「カプコン ファイティング コレクション」の魅力を紹介！ゲームセンターを熱狂の渦に巻き込んだ名作がいま再び

ある一定以上の世代からすれば、ゲームセンターは聖地とも言える場所であり、そしてゲーセンと言えば、対戦格闘ゲームで青春時代を過ごしたという人も決して少なくないはずだ。

2022年6月24日に発売される「カプコン ファイティング コレクション」は、そんな人たちの熱い思い出が蘇ってくること請け合いの一作。その名の通り、カプコンの対戦格闘ゲームが網羅されたタイトルだ。今回はそんな本作の魅力を紹介していこう。

本作の特徴は、ゲームセンターを賑わしたカプコンの対戦格闘ゲームが10タイトル収録されていること。収録タイトルは以下の通り。

ハイパーストリートファイターII
ポケットファイター
スーパーパズルファイターII X
サイバーボッツ
ウォーザード
ヴァンパイア -The Night Warriors-
ヴァンパイアハンター -Darkstalkers' Revenge-
ヴァンパイアセイヴァー -The Lord of Vampire-
ヴァンパイアハンター2 -Darkstalkers' Revenge-
ヴァンパイアセイヴァー2 -The Lord of Vampire-

収録タイトルを一挙紹介

知る人ぞ知る作品から誰もが知る名作まで幅広いラインナップと言えるが、中でも注目なのは、家庭用ゲーム機初登場となる「ウォーザード」ではないだろうか。対戦格闘ゲームというベースの部分は他の作品と共通しているものの、敵を倒してレベルを上げたり、パスワードを入力することで次回プレイ時に続きから遊べたりと、およそ格闘ゲームの常識とは一線を画すRPGライクな要素を盛り込んだ挑戦的な作品だ。

プレイヤーキャラクターは「レオ」「タバサ」「タオ」「ムクロ」の4人とやや少なめに思えるが、キャラ1人1人にしっかりとしたストーリーが用意されていたり、CPU戦が充実していたりと、1人でも腰を据えて楽しめる。他の対戦格闘ゲームとは毛色が違うからこそ、個性的な部分が評価されている作品と言えるだろう。

ちなみにタバサは「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS」、レオ、ムクロ、敵キャラとして登場するハウザーやヌールは「カプコン ファイティング ジャム」に参戦しているため、「ウォーザード」をやったことがなくとも、彼らを知っているという人も多いのではないだろうか。

「ウォーザード」の話が出たところで、他のタイトルにも触れていきたい。「ハイパーストリートファイターII」は「スーパーストリートファイターIIX」をベースにしつつ、歴代「ストリートファイターII」の性能を自由に選択できるシリーズ集大成とも言えるタイトル。初代「ストリートファイターII」のリュウと「スーパーストリートファイターIIX」のリュウという新旧のリュウ同士で戦えるユニークさも本作ならではの特徴だ。

「ポケットファイター」は「ストリートファイター」シリーズのキャラが二頭身となり、かわいくコミカルな演出と共に戦いを繰り広げる異色作。操作性もシンプルになっており、通常「ストリートファイターII」シリーズでは6ボタンのところ、本作では3ボタンを採用。ボタン連打でコンボが繋がるシステムなども用意されており、格闘ゲーム初心者でも取っつきやすい。

「ヴァンパイア」シリーズからモリガン、レイレイ、フェリシア、「ウォーザード」からタバサも参戦しており、作品の垣根を超えたバトルが楽しめる。

収録タイトルで唯一のパズルゲームが「スーパーパズルファイターII X」だ。いわゆる落ち物パズルで、カジュアルな操作性と可愛らしいキャラクターが魅力。連鎖の要素もあるため対戦者との駆け引きも熱い。

「ストリートファイターII」シリーズからはリュウ、ケン、春麗などおなじみのキャラが参加。さらに「ヴァンパイア」シリーズからはモリガンやドノヴァンといった面々が参加しており、ポケットファイターと同じく、作品の垣根を超えた共演がファンの心をくすぐる。格闘ゲームの息抜きにサクッと遊べるカジュアルなタイトルとしてオススメしたい。

サイバーボッツは、対戦格闘ゲームとしては珍しいロボット同士の戦いを描いた作品。1995年のアーケード版登場から30年近く経っているものの、未だ根強いファンを抱える隠れた名作だ。パイロットがロボット型兵器に乗り込んで戦うという、往年のロボットアニメを思わせる設定に心熱くなった人も多いのではないだろうか。

キャラクターの人気も高く、主人公のジン・サオトメは、同じくカプコンの「マーブルVSカプコン」にも登場しており、ファンから好評を持って迎えられている。同作で「サイバーボッツ」を知ったという人も多いはずだ。

「ヴァンパイア」は、「ストリートファイターII」全盛の1994年に突如現れた完全新作の対戦格闘ゲーム。「ストリートファイターII」シリーズとの最大の違いは、登場キャラクターが人間ではなく、「ダークストーカーズ」と呼ばれる闇の住人たちであること。人間では考えられないダイナミックなアクションが多くのゲームファンの度肝を抜いた。

それらを可能にしているのが流麗なアニメーションを用いた表現方法で、動きの滑らかさも他の対戦格闘ゲームとは一線を画すもの。圧倒的な先見性を感じさせる衝撃のタイトルだった。

「ヴァンパイア」シリーズの人気を決定づけた不屈の名作。それが「ヴァンパイアハンター」だ。前作のシステムをベースにしつつ、さらにブラッシュアップしている。レイレイとドノヴァンという2人の新キャラクターが追加され、さらなる盛り上がりを見せた。

対戦ツールとしての出来も良く、バランスの取れた調整によって、対戦も大いに盛り上がった。アーケード版の後、セガサターン版も発売され、そちらも大ヒットを記録。さらにOVAとしてアニメ化もされるなど、ゲーム以外の展開も盛り上がった。

ナンバリングに相当する続編という意味では、現状ラストとなる「ヴァンパイアセイヴァー」。ハンターで追加されたドノヴァン、フォボス、パイロンが不参加となり、代わりにジェダ、リリス、バレッタ、キュービィの4名が追加。ラウンド制が廃止され、よりスピーディな展開になったことも大きなインパクトだった。

キャラクターごとに異なるパワーアップを遂げる「ダークフォース」も対戦の駆け引きを熱いものにしている。こういったことから、ハンター同様、対戦ツールとしての出来も良く2022年現在でも根強いファンが多い作品だ。

最後に、「ヴァンパイアハンター2」と「ヴァンパイアセイヴァー2」にも触れておきたい。「ヴァンパイアハンター2」は「ヴァンパイアセイヴァー」で追加された4人が登場しないかわりに、ハンターの登場キャラであるドノヴァン、フォボス、パイロンが追加。基本的には「ヴァンパイアセイヴァー」に近いが、演出、BGM、エンディングの変更のほか、細かい部分がチューンナップされている。

一方の「ヴァンパイアセイヴァー2」も一部キャラクターの変更や、バランスの調整などが行われたアップデートバージョンとも言える作品だ。

ゲーム以外の部分も充実。あの熱かった対戦の日々をもう一度……！

「カプコン ファイティング コレクション」に収録されているタイトルは、全てオンライン対戦に対応している。「ハイパーストリートファイターII」や「ヴァンパイアセイヴァー -The Lord of Vampire-」などは現役でプレイしている人たちも多いため、現行機で快適にオンライン対戦できるのは、ファンにとっては願ってもないことだろう。

また、ギャラリーやミュージックといったコンテンツも充実しており、資料価値も高い。各収録タイトルは対戦ツールであるのはもちろんだが、世界観やキャラクターの魅力も大きい。そのため、キャラクターや音楽の部分が好きという人も納得できる内容になっているのではないだろうか。

そのほか、細かい部分ではあるが、画面フィルターが複数用意されていたり、ボタンカスタマイズ、イージーモードの搭載など、プレイをアシストする機能も充実。実績を確認できるファイターアワードも、やり込み勢にとっては嬉しい要素だ。

10タイトル＋オリジナル機能というボリュームで、ダウンロード版が4,536円（税込4,990円）、パッケージ版が4,990円（税込5,489円）とリーズナブルな点も見逃せないポイントだ。当時の熱気を味わいたいという人は、ぜひ購入を検討してみてほしい。