Koch Mediaより、2022年8月23日に発売予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用ソフト「Saints Row(セインツロウ)」。本日5月18日に公開された、本作のメディア向けプレゼンテーション映像にて明らかになった内容に関するレポートをお届けする。
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家賃を稼ぐため、強盗を働く貧乏人から成り上がる
本作で新たな舞台となるのは南西部の架空の都市「サント・イレソ」。9つの地区が存在し、それぞれがユニークで、探索のしがいがあり、濃密で活気に満ちた世界となっている。この街自体が新たな「セインツロウ」のビジョンを示しており、プレイヤーが大暴れできる、エキサイティングなロケーションに満ちたオープンワールドとなっているのだ。
映像では、ゲーム序盤でプレイするミッションの様子を見ることができた。シリーズでは主人公がギャング組織「サード・ストリート・セインツ」のボスとなるのが常だが、本作序盤で主人公は、セインツに所属していない。彼は日々を生きるのも厳しい貧乏人であり、家賃を稼ぐために友人たちと協力し、給料日前の店に強盗に入ることになるのだ。ここでゲームを通しての仲間となる新キャラクターたちと触れ合い、彼らを理解していくことになるようだ。
強盗に押し入った店でお金を手に入れると、警察にマークされ、逃走劇が始まる。カーチェイスでは「サイドスワイプ」と呼ばれる、クルマを横滑りさせて敵車両に体当たりする新たな攻撃が使えるようになっている。「サイドスワイプ」の攻撃力は、クルマの走行速度が速いほど威力が増す模様。映像の中では複数回のサイドスワイプを受けたパトカーが炎上のすえ、爆発していた。
目的地に到着すると、待ち伏せていた他勢力のギャングとも戦うことに。戦闘は、三人称視点による銃撃と、格闘攻撃を瞬時に切り替えられるシステムになっている模様。銃撃戦の最中、敵が近づいてきたらスピーディに格闘戦に移行するなど、自由な戦い方ができそうだ。
戦闘オプションとして多彩なスキルも習得できる模様。ここでは「パイナップル・エクスプレス」というスキルが紹介された。これは敵の体に手榴弾を取り付けてから放り投げ、ほかの敵にもまとめてダメージを与えるという残虐性の高い攻撃だ。
他勢力によって逃走用車両が破壊されていたため、仲間たちは予定を変更。オフロードバイクに乗って砂漠地帯を進むことになった。バイクはクルマよりも小回りは効くものの、パトカーにぶつかられたら大変なことになりそうだった。下手に立ち向かわず、小回りを活かしてかわしていったほうがいいのかもしれない。
なんとかパトカーをまいたかと思いきや、待ち伏せていた警官たちに囲まれ、ピンチになる主人公。しかしここで助っ人が登場して、なんとか逃げ延びる。助っ人キャラクターとの会話シーンで、このミッションの紹介は幕を閉じた。
サント・イレソは歩いているだけで発見がたくさんある街。「サイドハッスル」も豊富
「サント・イレソ」という街は、チャンスに満ち溢れた街で、歩いているだけでもさまざまな出来事に遭遇するようだ。
プレイヤーは100を超えるエモートを使用可能。ギターの演奏をするなどして、通行人のリアクションを引き出すことができる。操作キャラクターはいつでもスマホを取り出すことができ、スタイルアプリを使えばその場でキャラクターの外見をカスタマイズ可能。性別すら変更したり、元の状態に戻すことも容易だという。
現金輸送車を見つけたら、爆破して札束を手に入れることができる。当然、見つかれば警察がやってくるのだが、通報を妨害すれば悪評が広がるのを防げるので、スピーディに排除するのが有効なようだ。
映像では盾を持った強力な敵を倒すと、この盾を奪うことができ、戦闘を有利に進めることができていた。重装備の強敵が登場したら苦戦は免れないが、彼らを利用することで有利に立てることもあるようだ。もちろん、命が危うくなったらクルマを奪って逃走するのも自由。街中にはジャンプ台などが配置されていることもあるため、こうしたギミックを利用して追跡者をまくことに成功したら、気持ちが良さそうだ。
本作ではいわゆるメインストーリーとは無関係なサブミッションのことを「サイドハッスル」と呼ぶようだ。サイドハッスルはマップ上に繰り返し出現。挑戦することで現金や経験値、報酬などが手に入るという。
映像では「レイクショア」という地区で宝石泥棒を企てるNPCのサポートをするサイドハッスルに挑戦していた。逃走時、クルマの運転はNPCが行い、プレイヤーは追いかけてくるパトカーに銃撃で応戦することに。本作では助手席からの銃撃では応戦しづらいと感じたら、クルマの屋根に上がって寝そべりながら戦うこともでき、これを「カーサーフィン」と呼ぶ。助手席からの銃撃よりも射程が広くなり、武器の選択肢も増えるが、こちらも無防備になるというハイリスク・ハイリターンな戦い方になる模様。
ほかのサイドハッスルも新たなゲームシステムと、サント・イレソの犯罪社会への理解が深まる側面が提示されるということで、ゲームをより深く楽しみたいプレイヤーは、積極的にプレイしたくなりそうだ。
コーディネートでなりたい自分になれる。全裸になれることも確認!日本版ではどうなる?
稼いだお金は「オールドタウン」と呼ばれる地区でのショッピングで消費するのがおすすめとのこと。なお、洋服屋はすべての地区にあり、好きなようにクローゼットにアイテムを追加できる。これまでのシリーズにはないテーマを持った店舗もあり、なりたい自分になるための遊びの幅は、プレイするほど広がっていく。映像ではカウボーイショップで、カウボーイ風のコーディネートを行っていた。
着替え中は全裸(局部にモザイクあり)になる瞬間もあり、本作で全裸のまま行動できる可能性も示唆されていた。そのまま出歩いたとき、人々がどんなリアクションをするのか? 通報はされるのかといった点も気になるところ。日本でもそのままの表現で本作が販売されるかは不明だが、可能な限りオリジナルに近い表現を守り、クリエイターが“全裸になれること”に込めたメッセージ性を尊重してもらえると、いちプレイヤーとしては嬉しい。
コーディネートを終えると、スマホを操作して目的地をフィールド上に表示。最初のうちはクルマで向かっていたのだが、途中で新たなシステム「脱出シート」により操作キャラクターが勢いよく上空へと飛び上がり、さらにそのままウィングスーツの力でムササビのように滑空しはじめた。滑空はスピードもかなり出るようで、気持ちよさそうだ。
滑空中に高度が下がったら、通行人を足場にして再度飛び上がることが可能。操作キャラクターが勢いよく飛び上がると共に、目下では通行人もすごい勢いで吹き飛ばされているのが分かった。なぜ通行人を踏むと勢いよく飛び上がれるのかはよく分からないが、馬鹿馬鹿しくも迷惑千万な行為がゲームとしての気持ちよさに繋がっているあたりは、何とも「セインツロウ」らしい。そのままNPCが運転するクルマの屋根に飛び乗り、ドライバーを引きずり降ろしてクルマを奪うことだってできるのだ。
目的地に着くと、そこはクルマ用のガレージ。本作ではキャラクターだけでなく、80種類以上登場するクルマにも、それぞれに豊富なカスタマイズオプションが設定されている。加えて、目的地までの道中にあるチャレンジをクリアすることで、クルマに施す特徴的な能力やアップグレードもアンロックされるようだ。
最もエキサイティングな新機能「ウォーテーブル」が街の支配に実感を与えてくれそう
ストーリーが進展し、主人公が友人たちとセインツを結成すると、ほかの派閥の怒りを買い、抗争に繋がることもある。映像では敵対する派閥の拠点となる工場にカチコミに行くことになった。ヘリを盗み、敵対派閥に空からの激しいミサイルの嵐を浴びせるその光景は、もはやギャング同士の抗争と呼ぶにはあまりに過激。ほかのゲームではなかなかお目にかかれないだろう。
ここでスキルに関する説明が入った。スキルは経験値を使って習得し、一度に4つまでを有効にできるという。こちらもスマホによって気軽に付け替えできる。今回は火を使う武器を得意とする派閥と戦うということで「火属性耐性」のスキルを有効にしていた。また、スキル以外にパークもあるという。
工場の前にいた敵を蹴散らして中に入ると、まだ大勢の敵が残っていた。周囲にあるドラム缶や車両を銃撃で爆発させるなど、ド派手に立ち回るのが気持ちよさそう。武器ホイールでスピーディにほかの銃器へと持ち帰ることも可能。スナイパーライフルを使用すれば、遠くにいる敵も狙い撃つことができる。すべての武器には課題をクリアすることでアンロックできる固有の能力があり、このミッションではクルマへのダメージを大幅アップする「バーストライフル」で、工場内のクルマを爆破し、敵を巻き込んで倒してまわっていた。
敵にもさまざまな種類があり、今回は「グラディエーター」と呼ばれる、突進攻撃を繰り出してくる屈強な男が登場していた。身体が多少燃えてもためらわず襲ってくる者もおり、ほかの敵に紛れて登場したときはとくに厄介な相手になりそうだ。
ミッションを終えると帰ることになるのは、主人公が所属するセインツの本部。街の真ん中にある廃墟のような教会だ。セインツが成長すれば本部もより大きくて豪華なものになり、さまざまな便利機能がアンロックされるとのこと。建物の中は100種類を超えるインテリアで飾り立てることができ、ここにいる仲間たちの台詞は直近で関わったミッションやアクティビティによって変わってくるなど、遊び込むほど楽しみが増えるようだ。
武器の管理もこのセインツ本部で行う。弾薬の購入・交換、アップグレード、性能の微調整にカスタマイズ。カラーの変更やデカールを貼ることもできる。豊富な設定で、自分だけの愛着が沸く武器を作り上げることができそうだ。
今回の映像で「最もエキサイティングな新機能のひとつ」と紹介していたのが「ウォーテーブル」。街中に点在する14の空き地にベンチャー企業を設立。これにより新たなゲームプレイがアンロックされ、地区制圧への道が開かれるとのこと。設立する企業の種類によって、街中で行う犯罪の幅が広がる模様。ストーリーだけじゃなく、さまざまな面で成り上がりを実感できる機能となりそうだ。
敵を仮設トイレごと引き回し!馬鹿馬鹿しさはそのままに、深化を遂げたゲームプレイに期待
今回の映像で最後に紹介されたミッションでは、セインツの仲間であるケビンが敵対勢力の「アイドルズ」に拉致され、彼らの拠点へと殴り込みに行くことに。ここでは「セインツロウ」シリーズらしい、現実離れしたパワーの数々が紹介された。
まずはパンチ・キックなどの近接攻撃をヒットさせるとテーザー銃の攻撃のように敵に膨大なエネルギーが流れ込むアビリティ。スキル「フレイミングパンチ」は炎をまとった強力なパンチをお見舞いできる。さらにはSMG(サブマシンガン)を二丁持ちし、その攻撃力で敵を圧倒する様子も見ることができた。
すべての敵を倒してもケビンの居場所は分からず、事情を知る誰かを尋問しなければならなくなった主人公。ここでなんと、仮設トイレに入っていた敵を、トイレごとクルマで引きずり回すことに! その所業に耐えかねた敵はついにケビンの居場所を吐き、次の目的地はついにケビンが囚われている場所。その後も事態は二転三転しつつ、無事ケビンを助け、敵のパーティーを壊滅させたところで映像は終了となった。
新たなシステムが多数盛り込まれ、ゲームプレイは深化を遂げつつ「リアル過ぎない」馬鹿馬鹿しさというシリーズが持つ魅力も、しっかり継承された新生「セインツロウ」。プレイできる日が楽しみだ。