5pb.が2016年10月27日に発売したPS Vita用ソフト「やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。続」。同作のプレイインプレッションをお届けする。
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ガガガ文庫(小学館)より発売中の渡 航氏著、ぽんかん⑧氏イラストによるライトノベル「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」を原作とし、2015年4月から6月にTVアニメが放送された「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」。同作のゲーム化作品としてリリースされるのが、本作「やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。続」だ。
前作「やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。」と同様に5pb.がゲームを手がけているが、主人公・比企谷八幡の立ち位置を楽しむゲームシステムを盛り込んでいた前作とは異なり、今作ではより八幡と女の子たちとの関係を描いた、正統派の恋愛アドベンチャーゲームに仕上がっている。
ここでは、TVアニメ第1期をきっかけに、TVアニメ全話と原作小説全巻を網羅し、すっかり「俺ガイル」(※「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の略称)の世界にのめり込んでいる筆者による、プレイインプレッションをお届けしよう。
ゲーム中に登場するキャラクターをおさらい!
比企谷八幡(ひきがやはちまん) CV:江口拓也
学力、運動神経、容姿ともにそれなりでありながら、独自のひねくれた思考回路で周囲とは距離を置き「ぼっち」を貫いてきた総武高校2年生。「奉仕部」に持ち込まれる依頼に対しても、ネガティブな価値観から周りをドン引きさせる解決方法を見せる。
雪ノ下雪乃(ゆきのしたゆきの) CV:早見沙織
八幡と同じく総武高校の2年生で「奉仕部」の部長を務める美少女。クラスメイトたちとも馴れ合わず、遠慮なく物ごとの本質をつく発言をする。当初は八幡のやり方に反発し、たびたび衝突してきたが…?
由比ヶ浜結衣(ゆいがはまゆい) CV:東山奈央
八幡のクラスメイトで、「奉仕部」部員。一見ギャル風で明るい振る舞いのなかに、つねにまわりの空気を読んで合わせてしまうところも。自分の考えをストレートに表現する雪乃に興味を持ち、奉仕部に参加。
一色いろは(いっしきいろは) CV:佐倉綾音
小悪魔的魅力を放つ総武高校1年生でサッカー部のマネージャー。相手によって器用に態度を変え、周囲を翻弄するタイプ。生徒会長選挙にまつわる奉仕部への依頼をきっかけに、八幡たちの関係に一石を投じることに…!?
比企谷小町(ひきがやこまち) CV:悠木碧
八幡の妹。受験を控えている中学3年生。兄想い。
戸塚彩加(とつかさいか) CV:小松未可子
テニス部。とても可愛いが男子。八幡にとって癒しの天使。
平塚静(ひらつかしずか) CV:柚木涼香
奉仕部の顧問にして、生活指導も担当する女性教師。
雪ノ下陽乃(ゆきのしたはるの) CV:中原麻衣
雪乃の姉。大学生。明るく気さくな態度とは裏腹に雪乃達の心をかき乱してゆく。
川崎沙希(かわさきさき) CV:小清水亜美
八幡のクラスメイト。ちょっと不良っぽい。
三浦優美子(みうらゆみこ) CV:井上麻里奈
八幡のクラスメイト。クラスの女子の頂点に君臨する。
海老名姫菜(えびなひな) CV:ささきのぞみ
八幡のクラスメイト。三浦グループに属するが、腐女子。
城廻めぐり(しろめぐりめぐり) CV:浅倉杏美
前生徒会長。陽乃とは高校在籍当時から面識がある。
折本かおり(おりもとかおり) CV:戸松遥
八幡の中学時代のクラスメイト。海浜総合高校の生徒。
多彩な選択肢による分岐とLive2Dで表現される「会話モード」でストーリーが進行
本作では、妹である小町に連れ出されて初詣に行くところから始まる。その後、結衣とともに雪乃の誕生日プレゼントを買いに行ったりといった、原作やアニメでも描かれたエピソードをベースにして序盤は進行していく。
基本的には八幡の視点で物語を読み進めていくテキストアドベンチャー形式となっているのだが、ところどころで発生する選択肢によって出会う人や起こる出来事が変わり、その部分が後々にストーリーの分岐へとつながっていく。
例えば冒頭の初詣で出会う相手についても、家を出る前の選択肢、そして初詣での行動選択によって、その後に出会うキャラクターは変わっていく。まずはここでの分岐を確認することが、ゲームの進行における指針になっていくのではないだろうか。
加えて、メインヒロインである雪乃、結衣、いろはの3人に関しては通常のアドベンチャーパートだけでなく、“会話モード”が用意されている。これは話題カードを選ぶことで2人きりの会話を楽しむモードで、このモード中は女の子たちがLive2Dで表現される。さまざまなリアクションを楽しみつつ、的確な話題を選んで好感度を上げていこう。
もちろん、沈黙も選択肢のひとつ。八幡ならどの選択をするかを考えるのがポイントだ。 |
原作をベースとしつつもさまざまな“IF”を想像できる展開
ゲームを進行していく中で筆者が強く感じたのは、「もし八幡がこういう行動を取っていたとしたら…?」というゲームならではのIFの展開が用意されていることだ。例えば結衣と雪乃の誕生日プレゼントを買いに行った時に、陽乃と葉山に出会わないといった展開も本作では描かれる。ゲームオリジナルのエピソードやキャラクターごとのストーリーに分岐してからの展開も含めて、「俺ガイル」ファンであればあるほど、一つ一つのイベントに新鮮な体験を得られることだろう。
また、メインヒロインの3人に関しては、個々の視点でのシーンも用意されている。原作やアニメではあまり見ることのできない、八幡以外の視点であり、ある意味で女の子たちの心の内にある気持ちにプレイヤーとして触れる機会にもなっている。
上記の画面になったら視点が切り替わる合図。 | いろはであれば“本物”がひとつのキーワードに。 |
ゲーム進行におけるポイントは以上の通りではあるのだが、ひねくれまくりの八幡だけあって、選択肢については全体的に判断の難しいものも用意されている。八幡の視点にたって、相手の気持ちを意識することが大事になってくるだろう。
スキー合宿を経てからが本番!全てのルートを楽しもう
今作ではバレンタインイベントの後に、ゲームオリジナルのイベント「スキー合宿」が用意されている。ここではスキーウェア姿のキャラクターを堪能できるのはもちろんのこと、その後のルート分岐においても大きなキーポイントになってくる。
加えて、スキー合宿中は温泉イベントも用意されている。それぞれに異なるシチュエーションでイベントが発生するので、一体どのようなかたちで起こるのかも想像してみてほしい。
筆者は今回の記事を書くにあたってはメインヒロインである3人のルートを順番にプレイしたのだが、本作では特定の条件をクリアすることで開放されるルートもある。分岐に関わるような場面では選択肢が分かりやすく表示されるため、どのルートに分岐するかの参考にしてみるといいだろう。
前作がバラエティ色の強い作りになっていたのに対して、今作はまさに恋愛アドベンチャーゲームとして、八幡と女の子たちとの関係をしっかりと描いたものになっている。まずは気持ちの赴くままに進めてみて、10人を超える攻略対象キャラクターとの恋愛模様へと繋げていこう。
最後になるが、本作で用意されているエンディングへの展開は、当然原作やアニメの内容とは違ったものになっている。ただここで伝えておきたいのは、八幡と相手のヒロインの関係性、そしてそのヒロインが八幡に対して抱いている気持ちをしっかりと捉えたものになっているということだ。その結末はぜひ自身の目で確かめてみてほしいと思う。
(C)渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。続
(C)MAGES./5pb.
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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