アークシステムワークスが6月8日に発売した対戦格闘ゲーム「GUILTY GEAR -STRIVE-」。全3回にわたり実施した発売記念企画の番外編として、アーケードコントローラーの選び方を声優界一のアーケードコントローラーマニアでもある岩澤俊樹さんに聞きました。
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「GUILTY GEAR -STRIVE-」の発売を記念して、全3回にわたり実施してきた本企画。皆さんご覧いただけましたでしょうか? 「GUILTY GEAR -STRIVE-」に少し興味があるなという方や、遊んでみたけどなかなか勝てないなという方にはピッタリの内容となっていますので、以下のリンクよりぜひチェックしてみてくださいね!
さて、実際に格闘ゲームを始めてみた人が少し気になっている存在として、「アーケードコントローラー」があるのではないでしょうか? 「GUILTY GEAR -STRIVE-」はゲームパッドでも遊びやすいつくりになっていますが、アーケードコントローラーのレバーとボタンによる操作はやっぱり快適ですし、何より格闘ゲームを遊んでいる感が味わえます。
昨今はeスポーツブームによって様々なメーカーから、多数のアーケードコントローラーが発売されており、「気にはなっているけど、どれがいいのか選び方がわからない」という方も多いはず!
今回は、「GUILTY GEAR -STRIVE-」発売記念企画の番外編として、「ギルティギア」シリーズについてはもちろん、アーケードコントローラーにも造詣が深い声優の岩澤さんにおすすめのアーケードコントローラーを聞きました。
岩澤俊樹さんプロフィール

アイムエンタープライズ所属
生月日:10月17日
趣味:ゲーム、音楽鑑賞、散歩
主な出演作品:【TVアニメ】ようこそ実力至上主義の教室へ(高円寺六助) 、問題児たちが異世界から来るそうですよ?(ヴェーザー)、【吹き替え】謀りの後宮(李重俊)、【ゲーム】GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-(ダレル)、ファンタシースターオンライン2 es(ダンテ、セイメイキカミ)など。「GUILTY GEAR Xrd REV 2 -BATTLE MANIA-」でMCとしても活躍。
――「GUILTY GEAR -STRIVE-」を本格的に遊ぼうという人で、新しくアーケードコントローラーの導入を検討している人って今、すごく多いんじゃないかと思うんですよ。かくいう僕もそろそろ本格的なアケコンが欲しいなと思っていて。岩澤さんはアーケードコントローラー詳しいですよね?

そうですね、アケコンマニアみたいなところはあります(笑)。
――ご自身のTwitterでもカスタマイズしたアケコンを披露されていたのが印象的で。現在はどれくらい所有されているんですか?

今は3つ持ってますね。
――3つも! ちなみにどういった使い分けなんでしょう?

元々はMad CatzさんのTEと呼ばれている「アーケード ファイトスティック トーナメントエディション」を使っていたんですけど、現在はRazerさんの「Panthera」に買い替えたという感じです。なので、使い分けというよりかは、誰かが遊びに来た時のレンタル用ですね。
――なるほど。やっぱりメーカーさんによって使い心地も違うんですか?

そうですね。前提として「GUILTY GEAR -STRIVE-」は純正のゲームパッドでも遊びやすいようにダッシュボタンなどがあったりするんですけど、格闘ゲームを遊んでいる感などはアーケードコントローラーならではなので、ぜひ触って欲しいですね。
――あとは、単純にプロゲーマーの方たちがアケコンを持っている姿というか、あの画がかっこよくて憧れがあるというのもあります(笑)。

僕も宣材写真そうしたいんですよ! さすがに事務所に怒られると思うんですけど……。どこかがスポンサードしてくれたらぜひやりたいので、関係各所の方々よろしくお願いします(笑)。
――それは是非お待ちしていますということで(笑)。それでは本題に入ろうと思うんですけど、アケコンってここ最近でかなり種類が増えていて、違いがわからないというのが本音です。

そうなんです。アケコンって今凄く種類が増えているんですよ。一昔前なんかはほとんど選択肢が無かったんですけど、eスポーツブームの中で色々なメーカーさんがアケコンに力を入れているというのが現状です。
――そうなんですよね。選ぶ基準をどうするのかとか……。

選ぶ基準としては、使いやすさや価格感、さっきの話にもあった好きなプレイヤーと同じモデルを買うというのもありですし、ゲーミング機器をブランドで統一するというのも面白いですよね。
――でも安い買い物ではないのでなかなか悩みますよね……。ちなみに岩澤さんが使用されている「Panthera」はどのくらいの価格なんですか?

当時で3万円強ですね。もちろんこれはアケコン業界の中でもかなりいいお値段なんですけど(笑)。お高めではあるんですけど、これの良いところはボタンやレバーの交換がすごく簡単なんですよ。アケコンってレバーやボタンを自分で交換することができるので、一回買って部品を交換しながら使い続ければ一生モノなんです。
――なんか3万円が安く感じてきたな……(笑)。

一生使うって考えるとアリですよね(笑)。そういった点も含めて予算と相談して欲しいですね。ちなみにヨッシーさんは何を基準にしたいとかはあります?
――自分ミーハーなんで光るやつがいいです。

ゲーミングなんとかみたいな(笑)。ちなみに、僕が予算を度外視して最もおすすめするものがあるんですよ。それが、Victrixさんから発売されている「Victrix Pro FS」というアケコンで、4万円もするんですけど……(笑)。僕が「値段関係無しにおすすめは?」と聞かれたら即答するのがコレですね。
――3万円超えてきましたね……! オススメポイントをもう一声ください(笑)。

おすすめポイントとしては、大きさと重さのバランスも凄い良くて、手を置いた時の安定感ですね。あとは、デザインが凄いかっこよくて、光るギミックももちろん搭載されています! アケコンのサイドが光るんですけど、溝になっていて使っている本人には一切見えないんですけど(笑)。
――その奥ゆかしさ、嫌いじゃないです。

なんでそこが光るのかというと、プロプレイヤーの方たちは大会などで横から観られることが多いじゃないですか。なのでファンの方からするとめちゃめちゃかっこいいと思います。「Victrix Pro FS」は、凄く売れていて手に入りにくいんですけど、お買い求めいただけるチャンスがあったら問答無用でおすすめです! ワンタッチで天板が開くのでメンテナンスもしやすいですし、最上級のアケコンをお探しの方は是非!
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(画像はPro FS Arcade Fight Stick - Victrix Pro公式サイトより引用) |
――そういう話を聞くと物欲が刺激されますね……! ちなみにコスパ重視だとどうでしょうか?

コスパ重視の方におすすめしたいのは、GameSirさんから最近発売されたばかりの「C2 ユニバーサルアーケードファイトスティック」というアケコンがありまして、なんとお値段が1万円強となっています。
――……や、安くないですか!? 今まで3万円、4万円ときていたからかもしれませんが……!

僕もビックリしたんですよ! かなりしっかりとした作りになっているので、2万円くらいするんじゃないかと思っていたので。各通販サイトや家電量販店などでも最近よく見かけるので、比較的お求めやすいのも嬉しいポイントになるかなと思います。
――アケコンって、海外から取り寄せないと買えないものもあると聞いたので、それは嬉しいですね。

そうなんですよ、特に最近は需要が高まっているので欲しくても買えないということも結構あるんです。ちなみに、こちらのレバーとボタンはアーケード筐体のパーツを製造している三和電子さん製のものが使われています。アーケードと同じ環境で遊べるのも良いですよね。
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(画像はGameSir公式サイトより引用) |
――安心と信頼の三和電子さんですね(笑)。

入門編としてもう一つおすすめしたいアケコンがありまして、HORIさんから発売されている「リアルアーケードPro.」というシリーズです。これは結構有名だと思うんですけど。
――そうですね。僕も名前はよく聞きます。ただ、「リアルアーケードPro.」でも色々な種類があるのでどれが良いんだろうというのは気になります。

一番スタンダードなのは「HAYABUSA」というモデルと、「HAYABUSA サイレント」という静音仕様のものですね。個人的には「リアルアーケードPro.N HAYABUSA」がおすすめです。
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(画像はHORI公式サイトより引用) |
――良く見かける「HAYABUSA」とは色や形も違いますね。

「HAYABUSA」は横長な形がメジャーなんですけど、このモデルは縦幅が広くて手が置きやすく、重さもあるので重心がしっかりするのがポイントです。値段は、ショップにもよるんですけど1万5千円~2万円弱くらいですね。
――こちらのボタンやレバーはどうなんでしょうか?

HORIさんのアケコンは、HORIさんがレバーとボタンをオリジナルで作っていて三和電子さんとは規格が違うので、そこが選ぶポイントになるかなと思います。
――結構違うものなんですか?

HORIさんのはボタンがちょっと薄いんですよ。ストロークが短いので反応してボタンを押し切るまでの時間が短いのがメリットですね。押した感覚も違っていて、良い感じにパチパチいうんです。この音が良いっていう人もいるくらいで(笑)。ここは感覚とお好みになると思うので、触れるお店とかがあれば、ぜひ直接試して欲しいですね。
――1万円台ならかなり検討しやすいですし、その中でも好みで選べるのは嬉しいなぁ……。それでは、ハイエンドとまではいかないものの、少しだけ背伸びをしたい人におすすめな2万円台のアケコンはどうでしょう?

そうですねぇ……。Qanbaさんが作っている「Obsidian Joystick」というアケコンがあるんですけど、これが大体2万5千円くらいですね。サイズが比較的大きめでサイズ感と重心が程よく、全体的なバランスがいいアケコンです。ときどさんなど、この「Obsidian Joystick」を使っているプロゲーマーの方も多いですね。……ちなみに、こちらも横が光ります(笑)。
――確かに高級感が凄いですね。まるで、グランドピアノのような……というか。

こちらもボタンやレバーは三和電子さん製です。僕も使ったことがあるんですけどかなり使いやすかったですよ。
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(画像はATTASA SHOP公式サイトより引用) |
――ボタンとレバーの繋がりでいうと、HORIさん製のものが気に入っている人におすすめのものはありますか?

もちろんあります(笑)。「Obsidian Joystick」と対をなす……というわけではありませんが、「ファイティングエッジ刃」というアケコンです。こちらも約2万5千円くらいの価格帯で、HORIさんから発売されているアケコンの中では最上級のものになります。
――こちらも高級感が凄いですね! メタリックなボディに“刃”というネーミングセンスも中二心をくすぐります。

そうなんですよ。“刃”という名前からもわかる通り天板がメタリックになっていて、とにかくデカいので安定感が凄いんです。この価格帯であれば、ボタンやレバーの触り心地の好みで「Obsidian Joystick」か「ファイティングエッジ刃」を選ぶのがいいのかなと思います。
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(画像はHORI公式サイトより引用) |
――ありがとうございます。ここまで、値段帯ごとにおすすめの機種を聞いてきましたが、最後にウメハラさんなどのプロゲーマーが使用している「HitBox」もちょっと気になっていまして……。あのアケコンってレバーが無いんですよね……?

あぁ~!「HitBox」は最近使っているプレイヤーの方が増えてきましたよね。アーケードコントローラーに詳しくない方がこのアケコンを見るとビックリすると思うんですけど、おっしゃる通りレバーが存在しないんです。いわゆる十字キーもボタンになっていて、左側の赤いボタンがそれです。
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(画像はHitBox公式サイトより引用) |
――一見すると、レバーのスムーズな操作というメリットが無くなってしまうように感じるのですが。

レバーって移動したい方向に倒して入力するんですけど、その後、次の方向を入力するときに一回ニュートラルに戻す必要があるので、ラグが発生しているんですよ。そこで、ニュートラルに戻す必要が無いというのが「HitBox」の一番の強みです。例えば、左>右という入力をするとしましょう。
――うんうん。

レバーだと「左>ニュートラル>右」と一度ニュートラル状態を経由しなければなりませんが、「HitBox」では左ボタン>右ボタンをパパッと押すだけです。0コンマ何秒の世界ではありますが、入力ラグを軽減することが可能なんです。
――理論値最強というキャッチコピーは聞いたことがあったんですけど、そういった理由だったんですね……!

最近は認められていることが多いですが、少し前までは禁止されていた大会もあったくらいですから。……とはいえ、これで波動拳や昇竜拳コマンドを入力するのはかなり難しいですよ(笑)。
――確かに思った通りに移動するのですら大変そうですが、それにコマンド入力も絡んでくると頭がこんがらがってきそうです(笑)。使いこなせれば最強、という感じなんですね~。

そうですね(笑)。これは余談ですが、格闘ゲーム以外のプロゲーマーの方が使っている例もあるみたいです「リアルタイムバトル将棋オンライン」というゲームがあるんですけど、あのゲームは本当にスピード勝負なので……。なので興味がある方は「HitBox」も視野に入れてもらえればと思います。
――ここまで色々と聞いてきましたが、アケコンの世界は本当に奥が深いですね……! 僕もこのお話を参考に自分の相棒を見つけたいと思います!

アケコンは本当に色々な種類があるんですけど、一番良いのは実際に自分で触って決めることだと思います。今は時勢的に少し難しいかもしれませんが、実機を置いてくれている店舗さんもあるので、触った感覚やご予算と相談して決めていただければと思います!
――ありがとうございました!
編集後記
というわけで、ここまでアーケードコントローラーの選び方やおすすめの機種を聞いてきましたがいかがだったでしょうか? 「GUILTY GEAR -STRIVE-」とあわせて、ぜひアーケードコントローラーにも興味を持ってもらえると幸いです(最近追加された新キャラクター「ゴールドルイス」は回転コマンドが多いので、きっと大活躍すること間違いナシ!?)。
かくいう筆者も、元々ゲームセンターで格闘ゲームをすることが多かったので、三和電子さん製のボタン&レバーを採用していること、そして“光る!”ことを決め手に「Obsidian Joystick」を購入しました。実際にアケコンを使って「GUILTY GEAR -STRIVE-」を遊んでいるのですが、コマンドがしっかり決まるのが気持ちよく、なんだかゲームも上手くなったような気がします!(気がするだけかもしれませんが(笑)。)皆さんも、ぜひ今回のインタビューを参考に自分だけの相棒を見つけてくださいね!
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