千葉・幕張メッセにて9月21日より開催中の「東京ゲームショウ2017」。ここでは、9月23日にセガゲームスブースにて行われたフリューの「project one-room(仮)」ステージの模様をお届けする。
東京ゲームショウ2017にて発表された「project one-room(仮)」。2000年にセガ(現セガゲームス)より発売された「ルーマニア #203」をリスペクトした作品であること、そしてPS4向けにて鋭意制作中の完全新作であるということ以外は謎に包まれている。
そんな本作の制作発表ステージでは、「ルーマニア #203」の“ファン代表”を自負するフリューのプロデューサー・大地将氏と、同作の原案者であり、「project one-room(仮)」の音楽を担当するササキトモコ氏による制作に至る裏話や、世界観を“覗き見”できるトークが展開された。
「ルーマニア #203」は、主人公であるネジ・タイヘイの部屋を神視点で覗くゲーム。放っておくと何もしないネジに対して目に見えないボールで行動のきっかけを与え、人生を変えていくという一風変わった作品だ。当時、ゲーム雑誌のライターをしていた大地氏は、1つの部屋の中だけで世界全体を描く本作の斬新な切り口に惚れ込み、ファンブックの制作を企画したほどだという。
そして「ルーマニア #203」の原案者にして、ゲーム内で流行りの歌手・セラニポージの“中の人”でもあるササキトモコ氏も、「同作で東京ゲームショウに出たことはなかったので、当時の自分に今このステージに立っていることを教えたい」と感慨深げだった。
「project one-room(仮)」は、「『ルーマニア #203』をプレイした時の感動を今の人たちに届けたい」という大地氏の強い思いから始動、作品には欠かせないと、真っ先にササキ氏に声をかけたという。
勝手に“それっぽい”ゲームを作ることはできたが、セガゲームスとササキ氏のどちらかの協力が得られなければ筋が通らないという大地氏。「ルーマニア #203」の新作・続編にあたるのか?という質問に対しても、同じシステム・世界観でゲームを作っているが、ファンが作品をリスペクトして作るものなので、あくまでも完全新作であると思いの丈を語った。
そんな大地氏が「project one-room(仮)」の見所の1つとして挙げたものが、セラニポージの復活。本作ではシナリオごとに異なるセラニポージの新曲が収録されており、会場ではティザームービーにも使用された「箱の中の女の子」と「minotake(TGS2017 Ver)」が公開された。
いずれもシナリオの内容とリンクされており、「箱の中の女の子」はプレイヤーの行動にやきもきしつつも再会を期待するキャラクターとの関係性が、「minotake」は人類が滅びた後の世界で生まれた未知の生命体の旅立ちをマザー的な意識の人が応援する(要約)というササキ氏ならではの世界観が広がっている。
最後にササキ氏から、「もう、ああいう変なゲーム(「ルーマニア #203」)は出ないと諦めていましたが、大地さんが他の会社ということを乗り越えて説得して、ここまで形にしてくれたことに感激しています」と涙ながらのコメントを受け、会場のファン、大地氏ももらい泣き。ゲームの詳細などについては続報に期待してほしいとの大地氏のメッセージと、ファンからの熱いエールでステージは幕を閉じた。