ソニー・インタラクティブエンタテインメントがPS4向けに発売中の「コール オブ デューティ ワールドウォーII」。本日4月21日より、プロチーム6団体による賞金総額1,000万円のeスポーツ大会「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」が開幕、出場チームへのインタビューを行った。
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「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」は、発売中のPS4用ソフト「コール オブ デューティ ワールドウォーII」(以下、CoD:WWII)のゲームプロライセンス(発行:一般社団法人日本eスポーツ連合)を所有するチームがeスポーツ競技として毎月リーグ戦を繰り広げる。
今回は、初のJeSU認定チームによる大会として2月に開催された「闘会議2018」参加4チーム(CYCLOPS athlete gaming、DetonatioN Gaming、Rush Gaming、SCARZ)に加え、新認定された2チーム(Libalent Vertex、SunSister)を迎えた全6チームによるリーグ戦となっている。
ここでは、6月に開催される「CoD:WWII」世界大会「CWL アナハイム」(開催地:米国アナハイム)への参加権を「闘会議2018」で獲得した王者“Rush Gaming”はもちろん、「闘会議2018」のグランドファイナルで火花を散らした“SCARZ”、そして新認定された“Libalent Vertex”と“SunSister”にインタビューを実施。
本インタビューは、現在YouTube LiveおよびTwitchで中継されている本配信前に行った。各チームの意気込みはもちろん、警戒しているチームや選手などについて訊ねた内容になっているので、配信とあわせてぜひチェックしてみて欲しい。
公式サイト:https://www.jp.playstation.com/events/call-of-duty-wwii-taikousen/
公式チャンネル:http://www.youtube.com/user/playstationjp
(YouTube公式チャンネル以外にTwitchでのライブ中継を予定)
公式Twitter:https://twitter.com/cod_sieja
(公式ハッシュタグ#CODプロ対抗戦)
闘会議覇者“Rush Gaming”
――ついにプロ対抗戦が始まりましたが、改めて意気込みをお聞かせください。
GreedZz:この規模のリーグ戦というのは(CoDシリーズでは)初めてだと思うので、コミュニティ全体も注目していますし、勝つことはもちろんですが、Rush Gamingらしい熱い試合でコミュニティそのものを盛り上げていければと思っています。
――最も注目しているチームはどこですか。
GreedZz:やっぱり“SCSRZ”ですね。これまでの大会などでもずっと一緒に戦ってきたチームですし、「闘会議2018」のグランドファイナルでぶつかり合ったチームでもあるので、今回も全力で戦えたら嬉しいですね。
――ほかにもさまざまなFPSタイトルをプレイしていると思いますが、「CoD」ならではの難しさみたいなのを感じるところはありますか。
GreedZz:「CoD」シリーズは毎年新作が発表されるので、その都度新しいゲームに慣れなければいけないのは大変ですね。「CoD」シリーズ自体、例えば魔法を使ったりするようなものではなく、比較的王道な内容のFPSタイトルなので、試合内容も非常にスピーディで瞬間的な判断が重要になり緊張感があります。
――今回新たに2つのチーム(Libalent vertex、Sunsister)が参戦しましたが、チーム毎に戦略や作戦を立てていたりはしますか。
GreedZz:チーム単位というわけではありませんが、戦略という部分では直近でゲーム自体に大きなアップデートが入ったので、その影響で大きく変わりましたね。ゲームシステム自体が変化するような内容だったので、前回大会で使用していた作戦は使えない…通用しないと思いました。なので、ほかのチームというよりは、新しいゲーム環境に適した戦略は考えてきました。
――例えば前回大会で活用していた作戦の中で、アップデートによって特に影響した部分はどこになりますか。
GreedZz:師団ですね。アップデートによって師団の能力が大きく変わったので、本大会では前回使っていた師団をあまり使わなくなってしまった部分もあり、そこを各々修正したり慣れたりしたりするのは大変でした。
――初戦はDetonatioN Gamingですが、相手の印象はどうですか。
GreedZz:前回大会の印象からすると、とてもまとまりがあるチームだと思います。なので、チーム力で押されないように気をつけたいですね。
――連携といえばRush Gamingさんも負けていない印象ですが、それぞれが意識していることは何かあるのでしょうか。
Nami:4人全員が同じことを意識する、というのは常に考えています。例えばあるポイントを警戒しようとした時、声に出さずとも自然とチーム全員が注意を向けられる、というのがRushの強みだと思います。
――個人的に注目している選手などはいますか。
Nami:僕は“Libalent vertex”のNicochaaaaaaaann選手ですね。元々“SCSRZ”に所属していたのですが、一時期eSportシーンから離れていて、今回また復帰したとのことなのでそういった意味でも注目しています。
――ありがとうございました。
復活のNicochaaaaaaaann選手率いる“Libalent vertex”
――まずは初戦(vs.Sunsister)突破おめでとうございます。今の率直の気持ちをお聞かせください。
Nicochaaaaaaaann:最初のHardPointを落としてしまい、良くない立ち上がりではあったのですが、その後2マップ目、3マップ目と連取でき、最後4マップ目のHardPointをしっかりと勝ち取ることができました。これは途中から流れが僕たちのほうに向いてきたんだと思います。2マップ目からチームの雰囲気がすごく良くなってきて、こうした雰囲気作りもこれから頑張っていきつつ、個人のスキルももっと積んで、いろんなチームと戦えるようになりたいと思いました。
――どんどん雰囲気が良くなってきたとのことですが、メンバー同士で鼓舞し合ったりしたのでしょうか。
Nicochaaaaaaaann:いや、それが特にはしていないんです(笑)。自然と全員が調子を上げてきたというか…。
E3NCOUNT:エンジンが掛かった、という感じですね。
Nicochaaaaaaaann:うちのメンバー、変な人が多いんです(笑)。
――今回、直前にゲーム内に大きなアップデートが入りました。自分のプレイスタイルなどにも影響があったと思いますが、その中でも特に順応するのが大変だった部分はありますか。
Nicochaaaaaaaann:僕たちと作戦の基盤として、これまでは投げ物(手榴弾など)を活用して相手のやりたいことをさせない立ち回りをしてきたんです。しかし、今回のアップデートによって機工(ゲーム内のキャラクター、クラス、職業のようなもの。その一種。)が投げ物系全般に対するメタとなってしまったので、この基本的な立ち回りを修正するのに今も苦労しています。
現状、新しい立ち回りの完成とは程遠い状態であると思っているので、これに関してはこれからメンバーともっと話し合って研究をして行きたい部分です。
――次は“Rush Gaming”さんとの試合になりますが、相手の印象はどう思っていますか。
Nicochaaaaaaaann:僕としては、昔から知っているチームでもありますし、その強さは十分にわかっているつもりなので、厳しい戦いになると思います。それでも、僕らが出せる最高のパフォーマンスで勝ちにいきたいと思っています。
――“Libalent vertex”はとても雰囲気の良いチームだと思うのですが、チームの強みはどんなところだと思いますか。
Nicochaaaaaaaann:新人のInaba URがすごく強く、僕も頼っている部分があります。
――エースのような感じでしょうか。
Nicochaaaaaaaann:そうですね、実質エースのようなメンバーです。
Inaba UR:(笑)。
――今年の東京ゲームショウでも大きな大会が開催されると思いますが、それに向けてこれからどんな活動をしていきたいと思っていますか。
Nicochaaaaaaaann:“Libalent vertex”は、僕を除いた3人が「CoD」のeSportシーンの経験が浅く、まだまだこれから成長できる人物たちだと思っているので、僕はもちろんチームとしてもいろいろな経験値を積んでいければと思っています。
――意識しているほかのチームや選手はいますか。
Nicochaaaaaaaann:ぼくは特にいないですね。
――ほかのチームからは、多くの人がNicochaaaaaaaann選手を意識しているようでしたが、それについてはどう思われますか。
Nicochaaaaaaaann:期待には応えます(笑)。味方のチームはもちろん、例え相手のチームであっても、僕は周りの期待に応えて戦っていきたいと思います。
――今回のアップデートでゲームシステムが大きく変わったと思うのですが、それはプロの目からみてどう思われていますか。
Nicochaaaaaaaann:僕個人の意見としては、戦略の幅が狭くなったという意味で少し“違うかな”と思います。以前ならばグレネードを当てることで相手の速攻を牽制することができましたが、今は機工という師団一つですべてのグレネードの対策が出来てしまい、試合がほぼほぼ純粋な撃ち合いのみで決着してしまいます。そういった意味では、メリットデメリットがはっきりと分かれたアップデートだったと思います。ただ、単純な撃ち合いを楽しむといった面では、本当に良くなったと思います。
――実際に会場に来て観戦する人、配信で観戦する人、そしてこれからはゲーマーじゃない人も試合を見る機会が多くなると思いますが、“Libalent vertex”のここを見てくれ、というようなポイントはありますか。
Nicochaaaaaaaann:配信では映るかどうか分かりませんが、E3NCOUNTの顔芸がすごく面白いです。
一同:(笑)。
Nicochaaaaaaaann:彼がやられた時のリアクション、勝った時のリアクションが非常に激しいので、注目していただけると面白いのではないかと思います。
――ありがとうございました。
実直かつ堅実なプレイングが目を引く“Sunsister”
――初戦は残念な結果となってしまいましたが、振り返ってみていかがだったでしょうか。
Chip:普段やってきたことが、試合で上手くできていなかったことが敗因でした。この結果を踏まえつつメンバーと話し合い、次の試合に活かしたいですね。
――それはやはり、「CoD」のプロ対抗戦の中に初めて入った緊張も影響していましたか。
Macomb:やはりこうした大きな場で試合をするという経験がまだまだ少ないので、緊張感はありましたね。ただ、そこを言い訳にはできないので、次の試合はみんなで気合を入れて臨みたいと思います。
――次は“SCSRZ”との対戦が控えていますが、コンディションは整っていますか。
Chip:負けてしまいましたが、初戦を経たことでみんなの気持ちの整理もついたので、よりベストな状態で“SCSRZ”との対戦に挑めると思います。
――今回のアップデートでゲームが大きく変化しましたが、その影響で自身のプレイスタイル、またはチームの戦略として一番対応に追われた部分はありますか。
Macomb:前線に出張るサブマシンガンを持つ人たちがずっと走れるようになったので、味方との歩幅の合わせ方などに、やはり今までとの差が生じて苦労する場面が多かったですね。
――プロゲーマーとして、今回のアップデートはどう思っていますか。
Chip:基本的に、アップデートに関してはゲーム会社さんが必要だと判断して行っていることなので、僕たちはそれに対応していくことが重要だと思っています。アップデートによって(立ち回りなどを)どう変えていくか、どう対処するべきか、それらをチームと話し合って決めていくことが、これからもベースになってくると思います。なので、アップデートの賛否に関しては特に気にしていません。
――Macomb選手は大学対抗戦に出場し、そこからプロとして“Sunsister”への所属が決まりましたが、意識など何か変わった部分はありますか。
Macomb:以前は趣味ながらもプロになれるように頑張ってきた部分もあったので、やはり“Sunsister”に入ってからはただ遊ぶのではなく、勝てるように自分ができることを増やしていこうという意識する機会は多くなりました。
――プロになることで注目されるようになると思いますが、そういった部分で気持ちの変化はありましたか。
Macomb:そうですね。見る立場から見られる立場に変わったというのは、常々感じています。気持ちもより一層引き締まるところがありますね。
――この後の試合について、意気込みをお願いします。
Chip:“SCSRZ”とは、本大会までの交流戦でもあまり対戦経験がなかったので、対策という対策は立てられていない状況ではあります。それでも、これまで戦った1試合、2試合分の経験というのは十分にあると思うので、次に活かせるように頑張っていきます。
あとは、僕らの試合というか、ゲーム運びのセオリーというのが決まっているので、そこに上手く持ち込めるようにするのが課題だと思います。
Kitty:初戦は敗北という形でしたが、個人的には今までやってきたことができていないわけではないが、こうした舞台ではどうしても雰囲気に飲まれてしまっていると感じる部分もあります。しかし、試合を通して自信がついてきたのも実感しているので、“SCSRZ”戦は勝てるように頑張ります。
Macomb:初戦の負けはしっかりと気持ちを切り替えて、次の試合は個人としてもチームとしてもしっかりと良いところを出していけるように頑張ります。
SamuNiena:初戦の反省をしっかりと活かして、次の“SCSRZ”戦に挑みたいと思います。
――ありがとうございました。
闘会議のリベンジなるか―“SCSRZ”
――初戦(vs.CYCLOPS athlete Gaming)は残念な結果となってしまいましたが、初戦を終えた感想をお聞かせください。
Hunt:3-0で勝ちたい部分があったのですが上手くいかず、自分たちらしいプレイができなかったのかなと思います。
Leisia:練習では負けることがほとんどなかったのですが、初戦では上手くいかず、練習通りの動きが発揮できなかったのが一番の敗因だったと思います。なので、次の試合は絶対に勝てるようにもっと練度を高めていきたいです。
Panther:油断もあり、流れを掴むのに失敗したと思います。次の試合はこの反省を活かして、しっかり気を引き締めて臨みたいと思います。
GP:小さなミスが目立ち、そういったことが積み重なって敗北に繋がったんだと思います。次の試合ではそういったことがないように、しっかりと修正した上で挑みたいです。
――やはり緊張されましたか。
Hunt:それもありますね。練習時とは違う感じがして、思うように動けなかった部分もあると思います。
――今回のアップデートによって、チームでの戦略にも影響があったとも思いますが、そうした部分でどういった対応を行いましたか。
Hunt:機工とスコープなど、ある程度セオリーのようなものが決まっており、練習でも使い込んでいたのですが…まだまだ練度不足だったと痛感しました。
――そういった新しい組み合わせなども手探りな状態でしたか。
Hunt:自分たちも相手も、互いに探り合いのような感じでしたね。CYCLOPSさんも今までと戦い方が全く違っていて、立ち回りから戦略まで変えてきていたなと思いました。
――警戒しているチームや選手はいますか。
Hunt:警戒しているといえばすべてのチームですね(笑)。ただ、その中でもRushさんとDetonatioNさんは特に意識を向けていますね。選手についても、各チームのエースには注目しています。DetonatioNでいえばGenGar AX(ゲンガー)さん、RushでいえばWinRedさんですね。
また、Rushに関してはAR(アサルトライフル)を担うNgtさんとNamiさんもすごく美味いので、より強く警戒している部分はあります。
――“SCSRZ”の強みはどこだと思いますか。
Hunt:ほかのチームと比べて、話している量は非常に多いと思います。なので、綿密なコミュニケーションによる作戦面の豊富さなどは僕ら独自の強みだと考えています。
――“SCSRZ”は実績もあり、ほかのチームから注目される機会も多いと思いますが、そういった場面でプレッシャーを感じることはありますか。
Hunt:プレッシャーは感じますね。やっぱり、“絶対に負けられない”という思いは強くあります。ですが、初戦を負けたことにより、気持ちが受け身ではなく、“やるしかない、勝ちにいくしかない”という前のめりな姿勢に切り替えられたと思います。
――最後に、次の試合に対する意気込みをお願いします。
Hunt:初戦は負けてしまったので、次こそ3-0で勝利したいと思います。
Leisia:次の試合は徹底的にミスを潰し、より話し合って試合に臨みたいと思います。
Panther:Leisiaと同様、やはりミスを限りなく減らして、チーム同士コミュニケーションを取りながら連携していきたいと思います。
GP:2人が言うように、初戦はミスが多かったと思います。もっともっと練度を高めてそうしたミスを減らし、次こそ3-0で勝利したいです。
――ありがとうございました。