「Fate」シリーズの歴史がここに！「Fate Night FES. 2018」レポート歴代「Fate」作品を彩った、豪華アーティスト陣が集結

同日、同会場にて開催されていた「Fate/Grand Order Fes. 2018 ～3nd Anniversary～」と共に行われた、歴代「Fate」シリーズを彩ったアーティスト陣が一挙に集結したライブイベント「Fate Night FES. 2018」。

ライブ冒頭では、「Fate/Grand Order」のヒロインであるマシュ・キリエライトと、人気サーヴァントの一人である坂田金時による諸注意アナウンスが実施。祭り好きの金時としては、やはりライブはハイテンションになるようで、ノリノリで参加していた様子だった。

歴代「Fate」シリーズの名曲の数々が、アニメの名場面と共に蘇る

そんなサーヴァント達にとっても待ち遠しいライブの先陣を切るのは、現在のアニソン界を牽引するアーティストの一人と言える存在であるLiSAさん。

「Fate/Apocrypha」後期オープニングテーマ「ASH」、「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」という、共にアップテンポでノリのいい楽曲を、抜群のパフォーマンスで立て続けに熱唱。客席も負けじと手拍子とコールを送り、記念すべきライブに相応しい大盛り上がりの幕開けを飾る。

そのバトンを受ける春奈るなさんが歌うのは、「Fate/Zero」2ndシーズンのエンディングテーマ「空は高く風は歌う」と、「Fate/EXTELLA LINK」のオープニングテーマ「JUSTICE」という、それぞれに印象がガラリと異なる2曲。現在は数々の人気アニメで主題歌を担当する春菜さんだが、実は「空は高く風は歌う」こそがメジャーデビュー曲であり、そんな彼女の原点ともいえる名曲を、万感の想いを込めるように歌い上げられる。

続くGARNiDELiAとASCAさんは、「Désir」「KOE」と、共に「Fate/Apocrypha」を彩ったエンディングテーマを熱唱。ジークやジャンヌの活躍を中心とする、「Apocrypha」の名シーンの映像をバックに響き渡る、時に激しく、時に静かに紡ぎ出す、静と動が両立した音色に、客席の誰もが虜となっていた。

そして前半部のトリを飾る形で登壇するのは、「Fate」シリーズを象徴するアーティストでもある歌姫・Aimerさん。「Fate/stay night［Unlimited Blade Works］」2ndシーズン挿入歌「LAST STARDUST」、「Fate/stay night［Unlimited Blade Works］」2ndシーズンオープニングテーマ、「Brave Shine」と、立て続けにその重厚かつ圧倒的な歌唱力を披露。

原曲とはやや印象の異なる、ピアノが主旋律となるしっとりとしたメロディーに乗せて奏でられる「LAST STARDUST」では、セイバー、アーチャー、衛宮士郎の過去、「Brave Shine」では第5次聖杯戦争に召喚されたサーヴァントとマスター達の散り際の映像が、それぞれの歌詞にシンクロする形で再生され、ライブを一層盛り上げる。

前半最後のナンバーとなったのは、Aimerさん自身も、特別な意味をもつ大事な曲だと語る「Fate/stay night ［Heaven's Feel］ I.presage flower」主題歌「花の唄」。ヒロインである間桐桜の繊細な心境を美しい歌声で表現しながら、映画のラストシーンの映像に合わせて、会場内にも雪が降る特殊演出の相乗効果により、現実とは異なる幻想的な空間へと、大勢の「Fate」ファンを誘っていた。

後半からは「Fate/Grand Order」関連楽曲が目白押し

「Fate/Grand Order」の楽曲が続く後半では、前半には行方知れずになっていたというエリザベートもアナウンスに登場。テンションが上がったあまり、ライブに参加しようとするエリザを、どうにかマシュがうまく言いくるめることに成功するも、エリザはハロウィンイベントに自身が担当する主題歌をつけることを目論んでいる様子。果たして、次回のハロウィンイベントではどのような惨劇（？）が繰り広げられるのだろうか……。

一方、後半戦のライブの口火を切るのは、六花さんによる「ぐだぐだ帝都聖杯奇譚」のイメージソング「二者穿一」。激しくスピード感にあふれるメロディに、ステージ上では何度も炎が吹き上がる演出も加わり、それまでのややしっとりとしたムードを一変させ、会場の熱気をみるみる内に高めていく。

続いて登壇した乃藍さんは、2017年の夏イベントとして実施された「デッドヒート・サマーレース」のイメージソング「BURN OUT！」でその可憐な歌声を響かせる。今回のライブでは珍しい、明るくポップな曲調は、まさに夏のライブにピッタリな賑やかな雰囲気を演出してくれる。

その後には、CMでも採用された1．5部「亜種特異点」各章のイメージソングが代わる代わるに流れることに。

囁きのような歌声も印象的なROUND TABLE feat.Danによる「Lose Your Way」（「悪性隔絶魔境新宿」イメージソング）では、客席も一緒になってサビ部分を熱唱。会場が一眼となって1つのステージを作り上げる。

Yuriko Kaidaさんによる「Indelible illusion」（「伝承地底世界アガルタ」イメージソング）では、他の楽曲群とはまた趣の異なるエスニックなメロディに、妖艶な雰囲気をまとった歌声も合わさり、「女性の世界」でもあったアガルタでの物語を自然と思い出させてくれる。

そして本日二度目の登場となる六花さんが歌う「一刀繚乱」は、1．5部の中でも特に高い人気を誇る「屍山血河舞台 下総国」のイメージソング。力強く紡がれるソウルフルなボーカルに合わせて、「FGO」での物語と同様に、章のパートナーである宮本武蔵が演じた英霊剣豪たちとの名勝負の数々も映し出され、盛大な手拍子やコールが沸き起こるなど、会場のボルテージは最高潮に。

その熱気を受けての、DracoVirgo feat.毛蟹による「清廉なるHeretics」（「禁忌降臨庭園セイレム」イメージソング）は、美しいピアノの旋律から、次第にギターやベースが奏でる激しいサウンドが加わっていく、カタルシスに溢れた構成の楽曲。この日初となるバックコーラスに、ライブならではの重厚感を増したエモーショナルなサウンドが会場全体を包みこんでいく。

クライマックスへと差し掛かると、「人理の光」「絆」「集いし英雄 ～BATTLE1～」「運命 ～GRAND BATTLE～」といった、「FGO」でも馴染み深いBGMの数々が、Ayasaさんによるバイオリンによってメドレー形式で奏でられることに。

同時にスクリーンには、オルレアン、ローマ、オケアノスなど、第1部の舞台となった特異点が代わる代わるに映し出され、生の楽器ならではの伸びやかな音色に聞き入りながら、マシュやロマニと共に駆け抜けたあの日々に、会場にいた誰もが思いを巡らせる。

思わず涙腺が潤むマスター達に畳み掛けるように、Ayasaさんが奏でるイントロから、ダイレクトにバトンを受ける形で登壇した愛弓さんは、第1部のエンディングテーマ「Eternity Blue」を、情感たっぷりに歌い上げる。

会場のスクリーンには、多くのマスターの心を動かしたであろう、あの“青空”が全面に映し出され、先のBGMメドレーから続く、第1部の物語を総括するかのような、感動の演出が形作られていた。

そんな熱狂と感動のライブのフィナーレを飾るべく、満を持して登場したのはやはりこの人、坂本真綾さん。

今回は、共に楽曲を生み出したla la larksさん・伊澤一葉さんとタッグを組み、共に「Fate/Grand Order」1・2部の主題歌として、多くのファンから絶大な人気を誇る「色彩」「逆光」の2曲を熱唱。透明感のある美しい歌声を会場中に響き渡らせ、ライブを締めくくった。

「Fate/Zero」から「FGO」まで、「Fate」シリーズの歴史が具現化された、ファンにとっては二度と忘れられない夜となったであろう本ライブ。とくに筆者の印象に残ったのが、ライブの背景としてスクリーンに映し出されていた、シリーズ各作品の名場面を編集した映像。思わず見入ってしまうほどのクオリティの高い内容となっており、アーティスト陣が奏でる音楽とシンクロすることで当時の感動を思い起こさせる、非常に効果的な演出として機能していたと感じられた。

今後も生み出されていくであろう、新たな「Fate」シリーズと、それを彩る楽曲達にも、引き続き注目していきたい。

(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT

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