セガゲームスが2018年4月19日に配信を予定しているiOS/Android向けアプリ「プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド」の先行プレイレポートをお届けする。
「プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド」は、サッカークラブの代表に就任し、クラブ運営や試合采配などを行うサッカークラブ運営シミュレーションゲーム、通称「サカつく」の最新作。シリーズの誕生はセガサターンの時代までさかのぼり、その後さまざまなプラットフォームで発売されてきた。今ではシミュレーションの代名詞として覚えている人も多いだろう。
その最新作としてリリースされる「ロード・トゥ・ワールド」は、思わず熱中してしまうクラブ運営の奥深さとそのボリューム感など、「サカつく」が持つ魅力をそのままスマートフォンで再現した作品だ。
今回、本作をひと足早く触れる機会が得られたので、そのプレイレポートを紹介する。プレイしたのはあくまでも序盤、せいぜい1シーズン程度であり、チームもまだまだ弱い状態。それでも「サカつく」のチームが少しずつ成長していく楽しさ、試合を見守る緊張感は健在だ。
名選手を発掘し、クラブを頂点に導け
ゲームをスタートすると、まずは自身が運営するチームを作成する。挑戦する国に加えてチーム名、ユニフォーム、ロゴといった基本的なところだ。用意されている国は日本、香港、イングランドの3カ国で、筆者は日本を選択。本作には実在する欧州や南米の選手も多数登場するため、リアリティを出すためにイングランドで初めて見るのも面白そうだ。ちなみにチーム名、ユニフォーム、ロゴの3つはゲーム開始後も自由に変更できるので、まずは気楽に決めてしまって問題ない。
最初は2部リーグからスタートするが、それはあくまでもチュートリアルの役割。すぐに1部リーグへと移り、本格的なクラブ運営を始めることとなる。シーズンは6月の7月プレシーズン期間から始まり、その後リーグ戦やカップ戦を戦い抜いていく。ひとつひとつの試合はじっくり観戦することもできれば、ダイジェストで流すことも可能だ。
具体的には「試合を見る」「ダイジェストを見る」「結果を見る」の3種類が用意されている。「試合を見る」は選手の3Dモデルがスタジアムを駆け巡る様子を確認できるモード。時間がかかる代わりに、丹念に育てた選手の活躍を見たい場合に重宝する。「結果を見る」は俯瞰視点で試合が進行し、ゴールを決めたときの演出も発生しない。どんどんゲームを進めたい人はこちらを選択するといいだろう。そして「ダイジェストを見る」は2つの折衷したモード。基本は俯瞰視点で進行するが、要所では3Dモデルによる演出が楽しめる。
さて、とりあえずゲームの進め方だけ先に紹介したが、初期メンバーだけで勝てるほどサッカーの世界は甘くない。クラブのオーナーたるもの、監督を招聘し、選手を獲得し、先述を寝ることがもっとも大切な仕事だ。監督に関してはゲームをプレイする過程で時折スカウトという形で紹介してくれる。監督によって得意な戦術はまったく違う。1人の監督に固執するのではなく、理想の監督を追求するのが得策だろう。
選手の獲得は複数のルートがあるが、メインはスカウト、プレミアムスカウトになる。プレミアムスカウトはいわゆるガチャのことで、世界的に有名な選手を入手できる可能性を秘めている。一方通常のスカウトは、ゲーム内通貨で毎週のように選手を獲得できる気軽な方法だ。能力は抑え目だが、それでも知名度のある選手が“ルーキー”という形で登場することも。ルーキーなので能力が低い分、しっかりと経験を積ませればその名前に見合った才能を開花させてくれるはずだ。
選手の育成にホームタウンの発展…やることはまだまだ尽きない
獲得した選手は通常レベル1の状態で、例え有名な選手であっても試合ではなかなか活躍できない。一朝一夕ではなく、粘り強い育成計画が必要だ。
レベルに関しては試合に出してあげれば自然と上がっていくのだが、試合ごとに1人だけ“強化指定選手”に指定してより多くの経験値を与えることも可能。将来チームの中心に据えたい選手がいれば積極的に利用したい。また選手固有のスキルも存在し、こちらはゲーム内で手に入るアイテムを使うことで取得・強化できる。
選手の育成の次に考えたいのは試合でのフォーメーションだ。フォーメーションは4-4-2、3-4-3など一般的なものは一通り揃っている。強豪チームを相手にするときは、思い切って5バックにするのもいいだろう。そして、このとき気にしておきたいポイントとして、監督とフォーメーションの相性。例えば筆者が最初に獲得した西田朗雄監督は3-6-1のフォーメーションを得意としており、これに特定のスキルを持った選手を配置するとフォーメーションコンボの「センターライン強化」が発動、チームのディフェンス力が底上げされる。
このように、監督ごとでまったく違った得意フォーメーションが存在し、それを元にチームを作ることが勝利への近道というわけ。もちろん、監督の能力に依存しすぎてせっかく育てた選手をベンチに追いやったら本末転倒。なにを優先し、なにを切り捨てるかはオーナーであるプレイヤーの腕次第だ。
選手の獲得、そして育成で常に必要となるのが資金。資金を得る際重要になるのが、ホームタウンの発展だ。
ホームタウンにはスタジアムとクラブハウスがあり、スタジアムを増設すると観客の収容人数が増していく。収容人数が増えれば、その分チケットの収入も増えるという流れができていく。またスタジアム内に店舗を設置したり、ファンクラブイベントを開催することでも収入を増やせる。
もうひとつのクラブハウスは選手の育成に関係した施設で、さまざまな練習ルームを設置することで獲得経験値を増やせる。クラブハウスを増設すると、それに合わせて設置できる部屋数も上がっていく。スタジアムとクラブハウス、どちらもクラブを長く経営する上で欠かせない施設と言えよう。
選手の獲得がガチャだったり、全国のプレイヤーと対戦するアリーナモードがあったり(正式配信前なので筆者は体験できなかったが)、スマートフォンアプリらしい機能は備わっているものの、プレイフィール自体はむしろコンシューマのそれに近い。ひとつの試合に一喜一憂し、選手の育成やフォーメーションに頭を悩ませる。「サカつく」シリーズのファンでも満足の行く仕上がりではないだろうか。
2ヶ月後には4年に一度の大会も控えているが、日本代表がどんな戦いをするのか、まだまだ不透明な部分が多い。代表監督の交代なんていうビッグニュースも飛び込んできたのだからなおさらだ。そんな今だからこそ、「自分ならこんなチームにするのに」と想像を膨らませている人もいるはず。想像を具現化するツールとして、「サカつく」はこれ以上ない作品だ。