千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。スクウェア・エニックスブースで9月15日に行われた、「サガ」シリーズTGS2019スペシャルステージの模様をレポートする。
このステージは「インペリアル サガ エクリプス」・「ロマンシング サガ3」・「ロマンシング サガ リ・ユニバース」といった「サガ」プロジェクトの全てをお届けする、盛り沢山の内容となっている。
この日会場には、ひらめきうちわが配られ。会場のファンはひらめきうちわを振りながらの観覧となった。まずステージに登壇したのは、「サガ」シリーズ総合ディレクターの河津秋敏氏、「サガ」シリーズ楽曲生みの親である伊藤賢治氏、声優の杉田智和さん。
「ロマンシング サガ3」の新しくなった点などを紹介!
ステージはまず、先日発売日が11月11日に決定したことが発表されたばかりの「ロマンシング サガ3」(以下、「ロマサガ3」)の話題からスタート。「サガ」シリーズ プロデューサーの市川雅統氏もステージに合流し、会場には「ロマサガ3」のPVが流れた。
なお、11月11日という1揃いの発売日について、河津氏は「ロマサガ3発売当時は、発売日は曜日が決まっていたので(基本的に流通の都合上、木曜日だった)、狙って11月11日にしたわけじゃないんですが、今回はあえて11月11日にしました」と語った。まさにきっちり24年後の11月11日に、「ロマサガ3」がよみがえることとなる。
市川氏は発売まで時間がかかったことを謝罪しつつ、対応プラットフォームも8つと異例の多さとなり、ぜひ期待をしていてほしいと述べた。
ちなみに「ロマサガ3」は、8人の主人公の中から一人を選び、300年に一度訪れるという死食を巡るストーリー。死食にたった一人生き残った子供は「宿命の子」と呼ばれ、600年前は魔王となった。300年前の宿命の子は聖王となった。そしてまた、世界に死食が訪れた。次の宿命の子は魔王になるのか、聖王になるのか、それとも…、というのがロマサガ3のストーリーだ。
今回のリメイクでは、過去のドット絵を全て描き直しているという。「元々24年前の時点で絵が綺麗なんですよ」と杉田さんは述べたが、そのグラフィックがより一層美しくなっているのだから、期待せずにはいられない。
そして会場では以前ファンから募集した「ロマサガ3の思い出」上位3位を発表することに。
まず第3位は、グウェインとの共闘、ビューネイ戦。ビューネイ戦で「四魔貴族バトル」が流れると、伊藤氏は「これはあえてSFC版のころのままの音源で今回も入れているけど、曲のテンポが速いですねぇ」と笑い、「26歳くらいのころの曲で、若いから逸っちゃったんでしょうね」と当時の作曲の思い出を語った。
第2位は、サラと少年の出会いから始まるその後の衝撃的な展開。これについては市川氏も、杉田さんも、河津氏も、「これ以上出すとネタバレになるので大分ぼかした表現になってしまいました」「これについては言わないほうがいいですよ」と、苦笑い。
そして第1位となったのは、まさかの(ある種予想通りの)「私が町長です」だった。なおこの町長については24年前から実は色々な考察がなされている。杉田さんも「実は町長はもう死んでいて、思い出だけがここに写っているとか、色んな説がありますよね」と語られている考察のひとつを語った。
それに河津氏は「あの人は何を考えているのかわからないキャラクターという風に作ったんですが、1位になるということはそれだけ皆さんの印象に残ったのでしょうね」と笑顔を見せると、杉田さんは「町長以外にも、クエストに出てくるようなキャラクターはとにかく3が印象的」と語りつつ、町長以外のイベントも実に印象的なものが多く、天候がかわってマップを開くとオーロラの道が出てくるのが全くのノーヒントだったり、とりあえず行ってみて中に入ったらBGMの良さに感動し、実際に進んで更に泣いたことなど、当時の思い出を述べた。
伊藤氏はそれを聞いて、短い曲なのに人気がある曲で、オーケストラアレンジにも収録されている、とオーロラの道について語った。
今回のリマスター版の追加要素については、新しいエピソードの追加や、過去作品にデータだけ残っていたモンスターが追加されたりといった変更点の他、強くてニューゲームやセーブスロットの追加などがあるとのこと。また、現在自分がどこまで冒険を進めているかを確認できる冒険記も追加されている。
なお、強くてニューゲームは、一部のイベントはHPが絡んで発生判定が行われるものもあるので、強いままでは行えないクエストもあるとのこと。
そしてPS4とPS Vitaでのクロスセーブに対応、XboxOneとWin10でのクロスセーブ・クロスバイ対応、UIやオリジナルフォントを一新しており、各プラットフォームで若干違いはあるものの、それぞれの機種で楽しんでもらえるようになっているという。
「ロマンシング サガ リ・ユニバース」の最新情報など
ここからは、アカツキのクリエイティブプロデューサーである島崎清山氏がステージに登壇。
「ロマンシング サガ リ・ユニバース」(以下、「ロマサガRS」)は、「ロマサガ3」から300年後の世界が舞台となっており、これまでの「ロマサガ」シリーズのキャラクターが大集合し、サガならではの要素を残しつつた楽しめる作品となっている。
「ロマサガRS」が去年のTGSで発表されてからちょうど1年を振り返り、河津氏は1500万ダウンロードと非常に多くのプレイヤーに遊んでもらえていることへの感謝を述べ、反応もとても良い、と笑顔を見せた。
杉田さんは「僕はサガに対してはガバガバなんで、何があってもこれもサガだねと受け入れてしまう節があるので、もっと開発から色々出てくると面白いですね」と、「ロマサガRS」のヘヴィプレイヤーだからこその感想を零した。
市川氏は、色々とお待たせしていて申し訳ないけれど、修繕していくべきところはしていく、と語り、そして「ロマサガ3」発売記念の特別ログインボーナスを配布することを告知した。
なんと、1111ジュエルの配布と、それと共に特別ログインボーナスを999ジュエル(1日333ジュエルで3日間)配布するという。
島崎氏はファンの方に受け入れられるか不安だった、と1年前のことを振り返り、そして先日ユーザーアンケートを行ったところ、なんと10万件を超える回答があったことを明かした。その全てに回答することはできないものの、特に多かったものについていくつか、今日このステージで回答をすることに。
なお、このステージとは別に、別途ゲーム内にてアンケートで届いた質問や意見50件に答えたものを掲載するという。
1. キャラクター育成の負担が大きい
これについては、そもそもお気に入りのキャラクターをじっくり育てることを楽しむゲーム性であり、実際そこを楽しんでくれているユーザーが多い反面、せっかく新しいキャラクターを手に入れても使いにくい、という声が大きいようだ。
これまでにも様々なキャンペーンを行っていたが、「スタミナ消費量半減キャンペーンを毎月行う」、「イベントクエストのリニューアルを検討」、「難易度や、クエスト出撃画面において、キャラクター毎の成長のしやすさを可視化」ということで対応を考えているとのこと。杉田さんが「救済措置は多いほうだと思うので、格下の敵に超音波を連打されて負けるのも、それもサガだねと受け入れる心の広さでプレイしてほしい」と、すっかり開発陣営側かのように頷く場面もあった。
2. ツヴァイクバトルフェスのクリア済クエストをスキップしたい
これについては、前週に10Rクリアしたクエストの1つ前まで、自動クリア&報酬獲得できるリセット方式に変更予定とのこと。
3.クエスト終了後、どの能力値が上がったかを見たい
こちらは、能力値アップの結果をクエストリザルト画面で見られる機能を実装予定とのこと。より一層の詳細や、更なる要望・質問への回答は、前述の通り後日ゲーム内にて掲載予定とのことだ。
10月にリリースされる予定の1.10でのアップデートについては、まずはアプリの安定性を重視したい、と市川氏。それ以外の部分では、
・限界突破スタイル画面にて専用スタイルピースだけで限界突破できるスタイルのみを表示する機能を実装予定
・ツヴァイクバトルフェスにて、自動クリア&自動報酬獲得機能を実装予定
・能力値アップの結果を、クエストリザルト画面でみれる機能を実装予定
・長期運用にそなえたリファクタリング
などが発表された。
なお、実装が待たれるギルドについては、今はもう少し、ユーザーが快適にプレイできることに注力をしたいので、もう少し待ってほしい、と市川氏。
また、公式ツイッターのフォロワー15万人でSS町長と5000ジュエルを全員にプレゼントされるキャンペーンの告知があると、会場のファンからは大きな笑い声が。河津氏も「自分も町長の扱いにはにこまっていたんで、こうして使ってくれるとありがたいですね」と笑ってみせた。
フォロワーが更に増えたらSS町長以上の何かがあるのか、という問いに河津氏は「町長の水着ですかね」とジョークを飛ばす場面もあった。
その他、「ロマサガRS」のキャンペーンをまとめてお届けしよう。
※発表時に一部誤表記があったため、テキストの情報が正しいものとなります。
「連携技アワード」キャンペーン開催
9月18日(水)スタート!
投稿者の中から抽選で総額100万円分のプレゼント!
Romancing Award 2019
開催中~10月1日(火)4:00まで
期間中のログインで豪華アイテムがもらえる!
期間中、初回ログインでSS確定10連プラチナガチャチケットx1+ジュエル3000個 GET!
さらに、期間中30日間ログインで期間限定Award記念 プラチナガチャチケット 最大100枚プレゼント!
さらに、9/20(金)~7日間ログインで螺旋ガチャチケット 最大50枚プレゼント!
Romancing Award記念
1度限り10回ガチャが有償1500ジュエルで引ける!
9月20日(金)12:00~10月1日(火)4:00
このガチャでついにサラが初登場!
Romancing Award記念 打プラチナピックアップガチャ
【有償限定】
プラチナSSスタイルの中から、各武器種の使用率TOP5をピックアップ!
第3弾は「打」部門(8月1日集計)
9月20日(金)12:00~10月1日(火)4:00
期間中、メインクエストクリア等でぞうメダルを獲得!
交換所でSSぞうのスタイルピースをゲットして、SSぞうを召喚しよう!
9月20日(金)12:00~10月1日(火)4:00
・9月20日(金)~ カタリナの祠
・9月20日(金)~ Romancing Award第3弾記念ミッション
メイン1-13話 消費スタミナ半減
曜日クエスト 消費スタミナ半減
ロマサガ3キャラクターの成長2倍キャンペーン
最新作「インペリアル サガ エクリプス」について
ここからは、「インペリアル サガ エクリプス」プロデューサーの奥州一馬氏、イラストレーターの直良有祐氏、ゲームライターのベニー松山氏もステージに登壇。
「インペリアル サガ」はブラウザゲームとして、2015年6月からサービスが開始されていたが、2019年12月26日をもってサービス終了予定となっている。そしてその続編に相当するのが、「インペリアル サガ エクリプス」。
これまではブラウザでしか遊べなかった「インペリアル サガ」だが、「インペリアル サガ エクリプス」からはスマートフォンでも遊べるようになっており、もちろんブラウザでも遊べるようになっている。前作を遊んでいない人や、「サガ」シリーズに初めて触れる人でも遊べる内容になっているとのことだ。
現在事前登録を受け付け中だが、「Yahoo!ゲーム」と「ゲームプラス」、「DMM GAMES」で事前登録をするとガチャチケット10枚プレゼントとなっており、その他の事前登録ではガチャチケットがもらえないので注意してほしい。
「インペリアル サガ エクリプス」は続編とはなっているが、ほぼ一から作り直しているのだそう。「インペリアル サガ」からシナリオを担当しているベニー氏は、前作の「インペリアル サガ」で色んな「サガ」シリーズからキャラクターが集まってきたのはいいが、このストーリーが終わってしまったら、集まったキャラクターたちは元の世界に戻って記憶が消滅してしまうのではなく、そのまま記憶を残して新天地に行ければいいのでは、と考えたそうだ。
そしてそのために今回、新たな主人公を用意したという。その主人公のデザインを担当したのが、直良氏。公開されたのは、「リベル」という名の主人公で、男性バージョンと女性バージョンを選べるようになっている。リベルは複合世界「ディスノミア」の観測者として太陽神バラルによって遣わされた存在で、異世界より呼び寄せられた英雄たちを救うべく、太陽神バラルから授かった力を使用して新たなる世界を創った。
また、「アモル」はリベルが目覚めた時に傍にいた謎の生物、ということのようだ。
直良氏は今回キャラクターデザインをするにあたって、まず「インペリアル サガ」の世界観を掴むところからのスタートだったという。そして「インペリアル サガ」の世界に沿うようにと、太陽をモチーフに、プレイヤーの分身として使ってもらうことになるリベルのデザインをしたそうだ。
今回のデザインは直良氏にしては珍しくアナログで描かれており、太陽のモチーフをもっと大きくしてほしいと言われたそうだが、アナログなので出来なかったという秘話を明かした。そして会場では、直良氏が描いた水彩画の原画が公開された。
直良氏は今回水彩画にした理由を、「サガ」シリーズが「全滅」などの文字を筆での書き文字を使用していたりと、どこかアナログ感のある作品であること、そして「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」(以下、「ミンサガ」)の開発には直良氏も参加していたため、その時に触れた小林智美さんの絵の雰囲気などを意識して、水彩画で描くと「サガ」の世界観に馴染むのではないかと考えたという。
直良氏はデジタル画のイメージが強いが、昨年、上国料勇氏と共に「ディシディア ファイナルファンタジー」のイベントでライブペイントを行い、その時にアナログの画材を使って以降、アナログ画にも挑戦していっているそうだ。
河津氏も、直良氏の描く主人公たちは「インペリアル サガ」の世界観にも馴染んでおり、「インペリアル サガ」から引き続き遊んでくれる人にも、そして新規の人にもそれぞれ受け入れられるキャラクターになるだろうと語った。
そしてもちろん、伊藤氏による新曲も忘れてはならない。今回もたくさん曲を書いたという伊藤氏。レコーディングには北海道のスタジオを使ったという。自然豊かなスタジオで、スタジオを出るとすぐに緑に囲まれ、東京のスタジオとはまるで違う雰囲気での収録は、大いにはかどったようだ。
そんな伊藤氏の新作バトル曲が、会場で公開された。伊藤氏らしいイントロのあと、伊藤氏にしては珍しく主旋律がピアノというバトル曲で、会場に集ったファンからも大きな歓声が上がった。
伊藤氏も「ピアノで旋律をやることはあまりなくて、新しいサウンドになったのではないか」と、それでいてSFCの時はトランペットのメロディが多かったので、この新曲でもBメロからはトランペットを使い、「サガ」らしさを出しているという。
河津氏も、入りが「サガ」っぽい、と絶賛。もちろん新曲だけではなく、「インペリアル サガ」からのアレンジ曲などもあるそうなので、前作から変わった部分なども色々楽しんでほしいとのことだ。
今回、実機は持ってこれなかったものの、バトル動画が用意されており、「インペリアル サガ エクリプス」のバトルの一部を見ることが出来た。バトルはかなり快適で、スマートフォンでもプレイしやすいいようになっているという。操作性を意識しており、バトルに必要な情報をできるだけバトル画面内で完結できるように工夫しているそう。バトル曲もたくさん用意しているので、楽しみにしていてほしいと、奥州氏は語った。
そして、「サガ」シリーズの新たなサウンドトラックが2枚発売される。ひとつは「SQUARE ENIX ACOUSTIC ARRANGEMENTS」。2019年10月2日発売で、スクエニ作品の様々なゲーム楽曲のアコースティックアレンジが収録されているが、「サガ」シリーズからも4曲収録されている。
もうひとつは、「Romancing SaGa Original Soundtrack Revival Disc」で、こちらは2019年10月9日発売。ゲーム映像も収められたブルーレイディスクでの発売となる。
更に、なんと2020年2月16日、東京芸術劇場にて「ロマンシングサガ オーケストラ祭」の開催が決定! 9月15日(ステージ当日)からチケット販売開始となっているので、チェックしてほしい。
また、なんと伊藤氏によるミニライブも開催。ゲストにヴァイオリニストの依田彩さんを迎え、「ロマサガRS」より「OPタイトル」と、そして「ロマサガ3」から「四魔貴族バトル」を披露した。まさかのミニライブに、会場に集ったファンはひらめきうちわを振り上げて声援を送った。
最後に、直良氏は「実はまだ何体かキャラクターを用意している」と明かし、伊藤氏は「今日の舞台を無事に終えられて、ようやくゆっくり眠れます」と、市川氏は「サガシリーズだけで色々ありますし、イベントもあるので、また皆さんとお会いしたい」と、そして河津氏は「2020年のTGSのステージでもサガの新しい発表ができるように考えておきたい」と一言ずつ述べ、ステージは幕を下ろした。