまきにきた和仁、シリンそしてアクラムに遭遇する物語が展開された。

あれやこれやと掛け合いをしているうちに怨霊が発生し戦いが始まる、というところでイサト(高橋直純さん)と安倍泰継(石田彰さん)の天の声が会場に響き、八葉かシリン・和仁のどちらに力を与えるかを客席の拍手の大きさで決定することに。意外というべきか否か、シリンと和仁に神子の力が宿り、必殺の「怨霊ビーム」で八葉は遙か彼方へ飛ばされてしまった。八葉の悲しい捨て台詞と、アクラムそっちのけで神子を連れ盛り上がるシリンと和仁の高笑いでミニドラマは幕を下ろした。

「遙かなる」シリーズのイベントやグッズの新情報が発表されるコーナーでは、今夏に発売される「遙かなる時空の中で3」のボーカルCDや、オンリーイベントの開催、うしろ向きじれっ隊の再始動などが告知。さらに本イベントの追加情報として、6月29日に発売される、うしろ向きじれっ隊のセカンドCDには新曲が5曲収録され、保志さん、高橋直純さんが各々のキャラクターのソロ曲を作曲することが明らかに。保志さんは自身の作曲した曲について「切な系・スケール感のある・ミディアムバラード」をコンセプトに、泉水の暖かさを表現したと語った。

イベントも終盤となり「神子へのメッセージ」では、アクラム、サザキ、幻影、翡翠を演じるキャスト陣が、会場の神子たちに桜をテーマにした熱いメッセージを贈った。4人の真心のこもったメッセージに、涙ぐむ神子の姿も。中でも、井上さんが客席に現れ神子への愛を囁くと、客席からは感嘆の息が漏れていた。

ラストのライヴでは、「流星の弓矢となりて」「氷炎の薔薇の不幸」「あたたかき追想の湖に」「慈愛しさは光の砂時計」を、中原さん、川村さん、保志さん、井上さんが熱唱。客席がブレードライトで各々のイメージカラーに満たされる様は圧巻の一言に尽きる。メッセージ・ライヴと、7人のキャストを通じてキャラクターの想いをダイレクトに感じることができる、感謝祭の最後を飾るに相応しいステージだった。

そして迎えたエンディングでは、キャスト全員が15周年を感慨深く思うと同時に、作品に対する今後の明確なビジョンを持っていたことが印象的だった。ファンを「遙かの生き字引」と称え、20周年のイベントに向けてまだまだ力を合わせよう! という決意とともに、アンコールの「遙かなる時空を越えて」を会場全員で大合唱し「遙かなる時空の中で・ファン感謝祭」は終幕となった。「遙か」シリーズが15年にわたりファンに愛されてきた事実と歴史に、改めて感銘を受けたイベントだった。

ロビーの様子

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