ユービーアイソフトから発売中のPS4/Xbox One/PC用ソフト「ディビジョン2」。そんな本作のクリエイティブディレクターを務める、ジュリアン・ギャリティ氏へのインタビューをお届けする。
タイトルアップデート6では新たなスペシャリゼーションも追加
――まずは、7月に配信されたエピソード1「D.C.郊外:エクスペディション」について、プレイヤーからの反響はいかがでしたか?
ジュリアン・ギャリティ氏(以下、ギャリティ氏):全体的に良い反応が貰えました。特に好評だったのは、新しく追加された二つのメインミッション「キャンプ・ホワイトオーク」と「マニング国立動物園」ですね。ただ、「エクスペディション」の仕様について、コミュニティの方々を少し混乱させてしまいました。これは期間限定イベントだったのですが、なぜ期間限定だったのかという部分がうまく伝わっていなかったようです。
――では、そこから得たフィードバックをどういった形で反映させていくのかについて、お聞かせください。
ギャリティ氏:今後エピソード2が配信となりますが、それがまさに皆さんからのフィードバックを元に作られたものとなります。また、エピソード1だけではなく発売時からの様々なフィードバックを元に、エピソード1のエクスペディションをより改善した状態で再登場させたり、マスタリーシステムの実装やモディファイアの追加が行われます。
ただ、これらは一つの例として挙げただけで、それ以外でも、皆さんから頂いたフィードバックや開発チームが感じた点、プレイヤーに直接スタジオに来てもらってフィードバックをいただくワークショップ「エリートタスクフォース」などを元にゲームの改善を行っています。
――レイドに追加された新難易度「ディスカバリー」についてはどういった反応が寄せられていますか?
ギャリティ氏:ディスカバリーモードへの反応は、全体的に良好です。そもそも、なぜディスカバリーモードを追加したかというと、通常難易度のレイドに挑戦する前に、エリアの構造やゲームシステムを知りたいという人が多かったためです。トレーニングモードのような形で使って、レイドの仕組みを理解したり、チームメンバーとどのようにコミュニケーションを取るかというところの準備をしてもらった上で、通常難易度をプレイしていただくというのが目的です。
――ディスカバリーでは、通常難易度のレイドとはステージギミックが変化したり一部の報酬が入手できなかったりといった違いがありますが、この部分に何らかの変更を加える予定などはありますか?
ギャリティ氏:報酬に関しては、やはり難易度が違うので、同じものを入手できるという形にするのは難しいですね。
ただ、報酬として装備セットが用意されており、これらは今までレイドだけでしか入手できなかったものが多かったのですが、タイトルアップデート6以降は、胸装備とニーパッドとエキゾチックアサルトライフルの「イーグルベアラー」以外は、レイド以外のゲームプレイでも入手できるようになります。
――6月に追加されたスペシャリゼーション「ガンナー」については、プレイヤーからどういった反応が寄せられましたか?
ギャリティ氏:こちらも全体的に良好な反応でしたが、スペシャリゼーションの解除のために、色々なステップを踏んでステージをクリアするという仕様はあまり良いものではないと感じているので、その部分に関しては修正を行う予定です。
さらにタイトルアップデート6では、新たなスペシャリゼーションが追加されます。お楽しみに。
エピソード3のニューヨークは完全新規マップ
――エピソード2の「ペンタゴン:ラストキャッスル」では、本編やエピソード1とはどのような違いがありますか?
ギャリティ氏:エピソード2におけるペンタゴンは、エピソードの中の大部分を占めているものです。エージェントたちはペンタゴンに潜入し、そこを占拠しているブラックタスクを撃退するミッションに挑みます。そしてブラックタスクとエージェントたちが探していたあるものを見つけ出して、回収することになるのです。
このペンタゴンでは、一つのサイドミッションと一つのセーフハウス、二つのメインミッションが追加されます。
――今後、どのようなスペシャリゼーションを追加する予定がありますか?
ギャリティ氏:現段階で話せることは、残念ながらありません。ですが個人的な意見として、スペシャリゼーションというものは強くて格好いい存在にしたいと考えています。ミニガンを装備したガンナーや、クロスボウを装備したサバイバリストなどですね。
個人的には、様々な人達がそれぞれに役割を分担して違うプレイができるようにしたいので、次は近距離の武器が追加できたら面白いとは思います。
――イヤー1最後のエピソード3では前作の舞台になったニューヨークが登場します。ここを選んだ理由をお聞かせください。
ギャリティ氏:ニューヨークが好きですし、さらに前作「ディビジョン」も大好きという部分もありますが、パンデミックがスタートした場所に戻るという展開や、アーロン・キーナーを探しに行くというストーリーはパワフルなものになると考えたからです。また何よりも、夏のニューヨークを舞台にすることで、前作とは違ったゲーム体験ができるでしょう。
なお、舞台はマンハッタンではなく、コニーアイランドとブルックリンになります。
――では、ニューヨークのマップは完全な新規マップとなるのでしょうか?
ギャリティ氏:はい。全く新しいものとなります。
――今後のアップデートで、他の都市が追加される予定などはあるのでしょうか?
ギャリティ氏:もしかしたら、あるかもしれませんね。
――同じトム・クランシーシリーズの「ゴーストリコン ワイルドランズ」では発売後も多くのアップデートが行われましたが、その中で同じトム・クランシーシリーズの「レインボーシックス シージ」や「スプリンターセル」とのクロスオーバーが行われました。「ディビジョン2」ではそういったイベントに関する構想などはありますか?
ギャリティ氏:私は「ディビジョン2」の世界は他のトム・クランシーシリーズ作品とは異なると考えているので、他のゲームを本作の中に持ってくるということは、あまり考えていません。「ディビジョン」の世界はドルインフルによるパンデミック後の世界なので、その中にサム・フィッシャーやゴースト部隊、レインボー部隊などが入ってくるというのは整合性が取れていないかなと感じるからです。
――日本では先日、二ヶ月間発見されなかった「マニング国立動物園」の隠しボスが話題になりました。このようなシークレットについてのお考えを聞かせてください。
ギャリティ氏:こうしたイースターエッグはとても楽しいことですし、見つけていただくのは嬉しいことです。現在でも、色々なシークレットは見つけられていますが、未だ見つかっていないものもいくつかあるはずです。どんなものかは言えませんが、次のアップデートでもまたいくつかのシークレットを忍ばせていますので、お楽しみに。
――最後に、日本のファンに対してメッセージをお願いします。
ギャリティ氏:イベントなどで日本に来るたびに、完成度の高いコスプレを披露してくれた方や、400時間プレイされた方など、「ディビジョン」を応援してくださるたくさんのファンにお会いします。そのたびにファンの熱意に圧倒されますし、とてもありがたく思っています。
――本日はありがとうございました!