「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。第8回ではPSVita用ソフト「クランク・イン」についてお届けします。

目次
  1. 「クランク・イン」ここがポイント!
  2. 偶然から始まる、ドラマチックなストーリー
  3. 中学編&青年編で2度楽しめる攻略キャラクターたち

「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回はFutureTechLabの女性向けブランド「プチレーヴ」から2017年8月31日に発売された「クランク・イン」についてお届けします!

「クランク・イン」ここがポイント!

  • 中学生編と青年編の2部構成で展開するドラマチックなストーリー
  • 分岐が細かく、周回プレイでの追加シーンもあってやり応え満点
  • ちょっとしたボイスからも「映画」の空気が感じられるこだわりぶり

「クランク・イン」とは?

「プチレ-ヴ」の第4弾プロジェクトで、キャラクターデザインは桜花舞氏が担当。「映画」をテーマに、中学生編と青年編の2部構成で展開する。

攻略キャラクターを演じるのは前野智昭さん、逢坂良太さん、花江夏樹さん、小野友樹さん、新垣樽助さん、千葉翔也さん、佐藤拓也さんで、中学編・青年編どちらも同じキャストが演じる。

偶然から始まる、ドラマチックなストーリー

「映画のような恋」をコンセプトとした「クランク・イン」。オーディションに出演する友人の付き添いだった主人公が手違いで自分も参加することになってしまい、それをきっかけに映画制作のヒロインへスカウトされる……という、まさに映画のようなシチュエーションからスタートします。

本作は中学編と青年編の二部構成となっていて、まずは主人公をスカウトしてきた2つの中学校のうち、どちらに協力するかを選択。「緑ヶ島中学」はまさに部活動といった空気で、映画への熱意が凄まじい監督を中心に楽しく映画制作ができそうです。一方、中学生ながら本格的に映画へ取り組んでいる「聖エドワード学園」は演技経験のない主人公にはちょっと敷居が高そうですが、その分しっかりと対応してもらえそう……といったところ。どちらにしても目指すは映画コンクールの優勝で、彼らと絆を育みながら撮影を進めていきます。

中学編ではどちらかというと映画制作が軸にあり、恋愛は二の次ですが「付き合ってる」とも「これはデート!」とも言い切れない、なんとなく気になる相手と過ごす時間は見ているこっちがソワソワしっぱなしでした。個人的には、青年編で再会しなければ主人公も攻略キャラクターも「あれが自分にとって初恋だったのかな」と思い出として振り返る……というような全開の甘酸っぱさが中学編の印象ですね。

青年編では大人になってからの再会ということで、何といっても見た目の格好良さが格段にアップ。「昔の同級生と数年ぶりに再会したら格好良くなってて……」なんていうのも定番のシチュエーションですが、やっぱりあどけなさ、可愛らしさが残る中学生から一気に大人びると頭で分かっていてもドキドキしちゃいますね。

中学編とは違って相手を意識した距離感になるものの、以前とは状況が一変しているためなかなか気持ちだけで行動できません。歯がゆさやもどかしさ、大人だからこその事情や理不尽な運命などを2人がどう乗り越えていくのかが見どころです。

そして、本作の注目ポイントが分岐の多さ。例えば中学編の主人公には「女優度」というポイントがあり、これは映画コンクールで優勝できるかどうかに深く関わってきます。女優度によっては優勝できない場合もありますが、勝っても負けても「青春してるなあ!」という展開が用意されていているので、全部確認したくなりました。

さらに一定の条件を満たすと、中学編・青年編の各ルートで別キャラクターの視点によるシーンも楽しめます。「主人公と攻略キャラクターが2人でいた時、他のキャラクターは何をしていたの?」「主人公と会う前に、こんなことを考えてたんだ!」「この行動は、こういう理由があってだったんだ」など、描かれる状況はさまざま。エンディングを見るために周回プレイは必須ですが、こうした追加部分も楽しみながら遊べます。

とくに青年編は、攻略キャラクターやサブキャラクターについて、一つのエンディングだけでは「話題に出たけど、語られなかったあの部分はどういうことだったんだろう?」と疑問が残る部分も少なくありません。ハッピーエンドに限らず全エンディングをきちんと回収するとスッキリできるので、ちょっと大変ですが頑張ってください!

攻略キャラクターには好感度が設定されていて、青年編のルートは中学編で仲良くなっておくと解放される流れ。アップするごとにステータス画面でボイスが聞けるので、欠かさずチェックしたいところ。ちゃんと好感度を上げていないとせっかく選んでもそっけない返答をされるといったパターンもあるので、その辺りも踏まえてチェックは忘れずに。プチレーヴ作品でお馴染み、選択肢を画面内にいる左右のキャラクターへフリックすることで展開が変化する「ディヴァイドフリック」も一通り試してみましょう。

小ネタとしては、中学生編のエンディングはゲーム内で自主制作した映画のエンドロールで、クレジットされるのも各キャラクターというのがちょっと面白かったです。セーブやバックログなどの操作中にキャラクターボイスが入るのですが、それが操作と映画関係のコメントを上手くシンクロさせていて、どこもかしこも「映画」をテーマにしているなと感じられる造りでした。

中学編&青年編で2度楽しめる攻略キャラクターたち

神楽坂悠真(CV:前野智昭)

中学編では、真っ直ぐに映画監督を目指す神楽坂悠真。主人公のヒロイン抜擢をはじめ、部の結成時からかなり強引なところもありますが、リーダーとして頼りがいのある少年ですね。青年編でも変わらず監督として映画を撮り続けていますが、実は家族間の問題を抱えていて……というのが明かされます。

中学編ではほとんど表に出てきませんでしたが、青年編では深刻に思い悩む姿も。それは家族に対してもですし、主人公に対しても複雑な想いを覗かせます。一直線に見えた彼が少し弱さとも言える部分を見せたのは、主人公だからこそという感じがしました。

周柊(CV:逢坂良太)

中学編では神楽坂悠真の幼なじみとして、音楽回りなどを中心に映画制作を手伝っていた周柊。何でもそつなくこなせる器用なタイプなため、逆に打ち込めるものがありませんでした。傍から見れば主人公と「かなり仲が良い」という感じになっても、当人はピンときていない様子なのが彼らしいという印象ですね。

青年編では、実は主人公と同じ大学に通っていたことが判明。現在はバンド活動に明け暮れていて、女性からの人気も上々といったところ。そんな中、バンド仲間の一宮拓人(CV:田丸篤志)と主人公が接近し……。個人的には一宮拓人もすごく良いキャラクターだなと思ったので2人の間で揺れる気持ちも分かりましたし、あるエンディングには「なるほどな!」と思いました。

逢坂聖(CV:花江夏樹)

主人公の一つ後輩で、純粋に慕ってくれる姿が可愛らしかった逢坂聖。双子の弟・忍とは真逆の穏やかな空気は中学編・青年編ともに変わらず、憧れの先輩として接してくれるのが微笑ましかったですね。物語を読んだり書いたりするのを好んでいますが、実はなかなかの演技力を備えているのも注目です。

青年編では主人公の所属する劇団の脚本を担当し、それもあって急接近。しかしある事件が起こり、周囲を不穏な空気が包みます。少しヒヤヒヤする展開もありましたが、サブキャラクターの河内夜与兵衛(CV:津田健次郎)の活躍も楽しめるのもポイントですよ。

徒野真澄(CV:小野友樹)

女性に優しいフェミニスト、資産家の息子でイケメンという理想をそのまま描いたような徒野真澄。常に飄々とした態度を崩さず、演技が初心者の主人公はもちろん、映画制作を的確にサポートしていきます。ただし彼には踏み込まなければ見えない一面があり、相当の覚悟をもって接しなければならない人物でした。

財力に物を言わせたような展開に振り回されっぱなしですが、プレイを進めていくと「こういうことを考えていたんだ」と理解できたので「とにかく全エンディングをコンプリートして!!」というキャラクターです。さらに、ある人物との意外な因縁もあるのでお楽しみに。

村雲朔(CV:新垣樽助)

映画監督の息子で、中学編からすでにその手腕を発揮していた村雲朔。映画制作についても並々ならぬこだわりや哲学を抱き、クールで冷静かつ合理的な考え方をしますが、決して冷たい人物ではないんですよね。とくに弟や妹の面倒をみる姿は年相応の「良いお兄ちゃん」といった感じでした。

青年編では、すでに若手の映画監督として活躍。髪も金髪になり、外見のイメージは一番変わりましたが中身は変わらず。その強い信念が裏目に出てしまう出来事もありましたが、結果的にはお堅いイメージの強い彼の少し意外な一面も見えて親近感がわきました。

逢坂忍(CV:千葉翔也)

中学編でもすでに俳優としてのプロ意識が凄まじく、主人公にもかなり厳しめに接する逢坂忍。最初は怖い印象でしたが、根は優しいところが段々と見えてくると、素直じゃないところが可愛くなってきます。

青年編では実力派俳優として順調にキャリアを伸ばしていた中、突然失踪騒ぎが発生。かつて打ち解けたはずの主人公にも壁を作り、かなりショッキングな展開が続きます。中学編でどれだけ俳優業に打ち込んでいたのか理解していた分、とても胸が痛みましたし、泣かされました。

櫻井時雨(CV:佐藤拓也)

時雨さんは主人公の家庭教師という、他の攻略キャラクターとは少し違う立場のキャラクター。いつも自分を見守ってくれる憧れの存在と恋に落ちるのは、かなりドラマチックですよね。中学編では周囲の目も含めて「仲の良い兄妹」といった関係性でしたが、青年編のスタートからかなり飛ばしていてびっくりしました。

その背景も実に複雑で、そのうちの一つ、元カノの存在については相手が大人ということもあって納得なのですが、もう一つがかなり衝撃でした。どこまで受け入れられるか主人公とプレイヤーの度量が試された気もしますが、個人的にはわりと需要は高そうな気もしますし、エンディング後に解放される声優さんのメッセージにはちょっと笑ってしまいました。単独で用意されているムービーもチェックです。

なお、中学編・青年編共に同じ声優さんが演じられています。青年編はすぐピンとくる方も多いでしょうが、中学生のキャラクターとなるとちょっと意外…‥という方もいますね。こうした演技の幅をじっくり堪能できるチャンスでもありますから、声優さんファンもぜひ遊んでみてください。まずは体験版を遊んでみるのもオススメです!

※画面は開発中のものです。

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