15年分の思い出を生演奏で辿る「金色のコルダ ステラ・コンサート ～15th Anniversary～」昼の部をレポート

キャラクターらしさも垣間見えたソロ演奏

本イベントは「金色のコルダ」15周年を記念したもので、クラシック楽曲をはじめゲームBGMやテーマソングをスペシャルアンサンブルが生演奏。事前に行われた「ステラ・クラシック アンケート」の結果発表なども行われ、音楽を中心に作品の思い出に浸れるコンサートとなった。

まずは、演奏者たちが互いに目くばせしながら呼吸を合わせていたのが印象的だった「金色のコルダのテーマ」から。会場からの盛大な拍手に続いて「コンクール・プレイバック」のコーナーでは志水と冬海が登場し、お互いに「学内コンクールに出て良かったことは？」と思い出を振り返っていく。

そのまま、各キャラクターが演奏した楽曲へ。月森の「ツィゴイネルワイゼン」（作曲：サラサーテ）、土浦の「革命」（作曲：ショパン）、火原の「歌の翼に」（作曲：メンデルスゾーン）に続き、「ステラ・クラシック アンケート」で選ばれた「想い出のソロ演奏曲No.1」では志水の「無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード」（作曲：バッハ）、柚木の「朝」（作曲：グリーグ）、冬海の「クラリネット・ポルカ」が披露された。ここでは、それぞれの曲に投票したファンの名前が映像に映し出されるという嬉しい演出も。

「ソロ曲セレクション」で演奏されたのは、金澤のテーマの原曲「星は光りぬ」（作曲：プッチーニ）、加地の「トロイメライ」（作曲：シューマン）、香穂子の「カノン」（作曲：パッヘルベル）」の3曲。志水と冬海は演奏された曲や演奏者自身からたくさんのものを学んだと感謝を噛みしめつつ、冬海からステージに立って緊張したかと尋ねられた志水は「すごく楽しかった」と答え、冬海は緊張しながらも楽しめるようになったと笑顔を見せた。

ここまでソロ曲を中心に届けられたが、筆者はその演奏一つひとつからキャラクターらしさを感じられたように思う。それは完璧な音色であったり、心が温かくなるようなものだったり、曲への想い入れであったり、力強い歌声であったりとさまざまだが、生演奏を通じて“彼らがどのような想いで演奏に臨んだのか”という部分に改めて触れられたような気がしてならなかった。

コルダファンが選ぶ偉大な作曲家は？　スペシャルゲストのトーク＆ライヴも

バラエティコーナー「ステラ・クラシック アンケート ベスト10クイズ」には福山さん、佐藤さん、平林さん、アシスタントのアンフィニが参加。昼の部ではアンケートのうちファンが選んだ「偉大な作曲者ランキング」の10位～6位までをファンの名前とコメントと共に発表し、福山さん・佐藤さんがその結果にちなんだクイズへ挑戦した。

10位は、横浜天音学園のアンサンブル「スケルツォ・タランテラ」など、超絶技巧で華やかなヴァイオリン楽曲で知られるポーランド出身の「ヴィエニャフスキ」で、平林さんも大好きな作曲家だとコメント。ここで「ポーランドの国旗は？」という3択クイズが出題され、ファンも「これだ！」と思うものに拍手を送って回答をサポート。Cが多かったが、ここで福山さんと佐藤さんはあえてAを選び…残念ながら答えはCで不正解となってしまった。

9位は「サン＝サーンス」で、今回のコンサートにも「白鳥」「序奏とロンド・カプリチオーソ」「交響詩『死の舞踏』」が登場。8位はイタリアを代表する「パガニーニ」で、併せて「イタリアを代表するデザート『パンナコッタ』のパンナはどんな意味？」というクイズも出題された。選択肢は「A：生クリーム」「B：牛乳」「C：砂糖」で、コッタは「煮詰める」というヒントに、ファンはBを選ぶ。福山さん・佐藤さんもBを選ぶが、ここでも残念ながら正解はAという結果だった。

7位は「シューベルト」、6位は「リスト」で、最後のクイズとして「リストが確立した管弦楽曲のジャンルは？」が投げかけられる。平林さんのヒントもあってファンは選択肢「A：交響詩」「B：組曲」「C：協奏曲」からAを選び、福山さん・佐藤さんもAと答えて見事に正解することができた。

「15th スペシャルトーク＆ライヴ」では、まず「Happy Time」「BLUE SKY BLUE」をはじめ「金色のコルダ」で多くのキャラクターソングの作詞を手掛けた石川絵理さんが登場。最初の作詞は佐藤さんが歌った冬海の「＊Spica＊」で、クラシックを題材とした「金色のコルダ」ではこれまでの「アンジェリーク」や「遙かなる時空の中で」以上にキャラクターソングがたくさん生まれるだろうと気合を入れたそうだ。

ほぼすべてのイベントに参加したという石川さんだが、最初のオンリーイベントがとくに思い出深く、福山さんもキャスト陣で話し合いをしたと振り返る。今後、作詞してみたい組み合わせについて聞かれると、石川さんは「例えば響也とニアたちのような男女のデュエットはどうか」と提案。話題は「まったく想像のできない組み合わせ」へと移り、福山さんは「もし冥加と響也がペアになったら…」という想像を膨らませた。

続いてステージに現れたのは、歌手のカノンさん。テレビアニメ「金色のコルダ～primopasso～」のオープニング曲「Brand New Breeze」を歌い、当時アフレコにも挑戦させてもらったと思い返す。ここではストリングス編成によるスペシャルバージョンのオープニング曲と、オリジナル曲「明日への鼓動」を披露してくれた。

学校ごとのアンサンブルや週末合奏団の演奏を堪能

ドラマ「吉羅VS金澤 勃発！？ ～序曲～」では星奏学院の普通科と音楽科の分割を阻止する翔麻や天羽が動き、冬海も先輩やリリの力になりたいと緊張した中で演奏をしようとする。そこへ志水が声をかけ、自分も同じ気持ちだと一緒に「『第九』第4楽章」の演奏を行った。このドラマは9月15日・16日に開催となる「ネオロマンス・フェスタ　金色のコルダ ～15th Anniversary～」のプレドラマとなっており、どのような結末になるのか次回のイベントを楽しみに待っていよう。

「金色のコルダ2 ff」のテーマソング「forever forever」の演奏を挟み、響也とニアが軽快な掛け合いで全国学生音楽コンクールを振り返る「あの夏の僕たちのハーモニー」へと移る。昼の部で披露されたのは、神南高校「交響詩『死の舞踏』」（作曲：サン＝サーンス）、「2つのヴァイオリンのための協奏曲」（作曲バッハ）、至誠館高校の「アイ・ガット・リズム」（作曲：ガーシュウィン）、「組曲『惑星』～木星」（作曲：ホルスト）、函館天音学園の「庭の千草」（アイルランド民謡）だ。神南の曲ではサイレントバイオリンの鋭い音色とそれを支えるようなピアノ、至誠館の曲では楽しそうで真っ直ぐな金管楽器、函館天音の曲では絶妙なアンサンブルの音色と穏やかな歌声を楽しむことができた。

「金色のコルダ4」で結成されたジルベスタ―コンサート開催を目指す週末合奏団を振り返る「Road to Silvester Concert」では、「パリのアメリカ人」（作曲：ガーシュウィン）、「オラトリオ『メサイア』～ハレルヤ」（作曲：ヘンデル）を演奏。響也をからかうニアとのやり取りも交え、会場から大きな笑いが巻き起こる。愛のメッセージでは平林さんが歌う「アヴェ・マリア」（作曲：シューベルト）と、「愛のあいさつ」（作曲：エルガー）に乗せて親友の背中を押すニアとコンクールに臨む響也からの言葉が届けられた。

エンディングでは改めて「愛のあいさつ」が演奏され、大きな拍手に応えて再びステージに出演者が集合。平林さんは初めてピアノの伴奏をしたのがヴィエニャフスキだったということを思い出すほど、コルダの世界に入り込んでしまう心地よさや懐かしさを感じたとコメント。加賀谷さんは15周年という節目に参加できたことへの喜びや、愛のあいさつへのこだわりについて話してくれた。福山さんも当時大きなタイトルを任せてもらえた不安や期待を抱いたこと、佐藤さんは香穂子の「カノン」をはじめ素晴らしい演奏への感想などを伝え、15年分の想いをファンと分かち合う。

アンコールでは「金色のコルダのテーマ」と「Happy Time（アンサンブルVer.）」が演奏され、会場からの「ブラボー！」という大歓声に包まれながらコンサートは終了。今後も「ネオロマンス・フェスタ　金色のコルダ ～15th Anniversary～」はもちろん、「金色のコルダ」15周年を祝うさまざまな企画が用意されているのでお楽しみに。