2022年9月15日~18日にかけて開催中の東京ゲームショウ2022。ハピネットブースで試遊できる2022年12月15日発売予定のPS5/PS4用非対称型対戦ホラーアクション「Evil Dead: The Game」について、プレイレポートをお届けする。
ゲームは4人の生存者(サバイバー)と1体の死霊(カンダリアン・デーモン)に分かれて対戦するという内容。生存者・死霊ともに、スプラッターホラー映画「死霊のはらわた」シリーズに登場したキャラクターたちをモチーフにしており、外見のみならず、それぞれの能力もまた原作での活躍を彷彿とさせるものになっている。
H2 INTERACTIVEが販売する日本語版はPS5/PS4用のみではあるものの、PC版など他機種とのクロスプレイもできるとのこと。加えて世界中とマッチングするので、かなり幅広いプレイヤーと対戦を楽しむことができるそうだ。
勝手な行動を取った者から死霊の餌食に!? 遊び込むほど深みが感じられそうな片鱗が見えた
今回はブースのスタッフさんに協力いただき、通常は4対1のところを3対1でプレイした。それぞれの陣営の目的としては、生存者たちは協力して、フィールドを探索しながら画面上に表示された複数のタスクを順番にこなし、“死者の書”を封印するのが目的だ。一方の死霊は、あの手この手でこれを妨害。“死者の書”を封印できれば生存者の勝利、これを妨害し切れば、彼らの生死に関わらず死霊の勝利となる。
まずは生存者でのプレイについて書いていこう。生存者のキャラクターには4つのクラスが割り振られている。近くの生存者のステータスを向上させる「リーダー」、戦闘に長けた「ウォリアー」、射撃に長けた「ハンター」、回復アイテム“シェンプコーラ”やシールド的アイテム“アミュレット”を多く装備できる「サポート」の4種だ。
筆者は射撃による死霊への反撃で爽快感が味わえそうという理由でハンターを選んだのだが、想像していたのとは違う展開を味わうことになった。そもそも、銃がなかなか手に入らないのだ。銃弾はそこそこ手に入るのだが、銃が無ければ意味がない。
なんとか「バラバラになった地図の切れ端を集める」といったタスクを進めていくも、フィールド上に配置されたNPCの死霊たちに襲われたり、死霊に憑依されて一時的に操作不能になるなど、苦戦を強いられる。自分よりも先にダウンした味方を助けようと駆け寄ったのだが、もう少し……というところでこちらの体力も尽き、敗北が確定。なんとも悔しさの残る結果となってしまった。
続いては死霊側でのプレイについて。こちらのクラスは「ウォーロード」、「パペッティア」、「ネクロマンサー」の3種で、今回はネクロマンサーでプレイ。複数の生存者にひとりで立ち向かうこともあり、死霊は移動速度が非常に速く、ある程度近づくと生存者の居場所が捕捉できるなど、非常に強力な能力を持っている。
また、死霊はフィールド上に散らばっている赤いエネルギーを収集することでポイントを貯めて、これを消費してトラップを設置するなどの特殊能力を使うことができる。こうした点でも、積極的に動き回るのが良さそうだ。
NPCの死霊を強化したり、生存者のみならず、その辺にある木や、さらにはクルマにも憑依できるなど、生存者を追い詰めるための選択肢は実に豊富で、追い詰め方をいろいろと企めるのが死霊側の楽しいところかもしれない。この死霊側でのプレイも決め手になる行動は取れずに時間切れとなってしまったが、生存者側もタスク達成とはいかなかったので、対戦結果の面では勝利することができた。
今回のプレイでは、生存者側・死霊側ともに、ゲームの要点を捉えるところまでは行かず、少し悔しさが残る結果となった筆者。一方で、繰り返しプレイすれば、ただ撃ち合うだけの対戦ゲームとはまったく異なる戦略性が楽しめそうな手応えもあった。
製品版では、ゲームをプレイするたびに経験値が手に入り、これによってスキルを習得できるといったキャラクターの強化要素があるとのこと。何度も繰り返しプレイするモチベーションのひとつになりそうだ。
また、プレイに慣れていないうちは死霊側が勝ちやすいが、慣れた者同士だと、しっかり連携が取れている生存者に対しては、死霊側が多勢に無勢。かなり考えて行動しないと、勝利が難しいバランスになるのだそう。こうした点でも、遊ぶほどに深みが感じられるゲームと言えそうだ。
死霊側での憑依について補足すると、生存者たちの“恐怖値”のゲージが高まっているほどに憑依はしやすくなり、“恐怖値”は単独で行動する、マッチなどの灯りを灯さずに行動するなどによって高まっていくとのこと。タスク達成などの功を急ぎ、ひとりで身勝手な行動を取った生存者から死霊の餌食になってしまうというように、スプラッターホラーのお約束な状況がゲームシステムによって引き起こされるだろう点は、かなりおもしろいと感じた。
キャラクター描写や舞台設定のみならず、ゲームシステム面でも原作への深いリスペクトが感じられる本作。対人戦がメインのゲームは遊ぶ人、遊ばない人がハッキリ分かれるジャンルかと思うが、「死霊のはらわた」のファンには、ぜひプレイを検討してみてほしい。