アークシステムワークスが2016年5月26日に発売するPS4/PS3用ソフト「ギルティギア イグザード レベレーター(GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-)」の開発者インタビューとして、本作のゼネラルディレクター・石渡太輔氏に、ゲームの魅力やシリーズにまつわる今後の展開などを尋ねてきた。

今週5月26日に発売される、2D対戦格闘ゲームのシリーズ最新作「ギルティギア イグザード レベレーター(以下、GGXrd R)」のコンシューマ移植版(PS4/PS3)に関して、開発秘話などを尋ねるべく足を運んできましたアークシステムワークス。

今回は開発陣のうち、「ギルティギア」シリーズのゼネラルディレクターを務める石渡太輔氏より、GGXrd Rの見所、開発の裏話、今後の関連情報などを伺うことができたので、その模様をお届けしていく。これを見て、ソフト発売に向けて、テンションを高めていこう。それではLet's Rock!

石渡太輔氏
まもなく発売の家庭用版GGXrd R、そのコンセプトとは?

――本日はよろしくお願いいたします。

石渡氏:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

――まず最初にGGXrd Rがどのようなゲームなのか、簡単な説明からお聞かせください。

石渡氏:GGXrd Rは2年程前に発売した前作「ギルティギア イグザード サイン(以下、GGXrd)」の系譜を継ぐ、第2作目となっています。コンセプトとしては、従来の「ギルティギア」の魅力を突き詰めつつ、初めて「ギルティギア」を遊ぶという人に向けて“間口を広げる”ことを重視しました。

――間口を広げる、ですか。

石渡氏:開発中、僕らの間でもよく「なぜ今回、間口を広げたいのか?」について議論を続けてきました。これは統括バトルディレクターであるパチ君(関根一利氏)の言葉ですが、「野球」ってあるじゃないですか?

野球はとても面白いし、奥深いし、突き詰めればプロになって年棒何億の世界にも飛び込んでいけます。しかし一方で、「草野球」もあります。両者の間にルールの違いはありませんが、読売ジャイアンツvs草野球チームなら、絶対にジャイアンツが勝ちますよね?

――そうですね、そうだと思います。

石渡氏:ただ、そこには区分けがあるので、実際にそういうカードが組まれることはありません。でも、格闘ゲームのコミュニティというのは、あまりそういう視野では見られないのです。今の格闘ゲームにおける認識では、入門者と上級者の区分けが曖昧にされていて、単純な試合の勝ち負けだけで語られることが多く見られています。

――ゲームセンターにおける対戦の問題は、良し悪しに関わらず意識として根深いものですよね。あそこでは入門者vs上級者が簡単に成立してしまうので。

石渡氏:そのため、入門者は草野球の気分で遊ぶよりも以前の段階で、単純に「入りづらい」と感じてしまっているんです。これはやはりおかしいことですので、僕らとしてはこれからより多くの人に気持ち良く遊んでもらえるよう、「格闘ゲームで草野球をやってもいいじゃないか?」「別にそういうコミュニティがあってもいいじゃないか?」と主張したいんです。

僕らはこれまでも、自分たちの手が届く範囲であったり、さまざまなイベントを通して、「そういうコミュニティがあってもいいよ」と伝え、その誘導を行ってきました。そしてその結果が、今回のGGXrd Rのコンセプトである“間口を広げる”に繋がったのです。

――格闘ゲームの認識の抜本的な解決を目指しているわけですね。とても興味深いと思います。ちなみに作業的には、ちょうどひと段落を迎えたところですか?(インタビュー実施日:5月19日)

石渡氏:いや、アップデートパッチの開発作業に追われていて…。

――それは……おつかれさまです。昨今はソフトを発売したらそこで終わりではなく、長期的なオンラインサポートも重要視されていますからね。

石渡氏:そうですね。対戦格闘ゲームというもの自体、遊んでくれたユーザーさんたちの反応を見て、それをゲームに反映していく、長期スパンで見るべきコンテンツですから、GGXrd Rについてもゲーム面やサービス面での拡充は我々の目指すところとなります。具体的には言えませんが、今も常にスタッフが忙しく動いている最中なんです。

――しかし、GGXrd Rではアーケード版(AC版)とコンシューマ版(CS版)のどちらを優先してサポートしていくなど、今後の方針はあるのでしょうか。

石渡氏:それに関しては日々、スタッフの間でも意見が交わされています。本気で商売に打ちこむだけであればCS版に注力することも一つの方法ですが、アーケードで生まれた意見をじっくりと温めてから反映することは、僕らにとっては大切なことなので。

――現時点ではどちらか一方に寄ることはないということでしょうか?

石渡氏:はい、現時点でどちらか一方に舵を切るということはありません。それに、「ギルティギア」はユーザーさんによってアーケードのなかで育てられてきたシリーズですので、それを見限るということも、個人的には絶対にしたくありません。

――AC版の稼働発表から約1年が経ちましたが、GGXrd Rは当初構想していたロードマップの通りに進むことができましたか?

石渡氏:タイトルの規模感と実際のワークフローは、当初決めた通りに進むことができました。ただ、GGXrd Rに限らず、前作の頃からできていないことはたくさんあります。

――できていないことですか。どのような部分に当たるのでしょう?

石渡氏:もちろん、ユーザーに遊んでもらうゲーム部分はいろいろと煮詰めています。それでも表現の手法であったり、技術的な部分であったり、UIの手触りであったりと、いまだに多くの課題を残しています。ゴールに向かってまっすぐ進んでは来たのですが、自分たちが思っていたほどのスピードは出ていませんでした。思い描いていた青写真と現実の葛藤を感じましたね。

――クリエイターならではの悩みと見受けられます。ちなみにGGXrd Rの海外展開は予定されているのでしょうか? 今年の「EVO 2016(対戦格闘ゲームの世界大会)」にもメインタイトルとして選出されていますし、よろしければお教えください。

石渡氏:GGXrd Rは6月に北米と欧州、その後アジアに向けて海外版をリリースしていきます。EVO 2016については、本当にありがたい話です。今回メインタイトルとして選出されたことについてもスタッフ一同、大変うれしく思っています。

――昨今は日本でもe-sportsの機運が高まってきておりますので、大会関連のお話はユーザーさんがより親密に感じやすくなっているのではないでしょうか。

石渡氏:e-sportsの概念は、個人的にはXbox 360「ギルティギア2 オーヴァチュア(以下、GG2)」の頃から着目していましたので、「ようやく日本にもこの波が来たな!」と感じていますね。

CS版GGXrd Rの新要素について伺う

――ここからゲーム面について伺います。まずは今回のストーリーからお聞かせください。

石渡氏:GGXrd Rでは前作と同じく、開発で注力してきた3Dキャラクターモデルを使ってストーリーを描いています。2Dライクなアドベンチャーゲームとは違い、登場キャラクターたちを全て3Dで制作していますので、ちょっとした会話シーンなどでも、キャラクターたちが感情豊かに動いてくれるところが特徴となります。

見所としては、前作から本格的に始動した「ギルティギア」のストーリーがしっかりと前進し、終わりに向かっての期待感が煽れるよう心掛けています。

もう1つはビジュアルの強化として、前作の頃に「ストーリーのプレイ中、もう少しキャラクターの(動きの)アクションが欲しい」という意見を受けたため、キャラクターたちがバストアップ以上の姿でアクションしていたりと、やれる範囲で手を加えています。

――私も前作のストーリーは大いに楽しませてもらいました。ゲームジャンルがアドベンチャーゲームかと思ったくらいです。

石渡氏:制作したストーリーをユーザーさんから高く評価していただけて、僕らとしましては胸を撫で下ろす結果となりました。弊社では、「ブレイブルー」シリーズで非常に長尺なストーリーモードを制作していますので、GGXrd Rはどうしてもそれと比較されると思っていて……。同時に「アーク(の作り方)はこれしかないのか!」と言われるかなと考えていたくらいなので、必死でしたね(笑)。

――今回のストーリーモードには、何か新機能は搭載されているのでしょうか?

石渡氏:機能的には変わっていません。GGXrd Rではビジュアルにおける新たな表現方法として「リムライト(※)」を取り入れたり、絵のクオリティを上げたり、前作で培った開発経験をつぎ込んだりと、ストーリー演出を正統に進化させた形をとっています。

※照明方法の1つ。GGXrd Rからはゲーム中、炎や雷などのエフェクト/オブジェクトが、キャラクターの影描写に影響を与えるようになっている。

――ビジュアルへの「こだわり」が感じられます。

石渡氏:実はこだわりとは違いまして、僕らはアニメーターではなくゲームクリエイターなので、日々手さぐりで試行錯誤を繰り広げてきたということなんです。開発中は手が付けられるシーンから制作を進めてきたのですが、開発が進むにつれ、次第に“最初に作ったものと、後から作ったものの差”が如実に表れてきてしまって。

――もしかして、作り直しましたか?

石渡氏:もちろん、時間の許すかぎり直しました。時間の制約との折り合いは必ず付けなければなりませんでしたが、やはり僕らは「より良いものを見せたい」という気持ちがありますので、可能なかぎり手を入れています。

――ストーリーモードには、CS版からの新キャラクターも登場するのでしょうか?

石渡氏:その辺りはぜひプレイして確かめてみてください。結構ビックリする内容も盛り込んでいますから。

――楽しみにしておきます。では、それにちなみまして、GGXrd Rからの新キャラクターについて、1人ずつ簡単な説明をお願いいたします。

石渡氏:それでは最初に「ジャック・オー」ですが、このキャラクターはプレイヤーの間口を広げようというコンセプトの一環で、まず“コマンド技を少なくしよう”と試みたキャラクターです。

彼女はコマンド技を極力廃止していて、レバーとボタンの組み合わせだけで戦えるようになっています。もう少しゲーム寄りでいうと、僕らは「格闘ゲームにいろいろな要素を落とし込んでいこう」と考えていまして、それがエルフェルトであればFPSのシューティング要素でした。

ジャック・オーに関してはRTS(リアルタイムストラテジー)的な要素を押し出すために、彼女自身が頑張るというよりも、召喚するサーヴァントたちに頑張らせるというスタイルをとっています。

――ストーリーでの立ち位置にも期待しています。続いてはジョニーをご紹介ください。

石渡氏:「ジョニー」は旧シリーズで登場していたキャラクターでして、基本的には前作における既存キャラクターたちと同様、本来の魅力を損なわないよう、GGXrdらしく最適化しつつ、制作していくことがコンセプトとなっていました。

バトルでは中遠距離で威力を発揮するキャラクターなので、常々“ジョニーの間合い”で戦うことが重要となります。ほかのキャラクターたちと比べ、さまざまなアクションに細かな制約が課せられていますが、それを活かして戦うのがコツといえます。

――学生時代、友人のジョニーには幾度とボコされました……。次は蔵土縁紗夢(クラドベリ・ジャム)をお願いします。

石渡氏:個人的に「蔵土縁紗夢」は、“ギルティらしいキャラクター”と考えていまして、初めてプレイされる方でも素直に動かすことができて、必殺技の用途も見たまんまで使い道が分かりやすいキャラクターです。

格闘ゲームらしい王道さや、シンプルさを突き詰めています。

――こちらも旧来のファンに参戦が待ち望まれていましたよね。ではCS版からの新キャラクターの1人、レイヴンはいかがでしょう。彼に関してはようやくといった印象ですが(※旧シリーズでも姿と名前は判明していた人物。現時点でプレイアブル化されたのはGG2のみ)。

石渡氏:「レイヴン」はGGXrd Rの発表当時から参戦を考えていたうちの1人です。また、開発ではギリギリまで「どうする? 入れる?」と悩まれていたキャラクターでもあります。

旧シリーズのキャラクターというのは、やはり待ち望まれているユーザーさんがいますので、GGXrdシリーズにおいてもその枠は必須です。ただ、どうしても新規のキャラクターが欲しいんですよね。というのも、新作なのに旧シリーズのキャラクターしかいないと、シリーズファンがこれまでの貯金を使うことができ、新規ユーザーさんとの差だけが大きく広がってしまうので。

そういった中で、レイヴンというキャラクター自体は初出ではありませんが、格闘ゲームにおいては新規といえる部類なので、今回参戦させることに決めました。

――レイヴンを格闘ゲームに落とし込むうえで考えたことはなんでしょう?

石渡氏:レイヴンの目標はまず、GG2での動きを一旦棚に置いて、“今のGGXrd Rにいないキャラクターでいて、レイヴンならではの要素を加味”することでした。いずれも技自体は分かりやすく構成されているので、実際に触っていただければすぐに扱えると思います。

また、ビジュアルに関しては自分たちで課題を設けて、“知らない人でも、動きを見ているだけで面白い”ということに注力しました。ただ、アニメーションというのは時間をかければ滑らかに動くようになりますが、格闘ゲームでは技が出るまでに20フレームかかることも早々ありませんので、ゲーム的なバランスを考えつつ、僕らが好きなカプコンさんの「ヴァンパイア」「ストリートファイターIII」などのアニメーションを目指して、打ち合わせを重ねてきました。

コンセプトの初出をパチ君に「これで仕様を仕上げてほしい」と投げたとき、彼は頭を抱えていましたけれど(笑)。

――私も実際にプレイさせていただきましたが、確かにレイヴンはグニャグニャと滑らかに動きますね。爪の赤い軌跡に目を奪われてしまいました。

石渡氏:前作のDLCキャラクター「シン」のあたりから、弊社のモーションを付けるスタッフの腕がメキメキと上がってきていました。

前作までは既存のキャラクター、既存の技を3DCGに落とし込むことを優先していましたが、新キャラクターの制作においては「3DCGなら、こういう動きのほうがいいだろう」と考えられるだけの経験値が溜まってきましたので、それをレイヴンにぶつけたということです。

――それではもう1人の新キャラクター、琴 慧弦(クム ヘヒョン)はいかがでしょう。

石渡氏:「琴 慧弦」もプレイヤーの間口を広げる一環として制作した新キャラクターですが、このキャラクターに関しては“ゲームは好きだけど、複雑なことをやるのは苦手”という人に向けて制作しています。

ギルティ然としたシチュエーションごとのコンボなどを覚えるよりも、「飛び込み攻撃からの3段コンボ(空中攻撃→地上攻撃→必殺技)でダメージが出せる!」といった、シンプルな攻め方で戦えるキャラクターに仕上げているんです。

――では、入門者には一番オススメのキャラクターということでしょうか?

石渡氏:ところがですね、それでほかのキャラクター(or格上プレイヤー)に勝てるようにしては、キャラクターとして純粋に強くなりすぎてしまうので、それなりの制限を設けています。

それでいて、その制限が入門者には逆に難しいかもしれないので、ギルティみたいなコンボを覚えることが苦手な人、あるいはクラシックタイプの格闘ゲームファンにはばっちりとハマる、そんなキャラクターになっています。

――個人的には“中身”が気になるところです。もう1人、キャラクター総選挙によってDLC配信が決まっているディズィーに関してはコメントできますか?

石渡氏:今のところ、「ディズィー」についてはあまりお話しできることがないのですが、やはり常日頃からディズィーを楽しみにしている旧シリーズのファンの期待を裏切らないよう、元々の魅力と新要素の折衝点について、日々打ち合わせをしている最中です。

――総選挙の結果(※ディズィーはユーザーから32,990票を得て1位に)については予想されていたのでしょうか?

石渡氏:ある意味、予想どおりでした。でも、一番当たって欲しくないところでもありましたね(笑)。

――そうなのですか? 意外です。

石渡氏:誤解しないでほしいのですが、キャラクター自体に悪いところはないんです。ただ、ディズィーというのは1人で戦うわけではなく、「ネクロ」「ウンディーネ」という2つの翼(ギアによる防衛システム)が、さまざまな形状の攻撃を仕掛けるギミックを持っていますので、単純に何体ものキャラクターを作る必要があるんです。

つまり、制作が大変なんです……。DLCキャラクターは1体分の制作期間しか設けていませんので、今もモデラーやモーション班が青ざめているところです(笑)。中間発表のときは意外にも1位が「聖騎士団ソル」でしたが、ディズィーやブリジットの人気については織り込み済みでしたので、最後に覆されることも想定していたのですけれどね。

――私の持ちキャラ、聖ソル(3位)と梅喧(4位)だったんです……。

石渡氏:梅喧(バイケン)に関しては予想外の奮闘でした。もちろん、人気の意味合いではおかしくないことですが、ランキングをしたときにその位置にくるとは考えていなかったので。

――これらにちなんでお聞きしたいのですが、GGXrdシリーズでは“旧作の登場キャラクターたちがどうなっているのか?”の原案を、登場するしないに関わらず考えているのでしょうか。

石渡氏:世界観的な意味合いでは、結構決めています。中には決まっていないキャラクターもいますが、細かい部分を除いた物語の大筋をあらかじめ構成してから立ち上げたシリーズなので、たとえ物語に関わってこなくても、“あのキャラクターが、いま、どこで、なにをしている”は大体考えてありますよ。

――先日、旧シリーズのキャラクターの1人「ザッパ」が、誌面にてゲーム内に正式に登場することが明かされましたが、彼はプレイアブル候補なのですか?

石渡氏:いえ、現時点では特に考えていません。ザッパは単純にストーリー上で必要なキャラクターだったので、ストーリーをしっかりと見せるために登場させました。ですので、ゲームに登場しているからといって、プレイアブル化するかはまた別の問題となります。

――確かに、それこそ今までのレイヴンもそうでしたね。それでは続きましてバトル面に関してですが、CS版ではAC版と違う点はありますか?

石渡氏:一部の不具合修正を除き手は加えていません。ただ、VSモードでハンディキャップを設定できたりなど、外回りで家庭用ならではのカスタマイズをしています。前提はあくまでアーケードの移植であり、ゲームセンターで遊べていたものを家庭で再現することでしたから。

ただ、PS3版はAC版と同等のグラフィックですが、PS4版はAC版よりもさらに解像度を増していますので、そういった部分をチェックしていただけるとうれしいです。

――CS版のチュートリアルが中々に斬新な内容ですが、こちらに関してはいかがでしょう? 一見するとアクションゲームのような印象を受けました。

石渡氏:これは元々、パチ君が「もっと新しい形を提示したい」という思いを持っていたことと、僕の甥っ子のエピソードが背景にあります。この甥っ子なんですが、ある日ゲームを遊びたいというので、前作のチュートリアルを遊ばせたことがあるんです。そしたらその甥っ子、チュートリアルを遊んでいる最中に「これ、ゲームいつはじまるの?」って言ったんですよね。

――それは、ゲームデザインを考えるうえでは興味深いコメントですね。

石渡氏:ええ、僕としては既にゲームははじまっていたのですが、彼の中ではゲームがはじまっていなかったんです。かといって、甥っ子にコンボだの、サイクバーストだのを短期間で覚えさせようとしても、絶対に覚えられないはずです。それって結局、チュートリアルの意味がないと感じました。前作もどちらかというと、プレイできるマニュアルみたいなものでしたので。

そのため今回は、全ての要素を網羅しなくてもいいので、「この操作で、このキャラクターが、こう動きますよ」を遊びながら体感してもらうため、つまり“ゲームがはじまっていること体感”してもらえるようなチュートリアルとして仕上げました。

――個人的にはAC版に入れてほしい機能の1つといえます。それともう1つ、FAQ機能も興味深いコンテンツだと思っておりますが、こちらの導入の意図はいかがでしょう。

石渡氏:「FAQ」はバトル中に見ることのできる新機能です。旧来の辞書・図鑑的な機能では、あいうえお順でそのシステム名を索引しなければなりませんでしたし、そもそもシステムや機能の区別がつかない人にはハードルが高かったと思っています。

そのため、そういったことを知らなくても、操作に行き詰ってしまったときに、直観的に課題を解決してもらえるよう、「必殺技ってどうやって出すの?」「ガードできないよ!」といったいくつか用意したワードからアクセスしてもらい、疑問を解消してもらうようにしました。

――さらに、こちらも新機軸なデザインを見せてくれている、今回のネットワークモードのコンセプトについても伺わせてください。

石渡氏:まず最初にどのモードに関してもですが、GGXrd Rでは前述したとおり、「間口を広げる」ことをコンセプトにしています。今までの「ギルティギア」は鋼鉄感を全面に押し出してきましたが、より多くの人に興味を持ってもらうため、気持ち良くプレイしてもらうため、それらを工夫しながら「ギルティギア」らしさを出していくために、いろいろな部分で着地点を模索しました。

今回のネットワークロビーに関しては、前作の反省点を多く踏まえています。前作のネットワークロビーはいろいろと使える機能を用意したつもりだったのですが、そもそもの見た目であったり、操作方法やレスポンスの課題もあってか、こちらが考えていたほどユーザーさん同士でコミュニケーションを取っていただけなかったんです。

――確かに、個人的にも覚えはあります。

石渡氏:スタッフ間でも、「ブレイブルーではみんな和気藹々と会話しているのに、ウチ(GGXrd)はなんか、牢屋みたいな門があるだけだな……(自由に立てられる対戦部屋の見た目)。しかも、みんな真横になってるし……(無操作で一定時間が経過するとアイコンが横になってしまうため)」と、よく議題に挙がっていました。

しかし、これでは意味がありません。ユーザーさんにはせっかくネットワークを通して集まっていただいているのですから、出会いの場をより活発に使ってもらえるようにするため、今回は「コミュニケーションが取りやすくなるものとは、一体なんなのだろう?」を考え抜いたんです。

その結果、ユーザーにもっと気軽に遊んでもらえるように、見た目やUIを含めて新たなデザインを採用しました。家に帰ったとき、対戦は遊ばなくても、友人と話すためにロビーに集まってもらえたりするだけで、とてもうれしく思います。

――ロビーの中でチャットは可能なのでしょうか。

石渡氏:フリーチャットや定型文を使い、ほかのユーザーさんと会話することができます。

――「ブレイブルー」や「ペルソナ」であったりと、毎回ネットワークシステムに新たな試みが導入されていますが、あれらは全て同一の開発チームが手掛けているものなのですか?

石渡氏:いえ、同一のチームではありません。ただ、各チームが習熟した経験を、それぞれのチームで共有して、全体として経験値を蓄えてきました。みんなでその積み重ねを踏まえて、“新作ではさらにより良いもの”を目指しています。

突如飛来したSteam版GG2や単独ライブについても

――発売同日から配信されるDLCですが、有料DLCはゲーム内通貨では入手できないのでしょうか?(前作ではDLCキャラクター「エルフェルト」「シン」がゲーム内通貨でも入手できた)

石渡氏:今回はですね、ロビーの中に「釣り」ができる釣堀を用意しています。ここでは一回いくらとゲーム内通貨(※各種ゲームモードをプレイすることで貯まる)を支払うことで、キャラクターのカラーやアバターであったり、中には“こんなの出ちゃったんだけど……”というようなコンテンツが釣れるようになっています。いわゆる、ガチャガチャというやつです。

――そういえば釣りの導入の意図も伺ってよろしいですか。

石渡氏:これまでの格闘ゲームにおけるゲーム内通貨というのは、欲しいコンテンツがあってゲーム内通貨を溜める、あるいは溜まったゲーム内通貨でコンテンツをアンロックしていく、こういった構図が多く見受けられています。

ただ、僕にとってはこれが「作業だな……」と感じていたので、それを解消するためのアプローチとして釣りを導入してみました。「ゲーム内通貨も溜まったし、釣りでもやってみよっかな」と言うほうが精神衛生上、気持ちがいいのではないかと考えたので。もちろん、ギャラリーから任意のコンテンツをアンロックすることもできますが。

――それですとみなさん、釣りをやるためにロビーへ行くので、ネットワークへの導線としても機能しそうですね。

石渡氏:いや、実は釣り自体はメインメニューから釣り用のロビー(オフライン)に行くこともできるんです。でもせっかくですので、みんなでネットワークロビーに入って釣りをしてもらえるといいですね。

――少々話がそれますが今年4月1日、SteamにてGG2がサプライズ配信されたことで一部ユーザーが湧きましたが、あれはどのような意図があったのでしょう。

石渡氏:あれはですね、完全に社長(代表取締役・木戸岡稔氏)の遊び心です。「こんなにユーザーが出してほしいって言ってんだから、出しなよ(社長)」の一声で決まったので、採算もなにもあったわけじゃないんですよ(笑)。

――Steam版はササッと配信できるような状態だったのですか?

石渡氏:いえ、まずGG2の当時のデータをサルベージするところからはじまったくらいです。正直、相当苦労しましたよ。現状は当時あったシステムの一部が欠けてしまっている状態なので、それらも含めて補完できるように引き続き制作中です。

――当時は「朝まで2on2をプレイすること幾日……」と過ごしていたので、大変喜ばしいです。ところで、御社では今年からSteamでの展開が活発になってきましたが、Steamというプラットフォームでどの様にゲームを展開していくのか、そのビジョンはあるのでしょうか?

石渡氏:正直、詳しくは僕には分かりかねます。ただ、パッケージ販売の必要がなく、PC上でワールドワイドに同時展開できるSteamというのは、我々にとって重要な市場であると認識しています。

かといって、フルプライスのタイトルを発売日同時配信したり、Steamでしかできないものを専用に開発するなど、何をどうするかといった部分は模索中で、あまり考えてはいませんね。現状は扱い方のリサーチをしている段階です。

――今のところは方針としてではなく、それこそGG2のように機会が整ったタイトルから随時送り出しているということですね。

石渡氏:今はまだ「とりあえず、このタイトルもSteamでも出してみよう」で留まっていますが、いずれはSteamに合った展開というものが求められるはずですので、そのために必要な視点を持つことを考えていきます。

――Steamでの動向にも気を配らせてもらいます。次もゲームとは少しそれますが、来月開催となるライブイベント「Rock on 2Night GUILTY GEAR LIVE 2016」についてのコメントもいただけますか?

石渡氏:今回はやはり、GGXrdシリーズになってから初の単独ライブということで、今までの統括というよりも、新シリーズを遊んでいる方に向けたライブとしてお送りしてします。

僕らとしては本ライブは“ロックライブとしての完成度”を目指していますので、橋本さん(GGXrdシリーズの主題歌を務めているOUTRAGE・橋本直樹氏)には特に歌っていただくことになりますね。歌ものがメインなので、非常に盛り上がるはずです。

――2月には特設サイトで「ギルティギアシリーズ楽曲人気投票」も行われておりましたが、そちらの投票結果も参考にしましたか?

石渡氏:人気投票を参考にすることは最初から考えていたことですが、実のところ過度に期待されると困ってしまうことも……。現在は特設サイトにてセットリストの一部を公開してはじめていますので、それを確認したうえで、“大体合ってる”くらいの気持ちで参加していただけるとありがたいです。

――セットリストに関しては、2公演で違いはあるのでしょうか。

石渡氏:全体的に同じ楽曲の演奏を予定していますが、一部楽曲につきましては違うものを選んでいます。

――ところで、石渡さんは今回も現地(東京・大阪)には赴かれるのですか?

石渡氏:はい、その予定です。

――それでは、今回も石渡さんのプレイを期待していても?

石渡氏:……やー、それはどうでしょう(笑)。

――なるほど、期待しておきます。ついでになのですが、「ギルティギア」では「ブレイブルー」のように、舞台公演は予定していないのでしょうか。

石渡氏:声があれば、いつでもやります! いやー、「ブレイブルー」の舞台が好評を受けていて、「すごいなー」「うらやましいなー」と見ていたんですよ。GGXrdに収録しているストーリーに関しても、「俺らはアニメ化しないだろうから、俺らでアニメ作ろうぜ!」という雰囲気が多少なりともありましたし。

――続いては今年のトレンドである“VR元年”に関してです。PS VRへの参入企業として御社の社名が記されておりましたが、VRの研究や試みなどは進められているのでしょうか?

石渡氏:ゲーム会社である以上、それに関わるデバイスが発表されたら無視するわけにはいきません。完全に無視するというのも、それはそれで目的意識が定まっていると考えられますが。とはいっても、現状は「VRを使ったら何ができるんだ?」を考えている段階ですね。

――格ゲーマーなら誰もが一度は“VRで格ゲー”を想像すると思います。それこそ「VRでギルティを!」ですね。

石渡氏:実は、遊びの範疇でGGXrd RをVRで動かしてみたことがあるんです。

――そうなのですか? 非常に気になるお話です。

石渡氏:臨場感が半端なかったです。特にキャラクターがハイジャンプしたときにVRで下を向くと、地面が見えるんですよ。「なんて高さだ!」とみんなで驚きましたから。

――既存のタイトルをVR画面に出力するというのは簡単なことなのでしょうか?

石渡氏:いえ、それほど簡単なことではありません。どうしても専用のプログラムで対応をしないといけないんです。通常のゲームはモニターの1画面で済みますが、VRは右目用・左目用に分けられた2画面に、別々に出力しなければなりませんので。それにスペック的な問題も出てきますから、“単純にVRで映す”ということはできません。

――GGXrd Rを対応させてみたときはいかがでしたか?

石渡氏:幸い、GGXrdシリーズは全て3Dモデルで制作しているおかげで、前提としては問題ありませんでした。ただ、その時はあくまでシンプルな背景にキャラクターを立たせてみただけの簡易的なものでしたので、あくまで「VRで映しただけ」に留まっています。

――石渡さんとしては、今後はどのようにVRを活用していきたいと考えておりますか。

石渡氏:僕個人としては、将来的にVR専用ゲームをリリースするというよりも、「このゲーム、機能をVRで見ると面白いよ」という使い方を考えています。例えば、バトルのリプレイなんかをVRで見てもらったり、そういう機能があってもいいかなと。

――ゲームの裏話から期待の高まるお話まで、本日はありがとうございました。それでは最後に、ゲームの発売を心待ちにしているユーザーさんたちへ一言お願いいたします。

石渡氏:最初の野球の例え話だけではありませんが、格闘ゲームは「強い弱い」だけで語るべき世界ではないと考えています。

さまざまなユーザーが、いろいろな角度からコンテンツを語る、そして同じぐらいの腕前の人たちとワイワイ楽しんでもらいたいんです。もちろん、そこから競技性に興味を持ってくれる人がいれば、それも同じくらい僕らの励みになります。

PS4/PS3版「ギルティギア イグザード レベレーター」は戦って勝つ、戦って負けるだけではない作りを目指して制作してきましたので、これを機に手に取ってもらえれば幸いです。

「ギルティギア イグザード レベレーター」石渡太輔氏サイン入りポスター、Gamer 5周年企画ではゲームソフトもプレゼント!

今回は石渡氏に、ゲームソフトの通常版/限定版のパッケージビジュアルをあしらったポスターへサインを書いてもらえたので、このポスターを各1名ずつにプレゼントする予定だ。なお、こちらのプレゼントへの応募方法は、後日公開予定の「ギルティギア イグザード レベレーター」発売記念特集にて掲載していくので、あわせてチェックしてほしい。

また、Gamerでは現在実施中のオープン5周年記念企画「大プレゼント祭」のなかで、アークシステムワークス提供のPS4/PS3「ギルティギア イグザード レベレーター」のゲームソフトのプレゼントも行っている。石渡氏の最後のコメントではないが、これを機にゲームを遊んでみたいと思った人は、こちらにも応募していただければ幸いだ。

ギルティギア イグザード レベレーター

アークシステムワークス

PS4パッケージ

  • 発売日:2016年5月26日
  • 価格:6,800円(税抜)
  • 12歳以上対象
ギルティギア イグザード レベレーター

ギルティギア イグザード レベレーター

アークシステムワークス

PS3パッケージ

  • 発売日:2016年5月26日
  • 価格:6,800円(税抜)
  • 12歳以上対象
ギルティギア イグザード レベレーター

(C) ARC SYSTEM WORKS

※画面は開発中のものです。

  • G123.JP特集ページ
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