日本一ソフトウェアは、本日4月21日に発売したPS4/Nintendo Switch用ソフト「夜廻三」について、情報のおさらいや開発者インタビューを公開した。
今回は、過去に公開した情報を再掲しながら、シリーズの生みの親である溝上侑氏がインタビューに応え、「夜廻三」の魅力や過去作からの変更点に触れている。初公開となるゲーム画面の写真と共に、「夜廻三」の物語やシステムの注目ポイントを開発者自らが回答しているので、ぜひチェックしよう。
夜の街を廻り、思い出を集める
「夜廻三」は、幼い主人公が失くしてしまった大切な思い出を求めて、恐ろしい「お化け」の潜む夜の街を探索するアクションゲーム。夜の街で主人公の頼りになるのは、手に持った懐中電灯の灯りと自分の心臓音のみ。懐中電灯で照らすことで悪意を持って近づく「お化け」の姿が明らかになる。「お化け」を避けながら思い出のカギとなるアイテムを集め、大切な思い出を探し出そう。
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呪いを解くカギとなるのは「主人公の使っていた道具」。 まずは「主人公が見知った道具」を集め、探索できる場所を増やそう。 |
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懐中電灯で照らすと暗闇に潜むお化けの姿を確認することができる。 |
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夜の街にはさまざまな「おとしもの」が落ちている。中には探索の役に立つものも…。 |
あらすじ
主人公は見知らぬ暗い森の中で目を覚ました。
なぜその場所にいたのか、主人公にはわからなかった。
思い出せるのは、放課後の夕暮れ時、学校の屋上にやってきたところまで。
深い森を彷徨った主人公は、姿の無い不思議な人物と出会う。
その人は、どこか懐かしい声で語りかけた。「あなたには強い呪いがかけられている」と。
呪いを解くためには、一晩のうちに「忘れてしまった大切な事を思い出さなければならない」と…。
大切な思い出を探すため、主人公は不気味な夜の街へと駆け出した。
夜に迷い込んだ子どもたち
主人公
自分にかけられた呪いを解くためのカギとなる「思い出」を探して、夜の街に足を踏み入れた幼い子ども。
ムギ
主人公が飼っている白いふわふわのネコ。主人公にとてもなついている。
思い出の中の少女
思い出にたびたび現れる主人公より少し年上の少女。彼女もまた「何か」を探して街をさまよっているようだ。大きなカメラを持ち歩いている。
闇夜に潜むお化けたち
人面鳥
古くから街に伝わる怪物。特別な目ですべての時間を観測するという。その目で街の中を見張り、人面鳥はずっと「誰か」が来るのを待っている。
顔のない大男
長い手に持った鎌を振り回し主人公を追いかけてくるという。どこかに逃げ込むまで追跡が止むことはない。
赤ちゃんお化け
両腕は広げると翼になり、主人公を見つけると飛んで襲い掛かってくる。
道塞ぎ
商店街に佇む巨大なお化け。その大きさは道路を塞いでしまうほど。近寄ることを阻むように睨んでいる。
開発者インタビュー
――「夜廻三」の構想はいつから?
「MAD RAT DEAD」を作り終えた半年後に、会社から「夜廻三」の制作の話がきてからです。個人的には深夜廻で完結させたつもりだったので作れるかどうかわからなかったのですが、ディレクターの廣瀬が「面倒見るから…」と励ましてくれたので最後までやりきることができました。今作は制作期間が少なかったので、その分たくさんの人に手伝ってもらっています。
――シリーズを通して子供のころに経験したことをテーマにしていると感じていますが、今回「思い出」をテーマに据えたのにはどんな理由があるのでしょうか?
重要な記憶を何故忘れてしまうのだろう、というざっくりした問いかけからシナリオを書き進めていきました。嬉しい出来事や優しい思い出、そして、それらを気づかないうちに忘れていく切なさを描いたつもりです。こうして書いた夜廻三の物語が、皆さまにとって大切な思い出になると嬉しいです。
――既に2作出している中でゲームのシステムを変更するというのは勇気がいることだと思うのですが、今回は何故「隠れる」を「目を閉じる」に変更したのでしょうか?
隠れるとお化けから逃れられますが、お化けが去るまで待つだけなのは時間が勿体ないと感じ、前々から変更したいと考えていました。今作では目を閉じた状態でも歩くことができるので、目を閉じた状態でお化けからゆっくり遠ざかるような、ヒリつくシーンも多いのではないでしょうか。
――ストーリーに沿った攻略から、ユーザー毎に自由に攻略が出来るようになったのも大きな変更点だと感じます。これについてはどういった意図で変更したのでしょうか?
過去2作にてプレイされる方それぞれが、街を歩いているときに違う物に興味を抱いていることに気づき、色々なプレイスタイルで楽しめるようにしようと考えたためです。夜廻自体、色々な楽しみ方ができるおもちゃ箱みたいなゲームですもんね。今作はオープンワールドのような、自由に探索ができる仕組みを採用しています。
――大きな変更がありシリーズユーザーも新鮮な気持ちでプレイできるナンバリングになったと感じますが、既にシリーズに触れたことのある方々に、特に過去作からの変化を楽しんで頂きたいポイントはございますか?
今作は主人公に感情移入して欲しかったので見た目を好きな感じに変えられるようにしました。皆様に主人公となってもらい、今までの夜廻には無い場所や新しいお化けとの出会いを、新鮮な気持ちで楽しんでいただきたいです。
――「夜廻」シリーズに初めて触れるユーザーに楽しんでほしいポイントを挙げるとしたら何になりますか?
身近で馴染みを感じるような街を舞台にしているので、現実では入ってはいけない場所に入るドキドキ感が味わえます。静まり返った夜の街の雰囲気を楽しんでもらえると嬉しいです。あと、夜廻のお化けはかわいめに描いていますので怖いのが苦手な方でも大丈夫ですよ。
――公開しているだけでも目新しいマップが増えたと感じますが、過去作と比べてボリュームは増えていますか?
かなり増えていると思います。行けるマップが増えたうえに、それぞれのプレイスタイルや、謎を解き明かせるかによって、クリアまでのプレイ時間は大きく変わると思います。
――ゲーム中では各場所に合わせたお化けが登場いたしますが、お化け以外にも場所によって異なる作りになっている部分はございますか?
ステージごとにコンセプトを持って作っているので、場所ごとに全く違う遊びができ、飽きずに進められるように作りました。また、落ちているアイテムや置いてある物等で、それぞれの場所で過去に何があったか思いを馳せるのも楽しいと思います。
――「よまわりさん」「コトワリさま」などシリーズには印象的で物語に深く関わってくるお化けがいましたね。今作では「人面鳥」がそのお化けに当たるかと思いますが、「人面鳥」はどのように物語に関わってくるのでしょうか?
重要なお化けだと思います。このお化けの秘密を紐解くことによって、「夜廻三」の物語の全体図が見えるはずです。街を探索して、落とし物を拾い、このお化けについて色々考察してみてほしいです。
「思い出のアイテム」を見つけていない場所では人面鳥が襲い掛かってくる。
街のどこかにある「思い出のアイテム」を見つけてからまた来よう。目を閉じて何かをしてくる「人面鳥」。一度出会ってしまうと、逃れることは難しい。 ――「夜廻三」の発売を心待ちにしていたファンに対するメッセージをお願いします。
深夜廻から長い時間待っていていただきありがとうございます。皆さまのご好評のおかげで、夜廻シリーズとして作り続けられて心より嬉しく思います。今作も是非楽しんでくださいませ!