バンダイナムコエンターテインメントが2022年8月25日に発売を予定している、PS5/PS4/Xbox series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Windows、Steam)用ソフト「SDガンダム バトルアライアンス」。7月22日より配信される体験版の先行プレイレポートをお届けする。
幾多の「ガンダム」世界が入り混じる「G:ユニバース」が舞台
本作は、「ブレイク現象」によって歪められた、様々な歴代「ガンダム」作品の物語が展開する作品だ。
「ジムの稼働データ収集」を任務とした試験部隊「ギャザーロード隊」に所属する主人公は、数多の歴史が集う世界「G:ユニバース」に迷い込んでしまう。主人公たち「ギャザーロード隊」は、元の世界に戻るためにブレイク現象によって歪められた歴史である「ブレイク・ミッション」を修正し、「トゥルー・ミッション」へと戻すための戦いに挑むことになる。
物語中でも語られている「ブレイク・ミッション」は、本作を象徴する要素だ。
例えば、今回プレイできた「ジオンの脅威」は「機動戦士ガンダム」の第12話を再現したステージ。元々の「ジオンの脅威」は、歴戦のジオンのエース、ランバ・ラルがグフに乗ってホワイトベースに奇襲をかけるエピソードだ。
Gユニバースへと迷い込んだ本作の主人公たちは、友軍として認識されたホワイトベースとジオンの戦闘に巻き込まれることになるのだが、ホワイトベースには本来その場にいるべきアムロ・レイが不在の状態。さらに増援として登場するはずだったランバラルとグフも、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の三日月・オーガスとガンダム・バルバトス(第6形態)へと変化。主人公たちは戸惑いながらも三日月と戦うことになる。
ここまでなら、いくつかの「SDガンダム ジージェネレーション」シリーズタイトルで採用されていた「ジェネレーションブレイク」を連想する人も少なくないかと思うが、本作の「ブレイク・ミッション」が面白いのは、ミッション同士につながりが存在していること。例えば「ジオンの脅威」からいなくなったランバ・ラルとグフは、また別のステージで増援として登場するようになっており、それぞれの作品世界に影響を及ぼしあう形になっている。
また、幼馴染でギャザーロード隊のオペレーターも務める「ユノ・アスタルト」、「G:ユニバース」の水先案内人AIである「サクラ・スラッシュ」、ユノに改造された「ガンダム」シリーズお馴染みのマスコットロボ「ハロ」、正体不明のMS「ガンダム・ラトレイア」を駆るライバル「ハーメス・マーキュリー」といったオリジナルキャラクターたちも多数登場する。
「ジオンの脅威」では、初対面のギャザーロード隊をブライト・ノアがホワイトベースの一員として認識していることにユノが戸惑う一幕も見られた。一年戦争時代の部隊であるギャザーロード隊が、今後「逆襲のシャア」や「ガンダムUC」の時代に対してどういったリアクションをするのか想像するのも楽しく、歴代「ガンダム」シリーズのキャラクターたちと、オリジナルキャラクターたちの絡みも面白いポイントになりそうだと感じた。
オリジナルキャラクターたちを軸に、個々のミッションが地続きで繋がってるので、しっかりとしたストーリー性を感じられた。本作のシナリオは、「スーパーロボット大戦」シリーズに関わっていた森住惣一郎氏が担当しており、これまでのガンダムゲームとは一味異なるストーリー展開にも期待できそうだ。
自由自在なコンボが可能な爽快感抜群のアクション
ストーリーと並んで、今回の体験会で印象に残ったのが、スピードと爽快感が満載のアクション性の高いバトルだ。
まずMSごとに武装が異なる「通常射撃」、「格闘攻撃」、「SUB兵装攻撃(2種)」、「特殊攻撃」の4つの基本攻撃に加えて、ボタン長押しで発動できる「打ち上げ攻撃」と「回転攻撃」という2種の派生攻撃も存在。空中で打ち上げた敵を追撃する「エリアル」攻撃もあり、攻撃の種類が非常に多い。
さらに、「通常格闘×2→打ち上げ攻撃で敵を空中に浮かせる→エリアル攻撃で追撃→空中で吹っ飛んだ敵を通常射撃、SUB兵装攻撃でさらに追撃」といったように、それぞれの攻撃同士がコンボとして繋がるようになっているのがとにかく気持ちいい。コンボをつなげていくと、必殺技である「スペシャルアタック」を使うためのゲージが効率よく溜まっていくメリットも存在する。
使用するボタンが多いので最初は少し戸惑うかもしれないが、それぞれの攻撃がしっかりとロックオン対象を追尾してくれるので、コンボ自体を繋げるのは決して難しくない。慣れてくればアクションゲームが苦手な人でも、スタイリッシュなコンボをガンガン決めることができるようになるだろう。
またHPの他にも、エース級の機体には「バランサーゲージ」が存在しており、0になると敵が一定時間ダウンする。バランサーゲージを削るにはSUB兵装攻撃が効果的だが、敵の背後から格闘攻撃を行うと「バックアタック」扱いとなり、大幅にバランサーゲージを削ることができる。
敵の攻撃に対しては、ステップかガードを行うのが有効。敵の攻撃にあわせてタイミングよく入力すると「ジャストステップ」及び「ジャストガード」が発動する。とくに格闘攻撃に対して「ジャストガード」を成功させると、攻撃を無効化しつつカウンターでダメージを与えられるため、積極的に狙っていきたいところなのだが、タイミングはなかなかシビア。失敗するとダメージを受けてしまうこともあり、使いこなすにはかなりのやりこみが必要そうだと感じた。
それぞれのMSには、格闘攻撃が得意な「インファイター」、射撃が得意な「シューター」、バランスに長けた「オールラウンダー」という3種のロールが振り分けられている。インファイターなら敵のヘイトを稼ぐのが得意など、それぞれのロールごとの特色に加えて、ロールごとに異なる「ロールアクション」も使用できる。
3機のチームを編成して出撃。全ステージでマルチプレイが可能
本作では、プレイヤーと2機の僚機を含む、合計3機のMSを編成してミッションに挑むことになる。僚機についてはパイロットに紐づいた機体を設定することが可能で、歴代のガンダム作品から登場する様々なキャラクターたちと共闘するドリームチームを編成できる。
マルチプレイでは、僚機の代わりに他プレイヤーが参加する形となる。本作では、全ミッションマルチプレイ可能で、ミッションの進行状況も共有されるとのことなので、フレンドと一緒にプレイしながらゲームを進めることもできそうだ。
ミッション中、僚機か他プレイヤーが戦闘不能になった際は、近づいて「レストア」を行うことで復帰させることが可能。ただしレストア中は無防備になってしまう上、修理が完了するまでかかる時間も結構長め。自身が撃破された場合も即ミッション失敗にはならず、「リペアキット」等の復帰用アイテムを消費して即戦線に復帰することもできる。
今回は実際のマルチプレイも少しだけ体験することができたが、やはり他のプレイヤーの存在は心強く、バックアタックなどを狙える機会もソロプレイの時より増えていると感じた。慣れてくれば、他のプレイヤーが打ち上げ攻撃で打ち上げた敵を、別のプレイヤーがエリアル攻撃で追撃する……といったマルチプレイならではの連携プレイも狙っていけそうだ。
また今回筆者はPS5版をプレイさせてもらったが、MSの3Dモデリングの素晴らしさも印象的なポイントだった。ガンダム・バルバトスがとくに顕著だったが、ゴリゴリのヴェザリング処理が施されており、兵器としてのMSの雰囲気がしっかりと描写されている。SDガンダムの頭身で、ミリタリー寄りの表現がされるのはかなり新鮮で、ガンダムファンであれば一見の価値はあるだろう。
本作はアートディンクが開発を担当、さらに名前に「バトル」の名前が冠されていることから、主にPSPで展開されていた「ガンダムバトル」シリーズのイメージを思い浮かべるプレイヤーも多いかと思うが、かなりテイストが異なっていると感じられた。
「ガンダムバトル」シリーズは、膨大な数のMSに自由度の高いカスタマイズを行えるのが大きな魅力となっていたが、本作はアクション性がもっとも重視されているという印象を受ける。また、今回のプレイではまだその本質的な面白さまでは体験できなかったのだが、MSにロールやヘイトという概念が持ち込まれたことで、3機の中で役割を分担しながら戦術を考えていく、チーム戦ならではの楽しみにも期待できそうだ。