KONAMIと一般社団法人日本野球機構(NPB)は、プロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の共同開催における、記者発表会を実施した。
「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」とは、NPBとKONAMIが共同開催するプロ野球史上初のeスポーツリーグ。プロ野球12球団を代表するeスポーツチーム同士が「実況パワフルプロ野球 チャンピオンシップ 2018」および「実況パワフルプロ野球 2018」を使用し、日本一を目指す。
冒頭、一般社団法人日本野球機構会長 日本プロフェッショナル野球組織コミッショナーの斉藤惇氏と、コナミデジタルエンタテインメント 代表取締役社長の早川秀樹氏が登壇。NPBによる「パワプロ チャンピオンシップス 2017」での大会公認や、これまでの12球団・NPBとKONAMIとの取り組み実績を踏まえ、両者の関係性をより発展的に前進させるため実施に至ったと経緯を説明した。
さらに、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」を通して新しい野球の楽しみ方を提供することで、既存の野球ファンに加え、さらなる野球ファン層の拡大を目指したいと今後の展望も語られた。
「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の代表選手は一般のプレイヤーからプロテストによって選抜され、今秋開催予定の「eBASEBALL ドラフト会議」によって、1球団3名のプロ野球eスポーツチームが誕生する。なお、プロテストではオンライン予選とオフライン選考会(実技・面接)が実施されるとのことで、ドラフトの権利を得られるかはもちろん、希望球団への思いが届くかなど、選手たちのドラマにも期待したい。
このリーグでプレイヤーが操るのは、2018年のシーズン成績が反映されたゲーム内のプロ野球選手たち。それぞれが球団の選手の特徴をよく理解し、その球団の能力が最大限発揮できる戦略を立てることが、リーグで勝ち上がる第一歩となる。
パワプロ・プロリーグは、実際のプロ野球と同じようにレギュラーシーズンとポストシーズンに分かれている。まずは、それぞれの球団が所属するセントラル・リーグ、パシフィック・リーグに分かれてのeペナントレースが行われる。
11月10日から開幕する「eBASEBALL ペナントレース」では毎週末ごとに試合が組まれており、土曜はセ・リーグ、日曜はパ・リーグの試合が行われる予定だ。各チームは相手チームとの3連戦を行い、5週間で合計15試合のリーグ戦を戦う。この15試合の結果でeペナントレースの順位を決定、両リーグの上位3チームはポストシーズンに進出できる。
リーグ代表チームを決定した後、両リーグの代表eスポーツチームが日本一を懸けてe日本シリーズに挑む。e日本シリーズでは、3選手がそれぞれ3イニングを受け持ち、全9イニングを戦う特別ルールの一発勝負が待っている。なお、このリーグの出場選手には、それぞれ選手の活躍に応じて、総額1200万円の報酬が付与される。各種個人タイトルも設定されているとのことだ。
今後のスケジュールについては、下記のとおり。eドラフト会議からe日本シリーズまでの全試合がインターネットにて生配信予定となっており、シーズン開幕前のプレシーズンマッチなども開催予定とのことだ。プロテストには、「実況パワフルプロ野球 チャンピオンシップ 2018」および「実況パワフルプロ野球 2018」(いずれもPS4/PS Vita)から参加が可能なので、興味のある人は参加してみてはいかがだろう。
eBASEBALLプロ野球eスポーツ選手選抜 | |
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オンライン予選 | 2018年7月30日~8月5日 |
オフライン西日本選考会 | 2018年8月26日 |
オフライン東日本選考会 | 2018年9月1日 |
eBASEBALLドラフト会議 | 2018年9月29日 |
eBASEBALL ペナントレース | |
第1節 | 2018年11月10日、11日 |
第2節 | 2018年11月17日、18日 |
第3節 | 2018年11月24日、25日 |
第4節 | 2018年12月1日、2日 |
第5節 | 2018年12月8日、9日 |
eBASEBALL リーグ代表決定戦 | |
ファーストステージ | 2018年12月16日 |
ファイナルステージ | 同上 |
eBASEBALL 日本シリーズ | |
2019年1月12日 |
会場には、パワプロチャンピオンシップス2017優勝者のマエピーさんが登場。「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」では予選からのスタートとなるが、一戦一戦を大事に戦って行きたいとコメント。ドラフトについても、どのチームに入っても自身の力で勝利に導けるよう頑張りたいと意気込みを語った。最後にマエピーさんと斉藤氏によるゲームを使用した始球式が行われ、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の始動を感じさせる一球で発表会を終えた。
「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」設立について
斉藤惇氏のコメント
本日、コナミデジタルエンタテインメント様とともに、プロ野球 eスポーツリーグ「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の開催を発表させて頂けたことを大変嬉しく思います。
近年、大きな注目を集めている「eスポーツ」は、競技人口としてのプレーヤー数は1億人以上、インターネットなどでのイベントの総視聴者数は全世界で3億8千万人以上ともいわれ、2020年には6億人強にまで拡大すると予測されています。また、その市場規模は年40%のペースで成長しているとのデータもあります。
海外では、アジアオリンピック評議会が、今年インドネシアで開催される「アジア競技大会」でeスポートをデモンストレーション競技として実施することを決定し、2022年の杭州大会においては、正式競技種目として採用の見通しです。国内においても、昨年の愛媛国体で、文化プログラムとしてeスポーツの大会が初めて実施されるなど、積極的にスポーツ競技との関わりを持つようになって参りました。
私どもプロ野球12球団とNPBは、このようなeスポーツの潮流を大きなチャンスと捉え、このeBASEBALLが、みなさまに野球とスポーツの新しい楽しみ方や関わり方を提供し、既存の野球ファンに加え、さらなる野球ファン層の拡大につながることを期待しております。
全12球団を代表したプロ野球eスポーツ選手たちが、競技タイトルを使用してペナントレース・リーグ代表決定戦・e日本シリーズを競う新たな取り組みに。どうぞご期待ください。
一般社団法人日本野球機構会長
日本プロフェッショナル野球組織コミッショナー
斉藤惇早川英樹氏のコメント
この度、一般社団法人日本野球機構さまと共同で、弊社の野球コンテンツを競技タイトルに使用したプロ野球 eスポーツリーグ「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」の開催を発表できましたことを、大変うれしく思います。
弊社のeスポーツへの取り組みは、2001年にサッカーゲーム「ウイニングイレブン」シリーズで、欧州地域大会をスタートしたところから始まります。その後、年々規模を拡大し、現在では毎年自社主催の世界選手権を開催しているほか、アジア競技大会のデモンストレーション競技や国体の文化プログラムでの採用など、国内外のスポーツの祭典においてもeスポーツタイトルとして取り組んでいます。
近年のインフラやテクノロジーの進化によって、eスポーツを取り巻く環境も変わり、「選手として参加する」「会場で応援する」という意外にも、スマートフォンやパソコンを通じて「動画視聴で盛り上がる」こともできるようになり、ゲームの新しい楽しみかたとして、その人気が広がっています。
NPBさまとは、2017シーズンの日本選手権「パワプロチャンピオンシップス2017」の大会公認でeスポーツへの取り組みをご一緒することができ、その実績をベースとし、2018シーズンからは、その取り組みをさらに一歩前へ進めることになりました。
弊社はこれまでも「実況パワフルプロ野球」シリーズをはじめとする野球コンテンツを通じて、野球ファンの拡大に取り組んでまいりました。eBASEBALLを通じまして、さらに多くの皆様に野球の楽しさを知って頂く機会を創出し、野球振興に努めていきたいと考えております。
コナミデジタルエンタテインメント
代表取締役社長 早川秀樹