声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第23回はメビウスより発売中のPS Vitaダウンロード専用ソフト「グノーシア」を紹介します。

目次
  1. 「グノーシア」とは?
  2. 三宅麻理恵さんプロフィール

人狼ゲームを遊んだことはありますか?

大まかに説明すると、プレイヤーは村人チームと人狼チームにわかれ、村人に化けた人狼が夜になると一人ずつ攻撃して食べ、村人がいなくなれば人狼チームの勝利、村人が人狼を特定できて処刑すれば村人チームの勝利というゲームです。村人チームは誰が人狼であるか話し合いながら推理し、人狼チームは追放されないように村人だと嘘をついたりする事が必要になります。

私が初めて参加したのは7年ほど前。実際に集まって人狼ゲームを遊んでいる諸先輩方に混ぜていただいたのですが、人狼チームでプレイした時に「人狼じゃないです!」とみんなに嘘をつくのがとても辛かった…。村人だと、正直に「人狼ではないです」と答えられるから気が楽なのですが(人狼にすぐに食べられてしまうリスクがありますが…)どうにもこうにも、人狼ゲームでの嘘のつき方がわからないまま私のオフライン人狼ゲームの機会は失われてゆきました。

月日が経ち、近年様々な人狼ゲームが生まれプレイヤーは増えつつありますが、私は苦手意識が生まれてしまい接する機会がありませんでした。正直人狼ゲームはしたい…でも、他人に迷惑をかけたくない…まずは練習したい…気軽に寝る前に一回だけ人狼ゲームやりたい…そうだ! 人狼を題材にしたテレビゲームを遊べばいいんだ!

という事で、出逢えましたよ…そんな人にうってつけのゲーム「グノーシア」に!!

「グノーシア」とは?

「グノーシア」は、インディーズゲーム「メゾン・ド・魔王」を開発した制作チーム「プチデポット」による、SF世界を舞台にした人狼ゲーム。

プレイヤーは人間かグノーシアのどちらかになって、議論で敵対する者たちをコールドスリープさせられるように議論を導く。人間もグノーシアも立場が毎回変わり、前回味方だった人間が今回味方とは限らないというスリルを味わえる。そして、上手く条件を満たすと勝ちとなる。

ゲームオ-バーの概念はなく、勝敗の結果によって経験値が増減。経験値を使ってレベルアップし、能力値を上げ、イベントをクリアすることで取得した「スキル」を獲得できる。「スキル」が増えると、議論の場でできることが増えていく。

ゲームの本番は、全ての設定を選択できるようになってから。この宇宙の全ての謎を、ぜひ解き明かそう。

人狼ゲームでの人狼の役割をグノーシアが担っているのですが、プレイごとにランダムで役割が変化するのでプレイヤーは自分の役割以外はわかりません。

キャラクターの性格や種族もバラエティに富んでいますが、誰がグノーシアなのかを話し合う会議パートではその特徴が遺憾なく発揮されます。

例えば嘘がばれやすいキャラクターが嘘をつくとあっという間に疑われてコールドルリープ。疑われやすいキャラクターに疑いを向けるとグノーシアではなくてもコールドスリープ。グノーシアだと確信が持てたキャラクターを追及したら、悲しい顔をされて逆に自分が疑われコールドスリープ…等々。自分の役割によってどのように立ち回るか戦略を練る楽しみがあるのが魅力の一つです。

人狼ゲームが苦手な方にも、周回プレイを重ねる毎に経験値が貯まり、嘘を見破りやすくなるスキルや疑われにくくなるスキルなど、難易度を緩和できる要素もあるのでご安心ください。

会議パートの後にあるのが移動パート。気になるキャラクターと会話して信頼を得て協力し合ったり、疑惑を深めたり油断できないパートです。

特定の条件を満たしていると「!」のマークで表示され、向かうと特殊イベントが起こります。キャラクターの意外な一面や生い立ちのほか、人狼パートに絡んだイベントもあります。また、プレイヤーは性別を男性・女性・汎性(男性でも女性でもない)から選べ、その性別によって少しイベントが変化するのも嬉しい仕様です。

グノーシアでは、この「!」マークのイベントや特殊なイベントを起こしていくことが重要になってくるのですが、発生条件を見つける上で重要になってくるのがゲーム開始時の初期条件設定。こちらは人狼ゲームとして楽しむ上でもカスタマイズできて楽しめる要素ではないでしょうか。「イベントサーチ」ボタンを押すと特殊イベントが起こりやすくなるのでストーリーが気になる方はとにかくイベントサーチで設定された条件で遊んで行くのがよいでしょう。私は自分の役割を明かさずにエンジニア(夜に誰か一人を人間かグノーシアか確認できる)か守護天使(夜に誰か一人をグノーシアから守る事が出来る)でプレイすることが多かったです。

そして個人的に人狼ゲームで一番ネックな役割だったグノーシア側でのプレイ。結論から言いますとすごく楽しい! いつも疑われやすいキャラクターに疑いの目を向けてコールドスリープさせたときの爽快感。人間チームが自分の発言にまんまと騙された時の満足感。これはきっとデジタルアナログ関係なく人狼ゲームとしての楽しさなのでしょうね。

グノーシアは初期条件設定で複数人設定もできるのですが、複数人にした時のグノーシア側の仲間たちとの共闘も魅力的です。第一声から人間だと嘘をついて攪乱すさせるキャラクターがいれば、他のグノーシアがばれそうになったら裏切って人間チームの信頼を得ようとするキャラクター。また、みんなで協力して人間の誰かをグノーシアに仕立ててコールドスリープに持っていくチーム戦としての楽しみも味わえます。移動パートでグノーシアの立場のキャラクター達の気持ちを垣間見るのもおすすめです。

漂流する宇宙船内で未知の敵「グノーシア」を探し出すという今作。とっつきやすいSF作品としてもお薦めしたいのですが、その雰囲気をより盛り上げてくれるのが音楽とビジュアル。宇宙空間にいるような柔らかな音楽は起動したばかりのメニュー画面から「グノーシア」に引き込んでくれます。

人間・エイリアン・シロイルカなど種族を越えているのに違和感なく成立するビジュアルもプレイすればするほど愛おしくなります。キャラクターがグノーシアだった時のビジュアルのインパクトや、特定のイベントでいままで見ていたキャラクターの印象が一転するように感じられてビジュアルの効果が大きい作品のように感じられました。

現在は生産終了しているPS Vitaの機種でしか遊べないタイトルとなっているのですが、人狼ゲームとしても、物語を楽しみたい方にも、入手できる環境であるならばぜひ遊んでいただきたい一本です。

三宅麻理恵さんプロフィール

生年月日:1985年6月7日
出身:大阪府
趣味:読書・落語・ゲーム
主な出演作品:「輪るピングドラム」萩野目苹果 役、「銀の匙」御影アキ 役、「緋色の欠片」春日珠紀 役、「アイドルマスターシンデレラガールズ」安部菜々 役

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