ゲームファン、PlayStationファンにとっての年末の恒例行事「PlayStation Awards」が今年も開催された。ここでは受賞タイトルとコメントを現地からレポートする。
「PlayStation Awards(以下、PS Awards)」は、プレイステーションフォーマットで発売されたタイトルの中から選ばれたヒット作品を表彰する祭典だ。PlayStationが誕生した1995年に始まり、今年で22回目の開催となった。
今回はPlatinum Prize(プラチナプライズ)、Gold Prize(ゴールドプライズ)、PlayStation Network Award、ユーザーズチョイス賞に加え、今年のゲームシーンを象徴する存在であったPlayStation VRの作品や、インディーズタイトルに与えられる賞が新設されている。
なお、累計出荷数(配信数)100万枚(DL)を超えたタイトルが表彰されるプラチナプライズについては、今回は該当作品なしとなっている。
ゴールドプライズ受賞作品
累計出荷数(配信数)50万枚(DL)を超えたタイトルが表彰されるゴールドプライズ。今回は実に10を数える作品が受賞対象となった。
- ダークソウルIII
- The Last of Us Remastered
- アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝
- ウィッチャー3:ワイルドハント
- コール オブ デューティ ブラックオプスIII
- 実況パワフルプロ野球2016
- ソードアート・オンライン ―ロスト・ソング―
- ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり
- ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
- ペルソナ5
※ゴールドプライズは日本国内とアジア地域の実績を合算。PSプラットフォーム内のマルチプラットフォームタイトル(配信専用タイトル含む)合算。
ダークソウルIII
「Bloodborne The Old Hunters」もユーザーズチョイス賞に選ばれたフロム・ソフトウェア ディレクターの宮崎英高氏は、2つの作品のディレクターとして受賞は励みになると語るとともに、シリーズの大きな区切りになる「III」が受賞したことがうれしいとコメントした。
The Last of Us Remastered
オリジナル版「The Last of Us」と同様、じわじわと売上本数が伸び、晴れてゴールドプライズの受賞となった本作。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)ローカライズプロデューサーの石立大介氏は、人づてに作品が広がり、その結果受賞できたことがうれしいと笑顔。先日「2」が発表されたばかりだが、まだ続く物語に期待してほしいとコメントしていた。
アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝
2007年からシリーズがスタートした「アンチャーテッド」は、4作目にしてシリーズ初のゴールドプライズ受賞となった。
SIE ローカライズプロデューサーの安次嶺クリス氏は、開発を担ったノーティードッグやローカライズチーム、SIE、そしてユーザーのおかげだと語り、新たなDLCでまだまだ盛り上がってほしいと話した。
ウィッチャー3:ワイルドハント
昨年に続いての受賞となった「ウィッチャー3:ワイルドハント」は、東ヨーロッパの神話に基づいて作られたキャラクターが主人公だ。
CD Projekt RED シニアバイスプレジデントのミハーウ・ノワコウスキ氏は、そんな背景をもつ作品が、日本・アジアのユーザーに愛してもらえたことがポーランドの開発チームとして喜ばしく思うと話し、これからもすばらしいゲーマーであり続けてほしいとメッセージを送った。
コール オブ デューティ ブラックオプスIII
後述するユーザーズチョイス賞とのダブル受賞となった「コール オブ デューティ ブラックオプスIII」。アクティビジョン・ブリザードのアジア・コマーシャルディレクターのポール・ブッチャー氏は、受賞を栄誉に思うと同時に、SIEのサポートとCoDファンに感謝を述べると日本語でスピーチした。
実況パワフルプロ野球2016
1994年にシリーズが産声をあげてから23年、「実況パワフルプロ野球」は本作でゴールドプライズ作品の仲間入りを果たした。
KONAMIのエグゼクティブディレクター・谷渕弘氏は、サクセスモードにフューチャーし、新モードの追加もあって開発は大変だったと振り返りつつ、制作チームや広報、営業がひとつのチームになれたと胸を張る。今回の受賞はシリーズを愛し、支持してくれるファンあってのものだと謝辞を述べていた。
ソードアート・オンライン ―ロスト・ソング―
各方面で多彩なメディアミックス展開を見せる「ソードアート・オンライン」。バンダイナムコエンターテインメント プロデューサー 二見鷹介氏は、今回の「ロスト・ソング」の受賞は原作、アニメチーム、営業、宣伝、全員の力があってのことだと話し、氏のゲーム業界10年目での受賞を喜ぶとともに、「ソードアート・オンライン」の世界を広げるような、楽しめる作品を作っていきたいと意気込みを新たにした。
ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり
昨年プラチナプライズを受賞した「ドラゴンクエストヒーローズ」の続編が、今回も受賞を果たした。
昨年も壇上にあがったスクウェア・エニックス プロデューサーの青海亮太氏は、2年連続で受賞したことに驚きつつ、応援してくれたユーザーのおかげだと感謝のコメント。「ドラゴンクエスト」は今年で30周年を迎えたが、これからもたくさん冒険を届けられるように挑戦していきたいと笑顔で話した。
ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
「ドラゴンクエスト」とサンドボックスゲームが融合し、新しい作品の形を示した「ドラゴンクエストビルダーズ」。
スクウェア・エニックスのプロデューサー・藤本則義氏は、発売前は敬遠する人も多かったが、体験版を配信すると、瞬く間に評判になったと当時を振り返る。結果、発売初日に完売。ゲーム性がユーザーの口コミによって広がっていったことがうれしかったと晴れやかな表情で語った。
ペルソナ5
ゴールドプライズ受賞とともに、後述するユーザーズチョイス賞にも選ばれた「ペルソナ5」だが、アトラスのクリエイティブプロデューサー、チーフディレクターの橋野桂氏は、開発に難儀し、スタッフと苦心しながらリリースにこぎつけた作品だと語る。
しかし大勢の人から支援を受けるとともに、ユーザーから期待の声を届けてもらい、無事に作品が世に出ることに。今回の受賞は感無量だと感慨深げに話した。
PlayStation Network Award
2015年10月1日から2016年9月30日までの期間で、ネットワーク売上の上位3タイトルに与えられるPlayStation Network Award。移りゆくビジネスモデルの中で輝いたタイトルは、下記3作品だ。
- ウイニングイレブン2016
- ドラゴンズドグマ オンライン
- ファンタシースターオンライン2
シリーズ20周年記念タイトルである「ウイニングイレブン2016」が受賞したKONAMIの木村征太郎氏は、ネットワークを前提とした運営型のビジネスモデルに対応するよう取り組み、それが実を結んでの受賞になったと喜んだ。
「ドラゴンズドグマ オンライン」が受賞したカプコンの松川美苗氏は、スタッフとともにこれからもユーザーの声を聴きながらがんばっていくとコメント。また同社の木下研人氏は、遊んでくれるユーザーに支えられての受賞だと感謝の意を口にした。
2年連続のPS Network Awards受賞となった「ファンタシースターオンライン2」。今年はPS4版がリリースされ、サービス4年目にして最大同時接続数を更新した。セガゲームスの酒井智史氏は、開発・運営スタッフとファンにお礼の言葉を述べると、PS4を購入して、何か基本無料のゲームがやりたいと思った人はぜひプレイしてみてほしいとプッシュした。
ユーザーズチョイス賞
2015年10月1日から2016年9月30日の期間で発売されたタイトルの中で、ユーザーからの投票による上位10タイトルを表彰するユーザーズチョイス賞。ゲーマーの心を捉えた作品は下記の10作だ。
- Bloodborne The Old Hunters
- ダークソウルIII
- Fallout 4
- アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝
- オーバーウォッチ
- コール オブ デューティ ブラックオプスIII
- ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
- ペルソナ5
- 龍が如く 極
- レインボーシックス シージ
PlayStation VR特別賞
2016年10月13日に発売・配信されたタイトルを対象に、PlayStation VRの日本アジア市場での盛り上がりに貢献したタイトルを表彰するPlayStation VR特別賞は、今回のPS Awardsから新設。VRの可能性を示した5作品は下記の通りだ。
- NORTHERN LIGHTS 極北の夜空に輝く光の物語
- PlayStation VR WORLDS
- Rez Infinite
- サマーレッスン :宮本ひかり セブンデイズルーム
- 初音ミク VRフューチャーライブ
「Rez Infinite」が受賞したエンハンス・ゲームズの水口哲也氏は、15年経ってVRタイトルとして生まれ変わった作品が受賞してうれしいとコメント。また「サマーレッスン」が受賞したバンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏は、小さいデモから始まった作品が、さまざまな人に後押しされてここまできたと振り返っていた。
インディーズ特別賞
PlayStationのタイトルラインナップの拡大に貢献した5タイトルを表彰するインディーズ特別賞も、今回から新設された賞だ。第1回目の受賞作品は「DOWNWELL」「ゴートシミュレーター」「Salt and sanctuary」「東方紅輝心」「ロケットリーグ」の5作品となった。
ゲーム業界からノーベル賞が出てほしい
式の最後に、SIEプレジデント 盛田厚氏がスピーチを行った。
今年、PS4は全世界で実売5,000万台を突破した。ゲームは全世界で盛り上がりを見せており、ゲームクリエイターは誰もが知る存在になると思っていると盛田氏。ノーベル賞の受賞者をゲーム業界から輩出してほしいと力強く語った。
また盛田氏は、コンソール市場は天井も見えていないと語りと、本日の受賞作品や「ファイナルファンタジーXV」「龍が如く6 命の詩。」「人喰いの大鷲トリコ」などを多くの人が遊び、周りの人に薦めてほしいとプッシュ。ゲームの未来をみんなで切り拓いていこうとメッセージを贈った。
※画面は開発中のものです。
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