2023年3月4日に府中の森芸術劇場 どりーむホールにて開催された「Tokyo 7th シスターズ 2053 1st Live Startrail(スタートレイル)」のレポートをお届けする。
DONUTSが運営するアイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム「Tokyo 7th シスターズ THE SKY'S THE LIMIT」(以下、ナナシス)内において、2022年2月より展開が始まった新たなメインエピソード「EPISODE 2053(エピソードニーゼロゴーサン)」。作品世界において先の未来を描いた「EPISODE 5.0」からさらに10年後の2053年を舞台に、新たなアイドルたちの活躍を描いた新章だ。
この「EPISODE 2053」から登場したアイドルたちだけで構成された初めてのライブが、今回レポートする「Tokyo 7th シスターズ 2053 1st Live Startrail」となる。フレッシュながら、すでに完成度の高いパフォーマンスを見せてくれた「EPISODE 2053」のアイドルたちの様子が、少しでも伝われば嬉しい。
出演者(敬称略)
天希かのん(星影アイ/奈々星アイ役)
星ノ谷しずく(一ノ瀬マイ役)
山田麻莉奈(朝凪シオネ役)
天野聡美(月代ユウ役)
橘一花(タン・シヨン役)
長谷川玲奈(フラナ・リン役)
七海こころ(恋渕カレン役)
小茅楓(一ノ瀬ミオリ役)
まったく個性の異なる4ユニットの競演に終始釘付け!
トップバッターは星影アイ・月代ユウのユニット、Stella MiNE(ステラマイン)。1曲目として「Protostar」を初披露。サビの「君を連れ出すよ 銀河の海へと」というフレーズが、我々を「EPISODE 2053」の世界へと、いざなってくれているように感じられる。
2曲目に披露したのは「You & I =(ユウアンドアイ)」。今回のライブでStella MiNEのふたりが身にまとっていた新衣装は、この「You & I =」のジャケットビジュアルで描かれていたものがモチーフ。アシンメトリーながら、ふたりが並べば左右対称、そして片側にだけあしらわれたマントが両翼のように見えるデザインが、ふたりでスターダムを駆け上がったStella MiNEとしての魅力を引き立てる。
続くMCパートでは、元気いっぱいなアイ、そしてクールなユウという“キャラクターとしての自己紹介とトーク”のあと、天希かのんさん、天野聡美さん自身としての自己紹介、そしてトークが行われた。
今回のライブでは、すべてのユニットのMCが“キャラクターの自己紹介&トーク+キャストの自己紹介&トーク”といった流れで進行。このパートでも、アイと同様に明るく会場を盛り上げてくれる天希さん、ユウとはギャップのあるおちゃめな一面を見せる天野さんといった形で、キャラクターとキャスト、どちらの面も見せてくれたからこその楽しさにワクワクさせられた。
Stella MiNEのパフォーマンスはまだまだ続く。もはやおなじみとなった代表曲「Be Your Light」を皮切りに、「Endless Moment」、「We Are Stars」を披露。「EPISODE 2053」の世界で半ば伝説となったユニットという設定に説得力をもたらす、パワフルな楽曲群を見事に歌い切った。
2組目に登場したのは、「ナナシス」のライブ初参戦となる恋渕カレン・一ノ瀬ミオリのRiPoP(リポップ)。「ゴチャメチャ×ワンダーランド」、そして「ライフ・イズ・サーカス」を立て続けに披露。
ゲーム内のストーリー的にはライバルユニットという位置づけだが、ある意味これに似つかわしくないキュートさに全振りの楽曲で、会場の空気をガラッと変化させる。「ゴチャメチャ×ワンダーランド」で会場の壁に投射された、お菓子やおもちゃのシルエットも、楽しくて可愛い世界観を演出する。
MCパートでは、一ノ瀬ミオリ役の小茅楓さんが、中学生のころから「ナナシス」をプレイしていたことが話題に上った。支配人(ナナシスのファンの総称)のひとりだった小茅さんがいまはステージに立っている事実と、「ナナシス」が先日迎えた9周年という歳月の大きさを改めて意識させられ、感慨深い。
また、七海こころさんの恋渕カレンとして喋っているときと自分自身として喋っているときで、スイッチを切り替えるようにガラッと雰囲気が変わるMCも印象的だった。七海さんと小茅さんの可愛らしい掛け合いに、ほっこりした支配人は多かっただろう。
3組目に登場したのは奈々星アイ・一ノ瀬マイ・朝凪シオネのAsterline(アステルライン)。最初に披露したのは「Starlight☆Asterism!!!」。ポップで、そしてユニットのカラーを全力で表現するようなパフォーマンスに会場はノリノリ。客席のサイリウムは3人のイメージカラーでカラフルに染まる。
続いて「SERENDIPITY」を披露したあと、MCパートへ。奈々星アイ役の天希かのんさん、一ノ瀬マイ役の星ノ谷しずくさん、朝凪シオネ役の山田麻莉奈さんのすでに気心の知れたような掛け合いが微笑ましい。Stella MiNEのMCで一度行った2053メンバー特有の挨拶をもう一度説明しようとした星ノ谷さんに、天希さんが突っ込みを入れる――これに対して星ノ谷さんが拗ねてみせ、それを温かく見守る山田さん――といったコミカルなやり取りは、3人のいまの関係を象徴していたと言えるかもしれない。
AsterlineのパフォーマンスはMC後も続き、「Reach for the Meteor」、「Magic hour」、「Time Machine」を立て続けに披露。アップテンポで楽しくも、どこかセンチメンタルな楽曲群が、ステージの終わりを惜しむように響く。ラストの「Time Machine」は、至るところにクラップ音が散りばめられた楽曲。会場全体が一層の一体感で盛り上がったまま、3人はステージをあとにした。
最後となる4組目に登場したユニットは月代ユウ、タン・シヨン、フラナ・リンのRoots.(ルーツ)。海外大手プロダクションが仕掛けたオーディション番組「Roots.」で結成されるユニットの設定を体現した、堂々としたパフォーマンスを見せる。
「Find Me」、そして「WONDEЯ GIRL」を立て続けに披露。新衣装は「WONDEЯ GIRL」のジャケットビジュアルのもの。漆黒のロングブーツに鮮やかなピンク色のグローブといったコーディネートが、鮮烈な印象をもたらしていた。
MCパートでは、月代ユウ役の天野聡美さん、タン・シヨン役の橘一花さん、フラナ・リン役の長谷川玲奈さんが、いっしょにゲームセンターに遊びに行ったエピソードなどで盛り上がる。(ライブが終わると)いっしょにレッスンできなくなるのが寂しいといった話もあり、ピリピリした出会いから始まったゲーム内のRoots.とは異なり、3人が和気あいあいとした、非常に仲の良い関係であることがうかがえた。
Roots.はさらに「Hidden Stages」、そして最後に「New Age」を披露。最高にクールでスタイリッシュなパフォーマンスに、誰もが釘付けになったことだろう。
アンコールでは、出演キャスト全員で「Along the way」を披露。「未完成の地図を また広げて続きを描き出そう」というフレーズは、「EPISODE 2053」という始まったばかりの物語とも重なるような気がした。
さまざまな物語が紡がれてきた「ナナシス」において、新たなスタートラインから、誰も見たことがない物語を描き始めたばかりの「SEPISODE 2053」。「Tokyo 7th シスターズ 2053 1st Live Startrail」でキャストたちが見せてくれた“キラッキラ”なパフォーマンスは、この物語の“これから”が、いっそう楽しみになるものだった。
これから描かれる物語、そして開催が決定した「EPISODE 2053」の2nd Liveへの期待に胸を膨らませつつ、いまは1st Liveの余韻に浸ろうと思う。