2020年11月某日・某所で、同年12月23日に発売される「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack Plus」のマスタリングが行われると聞いて、潜入取材を試みた。

スタジオ見学レポートと共に、河盛氏と鈴木氏へのミニインタビュー、及び「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack Plus」に参加している作曲家たちからのひとことコメントも頂いているので、ぜひ最後まで読んでほしい。

「ファイナルファンタジーVII リメイク(以下、FFVIIリメイク)」のサントラ第2弾となる「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack Plus」では、5月に発売された7枚組(初回生産限定盤はボーナスディスクを含め8枚組)の「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack」に収まらなかった楽曲たちを収録。本作はサントラプラスでありながらCD4枚組という、驚愕のボリュームとなっている。

「FFVIIリメイク」は大勢のコンポーザーが参加していることもあり、マスタリング作業も作曲家ごとにそれぞれ行われるとのことで、今回は鈴木光人氏の作業現場へとお邪魔した。

スタジオ内では「FFVIIリメイク」にてミュージックスーパーバイザーを務める河盛慶次氏と
コンポーザーの鈴木光人氏が、資料を前にこの日の作業について打ち合わせを行っていた。

意外だったのは、スタジオの規模。筆者の想像していたスタジオはいわゆる要塞のようなレコーディングスタジオだったのだが、マスタリングスタジオは大きなスピーカーが2本置かれている以外は、見慣れない機材がいくつか並んでいる、比較的こじんまりした場所だった。

マスタリングスタジオのエンジニアさんが、スピーカーとスピーカーの間に腰掛け、曲を流しては機材をささっといじってゆく。その度に低音と高音のバランスはもちろんのこと、音の広がり方などが変わってゆくのを、リアルタイムに感じられた。

時にはCDに収録される他の曲も流し、他の楽曲とのバランスも見ているような様子を伺えたが、その技はあまりに一瞬。初めてマスタリング現場に訪れた筆者は、「いつの間にか、曲が綺麗に整っていた」と、半ばぽかんと作業を見つめているばかりだった。


とにかく凄まじい手捌きにより、マスタリング作業は進んでゆく。前後に収録されている曲をほんの一瞬確認し、
現在の作業楽曲と聞き比べ、瞬時に作業(対応)が行われている様は、まさに閃光の如き。
よく耳にする言葉ではあるものの――“マスタリング”とは?

ところで今更ではあるが、“マスタリング”とは、具体的に何をする作業なのだろうか。CDなどを作成する最終段階であることはわかるのだが――せっかくなので、ここは河盛氏に直接尋ねることにした。

――今はマスタリングの作業ということですが、実際にどんなことをしているのですか?

河盛氏:今回の「FFVIIリメイク」は、たくさんのコンポーザーが制作に関わっていて、各コンポーザーによって、音量やステレオ感もバラバラだったりします。本日の作業で行っているのは、それを1枚のCDとして聴いてもバランスが取れるように調整することです。

具体的には、1曲ごとに音量や左右の音の広がり、低音の出具合等のバランスを整え、一つの作品としての統一感を持たせるのはもちろんのこと、ゲーム音楽の場合はループする曲が多いのでフェードアウトを入れたり、他にも曲間の長さを決めたり、「この曲とこの曲は、1曲のようにつなげて再生するようにしよう」とか、そういった作業も行っています。

また、マスタリング前の段階ですが「FFVIIリメイク」の楽曲はフェーズごとに曲調が変わっていくものが多いので、CD用に曲の構成を変えたり、ループの箇所を変えたりもしています。実はサントラでしか聴けない繋ぎ方をしている曲などもあったりします。

なるほど、と頷いているその間にも、マスタリング作業は着々と進んでゆく。時には鈴木氏から「この曲は、こういう感じで」と要望があったりもするが、スタジオのエンジニアさんがその要望に応えた調整を行い、鈴木氏が最終チェックをしてOKを出す、という流れ。

マスクをしていると音がきちんと聴こえない、ということで、最終チェックはマスクを外して行う鈴木氏。
音楽関係者でマスクをしていると音が変わって聴こえると述べる人が多いことからも、
コロナ禍の中では色々大変なことも多そうだ。

だが、「コルネオの館 ぷぅ」や「コルネオの館 大盛」は、様々な楽器が段々と重なっていったり、楽曲内で大きな盛り上がりがあったりと音の変化が大きい曲のせいか、試行錯誤が続く。

「コルネオの館 大盛」では、鈴木氏からも「もっと過剰に、広くしてほしい」との要望が寄せられ、より一層、壮大な音へと変わっていった。「壮大になりすぎたかも」と、ひとつ前の曲との繋がりを気にする鈴木氏だったが、結局「最初は静かなオルゴールの音から始まる曲だから、最終的にはこれくらい壮大になっても大丈夫ではないか」というところに落ち着いたようだ。

まるでオーケストラホールで聴くような奥行きのある楽曲に生まれ変わったコルネオの館に、
ぜひ期待をしていてほしい。BGMにあわせて、コルネオもまともに見える……かも?

一方で、エアリスのドレスが一番シンプルな時にかかる「エアリスのエレジー」では、スタジオのエンジニアさんに「こんなトホホな感じでいいんですか?(笑)」と問われ、鈴木氏が「そういう曲なので、トホホなままで(笑)」と答える場面もあり、見学していた筆者も思わず笑ってしまった。

トホホな感じ、確かに出ていました。

このように、巧の手で一瞬にして音質に変化が起こってゆくのだが、筆者はその手際に目を白黒させるばかり。ゲームの中でも素晴らしい音色を響かせていてくれたのに、それがさらに素晴らしい音色になって……、そこでふと、とある疑問が脳裏をよぎった。それは「元々ゲーム中で聴いていた楽曲の時点で、既に100%以上の完成度と言ってもよかった楽曲の数々を、わざわざ手間暇かけて更に直す必要はあるのか?」という、素朴なものだ。よし、これも河盛氏に聞いてみよう。

――「FFVIIリメイク」のゲームの音源を、そのまま収録してはだめなのですか?

河盛氏:「FFVIIリメイク」のサウンドの場合、どの場所でどの曲を使用するかがピンポイントに決まっているので、ゲーム用の楽曲はその場所に合わせて調整していて、このシーンだったらこうしよう、バトルだけど会話メインのシーンだからこうしよう、とか……。そしてゲーム中は効果音が鳴る事も考慮して、ゲームで聴いた時に最善のバランスになるような調整になっていますが、サントラとして出す時は、曲どうしのバランス調整になり、何も調整しないで収録してしまうと、静かな曲を大き目のボリュームで聴いた後に、音量の大きな激しいロックの曲が鳴ると、大音量になってしまい耳が大変な事になってしまいます。

そういったところもマスタリングで音量もしっかり調整し、今の鈴木のように、作曲家の意図や要望も、取り入れてもらうこともあります。

――先程、鈴木さんは「コルネオの館 大盛」で、「もっと広げてほしい」とおっしゃっていましたよね。

河盛氏:ゲームで鳴っている音楽は、効果音とのバランスの絡みで、広がり過ぎていると聴こえ方が弱まることもあって、わざとちょっと狭く作ることもあるんですが、サントラの場合は狭めていないファイルを持ってきて、それをマスタリングで更に広げたりすることもあります。

――「FFVIIリメイク」は多数の作曲家さんが参加されていますが、それぞれの作曲家さんが要望を言い出すと、まとまらなくなるのではないのですか?

河盛氏:今回、マスタリングしてもらっているこのスタジオは、昔からスクウェア・エニックスのサントラを数多くお願いしてきているので、エンジニアの方の楽曲への理解度が深く、色々なジャンルが混ざり合っているゲーム音楽を、とても上手く纏めてくれます。そして僕らも絶対の安心感をもって音楽の最終アウトプットをお任せ出来ます。

――今、こうして拝見していますと、1曲に大体10~15分ほどかかっていますよね。「FFVIIリメイク」の楽曲の多さを考えると、これを1曲ずつやっていくとすごい日数がかかりそうに思えるのですが。

河盛氏:マスタリング作業は曲数もありますが、曲の長さによってもかかる時間が変わってくるのですが、前回のサントラでも作業して頂いたエンジニアさんなので、仕上げたい方向性も理解して頂いている状態からのスタートになりまして、凄くスムーズに作業は進みますので、ご想像よりは早く終わる感じかと。

外部のスタジオの方ながら、スクエニサウンドに精通したエンジニアさん……! そこまで伺い、筆者も様々なことが腑に落ちた。

作曲家以外にも実に様々なスペシャリストがいて、そのスペシャリストたちによって我々が”CDとして聴ける作品”に仕上がっているのだ。マスタリング、奥が深い。

この2本のスピーカーから流れてくる音が、
我々が普段耳にする“スクエニサウンド”のクオリティを決めているとすら言える。

なお、実はちらりちらりと、これまでも写真のあちこちにチョコボが写っていたことに、気づいた読者はいるだろうか……。

ここに……チョコボがいるんです。2本のスピーカーの、ぴったり中央に。

このチョコボは、遠い昔スクウェア・エニックスの誰かが置いていったものだという。このチョコボには役割があって、低音に影響されると何故か傾くのだそう。念のために述べておくが、このチョコボはあくまでただの人形で、何の機能も持っていない。ただ、何故か音の影響で動くのだ。

そのため、人間の耳では聴き取ることのできないレベルの音のひずみチェックなどに役立っているという、チョコボ人形。これからもきっと数々のスクエニサウンドで、その役目を果たしてくれるのだろう。

ちなみに鈴木氏の楽曲では、このチョコボはほぼ傾いたことがないのだという。鈴木氏の楽曲には“ひずみ”がない、ということのようだ。

もちろん、サントラが一枚作られるまでの間に必要な工程はまだまだあるのだが、今回は貴重な現場に潜入取材をさせてもらうことが出来た。

マスタリングスタジオのエンジニアさんの手際には大変に驚いたのだが、鈴木氏と河盛氏にさらに具体的な作業の内容について伺ってみたところ、「実は僕たちも、あまりよくわからない(笑)。もちろんコンプやEQを使って音質調整をしているのはわかるのですが、あとはやはりマスタリングエンジニアさんの匠の領域ですね」という衝撃の答えが返ってきた。

鈴木氏が触れている機材で、調整前の音と調整後の音とを聴き比べたりすることができるとのことだが、
それ以外の作業は”マスタリングのプロ”だからこその仕事であり、
作曲家では解らない域の作業を行っているという。

まさに“適材適所”。与えられた役割があまりに重いが、このチョコボ人形には永遠にスクエニサウンドを見届けてほしい。

作業を終えた河盛氏・鈴木氏に、「FFVIIリメイク」サウンド・ミニインタビュー
写真左から河盛慶次氏、鈴木光人氏

――今日はマスタリングについて、色々なお話を聞かせていただいてありがとうございました。今日は12月23日に発売される「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack Plus(以下、サントラプラス)」のマスタリングでしたが、まずサントラプラスを出すことになった経緯をお伺いしてよろしいですか?

河盛氏:5月に発売した「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack(以下、オリジナルサウンドトラック)」でも、できるだけ全ての楽曲を収録することを目指したのですが、あのサントラは7枚(+ボーナストラック1枚)ということが既に決まっていたので、どうしても入りきらない曲が出てきてしまいました。

それで、例えばバイクゲームの評価によって変わる曲が最高の時のものしか入れられなくて、他の2曲は未収録になりました。ですが、やはりそういう楽曲たちもCDにしてほしいというお声も頂きまして、今回サントラプラスを出すことになりました。

――泣く泣く入れられなかった楽曲たちのアルバムなのに、4枚組という、驚異のボリュームですね。

鈴木氏:今作はシチュエーションによって、全て楽曲が細かく描かれているので……それこそ僕の担当部分ですけれど、エアリスのドレスのところもドレスにあわせて全部曲が違いますし、手揉み屋のところもそうですし……オリジナルサウンドトラックにはどれもその一部しか入れられませんでしたが、今回のサントラプラスではその時に入らなかった曲がかなり網羅されています。

――オリジナルサウンドトラックとサントラプラスを合わせて、これでいよいよ「FFVIIリメイク」の全曲が聴けるのでしょうか?

河盛氏:全曲、と言いたいのですが、残念ながらこれでも全曲は収録出来ていません……。

――ええっ、オリジナルサウンドトラックだけで既に150曲を超えていて、今回も100曲を超えていますが、これでも全曲入っていないのですか……?

河盛氏:どうしても入りきらない楽曲もあります。会話のバックで、かなり微かに流れていた曲、音楽として1曲で聴くのにはあまり向いていないものや、一部のフェーズは未収録なものがありますが、今回で、ほとんどの曲が収録されたと思います。

鈴木氏:例えばあるキャラクターとの専用会話で、ほんのわずかなシーンにのみ流れる専用アレンジとか……今回はそういう楽曲が本当に多いんですよ。そもそも耳にするシーン自体が長くないものは、外しました。

――本当に膨大な数の「FFVIIリメイク」楽曲ですが、これだけの曲を管理するのは大変だったのではないでしょうか?

鈴木氏:僕も割と疑問だったけれど、今回どうやって管理していたの?(笑)

河盛氏:今回、どこにどの楽曲を使うかについては、COディレクターの鳥山(※鳥山求氏)が叩き台を作り、その叩き台を元に、河盛と効果音の伊勢(※伊勢誠氏)と3人で音楽設計会議という名のミーティングで細かく詰めました。このミーティングに相当時間をかけ緻密に設計を行ったので、どこでどんな曲が鳴るのかは頭に叩き込まれたので、基本は頭の中で管理しつつ、後はサウンドのツールにメモったりですね。

あと、今回は基本的に曲の使い回しがほとんどなく、そのシーンに1曲という作り方なので、僕としては覚えやすかったですし、新曲が届くたびに開発画面上で該当シーンに曲をあてていって、管理が大変というよりは楽しかったですね。本当にすごい量ではありましたけれど(笑)。

――確かにほぼ使い回しがなかったですけれど、逆にどうしてこのような音楽作りにしたのだろう、と疑問に思いもしたんですよね。

鈴木氏:今回は、シームレスに音楽を切り替えようという鳥山のこだわりもあったので、その曲の前後のつながりを考えると、全部まとめて作っちゃったほうが良かったんですよ。例えば僕は9章で流れるほぼ全ての楽曲を作成していまして、「真夜中のまちぶせ」から「陥没道路」、そしてウォールマーケットで流れるほぼ全ての曲を僕と僕のチームのメンバーが作っていますが、専用で作らないとうまく切り替えられないというのがありました。

――ほぼ全てのシーンに専用の曲を作ることであの没入感が出せたのですね。一方で、作曲家さんたちへの発注も大変そうですが……。

河盛氏:とにかくどの曲をどの方に発注するかが一番悩んだところで、なるべくリテイクを出したくないという気持ちもありました。なので、その作曲家の方の個性をきちんと活かせる発注にしたいと思いつつ、シームレスということで前後の繋がりも考えてお願いしなければならず、その点は本当に悩みどころでしたが、一方でそこがとても楽しい悩みでもありました。

鈴木氏:本人は淡々とこんな風に言っていますが、それが本当に重労働で……河盛が倒れたら終わるっていうくらいの仕事量を、こなしているんですよ。なので、皆で「とにかくこれ以上、河盛に仕事を与えるな!」と、冷や冷やしながら見守っていました(笑)。本人は楽しかったということですけれど、それぐらいすごい量の仕事をしていましたよ。

でも「FFVII」をリメイクする機会なんてもうないと思いますし、やはり自分としても音楽で関われるのは感慨深かったですし、みんな同じ気持ちで仕事をしていましたよね。

河盛氏:そうですね。今回はリメイクということで、落としどころは特に悩みました。プレイステーション時代の内蔵音源での音楽に愛着を持ってくださっているファンの方も多い反面、23年前のタイトルなので今回新しく「FFVII」に触れる方もいらっしゃいますし、どれくらい昔の要素を活かすべきか、最初は悩みました。それで、最初に八番街で音楽をシームレスに切り替えるテストをして、その後にOPから魔晄炉のシーンとか色々とテストをして、今の形が見えてきました。

鈴木氏:全体としては色んなジャンルの曲がありつつ、原作の曲も活かして、それでいて新曲とのバランスも良く、統一感もあるという、すごく良い作品になったと思います。

――オリジナル版のアレンジ楽曲と、新規の楽曲が見事に融合していましたよね。

鈴木氏:僕が担当した陥没道路のあたりやウォールマーケット回りの音楽は、何か新しいことにチャレンジしたくて、それこそあのシーンあたりは結構楽曲も自由に作っていい感じだったので、僕も楽しく作らせてもらいました。それでいてオリジナル版の「FFVII」楽曲も本当に完成度が高く、そちらのアレンジでオリジナル版とのバランスも取れたので、「FFVII」の世界観を壊すことなく、新しいものに進化できたのではないかと思っています。

――サントラプラスに収録されている楽曲リストを拝見していますと、エアバスター戦とかJ-E-N-O-V-A戦とか、一部オリジナルサウンドトラックに収録されている曲もあるようですね。

河盛氏:オリジナルサウンドトラックに入れられなかったフェーズが入っていたりするものもあるのですが、主な理由としては、今回のアルバムにはカットシーンの曲が多く入っていまして、特にボス戦の前のカットシーンの曲は、ボス戦に向けてとてもテンションが上がる曲になっているのに、その後にボス戦の曲がこないとリスナーとしては寂しい気持ちになる気がしたので、カットシーンの曲をきちんと活かすためにも、オリジナルサウンドトラックに入っている楽曲も一部収録しています。

――おお、そんな工夫が! 改めてゲームの思い出を振り返るのにも良さそうですね。ちなみに河盛さんと光人さんのオススメの曲はありますか?

河盛氏:僕はエンディングや、エアリスやティファが心情を語るシーンの曲ですかね。そういえば、オリジナル版のアルバムにエンディングが入っていないというのもあって、今回入れられて良かったです。

鈴木氏:僕は、オリジナルサウンドトラックに収録出来なかった「RUN RUN RUN」の2曲、関戸(※関戸剛氏)担当のエアリス衣装チェンジの曲などの分岐曲はこれでコンプリート出来たので良かったです。あとは「ヘリガンナー」が好きなんですよね。小林さん(※小林啓樹氏)の持っている良さが最高に活かされたアレンジだと思っています。

――小林さんと言えば、「エースコンバット」シリーズですものね。

鈴木氏:あの空を飛んでいる空気を感じられる曲は、小林さんならではですよね。ちょっと怖い感じがする導入部から、「やるぞ!」という前向きな雰囲気に移り変わっていくムードとか。河盛さん、あれ狙って発注したんだよね?

河盛氏:このシーンを見た時から、なんとなく小林さんが浮かんでいて、実際にドンピシャでハマったかと。小林さんとの曲の打ち合わせの最後に、「飛んでいる敵とのバトル曲なので得意ですよね?」という話をしたら(もちろん冗談です!)小林さんも「飛んでいる系なら大体いけます」というお返事が(笑)。

――飛んでいる系なら(笑)。今回、参加されている作曲家さんは、基本的に河盛さんが元々ご存じの作曲家さんたちなのですよね?

河盛氏:そうです。先程も申し上げたように、今回は作曲家の皆さんの持ち味を活かしたいというのがあったので、どの方にどの曲を投げるのかはかなり考えています。リテイクを出したくないというのは、多くリテイクを出した時点で、僕がその作曲家さんの持ち味を理解できていなかったということにもなりますので、今回参加された方々の作品はかなり聴き込んでいますし、考えるのに時間をかけた部分ですね。

オリジナルの音楽とのリンクも考えて、今回のエアバスター戦で「更に闘う者達」のギターアレンジをどうしてもやりたくて、ギターとドラマチックな展開ならば牧野さん(※牧野忠義氏)だと思って、アレンジをお願いしました。

――牧野さんのギターは最高ですよね。本当に素晴らしい人選でした。それでは最後にサントラプラス発売に向けて、ファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。

鈴木氏:サントラプラスには、オリジナルサウンドトラックに収録されなかった、主にカットシーンの曲がメインで収録されていますが、いわゆるゲームのドラマ的な部分の曲やジングルがいっぱい詰まっていますので、また本編を思い出しながら聴いていただければと思います。よろしくお願いいたします。

河盛氏:サントラプラスは、オリジナルサウンドトラックに収録できなかった曲を集めて出すというイメージがあるかと思いますが、「FFVIIリメイク」のサントラプラスはどうしても枚数の都合などでオリジナルサウンドトラックに入れられなかった楽曲たちばかりですし、前述の通りボス曲なども改めて入っていたりします。オリジナルサウンドトラックに引けを取らない4枚組の大ボリュームで、実質別バージョンのオリジナルサウンドトラックという扱いで楽しんでもらえると思いますので、ぜひ聴いてみてください。

――ありがとうございました!

サントラプラスに参加した作曲家の面々から、一言コメントをお届け!
関戸剛氏

ハイ、今回は「トホホ」な感じを目いっぱい出させていただきました!

エアリスはその凛とした立ち振る舞いから、たとえどんな状況であっても磨き上げられたものが内面からにじみ出て来ると思いますし、ここはここで楽しんでいただければと~ハイ!(汗)

とくさしけんご氏

「スラムのドン」の編曲です。この曲に限らずですが、今回制作のために改めて97年のオリジナル音源を確認するまで、自分がこの曲を完全に生のオーケストラの音として記憶していたことに驚きました。当時の表現の見事さと年月の経過により、脳内補正していたのです。ですので、私が行ったのは編曲というより、脳内補正していた分を現在の技術で潤色する、というようなニュアンスでした。それにしても、こういう経過的に現れる曲の方が(この曲あったよね!っていう)、なぜか97年当時の深夜のゲームの時間の感触を思い出すものです。部屋の具合まで思い出します。この20数年の時の経過に思いを馳せた同時代の皆さまと、心の中で握手です。

牧野忠義氏(スピンソルファ)

「FFVIIリメイク」は植松氏が作り上げた原作と主題歌、作編曲家陣が出したそれぞれの楽曲が時代を超えて調和した稀有なタイトルだと感じています。私が担当させて頂いた「エアバスター」「J-E-N-O-V-A -胎動-」、神羅やタークスのテーマをモチーフにした数々の楽曲も新たに本サントラに収録されています。制作当時、新旧ファンやタイトルが求めている音楽性は何かと幾度も考えを巡らせていました。こうして世に出た楽曲は自分なりの答えに過ぎませんが、皆さんの心に、記憶に残っていたら嬉しいかなと思っています。

島翔太朗氏(グローブ・エンターブレインズ)

「FFVIIリメイク」ではカットシーン後にロードを挟まないので、バトルの前に流れる楽曲は「この敵を絶対倒さなきゃ!」と、プレイヤーの心に火を付けるような終わり方を心がけています。戦闘曲とセットで収録されている楽曲も多いので、ぜひ2曲続けてお楽しみいただければ嬉しいです!また、どの曲も思い出深いのですが、「エアリスのテーマ-回想-」はエルミナの愛情をエアリスのテーマのみを使って表現しようとした楽曲で個人的にとても気に入っています。

「FINAL FANTASY VII REMAKE Original Soundtrack Plus」商品サイト
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/FF7R/ostplus/

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(C) 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION: (C) 1997 YOSHITAKA AMANO

マスタリングスタジオ・オレンジ
マスタリングエンジニア 小泉由香氏

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