声優の岩澤俊樹さんによる連載コラム「岩澤俊樹のゲーム1フレ勝負!」。第26回は、Cygamesより発売中のPS4用ソフト「グランブルーファンタジー ヴァーサス」をプレイします。

皆様こんにちは! 岩澤俊樹です! 前回のJAEPOレポート、読んで頂けたでしょうか? まだの方は是非!
イベントの影響を多分に受け、久々にゲームセンターで格闘ゲーム以外もプレイする日々。新作を試行錯誤しながら遊ぶのはやはり楽しいですね! そんな新鮮な気持ちでゲームセンターライフを送っている私ですが、自宅でも試行錯誤しているのですよ。格闘ゲームの(笑)。今回ご紹介するのは、前回密かに振っていたこのタイトル!
「グランブルーファンタジー ヴァーサス」「グランブルーファンタジー ヴァーサス」は、企画・制作をCygamesが、開発をアークシステムワークスが担当する、PS4向けの対戦アクションRPG。本作では、グラン、カタリナ、ランスロットなど「グランブルーファンタジー」の人気キャラクターが、原作でお馴染みの“アビリティ”や“奥義”を使って繰り広げる、シンプルで奥深いバトルが楽しめる。
本作には、対戦格闘ゲームとしての根源的な楽しさを誰もが体験できる「Versusモード」と、キャラクターを育成しながらストーリーを楽しむことができる「RPGモード」、2つのモードが存在。一本で2度美味しいタイトルになっている。
前回「新しい格闘ゲームを始めた」と言っていたのは、これの事だったのです! 大人気ゲーム「グランブルーファンタジー」を題材に、あのアークシステムワークス様が開発を担当したタイトル。格ゲー声優(自称)としてはやらないわけにはいきません。しかし私岩澤、お恥ずかしながら「グランブルーファンタジー」本編は未プレイなのです。そんな自分でも楽しむ事が出来るのか!? 早速プレイしていきたいと思います!
アークシステムワークスが開発しているだけあって、圧倒的グラフィックで爽快感抜群なのは言わずもがな。本編ファンの方はこれを見るだけでも十分楽しめるのではないでしょうか?
しかし今回は、ゲーム概要の紹介というよりは、格闘ゲーム部分のシステムやバランスなどに注目して書いていきたいと思います。いつもより少々(かなり?)マニアックな内容に成る事をご了承下さい(笑)。たまにはこういう回もありですよね……?
この記事を書いている現在、既に数百試合をこなした上での感想ですが、一言でいうと“斬新”ですね(現在ランクマッチA1ランク)。アークシステムワークスが作る格闘ゲームというと、高難易度の連続技(コンボ)や強力なセットプレイ(連携)で相手の起き上がりを攻める「起き攻め」等のイメージが強いのですが、その2つが他タイトルと比べるとマイルドな調整になっているなと感じました。
勿論、研究次第では今後強力な連携が発見されるかもしれませんが、あくまで“アークシステムワークスの他タイトルと比べて”ということです。
では何が「斬新」なのか。昨今の格闘ゲームは、大まかに「コンボやセットプレイ重視」の物と、「差し合い重視」の2つに分かれます(個人的見解です)。そんな中、「グランブルーファンタジー ヴァーサス」はその中間のバランスになっているという印象です。
このゲームには所謂「空中ダッシュ」や「二段ジャンプ」に相当するシステムが有りません。更にジャンプの軌道や速度が緩やか目に設定されているため(鋭いジャンプのキャラもいますが)、ジャンプ攻撃が見切られやすく、対空技で迎撃されやすくなっています。
これにより、「ジャンプや空中ダッシュで上から一気に間合いを詰める→強力な連携でガードを崩して大ダメージコンボ!」といった流れに持っていきにくいので、試合開始直後はジリジリとした地上戦の「差し合い」がメインになってきます。
(「差し合い」ってなんぞや? という方に簡単にご説明しますと、「お互いに安全な間合いを取りつつ、スキの少ない技を出し合い、チャンスを伺っている状況」といった感じです。)
そして相手を画面端に追い込んでいき、中央では出来ない高火力コンボを叩き込み、一気に勝負を決める、というのが大まかな試合の流れになります。
このパターン、分かる人には分かる格闘ゲームにおいて基本の戦略。システムがシンプルな分、このような「格闘ゲームの基礎」がとても大事なゲームだなと感じました。そんな王道をゆくこのタイトル、一体何が“斬新”なのか。それがこのゲームの根幹「アビリティ」。
各キャラは複数のアビリティ(必殺技)を持っていて、画像のようにキャラ名の上にアイコンで表示されます。そしてアビリティを使用すると、「クールタイム」が発生してアイコンが暗くなり、一定時間使用出来なくなります。
「え? 必殺技に使用制限があるの?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。ご安心下さい。このゲームの攻撃ボタンは主に、「弱」、「中」、「強」、「特殊」の4つあり、「弱」と「中」でアビリティを出した場合、再使用までの時間が殆どかかりません。「強」で出した場合のみ、その技の強化版「アビリティ+(プラス)」が出せる代わりに、再使用までの時間がかなりかかってしまいます。
「弱」「中」「強」の順番で撃ちましたが、かなり差があるのがわかりますね。しかも、アイコンが暗くなっている時間中は、「弱」「中」含めその技が一切使えなくなってしまう為、行動が制限される上、相手に戦力が読まれやすくなるというリスクがあります。
その分強化版は差し合いでもコンボでも非常に強力な為、これを「どのタイミングで使うか」という駆け引きと、戦略の組み立てが、他の格闘ゲームにはない斬新な要素だなと思いました。
僕のメインキャラ「カタリナ」を例に、もう少し具体的にご説明していきましょう。
カタリナは、優秀な判定とリーチを持つ通常技、飛び道具、突進技、無敵技を持つハイスタンダードキャラ。
戦略としては、リーチの長い通常技と飛び道具「マイティライド」を駆使し中距離で圧倒しつつ、それを避ける為に飛んでくる相手を優秀な対空技で迎撃し、画面端に追い込み高火力コンボでトドメ! という本当にスタンダードなキャラです。特に重要な「マイティライド」。主な使用目的としては「相手に動いてもらう」為の牽制技ですが、強化版は画面端の連続技のパーツとしても使用します。
つまり、コンボや差し合いで強化版の「マイティライド」を撃ってしまうと、しばらくの間、主力の牽制技が使えなくなってしまうという状況に陥ります。無敵技である「エメラルドソード」も同様です。強化版は割り込みや切り返しだけでなく、コンボにも使用します。
しかもこちらの場合、強化版を撃ってしまうとしばらくの間「無敵の切り返し技が使えない」という状況がバレてしまってしまっている為、相手に強気に攻められる時間を与えてしまいます。「技を撃てない不利な時間をいかに切り抜けるか」、という技術がこのゲームの強さにも直結してくるなと思いました。
強い技を出し続けたり、強力なセットプレイをループさせれば勝てる、という事がほぼ不可能なので、安心して攻め続けられる時間は殆ど有りませんが、個人的にはこういうバランスはかなり好みです。基本的に格闘ゲームは殴り合いたい派なので(笑)。
ここまで読むと「え、このゲームめっちゃ難しくない!?」と思うかもしれません。確かに、本気で「上」を目指すとかなり苦労すると思います。でもそれはどのゲームにも言えることです。しかしゲームの楽しみ方は人それぞれ。気軽に遊ぶのも勿論あり! あくまでこのタイトルは「グランブルーファンタジー」なんです。普段格闘ゲームをやらないプレイヤーでも遊びやすくなっていますよ!
まず先程ご説明した「アビリティ」ですが、R1ボタンと方向キーの組み合わせで簡単に出すことが出来ますし、一発逆転の開放奥義も(↓\→+R1ボタン+×ボタン)で出すことが出来ます。
R1ボタンで出した場合、再使用までの時間がテクニカル入力(コマンド入力)で出すより長いなどのリスクはありますが、咄嗟に技を撃てたり、コマンドミスのリスク軽減など、初心者救済だけでなく、上級者でも使えるシステムなのが素晴らしいなと思いました。
そして2つ目、「ローンチプレイアブルキャラクターが11人」ということ。
昨今の格闘ゲームにしては少なく感じるかもしれません。確かに選択肢が少ないですし、他のプレイヤーと被りやすくなります。何より本編ファンからしたら「自分の好きなキャラがいないじゃないか!」という切実な問題を抱えることになります。
確かにその通りなんですが、代わりに「最初に覚える事が少なくて済む」という大きなメリットがあります(これ大事)。新しい格闘ゲームにおいて、システムや使用キャラの性能を把握し、他キャラの対策も覚える。となると「最初は少なくてもいいかな……」という気持ちになってきませんか? 僕はなります(笑)。
現在発表されているだけでも5キャラクターが3月以降順次追加されていきますし、それ以降も増えていくようなので、現在好きなキャラがいなくても今のうちからゲームに慣れておくのも良いのではないでしょうか? 因みに、刀キャラ好きな僕としては先日登場した「ナルメア」に興味津々です。
見た目、戦い方、キャスト。文句なしですね。どんな戦い方をするのか早く知りたい!!! ああ! 楽しみ! カタリナ……今までありがとうな……。
皆様も、お気に入りのキャラで戦うもよし、スタンダードキャラで基礎を覚えるもよし、シンプルながら熱い駆け引き、是非体験してみては如何でしょうか!?
今回はかなりテーマを絞ってご紹介しましたが、如何だったでしょうか? まぁ~……伝わりにくかったですよね(笑)。しかし、昨今のe-Sportsの浸透により「プレイはしないけど、大会の配信などは見る」という方が増えてきているので、そのような方々にも「こういう駆け引きがあるんだ」というのが伝われば嬉しいです。
発売されて数週間経ちますが、プレイヤー人口はかなりのもので、オンラインロビーは連日満員状態。有名プロゲーマーの方々も大勢プレイしていてかなり盛り上がっています。
常々思っていることですが、格闘ゲームに一番必要なのは、知識でも才能でもフィジカルでもありません。「一緒に遊んでくれる実力が同じくらいの対戦相手」です。それさえいれば、知識や技術などは対戦していくうちに勝手に付いてきます。
そして何より大事なのが、「勝ったり負けたりすること」です。どちらだけでもダメなんです。このバランスが1番のモチベーションになると僕は思います。そして発売して間もない「今」こそ、相手を見つける大きなチャンスです。少しでも興味があるならやらない手はないですよ! 騎空士の皆様、周りの騎空団員を誘って、是非スマホとコントローラーの二刀流してみませんか!?
それでは、グランサイファー(オンラインロビー)でお待ちしてます!

アイムエンタープライズ所属
生月日:10月17日
趣味:ゲーム、音楽鑑賞、散歩
主な出演作品:【TVアニメ】ようこそ実力至上主義の教室へ(高円寺六助) 、問題児たちが異世界から来るそうですよ?(ヴェーザー)、【吹き替え】謀りの後宮(李重俊)、【ゲーム】GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-(ダレル)、ファンタシースターオンライン2 es(ダンテ、セイメイキカミ)など。「GUILTY GEAR Xrd REV 2 -BATTLE MANIA-」でMCとしても活躍。