カプコンから、2016年6月9日に発売するニンテンドー3DS用ソフト「逆転裁判6」。今回は、成歩堂龍一と王泥喜法介のW主人公が活躍するシリーズナンバリング最新作のプレイインプレッションをお届けする。

目次
  1. 死の直前の光景を映し出す「霊媒ビジョン」に立ち向かおう
  2. よりパワーアップした「カガク捜査」で証拠を探す「探偵パート」
  3. 国際検事・ナユタとも対決!白熱の「法廷パート」
  4. マヨイちゃん再登場!しかし再び殺人事件が発生

「逆転裁判」シリーズは無実の罪に問われた依頼人を助けるため、手がかりや証拠品を集める「探偵パート」と、集めた情報や証拠品をもとに「ムジュン」を追求する「法廷パート」を進めて、事件の真相に迫る法廷バトルゲーム。「逆転裁判6」では神秘と信仰の国・クライン王国と日本を舞台に、シリーズでお馴染みの「サイコ・ロック」「ココロスコープ」をはじめ、初登場の「霊媒ビジョン」や新要素を追加した「カガク捜査」などこれまで以上にパワーアップしたシステムを駆使して、真実を突き止める。

さらに本作では成歩堂と王泥喜のほか、成歩堂なんでも事務所の新米弁護士・希月心音、霊媒師の綾里真宵、科学捜査官の宝月茜、マジシャンの成歩堂みぬきといったシリーズファンには嬉しい歴代キャラクターが出演。そしてクライン王国の姫巫女であるレイファ・パドマ・クラインや国際検事のナユタ・サードマディなど個性的な新キャラクターも見どころだ。それでは早速、本作の魅力をたっぷりと紹介していこう。

死の直前の光景を映し出す「霊媒ビジョン」に立ち向かおう

第1話「逆転の異邦人」は、クライン王国で秘宝「始祖の宝玉」の盗難と、警備員が殺害される事件が発生。霊媒の修業に来ている真宵を迎えにクライン王国を訪れた成歩堂は、事件の犯人として逮捕された観光ガイドのボクト・ツアーニのため、弁護士として法廷に立つこととなる。

事件発生までは写真を撮ったり人々の様子を眺めたりと、ごく普通にクライン王国を観光していた成歩堂。画面も成歩堂の視線に合わせて動くので、その場にいるような臨場感を楽しめた。

そして観光の目玉、レイファが踊る華麗な「奉納舞」はアニメーションで堪能。霜月はるかさんの歌声に聞き惚れていたのも束の間、ボクトが事件の犯人として捕らえられてしまう。クライン王国では、霊媒の儀式「御魂の託宣(みたまのたくせん)」によって被害者が死の直前に見たもの・五感で感じたものが水鏡に映し出され、そこから読み取れるものをレイファが代弁する。死者が体験したことがそのまま映し出されるため、その内容は疑う余地がなく、容疑者となれば被告人は弁明も許されず、有罪となってしまう。

そんな状況を見過ごせず、法廷に飛び込む成歩堂。しかしこの国では何らかの理由で弁護士が忌み嫌われており、ボクトも成歩堂が弁護士だと分かると態度が急変してしまう。

「御魂の託宣」では被害者と対峙するボクトの姿が映し出されてしまい、このまま弁護を続け、被告人が有罪となってしまうと弁護士も「弁護罪」に問われることも明らかに。そんな中でも、孤独な人の味方となるために弁護士を志した成歩堂は、それでもボクトの弁護を続けると宣言。ここからボクトの無罪を勝ち取る本当の戦いが始まるのだ。

さて、一見どうしようもないほど完璧に思える託宣だが、ここには「実際に被害者が体験したこと」と「レイファが映像から感じたこと」にかみ合わない内容、すなわち「ムジュン」が隠れている。映像をコマ送りしたり戻したりしながらレイファの託宣と見比べ、異なる点を発見しよう。五感の文字の位置や大きさ、出現するタイミングにも重要な意味があるので、見落とさないように。

託宣を突き崩し、いざ反撃といきたいところだが、ここで事件を目撃したという証人のポットディーノ・ニカワスが登場。住職にして音楽家の彼は民族楽器「ダマラン」を相棒と呼び、儀式だけでなく証言台でもショーのように歌いまくる。シリーズらしい強烈なインパクトを備えた人物だが、ボクトのためにもここで負けるわけにはいかない。さまざまな発想でピンチを乗り越えよう。

よりパワーアップした「カガク捜査」で証拠を探す「探偵パート」

第2話「逆転マジックショー」では、成歩堂が不在の日本が舞台となり、弁護士の王泥喜法介と希月心音が登場。成歩堂が9年前に養子に迎えた美少女マジシャン・成歩堂みぬき念願のマジックショー「ミヌキ・イン・アルマジカルランド」のリハーサル中に死体が出現し、舞台セットが落下するという事故が発生してしまう。みぬきのマジックショーのアニメーションもかなりの迫力なのでお楽しみに。

逮捕されたみぬきの無実を信じ、調査に乗り出す2人。科学捜査官の宝月茜も加え、事件の関係者や現場などから証言や証拠を集める「探偵パート」に挑戦だ。

事件が起きた大劇場「トロンプ・シアター」は、ステージだけでなく外観もかなり特殊。臨場感のある3Dで表現されている部分もあり、画面を切り替えながらくまなく調べて証拠を探していく。証拠とは関係なさそうな箇所を調べても、キャラクターの面白いやりとりが展開するため損はない。むしろ、こういった部分にこそシリーズらしさが強く表れているので片っ端から「調べる」ことをオススメする。

続いて、従来の「指紋検出」に新要素が加わった「3D指紋検出」をチェック。ここでは被害者「Mr.メンヨー」が入っていたセットを確かめながら、まずは指紋がありそうな部分をタッチ。続いて本体に息を吹きかけるか「息を吹く」ボタンをタッチして指紋を浮かび上がらせ、特にくっきりと表れた指紋を選んで照合する。

そして本作では、いくつかの証拠品を360度自由に回転させられる。より自分の手で証拠品を調べている感覚を味わえるようになったので、思う存分試してみてほしい。指紋を見つけて検出したあとは、リストの人物と照合。指紋の持ち主が特定できれば、誰が、どこに触れていたのかなど状況が見えてきて、そこから新たな事実が導き出される。法廷で被告人の無実を勝ち取るため、出来る限り多くの証拠を集めよう。

国際検事・ナユタとも対決!白熱の「法廷パート」

「法廷パート」では、クライン王国出身の国際検事であるナユタと争うことになる。クライン王国の高僧であり、難事件を解決してきたという実力の持ち主だが、丁寧な言葉遣いながら犯罪者や弁護士に対しては辛辣な言葉を吐く場面も。みぬきの無実を証明するためには、彼を打ち破らなくてはならない。

ここでキーとなる証人は、みぬきのファンだという新米マジシャン・菜々野美々。どうも様子がおかしいが、彼女の証言にムジュンは見当たらない。そんな時に有効となるのが、証人の感情に潜むムジュンを見つけ出す「ココロスコープ」だ。

ココロスコープでは声のトーンから感情を聞き取り、証言と食い違う感情を探していく。感情の種類は喜・怒・哀・驚の4つで、例えば証言中は悲しそうにしているのに「哀」以外の感情が点滅したら、そこには何らかのムジュンが隠れていることになる。成功すれば新たな証言や真実につながるぞ。

さらに、新システム「マルチアングル動画指摘」も登場。同じシーンを別々の位置から撮影した2つの映像を見比べてムジュンを探すというもの。映像を早送り・早戻し・一時停止・コマ送りし、切り替えながら「ここがおかしい!」と感じる部分を指摘しよう。みぬきを救うため、ささいな違和感も見逃すな!

マヨイちゃん再登場!しかし再び殺人事件が発生

第3話「逆転の儀式」では、成歩堂がクライン王国で修行していた霊媒師・綾里真宵と再会する。「倉院流霊媒道」の家元の娘として大人っぽく成長したかと思いきや、マヨイちゃんらしさは健在。かつて日本の特撮ヒーロー「トノサマン」が大好きだったように、今でもヒーロー好きは変わってないようだ。

そんな真宵が、クライン王国の守り神「鳥姫」へ祈りを捧げる儀式の最中に起こった殺人事件の犯人として逮捕されてしまう。ナユタの手腕とレイファの「御魂の託宣」、事件の目撃者により、再び絶体絶命のピンチに陥ってしまう。

ここでの探偵パートでポイントとなるのは、相手のヒミツや隠し事を追及できる「サイコ・ロック」だ。霊力の込められた勾玉によって隠し事が「錠前」として浮かび上がるので、適切な選択肢や証拠を選んで錠前を破壊し、新たな情報を手に入れる。第3話の被害者であるマルメル・アータムの妻、サーラ・アータムは夫の死を受け入れられずに心を閉ざしてしまっているので、サイコ・ロックで心の錠前を解除し、彼女のヒミツを聞き出そう。

とくに印象的だったのは、第1話。成歩堂は観光客として何も知らずにクライン国を訪れているので、霊媒を使った裁判に関しては素人だ。クライン国側も長らく裁判に弁護士がいなかったので手順がよくわかっていないという、少々危なっかしい部分がある。そのため初めて遊ぶプレイヤーでも、登場人物たちと一緒にストーリーを楽しみながら法廷パートの基本的な流れを学べるようになっているなと感じた。歴史あるシリーズだからとプレイをためらっている方も、ぜひ本作を遊んでみてほしい。

そしてシリーズファンとしての感想は、とにかく新システムが非常に楽しい。最初こそ戸惑う部分もあったが、しばらく触れていると「なるほど!」と仕組みが分かり、きちんと正解できたときの「こういうことか!!」という爽快感は格別。なかなかプレイの手を止められなくなるのは間違いないので、すでに予約済みのファンはしっかりと時間を確保してから始めよう。

逆転裁判6

カプコン

3DSパッケージ

  • 発売日:2016年6月9日
  • 12歳以上対象
逆転裁判6

逆転裁判6

カプコン

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  • 発売日:2016年6月9日
  • 12歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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