セガゲームスは12月7日、TOHOシネマズ新宿にて、2016年12月8日に発売となるPS4用ソフト「龍が如く6 命の詩。」の完成披露会を開催した。
本イベントには桐生一馬役の黒田崇矢さんのほか、藤原竜也さん、小栗旬さん、ビートたけしさん、真木よう子さん、大森南朋さん、宮迫博之さん(登壇順)が登場。豪華出演陣による、さまざまなトークが展開されたステージの模様をお届けしよう。
まずは「龍が如く」のシリーズ総合監督である名越稔洋氏が挨拶を行った。発売まであと1日となり感慨深いという名越氏は「みなさんに愛され、求められ、我々もその期待に応えなきゃという気合いで何とかここまでやってこられました」と感慨深けにコメント。また、大スクリーンで流されたハイクオリティ映像のプロモーションムービーを見て、「大スクリーンにも耐えられるクオリティであるのは、ちょっとうれしい」と自讃しつつ「まだまだ上には上がいるので、我々も頑張っていかなきゃと思います」と述べた。
音楽に山下達郎さんを起用したことについても改めて説明。「龍が如く」シリーズは「パンチのある映像の裏側に感動的なテーマがあり、その両面が愛されているコンテンツ」と語り、過去のシリーズ作ではパンチのある部分を強調するロック調の音楽を採用してきたが、「今回はその感動的テーマの方を表に出してもらえる方ということでお願いしました」と語った。
続いてメインキャスト陣がステージに登場。来場者への挨拶とトークインタビューが行われた。特に会場を沸かせたのはやはりビートたけしさん。名越氏とはよくカラオケ屋で会っていて「いいシャンパン飲ませてもらって、これだけ儲かるならオレも出ようって」と意外な出演の動機を暴露したり、「もっといいのを飲ませてもらったらそれで十分なんだけど、ギャラまでもらえるんだからうれしくって」と喜々として語ったりと、自由奔放なコメントの数々で司会のガダルカナル・タカさんを困らせていた。
さらに、自身も監修として制作に参加した伝説のファミコンゲーム「たけしの挑戦状」に言及。「日本一のクソゲーと言われた」、「子供が泣き出して親がクレームつけて、社会問題になった」、「攻略本読んだら余計(攻略の仕方が)分からなくなった」と、自虐ネタを連発して来場者を笑わせた。また、真木よう子さんが風邪で体調を崩したため声をほとんど出すことができず、ささやくような声で懸命にコメントするという一幕もあった。
もちろん、そのほかのキャスト陣も本作の印象や演じてみた感想などを語ってくれた。それぞれの内容を紹介していこう。
黒田崇矢さん(桐生一馬役)
桐生一馬が20歳くらいのときから今回の48歳までを演じてきました。その間にいろいろなことが起きて、(一馬の)経験値も増えていっているので、そういった「深み」みたいなものを増していけたらと思っていました。ただ、若いときから一貫して変わっていない正義感みたいなものや絶対に動かない性格のようなものもあって、そっちはそのまんま出して、あるところでは深みとかが出るように演じられたらと頑張りました。
藤原竜也さん(広瀬一家若衆 宇佐美勇太役)
前回出演した「3」では声だけでしたが、今回は僕自身が「龍が如く」に参加できるという喜びで非常に興奮しました。宮迫さんと一緒にいるシーンが多いんですが、先に宮迫さんが声を入れてくれていたので、(掛け合いを)楽しみながら演じることができました。自分のCGに声を付けるというのは不思議な感じで、難しかったですが貴重な経験でしたね
小栗旬さん(染谷一家総長 染谷巧役)
「龍が如く」は本筋も面白いんですけど、いろんなサブゲームがあって本編を忘れてそっちにばっかりやっているくらいです。まだ達成率が100%になったことがないんですが、今回は自分も声をやらせてもらって、みなさんにお会いできたので、難しい隠し要素なんかをこっそり聞き出しながらやっていきたいですね。
ビートたけしさん(広瀬一家総長 広瀬徹役)
(映画との比較を聞かれて)こっちの方が楽ですね。オレがセリフ読んだら、ワッとみんながいろいろやってくれて、アクションなんかも作ってくれて。オレはほんと下手ですから。(ゲーム中の自分の映像を見て)コレは巧いね~、ホントよく作ったよね
真木よう子さん(スナック清美ママ役)
(ささやくような声で)このような晴れ舞台で、声が出なくなってしまって……本当に、申し訳ありません。
大森南朋さん(巌見造船社長 巌見恒雄役)
これまで長い歴史があるシリーズで、いろいろな俳優の方がいっぱい出ていて、今回もすごいキャストなので、まさか僕が呼んでいただけるとは。セリフを覚えなくていいというのは楽と言えば楽なんですけど、感情の声とかたくさんのパターンを録らなければならなかったりするのは大変でした。
宮迫博之さん(広瀬一家若頭 南雲剛役)
広島弁をちゃんとしゃべっているの、ボクだけなんですよね。だから方言指導の方がベッタリついて。しかも、大阪弁と広島弁はちょっと似ていて、ついつい大阪弁になってしまうので方言指導の先生に厳しく……ものすごく大変な時間を要してやったんです! で、フタを開けてみたら(たけしさんの演じる)組長が標準語やったんです。衝撃的でした。
それで、最初から標準語だったのか登壇前に(たけしさんに)聞いてみたら「できるわけねぇじゃねえか、広島弁」って(会場爆笑)。「なぜ、オレだけ?」って。後々ね、ホンマの広島の方から「(広島弁)全然できてなかった」とか言われるんです、ボクのツイッターとかに。あんなにがんばったのに! オレだけ頑張ったんだ!!
ここで、司会のタカさんが「もし、実写化するならぜひ監督を」と映画監督・北野武の顔を持つビートたけしさんに提案。これに対して、たけしさんは自分が「人物よりも背景を気にしてしまうタイプ」と語り、ロケハンに行っても「似ているけど違うんだよなあ」、「あの家壊したいなあ」と、よく言ってしまうという話を披露。そのうえで「(ゲームは)背景の映像を思い通りにできるんで実写では難しいね」と、実写版ではゲームを超える映像を作るのは難しいと分析した。
ただ、やはりキャスト陣は北野武作品に一度は出てみたいそうで、「それはそれは興味あります」(黒田)、「(どんな作品でも)楽しくやらせていただきます」(藤原)、「ぜひなんでもやらせていただきます。(やれと言われれば)○○も巻き散らします(笑)」(小栗)と、それぞれ意欲を見せた。ちなみに、黒田さんは尊敬するたけしさんと同じステージに立つということで前夜は緊張で眠れなかったそうで、「早く帰りたいです(汗)」と泣きそうな声で語っていた。
最後に出演陣と名越氏が来場者とファンにメッセージ。それぞれのコメントを紹介して本稿のまとめとしよう。
黒田さん:こんな豪華な方たちが揃ってくれたことをうれしく思っています。ぜひ、みなさんゲームを楽しんで下さい。
藤原さん:このメンバーでしっかりと収録しましたので、じっくりとこの壮大なスケールのゲームを楽しんでいただけたらと思っています。
小栗さん:念願の「龍が如く」に出演できて非常にうれしく思っています。明日発売されたら、さっそく自分もやって桐生一馬で自分のことをぶっ飛ばしたいなと思います(笑)。
たけしさん:1回も使ったことはないし、使い方も知らないんだけど、ワタシはプレステ4を持ってますんで。この「龍が如く6」は今日の夕方から布団を敷いて(明日の発売時に)一番乗りをしようと。で、テレビのインタビューを受けようと思ってるんで、ぜひ楽しんでください
真木さん:ぜひ、ゲームで私の声を聞いていただけたらありがたいです。
大森さん:この超大作に参加させていただいて幸せで感謝しております。ゲームもお正月とかにちょっと触ってみようかと思っています。
宮迫さん:ゲームですが、映画を見ているような壮大な物語です。たけしさんの子分を全開でやっておりますんで、みなさんも楽しんでください。
名越氏:キャスト陣全員が完璧に揃う完成披露会を迎えることができたのは実は今回が初めてで、そういう面も含めて今日は感動しています。キャストも豪華ですけど、新しいゲームエンジンということも含めて、すべてにおいて革新的な進化を遂げた、素晴らしいコンテンツになっています。期待に負けない十分な内容になっていますので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。