千葉・幕張メッセにて9月21日より開催中の「東京ゲームショウ2017」。ここでは、9月21日にセガゲームスブースにて行われた「龍が如くスタジオ」スペシャルステージの模様をレポートする。
2017年8月26日に実施された新作発表会では「龍が如く 極2」、「龍が如く ONLINE」、「北斗が如く」といった3つの最新作が発表された、人気アクションアドベンチャー「龍が如く」シリーズ。
それらを一手に手がける「龍が如くスタジオ」のステージでは、名越稔洋氏(「龍が如く」シリーズ総合監督)、佐藤大輔氏(「北斗が如く」ゼネラルプロデューサー)、横山昌義氏(「龍が如く」シリーズプロデューサー)、阪本寛之氏(「龍が如く 極2」ディレクター)ら開発陣が登壇し、多数の最新情報が公開された。
「龍が如く 極2」の紹介では、会場驚愕のサプライズゲストも登場
まず2017年12月7日発売予定の「龍が如く 極2」。シリーズの中でも評価が高い「龍が如く2」を、「龍が如く6」のドラゴンエンジンを使ってフルリメイクした作品で、ファンから寄せられていた多くの要望に答える形で発売が決まったという。
「極2」の舞台となる大阪・蒼天堀は、本作のために一から取材しなおした上で作り直されている。PS2版にはなかった店舗が追加されたり、看板のサイズも原寸大に近くなり、移動可能なルートも増えているなど、よりリアルかつ、広大なエリアを探索できるようになったという。
ドラゴンエンジンを採用しているため、戦闘や育成といった基本的なシステム面は「6」を踏襲した内容となっているが、「極2」ならではの要素として、PS2版の「2」に登場していたヒートアクションや、街中でもバトルの際に武器を投げ入れてくれる「馴染み」、武器の持ち運びなどが復活。中でも武器に関してはかなり力が入っており、PS2版に存在していた武器は全種類が登場するなど、シリーズの中でも好評だった部分を結集させた形となっているという。
そんな様々な新要素の中でも大きな目玉となるのが、「1」と「2」の間の物語を描く、シリーズ屈指の人気キャラクター・真島吾朗を主人公とした新エピソード。このエピソードでは「2」の真島が、何故東城会をやめていたのかという理由が明らかにされ、プレイヤーからの評判の高い「0」の物語を踏まえた内容となっているという。
プレイアブルキャラクターとして操作可能となる真島のアクションは、ドラゴンエンジンにあわせて新たに作り直され、真島編でもカラオケをはじめとした様々なプレイスポットを体験できるようにもなっている。
「6」に登場したものをさらに進化させたミニゲーム「新・クランクリエイター」では、プレイヤーを妨害する悪徳不動産屋として、武藤敬司氏、藤波辰爾氏、蝶野正洋氏、天龍源一郎氏、長州力氏ら、5人のレジェンドプロレスラーが出演し、本人がキャストとしても出演することが発表された。
さらに会場では、そのレジェンドレスラーの一人である蝶野正洋氏が、サプライズゲストとして登壇。天龍源一郎氏、長州力氏といった大物レスラーが共演することを聞き、オファーを受けたことを後から後悔したという蝶野氏だったが、アフレコの際の苦労話として「サングラスで文字が読みにくかったこと」という、茶目っ気抜群の発言も飛び出し、会場の笑いを誘う一幕も。
ステージでは、蝶野氏らレジェンドレスラーが登場するストーリー上のシーンも公開に。今回のクランクリエイターは、シナリオ担当者のプロレス愛が溢れた内容となっているようで、蝶野氏らがプロレスの中で残してきた、様々な名言がシナリオ中でも散りばめられているという。加えてボスとして登場するレジェンドレスラー達は、それぞれに専用の必殺技を使用してくることもあり、かなりの強敵として設定されているという。
「新・クランクリエイター」では、神室町ヒルズ建設計画を請負った真島建設が、工事を妨害してくるレジェンドレスラーら率いる悪徳不動産屋から、建設資材を守りぬくための防衛戦が繰り広げられる。 |
桐生一馬らの名言やサントラを収録した特典CDや、DLCを封入した「龍が如く」シリーズ初となる限定版や、真島吾朗の刺青が刻印された、同梱版PS4本体の紹介も行われていた。 |
「新・龍が如く」の主人公・春日一番の誕生秘話が明かされる
その後には、桐生一馬の物語が完結した「6」の後の神室町を舞台に、新主人公「春日一番」の活躍を描く「新・龍が如く」シリーズに関する話題も。
その第一弾となるのが、iOS/Android/PC向けに2018年にサービス開始を予定している、「龍が如く ONLINE」。会場ではそのゲーム画面などが確認できるプロモーション映像が上映され、主人公である春日が事件へと巻き込まれていく過程や、真島吾朗らシリーズの歴代キャラクターがゲーム中に登場しているのを確認することができた。
新主人公の「春日一番」という名前は名越氏によって命名されたもので、近年アジアや欧米でもシリーズの人気が高まっていることを受け、ワールドワイドに通用する日本語として、「一番」という名前が真っ先に決まったのだという。
その誕生までにはかなりの苦労もあったようだが、桐生一馬の後を継ぐ主人公として、製作陣が気合を込めて作ったキャラクターとなっており、現在「龍が如く ONLINE」公式サイトでは、その過去を知ることができるプロモーション映像も公開されている。
また「新・龍が如く」シリーズは、「ONLINE」と並行して、従来通りに家庭用ゲーム機でも発売される。こちらについての新たな情報は明かされなかったものの、スマートフォン・PCと家庭用ゲーム機、それぞれのプラットフォームで異なる物語が描かれることにも改めて言及されていた。
「北斗が如く」には、「龍が如く」らしいお楽しみ要素も満載
最後に紹介が行われたのが、2018年2月22日に発売が予定されている「龍が如く」シリーズ初のコラボレーションタイトルとなる「北斗が如く」。
本作の舞台となる奇跡の街「エデン」は、核戦争後の荒廃した世界の中でも、豊富な水と食料、さらに電気の供給が行われているという貴重な都市。それだけ多くの人が集まる土地であり、「龍が如く」シリーズと同様に、悪人たちとのバトルに発展することもある。
本作のバトルシステムは、基本的な要素は「龍が如く」シリーズのものを踏襲しつつ、新たに「秘孔アクション」と呼ばれるシステムが採用されており、従来の□と△ボタンを組み合わせたコンビネーションから、様々な秘孔アクションを繰り出すことで、効率よく敵を倒すことができるようになっているという。
「龍が如く」シリーズのバトルの特徴でもあるヒートアクションも、北斗神拳の奥義という形で実装されており、ケンシロウの成長やミニミッションをこなしていくことで、新たな奥義を使用できるようになっていく。
エデンの中には、ナイトクラブなどの歓楽街や、北斗神拳の奥義で人々を治療する「ケンシロウ・クリニック」、バーテンダーとして様々なカクテルを作り出す「バーテンダー・ケン」といった、ユニークなミニゲームの数々を楽しむこともできる。
また、エデンの外に広がっている荒野を探索し、様々なアイテムを手に入れることもできるという要素もあり、そこではセガ・マークIII用で発売された名作横スクロールアクション「北斗の拳」のソフトが入手できることも判明。これらは核戦争が起こる前の世界で存在していたゲーム機という扱いで、拠点に持ち帰ることで実際にプレイできるようになるという、「龍が如く」シリーズらしいお遊び的な要素となっている。
なお本作では、桐生一馬役でお馴染みの黒田崇矢さんが、ケンシロウ役を担当している他、ユリア役に久川綾さん、ジャギ役に宇垣秀成さん、ラオウ役に岩崎征実さん、トキ役に咲野俊介さん、レイ役に森川智之さん、シン役に中谷一博さんと、歴代「龍が如く」シリーズに出演したキャスト陣がメインキャラクターの声を担当している。
これには、佐藤氏や横山氏にとって、ケンシロウという強い男の声に、黒田さん以外の声を想像することが難しかったのに加え、12年に渡って仕事を共にし、チームワークが確立された役者陣にお願いするのが、もっとも高いクオリティを出すことができるだろうという考えがあったようだ。
その前提でキャスティングを考えていくと、ケンシロウと桐生一馬、ジャギと真島吾朗など、「龍が如く」シリーズと「北斗の拳」のキャラクター達の間で、それぞれ通じる部分があったことに気づき、そこからキャストを当てはめていったところ、自然と現在の形になっていたという、配役が決まるまでの経緯も明かされていた。
ステージの最後には、期間限定生産となる限定版「世紀末プレミアムエディション」の紹介も行われた。限定版では、ケンシロウの外見を桐生一馬に変えられる権利や、ゲームBGMに「愛をとりもどせ!!」「TOUGH BOY」といった、「北斗の拳」を象徴する楽曲が追加されるなど、どちらのシリーズファンにとっても嬉しい豪華特典が満載となっている。
「龍が如く 極2」、「龍が如く ONLINE」、「北斗が如く」など、まだまだ新作が目白押しとなっている「龍が如く」シリーズ。TGSの会場内では、シリーズプロデューサーの横山昌義氏にインタビューする機会も得ることができ、3つの新作にまつわる様々なお話を聞くことができた。こちらの記事も後日掲載される予定なので、是非合わせてご一読を。