ユービーアイソフトが3月29日に発売したPS4/Xbox One/PC用ソフト「ファークライ5」のプレイレポートを掲載する。
「ファークライ5」は、アメリカ、モンタナ州の長閑な田舎町“ホープカウンティ”を舞台にしたFPS。広大な街はオープンワールドで表現され、広大な大地に川、あるいは空を自由に冒険し、街を占領したカルト教団と戦っていく。
「ファークライ」シリーズは「アサシン クリード」と並びユービーアイソフトを代表する作品だが、コンスタントに新作が登場する「アサクリ」とは違い、こちらはかなり久しぶりの新作となる。「ファークライ プライマル」からは2年ぶり、ナンバリングの前作「ファークライ4」からは実に3年ぶり。シリーズのファンからすれば、待ちに待った新作と言えるほどの期間だ。
今回のプレイレポートでは、久しぶりのシリーズ最新作である本作が一体どんな世界観で、どんなシステムを持っているのか。要するに基本的な部分からチェックしていこうと思う。実際に触れてみればすぐに分かることだが、かなり狂ったゲームだ。もちろん褒め言葉として。
敵は狂気に満ちたカルト教団…絶望的な状況をアイディアで切り拓け
本作の物語は、モンタナ州「ホープカウンティ」にある小さな田舎町から始まる。元々はのどかな街だったが、「エデンズ・ゲート」という組織が流入、徐々に土地や企業の買収を進め、街を支配する。エデンズ・ゲートの教祖であるジョセフ・シードは、カリスマ性と武力をもって信仰を広めていく。
プレイヤーは、そんなジョセフを逮捕するためにホープカウンティへと派遣された保安官。自然豊かなフィールドを行き来し、ジョセフと教団の人間を倒し、街を解放することが大きな目的となる。
漠然と「カルト教団からの解放」といっても途方に暮れてしまうが、本作には明確な攻略ルートが4種類用意されている。民間人の救出、カルトの建造物を破壊、メインミッションのクリア、基地の解放だ。捕まっている民間人や建造物、基地の類は無数に用意されており、適当にぶらぶら歩いているだけでも、次々に目標が見つかる。「次になにをしたらいいか分からない」という“オープンワールドあるある”は、少なくとも本作では無縁の存在だ。
ワールドマップはこんな具合で、行っていない箇所は靄がかかっている状態。敵が占拠している施設には最初からポイントが付いているが、これ以外にも小規模な施設が山のように存在する。長く遊びたい人からすれば、嬉しい悲鳴をあげてしまうほどのボリューム感だ。
さて、道すがらで解放すべき民間人や施設を発見したら、次はいよいよそこを制圧することになる。やり方としては真正面から銃撃戦を挑むか、気付かれないように近づいてテイクダウンを計るかの2種類がある。
いずれにしても、まずは敵勢力を知るところから始めたい。双眼鏡で敵を覗き込むと赤い影でマーキングされ、以降は壁越しでも相手の気配を感じ取ることができる。敵の数を把握するだけでなく、物陰から隙をつく際にも役立つので、可能な限り双眼鏡を駆使する癖を付けておきたい。また所持している武器でも戦い方は細かく変わってくる。弓矢は音をたてることなく遠距離から攻撃できるため、上手く立ち回れば相手に見つかることなく施設を制圧できる。
基本的にソロプレイですべてクリアすることが可能だが、傭兵との共闘ができる点も覚えておきたい。敵に捕まっている傭兵を解放することで行動を共にするようになり、どこで待機するか、誰に対して攻撃するかをリアルタイムで細かく支持することが可能。まずは傭兵に動いてもらい、攻略ルートを確保してから自分自身も戦闘に加わる、といった戦法もできる。
ちなみに、どこから攻略しても難易度に大きな変化はないので、プレイヤーごとでまったく異なる展開が楽しめる。ただし本作にはレジスタンスメーターという数値が存在し、物語を進めるごとに少しずつ上昇する。これが上昇すると敵からの攻撃はより強力になっていくという仕組みだ。
大自然は味方にも、敵にもなる
物語の舞台となるホープ・カウンティは、民間人とエデンズ・ゲート教会の人間以外にもたくさんの動物と巡り会える。鹿のような温厚な動物もいれば、熊や狼といったこちらを攻撃してくる猛獣も徘徊している。
このような猛獣と出くわしてしまい、戦うことを余儀なくされるケースもしばしば。しかも、ここで下手に銃を撃ってしまうと、それに気付いた敵も加わり三つ巴の戦闘になることも。逆に敵と猛獣が戦って、プレイヤー自身は安全なところから見守るだけ、という状況が生まれるケースだってある。
どんな内容であれ猛獣を倒すと、そこから皮を剥ぎ取り換金できる。お金を溜めればより強力な武器を購入できるため、猛獣を狩ることも決して無駄ではない。
広大な世界を移動する際の乗り物にも言及しておきたい。本作には一般的な車やバギーの他にも、モーターボート、飛行機などさまざまな乗り物が登場する。しかも比較的序盤の段階から、自由に乗ることができる。
とはいえ、大通りを車で走っていると、すぐに敵に見つかってしまうため安易に使用するのは注意したい。徒歩で山道を歩いたり、川を泳いだりしたほうが、結果的には安全に移動できる場合だってある。そのくらい、狂った教団員が蔓延っているのがこのゲームなのだ。
人間と大自然、その双方を相手に生き延びていく様子はまさしくサバイバル。エデンズ・ゲートとの過酷な戦いはどんな結末を迎えるのか、そしてサバイバルの果てに主人公とプレイヤーはどんな成長を遂げるのか、プレイすればするほど楽しみが増していくゲームだ。