セガゲームスは、本日3月3日に発売となるNintendo Switch用ソフト「ぷよぷよテトリスS」のメディア向け先行試遊会を実施した。本稿では、さまざまなシチュエーションでプレイした体験の感想と、開発陣への囲み取材を掲載する。
「ぷよぷよテトリスS」は、アクションパズルゲーム「ぷよぷよ」と「テトリス」が合体した夢のコラボレーションゲームタイトルとして、これまでPS4/PS3/PS Vita/Xbox One/Wii U/ニンテンドー3DSでリリースされてきた「ぷよぷよテトリス」をNintendo Switch用に最適化したゲーム。さまざまなルール・場所・スタイルで、1人~最大4人までとことん「ぷよぷよ」と「テトリス」を楽しむことができる。
今回行われた先行試遊会では、開発陣によるゲームデモンストレーションとともに本作を先行体験。また、囲み取材では本作の開発の経緯や、Nintendo Switchならではの特徴について聞くことができた。
さまざまなロケーションでプレイできる「ぷよテト」
まず本作をプレイする上で欠かせないのが、Nintendo Switchの各種機能を活用できる点だろう。Nintendo Switchには、「TVモード」「テーブルモード」「携帯モード」の3つのプレイモードが用意されており、もちろん本作でも全てのモードがプレイできる。
TVモードでは、自宅で家族や友達などと大人数でプレイするのに適している。その最大の特徴は大画面でのプレイを楽しめることで、本作のように最大4画面に分割するシチュエーションでは重宝することだろう。
一方、携帯モードは携帯ゲーム機のような感覚でプレイできるモード。移動中に一人でプレイできることはもちろん、人数分のNintendo Switch本体と「ぷよぷよテトリスS」のゲームソフトがあれば、ローカル通信による対戦プレイも楽しめる。
テーブルモードは、外出先でのちょっとしたスキマ時間に複数人で気軽に楽しめる、Nintendo Switchならではのモードだ。左右のJoy-Conをシェアしての対戦プレイが可能で、時と場所を選ばない利便性の高さがポイント。Joy-Conをグリップに取り付けたり、両手で2本持ちしての1人プレイも楽しめる。
そして今回は、Joy-Conでのプレイ感も確認。筆者は「ぷよぷよ」に関しては中級者、「テトリス」に関しては初心者に毛が生えた程度という認識でいるが、触ってみて驚いたのが「ぷよぷよテトリス」のシンプルな操作性と、Joy-Conのコントローラーの相性の良さだ。いわゆる十字キーでのプレイはできないものの、操作における選択肢の無さは、逆に誰でもプレイに馴染める要素といえるのではないだろうか。
また、Joy-Conの特徴に、単純な振動では得られない“触感”を表現した「HD振動」があるが、本作においてもその機能を活用。ぷよやテトリミノを落とした時に微細な震えを感じることができる。従来の振動はややしびれを感じさせるような力強さがあったが、本作においてはちょっとした震え程度の優しい感覚となっているので、そのあたりにもぜひ注目してもらえればと思う。
また、今回は直接プレイする機会はなかったものの、本作は日本国内に加え、米国各州、欧州、その他の国と地域でも発売を予定していることもあり、新たにインターネット対戦「全世界パズルリーグ」を搭載している。世界各国各地域の個別ランキングも用意されており、より白熱した対戦が繰り広げられることだろう。
「ぷよぷよテトリスS」開発者への囲み取材を掲載
ゲームデモンストレーションを披露してくれた「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏、「ぷよぷよテトリスS」プロデューサーの片野徹氏に、本作にまつわる開発エピソードなどを伺うことができたので、その内容を最後に紹介しよう。
――Nintendo Switch用ソフト「ぷよぷよテトリスS」を発売するに至った経緯をお聞かせください。
片野氏:任天堂さんから新しいハードが出るとお伺いしてから、弊社の中でもどのようなゲームを出すのが一番いいかを考えていたところ、コンセプトをお聞きした上でみんなで遊べるゲームを発売するのが一番いいんじゃないかという話になり、「ぷよぷよテトリス」に白羽の矢が立ったというのが最初のきっかけです。
細山田氏:任天堂さんが「ぷよぷよテトリス」を出すことに乗り気になってくれたことが大きいですし、テトリスカンパニーさんも新しいハードが出ることに反応を示してくれました。「ぷよぷよテトリス」自体も出せるものは全て出していこうという方針でやっていたので、今回「ぷよぷよテトリスS」としてリリースすることになりました。間に合ってよかったなというのが正直な気持ちです。
――「ぷよぷよテトリスS」のセールスポイントは何でしょうか?
片野氏:「S」に限った話ではないのですが、キャッチコピーにもある通り、王道のパズルゲーム2つが揃い踏みというところがタイトル最大のウリになってきます。それを多彩なプレイモードで対戦できるというところが「S」の大きな魅力だと思います。対戦に重きを置いているタイトルでもありますし、幸運にも全世界で発売することが決定していますので、全世界での対戦を前面に押し出していきたいと思っています。
細山田氏:最初の発売(PS3/PS Vita/Wii U/3DS版)から3年超が経っているタイトルなんですけど、海外の方からも発売してほしいという声も大きかったですし、Nintendo Switchのローンチで出せるという事がとてもタイミングが良かったので、全世界で発売することになりました。
HD振動についてはPV(http://puyo.sega.jp/puyopuyotetris/S/movie/index.html)に出演した有名プレイヤーの方も言っていたのですが、実際に触ってもらうとほかの機種とは振動が違うと分かってもらえると思います。
――オススメのプレイモードはありますか?
細山田氏:僕はやはりテーブルモードですね。操作は普段のコントローラーに比べるとざっくりとした感じになるかもしれませんが、気軽に誘って遊べるというのは携帯機ではできなかったことでもあるので、そういう意味では非常にマッチしているゲームではないかと思います。
――プレイヤーには「ぷよぷよテトリスS」をどのように遊んでもらいたいですか?
片野氏:繰り返しにはなるのですが、世界で発売されるということもありますので、「ぷよぷよテトリス」を上手なプレイヤーが日本にたくさんいるということを、全世界のプレイヤーにアピールしていきたいです。先日もとある動画を見た時に、海外のプレイヤーは日本と比べるとまだまだ伸びる余地があるなと思いましたし、先日のPV撮影での有名プレイヤーのプレイを目の当たりにして、すごいなと感じたので、その感動を全世界の人に体感していただきたいなと思います。
細山田氏:今ではホテルのTVにもHDMI入力端子が付いていますので、ドックも一緒に持っていって旅行先で遊んだりもできると思いますし、そういったかたちで世界で広がっていけば僕らは一番嬉しいですし、インターネット対戦も熱くなるのではないかと思います。実際に海外の方からNintendo Switchで「ぷよぷよテトリス」をやりたいという声はたくさん聞いているので、プレイヤーの拡大という点で期待できるかなと思っています。
――Nintendo Switchという新ハードについて、クリエイターとしてはどのように感じましたか?
片野氏:見ていただけるとわかると思いますが、本体の画面が大きくて綺麗なので、今まで据え置き機でしか遊ぶことのできなかった高画質のゲームなども携帯機としてプレイできるというのは一つのウリかなと思います。弊社でもすでに発表されている「ソニック」のタイトル(「PROLECT SONIC 2017」)など、力を入れて取り組んでいますので、今後も何かやれればといつも考えています。
細山田氏:コントローラーが分割できるというのを使えないかなと話を聞いた時は思いました。実際、任天堂さんの許可は必要にはなってくると思いますが、ペリフェラル(周辺機器)とかコンソールにつなげて遊ぶというのも今後広がっていくといいのかなと思いますし、他機種との違いだと思います。
――実際にNintendo Switchで開発されてみていかがでしたか?
片野氏:任天堂さんの開発環境としては、Wii Uの時より良くなっていて開発しやすい状況だと思います。ただ、ドックに挿した状態と携帯した状態では若干動作モードが違うので、このあたりで調整をかけるのは、各社さんで苦労されるのではないかなと思っています。
細山田氏:Nintendo Switch本体の発売日に合わせて発売したかったので、能力の高いプログラマーやデザイナーたちが全力投球して、間に合いました。
片野氏:私は「ソニックアドベンチャー2」の時に、ドリームキャストで発売した後にゲームキューブに移植するという流れで、任天堂さんの新ハードに合わせて開発したことがあったので、その時を思い出しましたね(笑)。
――具体的な開発期間はどのくらいになるのでしょうか?
片野氏:開発を始めたのは昨年の夏頃ですね。もともとこのタイトルはいろいろなハードに出していたこともあり、移植しやすいというのは大きかったです。ただ新ハードなのでいろいろと揃っていなかったり、グラッフィックデバイス絡みで今までの世代と違っていたので、内部的な対応が必要だった分、大変な面もありました。
――多人数プレイでのコントローラーの接続に関しては、どのようなイメージになるのでしょうか?
片野氏:本体に付いているJoy-Conですと、L・Rボタン(もしくはSL・SRボタン)を同時押しするだけで瞬時に認識します。ほかのハードウェアからJoy-Conを持ってきた時には、一度ハードウェアに登録しないといけないので、その際は本体の左右にJoy-Conを差し込んで登録する必要があります。またJoy-Conの側面にシンクロボタンがありますので、そちらを押すことでも本体への登録は可能です。
――「ぷよぷよテトリスS」を用いた大会など、今後やってみたいことがあればお聞かせください。
片野氏:(大会を)やってみたいですね。
細山田氏:昨年セガフェスで「ぷよぷよテトリス」を使って大会をやらせていただいたところ盛り上がりましたし、Nintendo Swtichの本体一式とモニターさえあれば大会の実施自体は可能ですので、やっていきたいという気持ちはあります。
また、「Red Bull 5G」でも5年連続で「ぷよぷよ」を採用させていただいていて、PVにもその出場メンバーが出演していますし、その他にも何かできないかと相談している案件はあります。
――体験版の配信予定はありますか?
片野氏:体験版はもう制作は進めております。準備が整い次第の公開なので、発売日に間に合うかどうかというかたちですね。
――PS4/Xbox One版をリリースされた時にゲームバランスを調整されていましたが、今回に関してはいかがでしょうか?
細山田氏:ぷよが消える時の弾けるエフェクトをちょっと変えているのですが、これは恐らく分からないと思います(笑)。ただ全世界対戦を楽しんでほしいという点から、ゲームバランスは前4機種から調整を加えた、PS4/Xbox One版相当のものになっています。
――「ぷよぷよテトリスS」の“S”はやはりSwitchの意味なのでしょうか?
片野氏:これは聞いた方にいろいろと想像の余地を残しつつ、でもSwitchのSですよね(笑)。
細山田氏:過去に「ぷよぷよフィーバー」で、機種によってパッケージのデザインを変えたりしたことはありましたが、その後はあまり変えていなかったので、今回はパッケージデザインやタイトルも変えて、本作をまだ知らない人に対して違う印象を与えたいという話になりました。
片野氏:パッケージは、今回のセールスポイントである「みんなで楽しめる」ということを想像できるような背景にして、Switchの赤いロゴに映えるようなデザインになっています。
――最後に、ファンに向けて一言お願いします。
片野氏:Nintendo Switchのハードと同時発売ということで、みなさまにお届けできる運びとなりました。特にソフトの少ないローンチのタイミングではたくさんプレイできるいいソフトだと思いますので、ぜひご家庭に1つ、ご購入いただけると幸いです。
細山田氏:「ぷよぷよ」としては昨年末にニンテンドー3DSで「ぷよぷよクロニクル」を発売させていただきましたが、「ぷよぷよテトリス」とは商品の立ち位置が違うこともあり、「ぷよぷよテトリスS」「ぷよぷよテトリス」のスペシャルプライス版を含めて、「ぷよぷよ」と「テトリス」を広げていきたいなと思っています。
ほかにも「ぷよぷよ!!クエスト」というスマートフォン向けのアプリもありますし、さまざまなコラボも行っていますので、「ぷよぷよテトリス」も今後も広げていって、続編が作れるぐらい大きく、世界にアプローチしていきたいです。特に「テトリス」のファンの方が「ぷよぷよ」のコミュニティと交わることで、タイトルが広がる感じを受けているようなので、今後もパズルゲームを盛り上げていければいいなと思います。
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