バンダイナムコエンターテインメントが2021年6月24日に発売予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用ソフト「SCARLET NEXUS」(Steam版は同年6月25日発売予定)。同作のゲーム序盤のプレイレポートをお届けする。

ストーリーの表と裏を描いたダブル主人公制

いよいよその発売が迫りつつある「SCARLET NEXUS」。バンダイナムコエンターテインメントが贈る新たなアクションRPGとして、「テイルズ オブ」シリーズなどに参加したメンバーが中心となって開発が進められており、発表時から多くのゲームファンから注目が集まっていた作品だ。

そんな本作は「ブレインパンク・アクションRPG」と銘打たれ、独特な世界観が形成されている。舞台となる「ニューヒムカ」は脳科学が発展した世界であり、お互いの脳を直接接続する「サイネット」と呼ばれるネットワークが普及した、SF的な世界観が形成されている。このあたりはサイバーパンクと呼ばれるジャンルにも通じる要素だが、本作では名前の通り「脳」というキーワードが非常に重要な位置づけとなっているのが特徴。

離れた場所にいるはずのキャラクター同士がサイネットを通して頻繁に会話をかわし合ったり、「ブレインメッセージ」として、キャラクターからメールのようなものが届くこともあり(メッセージには返信ができるものも)、キャラクターの成長システムである「ブレインマップ」は、脳の機能を強化するといった理由付けが行われているなど、様々な形でゲームシステムとして落とし込まれている。

そんなニューヒムカは「怪異」と呼ばれる存在の脅威にさらされており、それに対抗するための組織として存在するのが「怪伐軍」。ゲームをスタートすると、まずプレイヤーは怪伐軍に所属する二人のキャラクター「ユイト・スメラギ」と「カサネ・ランドール」のどちらかを主人公に選び、その視点から物語を体験していくことになる。

ユイト・スメラギ カサネ・ランドール

このダブル主人公システムは本作の特徴にもなっており、どちらを主人公に選んだ場合でも、もうひとりのキャラクターもメイン級のキャラクターとして本編ストーリーに関わってくる。ユイトとカサネは同じ怪伐軍に所属してはいるものの、配属される先の部隊が異なるため、登場するメインキャラクター達が違えば、派遣される戦場も異なる。その一方で、どちらのストーリーでも世界で発生する出来事は共通しているので、それぞれが表と裏のような関係となっている。両方のストーリーをプレイすることで、より世界観やキャラクターの内面を理解できるようになるだろう。

またユイトとカサネの違いは、ストーリーだけではなく、性能面やアクション面にも及んでおり、ユイトは発生が早く、クセの少ない刀を使った攻撃を行うのに対し、カサネは攻撃の発生がユイトよりもやや遅い分、リーチや攻撃範囲が長めで、空中での戦いを得意する小型刃で戦うという攻撃方法の違いがある。キャラクターの成長要素である「ブレインマップ」も、ユイトとカサネで成長ツリーが異なっており、ストーリーやステージの変化も合わせて、それぞれのルートでまったく違うプレイフィールを体験できるようになっている。

ユイトとカサネ以外にも、ユイトの親友であるナギ、カサネの姉であるナオミを筆頭に個性的な仲間キャラクター達が登場するが、個人的には女性主人公であるカサネのキャラクター性のユニークさが印象に残った。

一見クールで隙のない完璧超人に見えるのだが、姉であるナオミに対する感情の大きさのあまり正常な判断が行えなくなったり、遠慮ない物言いで先輩隊員を圧倒したかと思えば、やや天然でズレた発言をすることも。可愛らしさも兼ね備えた、非常に魅力的なキャラクターとなっている。

ユイトは子供の頃、カサネと瓜二つの容姿の怪伐軍の隊員に助けられたという過去があるが、カサネ自身には一切思い当たる節がないという、主人公同士の意味深な繋がりも描かれており、二人の物語が今後どのように絡み合いながら進んでいくのかも非常に気になるポイントだ。

あらゆる動作がコンボとして繋がる、爽快感抜群のアクションバトル

本作の最大の特徴とも言えるのが、ユイトとカサネが使う超脳力である「念力」を生かして戦うアクションバトル。本作のフィールドには、念力で動かすことが可能なオブジェクト(瓦礫やコンテナ、廃棄された車など)がいたるところに配置されており、そのオブジェクトを念力で操作することでダメージを与えられる。オブジェクトは凄まじい数が配置されているので、この手のシステムにありがちな「操作できるものがない」という状況にはまず陥ることはない。通常の武器攻撃などに比べて威力も高いため、攻撃の主力としてかなり頻繁に活用することになる。

念力で操作するオブジェクトは、ロックオン対象か近くの敵に向かって飛ぶようになっているので、
手動で狙いをつける必要はない。

ただこの念力は使い放題というわけではなく、一定量の念力ゲージを消費する。念力ゲージは時間経過によって回復はするものの、オブジェクトを操作して敵にぶつけるまでの一連の動作で、結構な割合のゲージを消費するため、遠距離でひたすら逃げ回り、念力だけで攻撃し続けるといった戦法はとれないようになっている。

そこで重要になるのが武器攻撃と特殊攻撃。これらの攻撃には敵に接近しなければならないリスクがあるが、代わりに攻撃が命中すれば、念力ゲージが回復するという性質がある。とくに特殊攻撃は、通常攻撃と比べると攻撃モーションにクセがある分、敵にヒットさせれば一気に大量のゲージを回復できる。通常攻撃や特殊攻撃は、敵にダメージを与えること以上に、念力ゲージの回復手段としての重要性が高く設定されていると感じた。

さらにそれぞれの攻撃は、モーションの硬直をキャンセルするような形で攻撃が繋がるため、格闘ゲームのコンボのような形で連続して発動できるのが非常に気持ちいいところ。通常攻撃や特殊攻撃のモーションが終わる直後に念力を発動すると、一度後ろに後退する特殊な回避モーションに移行しつつ念力を使用できるため、念力発動中の隙をカバーできる。

これを利用すれば、「念力でオブジェクトを敵にぶつける→よろけたところに武器攻撃を連続でヒットさせてダメージをあたえる→特殊攻撃で締めて念力ゲージを回復→念力を発動して後方に下がりつつ攻撃→敵がよろけたところに、再び武器攻撃で追撃して念力ゲージを回復」といった一種のループ行動が成立し、念力ゲージを切らすことなく攻撃し続けることも可能になる。他にも斬り上げで敵を空中に打ち上げてから武器攻撃や念力につなげたり、様々なアクション同士がコンボのように繋がるようになっている。

適当にボタンを連打するだけでも、コンボはしっかり繋がるので安心。ただし、敵の種類や状況に応じた的確な攻撃の使い分けができるようになると、戦いがグッと楽になる。

さらにレベルアップ時に獲得できるBPを消費してキャラクターを強化していく「ブレインマップ」のシステムを利用すれば、新たなアクションが開放される。追加されるアクションには、2段ジャンプや空中ステップ、空中からの落下攻撃にチャージ攻撃、ジャスト回避からのカウンターなどかなりのバリエーションがあり、パラメーターの上昇ではなく、レベルアップによりアクションの幅が次々と増えていくので、プレイしていて飽きが来ない。

それらのアクションを連続して発動させ、攻撃を連続でヒットさせて敵のゲージを削り切ると、特別な演出と共にトドメを刺す「ブレインクラッシュ」も発動できるので、コンボの選択幅が増えれば増えるほど、よりスタイリッシュでカッコいいアクションを味わえるようになる。

敵の攻撃タイミングの直前にステップを入力するとジャスト回避が発生。
ブレインマップでアクションを開放すると、ここからカウンター攻撃への移行も可能になる。

また、オブジェクトの中には巨大な貯水タンクや電柱、廃棄された電車など、フィールド固有の特別なオブジェクトも存在する。固有のオブジェクトは配置数が限られている上、通常のオブジェクトよりも動かすまで時間がかかるというリスクもあるが、大量の敵を一撃で撃破したり、一定時間特殊な状態異常を付与するなど、その効果は戦局を一変させるほど大きい。そういった特殊なオブジェクトを動かす際には、スティックを回転させたり、特定の方向に倒すなど、一種のQTE的なコマンド入力が発生し、成功するとより強力な効果を得られる仕様となっている。

アクションゲームにおけるQTEに対しては、ややネガティブな印象をもつプレイヤーもいるかとは思うのだが、入力するコマンド自体がどれもシンプルなこと、あくまでもプレイヤー側が能動的に発動するアクションであること、入力がカメラアングルや攻撃の演出としっかりと噛み合う気持ち良さなどもあり、戦闘時の爽快感を高める要素として効果的に働いていると筆者は感じた。

また本作には、ユイトとカサネ以外にも怪伐軍に所属する多数のキャラクターが登場し、パーティに同行して一緒に戦ってくれる。ただ、本作はユイトとカサネがもつ「念力」の能力を前提にバトルシステムがデザインされていることもあり、戦闘中に操作キャラクターを切り替えることはできない。

その代わりに一時的にパーティの仲間の力を借りることができるシステムである「SAS」が用意されている。SASは、発火や放電など攻撃に属性を付与させるものから、念力で動かすオブジェクトを複製したり、自身の姿を透明化したり、敵の動きをスローにするなど、得られる効果のバリエーションが非常に豊富。植物のような敵にはハナビの発火脳力、霧を発生して視界を悪化させてくる敵にはツグミの透視脳力といったように、状況に応じてSASを的確に使い分けることで、手強い敵に対して相性的に優位に立つこともできる。

貯水タンクを敵にぶつけ、ずぶ濡れにした状態で放電攻撃を命中させるなど、フィールド固有のオブジェクトと組み合わせて、より効果を大きくするといった使い方もでき、これらのシナジーを的確に働かせて怪異を殲滅できた時の気持ちよさは格別。SASの効果を受けられるのは、それぞれのキャラクターが持つゲージの時間内だけなのだが、ゲージは回復速度がかなり早く、最大までたまっていない状態でも発動できるので、かなり積極的に惜しまず使って問題ないのも、バトルの爽快感を高める嬉しいポイントだった。

部隊の拠点となるアジトでは仲間との絆エピソードが発生することもある。絆エピソードでは、それぞれのキャラクターのエピソードが深く掘り下げられるのに加え、エピソードをこなして絆レベルを上げていくことで、SASの効果も強力になっていくメリットもある。

キャラクターの育成や装備の強化など、RPG的な要素も多数

本作はアクションRPGというジャンルの中でも、アクションゲームとしての比重が高めのタイトルとなっているが、RPGとしてのキャラクターの成長や探索を楽しむための要素も充実している。

基本的には、ステージクリア型のアクションゲームに近い形式でゲームが進行していくが、主人公たちが住む街である「スオウ」の中を自由に歩き回れたり、一度クリアしたエリアに戻ってレベル上げやアイテムを収集、キャラクターを強化してからストーリーを進められるようにもなっている。

スオウの街やフィールドの各所に配置されているショップでは、戦闘中に使用できる回復アイテムやキャラクターの武器、様々な能力値を底上げするアクセサリー的な装備「プラグイン」を購入可能。また敵のドロップや、フィールドから回収できる素材を、アイテムや装備に交換することできる。

また装備には、ステータスに影響を与えるもの以外にも、キャラクターの見た目を変更するビジュアル用装備も存在しており、カットシーンにも変更がしっかりと適応される。「テイルズ オブ」シリーズのアタッチメントのように、メガネやヘアバンドといったアクセサリー的な装備も存在しており、こちらもショップで購入したり、素材との交換で入手できるようになっていた。

他にも、すでに何度か触れているツリー形式の成長システムである「ブレインマップ」では、新アクションの開放以外にも、キャラクターのステータスを伸ばしたり、戦闘中にゲージを最大まで貯めることで発動し、一定時間の間念力アクションが強化される「脳駆動(ドライヴ)」に、HP自動回復などの新たな効果を付与させることができる。

通常のザコ敵との戦いは爽快感重視でサクサクとプレイできるのだが、ストーリーの要所で戦うことになるボス的な存在は比較的強めに設定されており、地形やSASのシステムをうまく活用しながら戦う必要がある。どうしても敵わないという場合は、装備を揃えてレベルを上げ、ブレインマップを開放していくことで難易度も下がっていくし、オプションでは、「EASY」「NORMAL」「HARD」の中から難易度をいつでも変更することもできるので、難しいと思ったら難易度を下げることもできる。普段アクションゲームをそれほど遊ばない、カジュアルなプレイヤーも安心して楽しめるはずだ。

また個人的に印象に残ったのが、ビジュアル表現の素晴らしさ。本作のストーリーは、背景の静止画+アニメーションするキャラクターの表情ウィンドウを組み合わせた、独特な演出を中心に進行していく(従来のカットシーンと、「テイルズ オブ」シリーズのスキットシステムを組み合わせたような演出)。そこで使われる静止画のCGは、ゲーム中のモデルが使われていると思われるのだが、人間が書き起こしたイラストと見間違えてしまうほどで、アニメ的な表現を追求したCG表現として一見の価値がある。

アクションゲームの肝とも言えるプレイスキルの上達を、カジュアルな楽しみ方でも実感できるのも嬉しいところ。今回筆者はユイトとカサネの両方でプレイしており、初回プレイではゲームオーバーになってしまうことも何度かあったのだが、2回目は難易度をハードに設定しても、ほぼ倒されることなくスムーズにゲームがプレイできた。

本作は序盤の内はさほど複雑な操作を要求されず、ゲームの進行と共に新アクションが追加されていくデザインになっているので、骨太なアクションゲームにありがちな「覚える操作が多すぎて心を折られる」ということにはなりにくい。その上でジャスト回避やコンボの選択といった奥深さもしっかりと存在しているので、純粋なアクションゲーム好きはもちろんこと、「アクションゲームは好きだけど、プレイスキルにはあまり自信がない」という人にこそ、体験してもらいたいタイトルとなっていた。

SCARLET NEXUS

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  • 発売日:2021年6月24日
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  • 17歳以上対象
  • Steam

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※画面は開発中のものです。

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