バンダイナムコエンターテインメントは2017年10月14日、「CODE VEIN(コードヴェイン)」体験会&開発ミーティングをバンダイナムコエンターテインメント本社にて実施した。
バンダイナムコエンターテインメントから、2018年発売予定のPS4/Xbox One/Steam用ソフト「コードヴェイン」。「GOD EATER(ゴッドイーター)」チームが手がける、崩壊した近未来を舞台に吸血鬼(レヴナント)たちの物語を描く、ドラマティック探索アクションRPGだ。
一般ユーザーを招いて行われた今回のイベントでは、「コードヴェイン」に関連したさまざまな展示のほか、開発スタッフとの意見交換や、開発者によるプレイ解説、世界観の解説などを行ったミニステージが実施されていた。
さらに会場では、9月に開催された東京ゲームショウ2017に出展されていたバージョンのPS4版「コードヴェイン」の試遊台も設置されており、自由にプレイすることができるようになっていた。ここでは主に、そのプレイインプレッションをお届けしていく。
「吸血」を成功させ、可能な限りの「冥血」をストックしていくのがポイントに
今回体験可能になっていたのは、洞窟内の探索とボスとの戦闘という2種類のシチュエーション。筆者は主に洞窟の探索を中心にプレイしたが、その際に強く感じたのは本作が非常に歯ごたえのある、試行錯誤による達成感を感じられるゲームとなっているということだ。
本作の難易度が高いことは事前の情報からもわかっており、筆者としても相応の覚悟をして慎重にプレイに挑んだつもりだったのだが、それでも洞窟を探索している途中に何度倒されたのか数え切れなくなったほど。
洞窟の中には雑魚に相当するであろう敵が何体も配置されているのだが、その一体一体が巨大な武器を装備しているため、攻撃のリーチが非常に長い。その上、複数の攻撃モーションが連続して繰り出されるため、主な回避手段となるローリングを適当に出しても、無敵時間の短さも相まって回避しきれず、大ダメージを受けしてしまうというケースが少なくなかった。
そのうえ敵の攻撃力も非常に高く、運が悪いとほぼ体力が全快の状態でも、連続攻撃をすべて受けて即死してしまうこともあったほど。回避を狙う場合、相手が次に行う攻撃が、縦振りなのか横振りなのか、それを何度行うかをしっかりと頭に叩き込んだ上で挑む必要がある。
ローリングの他、相手の攻撃に対する選択肢にはガードもあり、こちらはローリングよりも発生速度が早く、咄嗟の攻撃を受けるのに向いている。だがガードは成功した場合でも、ある程度のダメージを受けてしまう。高いリスクを追って回避を狙うか、安全にガードを狙うか、プレイヤーの判断力も問われることになる。
また戦っている最中に別の敵に見つかってしまい、複数の敵を同時に相手にしなければならない状況が起こりやすいため、戦う際の位置取りが非常に重要。囲まれた状態では、視界外からの攻撃を受けてあっという間に倒されてしまう。こちらの動きも制限されるリスクはあるものの、正面の敵に専念できるように狭い場所に誘い込んで各個撃破にするなど、様々な戦術を練ることも必要になってくるだろう。
そんな厳しい戦いを生き抜く上で重要となるのが、任意のタイミングに「冥血」を消費することで使用できる、「錬血」と呼ばれるレヴナントの強力な能力の数々だ。
「冥血」は、通常攻撃をヒットさせることで徐々に蓄積されていく他、○ボタン長押しで発動できる「吸血」アクションを命中させることで大量にストックしつつ最大値も増加させることができる。吸血は攻撃が行われるまでに必要な溜め時間が長いため、敵の攻撃方法や敵との距離感を把握した上で使用していく必要がある。特に今回の試遊版では体力を回復する手段が非常に乏しいため、少しでもダメージを受けてしまうと後の探索に大きな不利を負うことになりかねず、無闇に吸血を狙っていくのは難しい。
まさにハイリスク・ハイリターンな選択肢となるのだが、使用回数が限られているからと錬血の使用を躊躇っていると大量のストックを抱えたまま倒されてしまう。錬血の効果発動時には少なからず隙が発生するため、追い詰められてから使おうとしても手遅れになってしまうことが多い。
防御を高める「アイアンウィル」、回避性能を上昇させる「アクセラレーション」などは、冥血の消費量が多いものの、その分効果時間も長めとなっている。敵が一体しかいないなど、安全を確保しやすい状況でできるだけ吸血を成功させてストックを溜めておき、多数の敵と交戦になりそうな際には、保険を掛ける形で早めの使用を心がけておくことが必要になる。
さらに吸血の中には、通常の○ボタン長押しから繰り出すものの他に、タイミングに合わせて相手の攻撃を受け流すパリィや、一連のコンボの流れから吸血を行う、「特殊吸血」と呼ばれるアクションも存在。パリィは成功タイミングがなかなかシビアで、バックアタックを成功させる、敵を空中に打ち上げるなど、限られた状況でしか使用できないなど、慣れない内は狙って出すのは難しいものの、通常の吸血よりも安全かつ短時間で吸血を成功させられるメリットは大きい。テクニカルな操作を要求される特殊吸血をいかに使いこなすかも、今後の攻略のカギとなってきそうだ。
心強い相棒であるバディの体力にも注意を払う
今回のプレイでは、PVなどにも登場しているキャラクターの一人であるミア・カルンシュタインがバディとして動向してくれたのだが、このバディの存在というのも非常に重要。今回のバージョンでは、体力を回復しようとしても、敵に狙われた状態ではアイテムを使うための隙が一切ないという場面も少なくない。
そんな時にバディが一時的に敵の攻撃を引き受けてくれれば、回復の隙も生まれてくる。しかも自分が戦闘不能になった場合にバディが生き残っていれば、自身を蘇生させてくれることもあり、心強い相棒として献身的にサポートしてくれる。
そんな頼もしいバディなのだが、多数の敵から狙われると、あっという間に倒されてしまうのはプレイヤーと同様。戦闘不能直後ならプレイヤーの体力をバディに分け与える錬血「ギフトヒール」によって蘇生することも可能なのだが、このタイミングなかなかシビアで、余裕がなくなりがち戦闘中には、気づいたらバディが死んでしまっていたという状況が多発する。危なくなったらプレイヤーがタゲを引き受けたり、先述の錬血「ギフトヒール」を活用するなど、常にバディの残り体力にも気を使っていきたいところだ。
なお今回初期装備となっていたのは、攻撃速度が素早い片手剣と、威力は高いが隙の大きい両手剣の2種類。洞窟内には宝箱が置かれていることもあり、宝箱からは斧槍や銃剣といった装備を手に入れることもできた。中でも片手剣は攻撃の隙が少ないため、初心者が使うのに最適な武器だが、リーチが短く複数の敵を相手にするのは苦手という弱点もある。
一度に装備可能な2つの武器はボタン一つで瞬時に切り替えられるようになっているので、状況に応じて武器を切り替えていくという、スタイリッシュな戦い方も可能となっている。
洞窟を探索した後には、ボス戦にも挑戦することに。ボスのような強力な敵を相手にする時に重宝するのが、プレイヤーとバディの能力を一時的に大幅に強化する「共錬血」。使用すると冥血の最大ストック量が減少してしまうので、おいそれとは使うことができない、プレイヤーにとっての切り札なのだが、その分効果は非常に強力。
元々本作のアクションは決して緩慢な動きではなく、こちらの意図したとおりにキビキビと動いてくれる、ストレスのたまらない速度になっているのだが、「共錬血」の使用中は動作がさらに高速化される。回避に用いるローリングもステップへと変化し、この時のステップは移動距離・無敵時間ともに長めに設定されているようで、普段は行うことができない積極的な攻めが可能となる。この間は「ゴッドイーター」シリーズに近いハイスピードなアクション性となるため、これまでのゲーム性とは一変した爽快感を堪能できる。
「共錬血」も駆使しつつ、順調にHPを半分以上削ることには成功したものの、途中にバディが倒されてから形成は逆転。ボスの連続攻撃は他の敵とは比べ物にならない攻撃範囲の広さを誇り、スタミナ切れから一気に体力をもっていかれてしまい、残念ながらボスを倒すことはできなかった。
本作にはこれまで紹介したもの以外にも、リーチの長い特殊攻撃、打ち上げ攻撃、チャージ攻撃など、アクションの種類がとにかく豊富なので、それらを使いこなすには、今回の体験プレイでは時間が足りず、まだまだやりこみを重ねていく必要があると感じられた。
それでも洞窟の探索においても、最初は複数の敵に囲まれ一瞬で倒されてしまったポイントが、立ち回りを変えれば意外にあっさり突破できることもあったりと、クリアするための試行錯誤がとにかく楽しい。確かに心が折れそうになる高難度ではあるのだが、立ち回りの見直しに、違った武器や錬血を試したりと、取れる戦術の幅がかなり広いため、「次は違う作戦で挑戦してみよう」という意欲が自然と湧いてくる。そうしたトライアンドエラーが好きな、アクションゲーム好きのプレイヤーにはたまらないゲームとなっているはずだ。
また本作はRPGということもあり、キャラクターのレベルの概念や、カスタマイズの要素が存在しているのも特徴。繰り返しプレイしてキャラクターを強化していけば、最初は敵わなかった強敵にも次第に太刀打ちできるようになっていく、救済措置として機能するのではと予想している。
最後に繰り返しになるが、今回筆者がプレイしたのはあくまで東京ゲームショウ2017に出展されていたものと同一のもの。会場内で行われていた、開発者が登壇してのミニステージでは、最新のバージョンも公開されており、両手剣やアイテム使用時の動作の高速化、共錬血状態以外でもステップが行えるようになるなど、ユーザーから寄せられた要望に合わせて大幅な改善を行っていることが明かされていた。
最終的には、プレイヤー側がある程度自分にあったものにカスタマイズできるような形を考えているそうだが、全体的にスピード感を高める方向性で調整が行われているようで、今回体験したバージョンと製品版では、プレイフィールがまったく別物となっている可能性も高そうだ。
ステージの中の多くの時間が、実際にプレイした参加者からの意見を聞く時間に割かれていたのも印象的で、開発側がしっかりとユーザーに向き合い、より求められるゲームを作ろうとする情熱が伝わってくるイベントにもなっていた。さらによりよいゲームへと進化していくであろう「コードヴェイン」。今後の続報にも期待したい。
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賞品
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提供
株式会社バンダイナムコエンターテインメント
当選者数
6名(抽選)
応募期間
2017年10月18日~2017年10月29日