カプコンが2017年5月26日に発売を予定しているNintendo Switch用ソフト「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」。“懐かしさ”と“新しさ”が混在する本作のプレイインプレッションをお届けする。

目次
  1. 単なる移植では終わらない、シリーズの集大成!
  2. アーケード
  3. バディファイト
  4. バーサス
  5. トレーニング
  6. 放て!波Do拳
  7. ギャラリー
  8. カラーエディット
  9. 友人と、家族と、誰かと遊びたくなる―。

「ストリートファイター」シリーズは、今年で30周年を迎える歴史の長いタイトルだ。これまで数多の派生作品や続編が登場し、多くのゲームファンから親しまれている。

中でも、“格闘ゲーム”というジャンル自体の祖となるのが「ストリートファイターII(以下、ストII)」だ。

現在の格闘ゲームのスタンダードとなる「レバーと複数のボタンによる操作」や「キャンセルを利用したコンボなど」などのシステムを確立し、90年代の社会現象にもなった伝説の格闘ゲームが「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ(以下、ウルII)」としてNintendo Switchで蘇る。

単なる移植では終わらない、シリーズの集大成!

本作は、「スーパーストリートファイターIIX(以下、スパIIX)」をベースに、現代風にリファインされたバトルグラフィックやシリーズ初登場となるキャラクター、新たなゲームモードが追加されたシリーズの集大成だ。

登場キャラクターは「スパIIX」の登場キャラクター17人に加えて、“殺意の波動に目覚めたリュウ”とシリーズでは初となる“洗脳されたケン”が登場。また、既存のキャラクターにも若干のバランス調整が行われている。

ネットワーク対戦やトレーニングモードなども搭載されており、昨今の格闘ゲームユーザーのニーズにもしっかりと対応。ここまでくると単なる移植版ではなく、脈々と受け継がれてきた「ストII」シリーズの最新作としてプレイすることができそうだ。

また、本作では一部のモードを除いてバトルグラフィックの切り替えが可能。最新の技術でHD画質となった“ニュージェネレーション”と、古き良きドット絵を懐かしみながら楽しめる“クラシックジェネレーション”を選択することができる。またこれはグラフィックだけにとどまらず、サウンドに関してもリニューアル音源と当時の音源を選択可能。昔よく聞いた「はどぉーけん!」の、少しまのびしたボイスには懐かしさがこみ上げてくる。

“殺意の波動に目覚めたリュウ”と“洗脳されたケン”の2人も当時のグラフィックで再現されている。

ここからは、「ネットワーク対戦」を除く本作のゲームモードを紹介していこう。

アーケード

次々と現れるライバルキャラクター(NPC)達との勝負に勝ち抜き、全ステージクリアを目指すアーケード基準のモード。特筆すべき点は、ゲーム難易度の調整が8段階に渡り行えることだ。格闘ゲーム初心者から熟練者まで、自分の腕前にあった勝負を楽しもう。また、待ち受け設定を行えば他プレイヤーとの通信対戦も可能だ。アーケードで乱入を待つ時のようなドキドキ感が味わえる。

バディファイト

プレイヤー2人で協力して強力なCPUを倒すのが「バディファイト」モード。2人ならではの新たなコンボを生み出すなんてことも可能だ。格闘ゲームが苦手な人も、友人などと協力してバトルを楽しめるのでオススメできる。モードをクリアすると、タッグを組んだ2キャラクターにちなんだ称号が手に入るぞ。色々な組み合わせを試してみよう。

バーサス

キャラクターやステージを選択してプレイヤー同士、もしくはCPUとの対戦が楽しめるモード。Nintendo Switch本体を持ち寄ってのローカル通信対戦はもちろん、Joy-Conを分け合って、テーブルモードで対戦することも可能だ。

トレーニング

対戦相手の状態を設定し、バトルの練習を行うモードだ。ガード状態やスタンの有無に加え、“アタックデータ”や“キーディスプレイ”が追加されており、今まで以上に快適な練習をすることが可能になっている。また、このモードでも待ち受け設定を行って他プレイヤーとの通信対戦を楽しむことが可能だ。

放て!波Do拳

一人称視点でリュウになりきり、迫り来るシャドルー兵をなぎ倒すのが「放て!波Do拳」モードだ。両手にJoy-Conを持ち、モーション操作とボタンを組み合わせることでお馴染みの“波動拳”や“昇龍拳”といった技を繰り出すことができる。

敵を倒してクリアを目指す「ステージモード」のほかに、体力が0になるまで戦い続けて己の力を試すことができる「エンドレスモード」や、技を出す練習ができる「修練モード」の3つが遊べる。

ギャラリー

「ストリートファイター」のオフィシャルブック「ストリートファイターアートワークス覇」から、厳選した1,400点以上にも及ぶイラストや設定資料を閲覧することができる。これらの画像は250dpiの高解像度を実現しており、拡大・縮小することで思う存分、迫力あるイラストを堪能することが可能だ。

カラーエディット

キャラクターを自分だけのオリジナルカラーに編集することができるモード。染色できる部位は3箇所に分かれており、その組み合わせは無限大。タッチスクリーンを使って直感的にカスタマイズすることも可能だ。設定したカラーはキャラクター毎に最大10種類まで保存でき、アーケードやバーサス、オンライン対戦などで使用することができる。

友人と、家族と、誰かと遊びたくなる―。

「ストリートファイター」シリーズ30週年の記念作、そして「ストII」シリーズの集大成として、過去にタイトルを遊んでいた人はもちろん、「ストリートファイターIV」や「ストリートファイターV」など最近のタイトルにしか触れてこなかった人や格闘ゲーム初心者にも是非とも遊んで貰いたい作品になっている。

格闘ゲームとしての出来栄えは言わずもがなだが、気になるのは操作性の部分だろう。筆者も普段はアーケードスティックを使用して格闘ゲームをプレイしているので、その点は唯一心配であったのだが、慣れてくればコマンド入力なども快適に行えた。

むしろL・Rボタンで“強パンチ/キック”を繰り出す操作は、スーパーファミコンで「ストII」を遊んでいた当時を思い出し、ノスタルジックな感情に浸ることができた。

また、各種必殺技を誰でも簡単に繰り出せる「LITE操作」が実装されているため、格闘ゲーム初心者でも手軽に遊ぶことができる。この機能はNintendo Switchのタッチパネルに設定してタップで操作することはもちろん、Joy-Conの各種物理ボタンに設定することも可能。

例えば「強パンチは使えなくてもいいから、“昇龍拳”をすぐ使えるようにLボタンに設定しよう」といった具合だ。これによって“ザンギエフ”や“サンダー・ホーク”などの投げキャラは、前歩きから突然コマンド投げを出すといったこともできた。ただ、タメ技などは、タメ行動を取ってから技を発動するのでそこまで万能というわけでもなさそうだ。

スパコンも登録可能なので1ボタンで“瞬獄殺”を出すことも!

本作のモードの中でも異彩を放っている「放て!波Do拳」についても触れておこう。このモードは、一人称視点でリュウになりきり“波動拳”や“昇龍拳”などおなじみの技を繰り出しながらシャドルー兵を倒していくものだ。子供の頃、誰もが一度は夢見た「波動拳、撃ってみてぇな……」という願いを叶えてくれる。

最初は、“おまけモード”のようなものなのではないかと疑ってかかっていたのだが、遊んでみるとこれが実に良くできていて「遠くの敵には“波動拳”、近くに敵が群がってきたら“竜巻旋風脚”」といったように技の使い分けが重要だったり、ベガの“ヘッドプレス”を“昇龍拳”で落とすなどといった本編さながらの遊びが体験できる。

年甲斐もなくはしゃいでしまった。

最後に、本作とNintendo Switchの相性の良さを筆者の所感を織り交ぜながら語らせて欲しい。これはもしかしたら自分の周りだけなのかもしれないが、大人になると友人とゲームで遊ぶ機会というものが本当に減ってしまった。それは、仕事が忙しかったり、家庭を持ったりと理由は様々だろう。友人と遊ぶといっても飲み会の形式が多く、「人の家でダラダラ、ゲームしたいんだ!」という願望は中々叶えられそうにない。

例えばそんな飲み会の席に、Nintendo Switchと本作を持っていったらどうなるだろうか? 十数年ぶりに友人と顔を突き合わせて遊ぶ「ストII」は、きっとグダグダだろうし、“昇龍拳”が上手く出ないこともあるだろうが、絶対ワクワクするに違いない。

格闘ゲーマー達の合言葉はいつだって一つだ。「俺より強い奴に会いに行く」。たまにはJoy-Conの小さなコントローラーを握って、そんなセリフを呟くのも悪くないのではないだろうか。

ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ

カプコン

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  • 発売日:2017年5月26日
  • 12歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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