「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(以下、「プロセカ」)のゲーム内で2022年6月11日に行われた有償ライブイベント「コネクトライブ Vivid BAD SQUAD 1st CRASH」のレポートをお届けする。
この日は計3回の公演が行われたが、筆者が参加したのは21:00開演の第3公演だ。公演への入場には、有償クリスタル1980個との交換で手に入るチケットが必須となっていた。また、チケットとゲーム内で使用できるさまざまなアイテムがセットになった“スペシャルグッズセット”を有償クリスタル3980個と交換することもできた。
昨年にはリハーサル公演も行われたコネクトライブだが、こちらには参加できていなかった筆者。まっさらな状態ではじめて体験した本公演は、ゲーム内ライブであることを意識しなくなるくらい、臨場感に満ち、気持ちの高揚するものだった。
「ビビバス」らしさが凝縮されたパフォーマンスから目が離せない!
「プロセカ」に登場するユニットのひとつであるVivid BAD SQUAD(以下、ビビバス)。メンバーである小豆沢こはね・白石杏・東雲彰人・青柳冬弥の4人と、彼らと共にあるバーチャルシンガーたちが、ほかのユニットに先駆けて「コネクトライブ」を行うということで、どんなライブになるのか――筆者はわくわくしながら開演のときを待った。
ライブ会場への入場を選択すると、ドームのような会場へとアバターが飛んでいく演出が入る。会場内ではバーチャルライブ同様、アバターの主観視点に。いつものライブ会場と違うのは、円形のセンターステージを我々観客が360度取り囲むような設計になっていることだ。もちろん、場内は自由に移動ができる。また、バーチャルライブと異なる点として、ほかのアバターが視界に被るようなことはなく、ステージを隅々まで見渡すことができた。
そうしてライブ前の会場の感触を確かめていると、小豆沢こはね・白石杏・東雲彰人・青柳冬弥・鏡音リン・MEIKOによる開演前のアナウンスが流れ、会場全体が暗転。ステージに設置された大型スクリーンにオープニングを飾る映像が次々に映し出され、カウントダウンが始まった。現実のライブを思わせる演出に、胸が高鳴る。
映像が終わると瞬く間に大型スクリーンが取り払われ、ビビバスの4人と初音ミクが登場。ライブのはじまるを飾る楽曲は「Forward」。爽やかなメロディに合わせた5人の明るい歌声、そしてビビバスらしい軽快なダンスパフォーマンスを披露してくれた。
コネクトライブでは、すべての楽曲がフルサイズで披露された。これまでのライブではゲームサイズしか見ることができなかった楽曲は、当然ながら新たな振り付けが追加されている。キャラクターたちのフォーメーションもセンターステージに合わせ、360°すべての方向にアピールするようなアレンジが施されているなど、想像以上に新鮮さを感じられた。
MCパートではパフォーマンスを終えたひとりひとりが自己紹介を行った。そのキャラクターらしい掛け合いと所作が、彼らに実在性を感じさせてくれる。最後には鏡音レンが登場。無邪気な仕草が可愛らしい。
レンとビビバスメンバーの5人で披露する楽曲は「Beat Eater」。黒とピンクを基調とした衣装と演出が、ステージをクールに彩る。天井から吊り下げられたモニターに映し出されたMVの映像もイカす仕上がりだ。
ライブ全編を通して印象的だったのは、画面タップで手拍子、そして歌詞へと合いの手を入れるのが、とても楽しいということ。ほかの観客のリアクションも聞こえてくる上に、合いの手は画面上に吹き出しとして表示され、視覚的にも一体感を感じられるのがおもしろい。1曲目では目に映るものの新鮮さのあまり、こうしたコール&レスポンスまでなかなか意識が向かなかったのだが、「Beat Eater」以降はこの楽しさを存分に満喫することができた。
再び鏡音レンから初音ミクへとバトンタッチし、立て続けに「RAD DOGS」を披露。メンバーが性別問わずビビバス史上屈指の“イケメン度”を叩き出す楽曲であり、今回のようなステージでは、誰の動きを追いかけるべきか実に悩まされた。
続く2回目のMCパートでは、観客に赤と青のいずれかのペンライトを掲げてもらい、赤が多ければ「楽曲についての話」を、青が多ければ「ライブの準備のときの話」をするというユニークな試みも。第3公演では「ライブの準備のときの話」になったのだが、第1公演、第2公演に参加した人は、ほかの話を聞けたかもしれない。
実はこのMCの途中、システム上のトラブルでライブが10分ほど中断になってしまったのだが、ステージ上のキャラクターから中断に関する謝罪の言葉を告げられたのには驚いた。トラブル自体は残念ではあったものの、まるで現実に演者が起点を効かせてアドリブで喋っているような様子に、むしろライブへの没入感は上がったように個人的には感じられた。
MCの終盤にはKAITOが登場。ビビバスのメンバーと共に披露したのは「シネマ」。こちらもサビでの「なーいなーい♪」「だーいたーい♪」などの合いの手で大いに盛り上がった。
これで公演は終了……と思いきや、画面タップで「アンコール!」の声援を上げられるように。観客中からの声援がしばらく続くと、初音ミクが登場。アンコールの声に応えて、ライブを続行することが告げられた。
続けてステージに姿を現したのは小豆沢こはね、白石杏、巡音ルカ。3人で披露したのは切ない歌詞とメロディが胸を打つ「Just Be Friends」だ。ストリート系ファッションの多いビビバスには珍しい、白を基調としたワンピース風の衣装にも目を奪われる。
さらに東雲彰人、青柳冬弥、KAITOの3人は「威風堂々」を披露。「プロセカ」の収録楽曲としては刺激強めな歌詞に、激しいダンスパフォーマンスにと、男性陣の色気が炸裂した。
パフォーマンスを終えると、直近2曲を披露した6人がステージ上に集合。巡音ルカとKAITOがステージをあとにすると、残ったビビバスの4人はアンコールの声援を送った観客席へと、ステージをぐるりと回って感謝の言葉を届ける。ここでもメッセージを送った観客にゲーム内のユーザー名で直接呼びかけるなど、驚きの演出が! 彰人が「おもしれぇ名前」とユーザー名を軽くいじっていたのが印象的だった。
初音ミクが合流し、正真正銘、最後の1曲として披露されたのはビビバスの4人の想いから生まれたあの楽曲、「Ready Steady」。パワフルで、クールで、目を奪われる、ビビバスの真骨頂とも言えるパフォーマンスで、ライブを締めくくってくれた。
最後にもう一度、全員で観客席をぐるりと回って声援に応える5人。こうして新鮮かつ現実のライブさながらの興奮をもたらしてくれたライブは、幕を閉じた。
「コネクトライブ Vivid BAD SQUAD 1st CRASH」セットリスト
1.Forward
2.Beat Eater
3.RAD DOGS
4.シネマ
<アンコール>
5.Just Be Friends
6.威風堂々
7.Ready Steady