2023年4月22日・23日、さいたまスーパーアリーナにて「アイドルマスター ミリオンライブ!」(以下、「ミリオンライブ!」)の10thライブツアー「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR」(以下、ミリオン10thライブツアー)最初の公演となる「Act-1 H@PPY 4 YOU!」が開催された。ここでは、4月23日のDAY2の模様をお伝えする。

DAY1と同様、DAY2も1stライブ「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 1stLIVE HAPPY☆PERFORM@NCE!!」から4thライブ「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!!」を振り返る構成で、10年の歩みと成長を感じさせるステージとなった。

なお、本公演の配信チケットは2023年5月1日12:00まで販売しており、DAY1/DAY2とも2023年4月24日18:00~5月1日23:59(予定)の期間にアーカイブ視聴することが可能となっている。

DAY2出演者(敬称略)

Machico(伊吹 翼役)
愛美(ジュリア役)
麻倉もも(箱崎星梨花役)
阿部里果(真壁瑞希役)
稲川英里(大神 環役)
大関英里(佐竹美奈子役)
木戸衣吹(矢吹可奈役)
桐谷蝶々(宮尾美也役)
小岩井ことり(天空橋朋花役)
駒形友梨(高山紗代子役)
近藤 唯(篠宮可憐役)
諏訪彩花(徳川まつり役)
髙橋ミナミ(馬場このみ役)
原嶋あかり(中谷 育役)
山口立花子(百瀬莉緒役)

765プロの高木順二朗社長の小粋なトークや、事務などをしている音無小鳥さんによる注意事項アナウンスがあり、DAY2の開演だ。1stライブを思い出させる開演ブザーからオーバーチュア(Overture)が流れ、1stライブ〜4thライブの公演ロゴが描かれたステージにライトが灯ると、そこにはメンバーの姿が。

オープニングは「Thank You!」。歌詞に〈小さなキセキの日曜日〉とあるように、さまざまなキセキや伝説を起こしてきた「ミリオンライブ!」の周年ライブ、この日曜日にはなにが起こるのか。そんな期待と興奮が入り混じったコールが会場に響き、メンバーもみんな嬉しそうに最高の笑顔を浮かべる。ちなみに、周年ライブでの「Thank You!」はアンコールのラストで歌われることも多いため、フルで振り付けをちゃんとやるのは珍しいことでもあった。

曲後にはメンバーから自己紹介があり、10年分の感謝やライブに向けた意気込みを述べていく。DAY1からの連鎖か噛んでしまう人がいたり、謎の可愛いポーズをしてみたり、「ミリオンライブ!」らしいわちゃわちゃ感はDAY2でも健在だ。

衣装は今回も、4thライブまでの各衣装をつなぎ合わせて作成されたオリジナルのもの。ここが1stで、こっちが2nd……など説明していたように、とても面白い衣装となっているのでぜひライブ写真や本人たちのTwitterなどで、どの部分がいつのライブのものなのかチェックしてみてもらいたい。

そして、DAY2はソロ曲ではなく「ドリームトラベラー」からスタート。この曲はCDシリーズ「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER HARMONY」(以下、「LTH」)の「08」に収録されており、オリジナルはユニット「ミックスナッツ」が歌唱している。そのメンバーである大関さん、原嶋さん、髙橋さんに、今回は麻倉さんと稲川さんを加えた5人で披露。オリメンでは原嶋さんが初披露となる。宇宙の惑星などのイラストが描かれたスクリーンをバックに、軽快なメロディに乗せてプロデューサーたちを巻き込んで行くと、くるくる手を回す振り付けも楽しそう。「M・I・L・L・I・O・N」のコールもばっちり決まった。

続いて、阿部さんによる「POKER POKER」へ。こちらは「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER PERFORMANCE」(以下、「LTP」)シリーズの「05」に収録されている、真壁瑞希の最初のソロ曲。この曲を歌うのは初披露だった4thライブ以来であり、当時は緊張感が漂っていた阿部さんも成長を遂げ、持ち前の歌唱力でみんなを魅了する。間奏には、瑞希らしいカードマジックのような振り付けがあるのも楽しい。瑞希のキャラクター的に満面の笑みで弾むようなステージ、という感じではなくても楽しそうなのが伝わってくるステージだった。

駒形さんは、「LTP07」収録の初ソロ曲「君想いBirthday」を真っ直ぐに歌い上げる。披露するのは3rdライブツアー大阪公演以来となる。気持ちを届けるその声はとてもパワフルで、みんなの心を突き抜けていくようで、堂々としたステージングは覚醒した高山紗代子を思わせるものだった。曲の後半になると表情にはさらに笑顔が広がり、より熱量の増したパフォーマンスを見せてくれた。

下手側の円形サブステージに登場した桐谷さんは「ハッピ〜 エフェクト!」(「LTP10」収録)を披露。この曲もこれまであまり歌う機会がなく、初披露の4thライブ以来となる。ふんわりとした歌声は安定感を増したことでさらに魅力に溢れ、蝶のような振り付けも印象的だ。アウトロでの踊りもバレエを経験していたという彼女らしく、足先や指先まで優雅で綺麗だった。

本人が周年ライブ初出演となった3rdライブツアー仙台公演で披露して以来、こちらも久しぶりだったのが、原嶋さんが歌う「グッデイ・サンシャイン!」(「LTP08」収録)。逆サイドの円形ステージからダンサー2人とともに登場すると、はじめてのおつかい感のあるこの曲をステージで表現。ダンサーはさながら両親で「いってきま〜す!」とおつかいに出かけるのを見送るなど、物語を紡いでいく。原嶋さんも可愛く一所懸命な中谷育そのままの感じで、当時から何段階もレベルアップしたステージを見せた。

成長といえば、大関さんが披露した「スマイルいちばん」(「LTP09」収録)で感じた人も多いだろう。この曲は周年ライブとしては1stライブで初披露しており(リリースイベントではそれ以前に披露)、大関さん自身が「子鹿だった頃の私」と口にしていたように、当時は緊張が手に取るようだったが、今回は笑顔いっぱいのステージ。曲中に「わっほーい!」とジャンプしたり、プロデューサーたちに感謝を述べたりしつつ、ダンサーとのフォーメーションも可愛い。ずっと一緒にいたい気持ちを素敵な歌声と最高の笑顔、ウインクで届けてくれた。

最初のブロックラストは、声出し最適曲とも言えるであろう「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS」(以下、「LTD」)シリーズの「06」に収録されている「ジャングル☆パーティー」だ。オリジナルメンバーである稲川さんを筆頭に、Machicoさん、諏訪さん、駒形さん、木戸さん、髙橋さん、稲川さん、近藤さん、山口さんが会場をウンババウッホッホ!なパーティーへと様変わりさせる。“劇団ウンババ”とも言われたこともあるほど参加メンバーのはしゃぎっぷりは毎回すごく、中でも稲川さんは今回もさすがのひとこと。ステップもジャンプも異次元のダイナミックさを見せ、パーティーを盛り上げていた。

DAY2も各ブロックのラストは、数人ずつ登場してのMCパート。ここでは、Machicoさん、諏訪さん、駒形さん、大関さん、桐谷さんが1st〜4thライブを振り返りつつ、今回披露したソロ曲について語る。MachicoさんのMCは時に独特な空気を作り上げてしまうこともあるが、それが安心すると言われて笑っていた。

次のブロックは、いきなり雰囲気が一変。小岩井さん、髙橋さん、阿部さん、近藤さん、山口さん、愛美さんがスタンドマイクを使って「P.S I Love You」を披露し、ジャジーで色っぽい雰囲気をたっぷり表現。感情が揺さぶられるような歌声や、泣きそうなぐらい入り込んで歌う姿にみんなが魅了されていた。この曲は、4thライブ直前に展開されていたCDシリーズ「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD」(以下、「LTF」)の「02」に収録。歌唱ユニット「ピスケス」のオリジナルメンバー(近藤さん、小岩井さん、野村さん)で初披露した4thライブとはメンバーが違うからこそ、それぞれの個性が新たな色を生み出し、ラストはオリメン2人の「I love you」がみんなの心に突き刺さった。

さらに雰囲気が変わり、今度はいずれもオリジナルメンバーである原嶋さん、木戸さん、稲川さんが「Good-Sleep, Baby♡」(「LTP08」収録)を披露(原曲は仁後真耶子さんを加えた4人で歌唱)。3人が揃って「Good-Sleep, Baby♡」を披露したのは初めてであり、貴重なステージに。スクリーンにはたくさんの星が浮かび、みんなこっち〜と手招きする様子などは、アイドルたちの可愛い姿を思い起こされる。歌の安定感はみんな素晴らしく、木戸さんの高音は一段と綺麗。ラストに「おやすみなさい」と手を振ると、緞帳が降りるのも粋な演出だった。

星空に三日月が輝き、続けて麻倉さん、桐谷さんが「Smiling Crescent」(「LTD03」収録)を可愛く歌い上げる。リリースイベントで2人が揃うことはあったが、主に披露された3rdライブツアーでは毎回相手が違っていたこの楽曲。しかも、曲中に手を繋ぐ場面がどうなるかが、当時は話題のひとつにもなっていた。そんな楽曲を階段に腰掛けて歌う2人のハーモニーはとても綺麗で、間奏でのダンスも魅力的。最後に2人が手を繋いで歌うシーンも心が洗われる素敵なものだった。

同じシリーズの「04」より、大関さんと駒形さんは「Melody in scape」を披露。ほかの楽曲に比べると、オリメンでの披露が多いこともあり、2人の相性は今回も抜群。しかも、3rdライブの当時は駒形さんの迫力のある歌声が特に印象的だったが、今回は駒形さんも大関さんも歌声がすごく、それが重なると胸にドスンと響くほどの威力があった。しっかり前を向いたり、ちょっと斜め上を見て感無量な表情を浮かべたりする2人は、ラスサビでさらにギアが上がり、ラストのロングトーンはこれぞデュエットの化学反応と思わせる大迫力だった。

次に披露された「合言葉はスタートアップ!」(「LTH01」収録)は、この曲が来ると予想していた人が少なかったかもしれない。というのも、この曲は先輩たちによるユニット「レジェンドデイズの楽曲」であり、今回歌唱した3人(諏訪さん、小岩井さん、桐谷さん)はもちろんオリジナルメンバーではなく、ライブで歌うのも初めてだからだ。だが、3人が演じるアイドルはゲーム内のカードで「マイペースユニット」と表記されていたメンバーであり、そんな3人が10年という時を経て先輩たちの曲を歌うのは感慨深い。〈歴史に残るようなライブ〉といった歌詞も今回にピッタリだ。

このブロックのMCは、麻倉さん、髙橋さん、稲川さん、阿部さん、愛美さんが担当。ライブの思い出話をはじめると、とあることを思い出した麻倉さんの発言から、3rdライブツアーのメイキング映像にあった「壁ドン」をこの場で再現することに。愛美さんから壁ドンされて「I love you」と言われた麻倉さんは思わず膝から崩れ落ちていた。ちなみに他の3人は壁役。さらに、逆に麻倉さんが愛美さんに壁ドンすることにもなり、MCパートから派生したバラエティコーナーのようなノリで、みんなを楽しませてくれた。

ライブは中盤戦、3つ目のブロックへ。まずは、ステージ左右に登場した原嶋さんと小岩井さんが「HELLO, YOUR ANGEL♪」(「LTD04」収録)を披露。周年ライブでは3rdライブツアー幕張公演以来であり、その時に歌ったのは小岩井さんと諏訪さんだったので、リリースイベント以外では初めてオリメンが揃っての披露となった。軽快なリズムにのせて歌声が響き、徐々に近づいていった2人は最後にはしっかり並び立って歌い上げた。

このブロックのソロ曲は“聴かせる”楽曲の連続で、山口さんは「Be My Boy」(「LTP05」収録)を披露。最初のソロ曲として、百瀬莉緒の曲のイメージをつけたといってもいいような、切ない思いに溢れた楽曲だ。周年ライブでは3rdライブツアー以来、披露自体は「アイドルマスター ミリオンラジオ!」の公開録音イベント以来となる。思いをのせた歌声はとても綺麗で、後半に少し吹っ切れたように明るくなる感じも気持ちの変化を感じさせるもの。歌声だけでなく、うつむいて体を揺らす動きなどもすごく感情が伝わるものだった。

メロディと歌声の美しさということでは、続く髙橋さんの「水中キャンディ」(「LTH08」収録)も抜群だ。馬場このみのソロ曲といえばKOHさん(作詞・作曲・編曲を担当)と印象を持つ人がいるほど、毎回メロディも歌声も美しく世界観を作り上げている。6thライブツアー仙台公演以来の披露だったが、表現はさらにブラッシュアップされており、曲に描かれている心情を強くて綺麗な歌声にのせて響かせると、一気に世界が広がっていった。

そして、木戸さんは最初のソロ曲であり1stライブでも披露した「オリジナル声になって」(「LTP08」収録)を歌う。ただ明るく歌うだけの内容でないことは本人も語っていたが、1stライブや3rdライブで披露した当時よりも増した歌唱力や安定感によって、さらに気持ちが伝わってくる。優しく微笑む表情からも思いが溢れ、ラストは両手に持ったマイクを胸にギュッとあて、感慨深い表情を浮かべていた。

近藤さんが歌うソロ曲「ちいさな恋の足音」(「LTP07」収録)は、3rdライブツアー仙台公演で初披露して以来。彼女も成長を感じさせるひとりであり、もともと緊張しぃで、同公演で初出演だった原嶋さんが「私よりも緊張していた」と言っていたほど。そこから年月が経ち、その気持のこもった歌声は、ちょっと自信を持てた篠宮可憐に通じるものが感じられる。スポットに照らされたDメロからのラスサビにかけては、さらに気持ちが強くなった可憐が乗り移ったようなすごさもあって、みんなを引き込んでいた。

穏やかなイントロからはじまったのは、Machicoさん、大関さん、麻倉さん、木戸さん、阿部さん、山口さんによる「たしかな足跡」。原曲は「LTD」シリーズの「05」に収録されている、山口さんとたかはし智秋さんによるデュエットソングだ。しかし、歌詞にある〈そばにいても 離れてても 10年後〉といったフレーズや、「たしかな足跡」といったタイトル自体も、まさに10周年にふさわしい。それをオリジナルよりも多い人数で歌うのは感慨深く、夕焼けの街路樹の映像のもと6人の声が重なったハーモニーは感動的だった。

そして、「瞳の中のシリウス」(「LTP10」収録)を諏訪さん、駒形さん、桐谷さん、近藤さん、愛美さんが披露。印象的なこの曲のイントロが流れた瞬間、会場にはざわめきが起こる。初披露だった1st ライブからさまざまなメンバーが歌ってきた曲であり、周年ライブだけでなくオーケストラコンサートで駒形さんが披露したのも記憶に新しいところ。そんな曲を披露する5人の歌声は本当に美しく、プロデューサーたちも全身で浴びるように聴き入っていた。

美しく心を震わせるようなブロックとなったここでのMCは、先ほどのMCとは打って変わってきちんとライブを振り返っていく。当時はひとりだと思っていたが、いまは友達がいっぱいできたこと、メンバーから受けた言葉が力をくれたこと、最初同じ日に出演して以降は全く一緒にならなかったことなど、メンバー同士のエピソードも多数語られた。

最終ブロックはまた雰囲気を変え、可愛く、楽しく、聴くものを圧倒させる楽曲を畳み掛けていった。

麻倉さんは、「LTP」シリーズでも最初期である「LTP02」に収録された最初のソロ曲であり、リリースイベントを含めるとかなりの回数披露してきた「トキメキの音符になって」を、2017年以来に披露。抜群の可愛さと安定のパフォーマンスは、今回もみんなを虜にするのに十分たるもの。麻倉さん自身は「ミリオンライブ!」での声出しライブが久しぶりとのことで、プロデューサーたちに声を求めては嬉しそうな笑顔を浮かべていた。ちなみに、この曲の振り付けは、ゲームに合わせて途中で一部変わった(追加された)という経緯があるのだが、今回はおそらく最初のものと思われる振り付けで披露しており、そこも懐かしさに一役買っていた。

そして、徳川まつり全開だったのは、続く「カーニヴァル・ジャパネスク」(「LTH04」収録)だ。まつりといえば、みんなを巻き込んでのお祭り騒ぎと思う人も多いだろう。周年ライブとしては3rdライブツアー幕張公演以来であり、その後も数回披露されただけで久々となるこの曲も、声出しが解禁になったからこそ何倍にも楽しさが増していて、コール&レスポンスもすごい盛り上がりに。一方で、息継ぎも大変そうな曲なのに、それを安定して歌い上げる諏訪さんの実力も感じられるステージだった。

さらに元気いっぱいに盛り上げたのは、稲川さんによる「BOUNCING♪ SMILE!」(「LTH06」収録)。3rdライブツアー名古屋公演での初披露以降、複数回歌われてきた、こちらも環全開の楽曲だ。稲川さんはいつもステージでは環そのもののパフォーマンスを見せてくれるが、自身の歌唱力やダンスが向上したことも相まって、今回はいつも以上に元気をチャージしていく。社会人にとって日曜の夜に聴く「BOUNCING♪ SMILE!」は、いろんな意味で胸に刺さるものだったかもしれないが、それこそ〈楽しい方がいいに決まってるよ〉のフレーズ通り、みんながこの瞬間を楽しんでいた。

ボルテージが上がり続ける会場に、今度は「一つ、心に信仰を忘れないこと」と「天空騎士団 七の誓い」が流れる。そして、降臨した小岩井さんが「Maria Trap」(「LTP02」収録)で、天空橋朋花の世界へとみんなをいざなっていく。この「天空騎士団 七の誓い」は朋花の2つ目のソロ曲「鳥籠スクリプチュア」の曲中にあるフレーズなのだが、冒頭にこれを読み上げてから「Maria Trap」が始まる流れは、小岩井さんが初出演した2ndライブを再現したもの。そんな粋な演出もありつつ、髪をくるくると回す振り付けや、後半の可愛さが逆に怖いパートも印象的。そこから再び豹変してラストのロングトーンをこれでもかと響かせると、大歓声が沸き起こっていた。

曲調は全く違うものの、Machicoさんがダンサー8人とともに披露した「Believe my change!」(「LTH02」収録)も圧巻だった。ダンサーは2人や4人なことが多い中で、8人全員なのは驚きと同時にMachicoさんだからこそとも言える。その抜群の歌唱力はさらに磨きがかかり、すべてを自分のものにするパフォーマンスは絶大な威力。Machico初心者が見たら、MCとのギャップに驚くかもしれない。でも、そこも彼女の大きな魅力であり、圧倒的なステージはラストまで気合い充分だった。

このすさまじいソロ曲の流れを受け、ソロ曲のトリをつとめたのは愛美さんの「プラリネ」(「LTH04」収録)。左目の下に星を描き、ギターを手に格好良さ全開で歌い演奏する姿は、先ほどの壁ドンとはまた違った格好良さ。彼女の魅力である独特の歌い方や、ちょっと切なさも感じるような歌声も最高に格好良く、見とれて呆然としてしまうほどだ。ギター1本の演奏で歌うパートも惚れ惚れする。

そして、そのままステージに残った愛美さんが腕を突き出してから、指にキスをする……。

この流れを覚えている人、待ち望んでいた人も多かったことだろう。会場のざわつきがそれを物語る中、ステージには3つの光が灯される。愛美さんはステージ上手に移動し、下手には阿部さん、センターにはMachicoさんが登場。披露するのはもちろん「アイル(Harmonized ver.)」だ。

3rdライブツアー幕張公演でみんなを感動と熱狂に包み込んだステージが再現されると、会場は興奮のるつぼに。3人の成長は「アイル」の曲の強さをさらに昇華させているようで、ボーカルのMachicoさんはもちろんのこと、それを支える阿部さんと愛美さんのコーラスも抜群で、3人いてこそ完成される楽曲であることを実感させられる瞬間。3人が見せてくれた興奮と感動はすさまじく、会場が揺れんばかりだった。

歌い終わり、ハイタッチする3人のもとにメンバーが全員登場してくる。さすがに緊張したと愛美さんは吐露していたが、進化した彼女たちのステージへの満足度は、曲後も続くこの空気自体が証明していた。

そして、本編ラストは「Dreaming!」。これからの夢に向かう気持ちを乗せたステージは、間奏での円陣も感動的。この曲といえば、初披露となった「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015 Day2」の印象が強い人も多いだろう。その後、3rdライブツアーやリリースイベントなどで披露機会は多かったが、ミリオン単独のライブとしては5thライブ以来となったが、やはり素敵な曲だと改めて思わせてくれた。

アンコールでは、10周年衣装「リ・プロローグ・X」に着替えたメンバーが、こちらも10周年を記念した楽曲である「Crossing!」を披露。ちなみに、この曲に限らず全体曲は遠目にステージ全体を見渡すと目を引くメンバーがいるもの。個人的に今回特に目を引いたのは、稲川さんと駒形さんだ。もちろん演じるアイドルに合わせた部分もあるので、なにを重視するかはそれぞれ違うだろうが、2人のダンスの切れやステップの大きさ、動きのダイナミックさは抜群だった。

身につけている衣装はDAY1でも説明があった通り、それぞれの個性に合わせた十人十色なもの。わかりやすいところでは、明らかにMachicoさんの布面積は小さく、今回もお腹が出ていた。ほかにもお腹が出ている人がいる一方で、長袖でたっぷりと布を使ったエレガントな人もいて、配信や写真などでしっかり見比べるもの面白そうだ。

そして、メンバーから挨拶。ステージでの格好良さとはまた違った親しみのある面白トークや、ミリオンらしい雰囲気も感じさせつつ、みんなへの感謝の気持ちをそれぞれの言葉で伝えていくと、最後はもう一度「Thank You!」。先ほどのMCでの流れを受けて麻倉さんに抱きつく愛美さんなど、いたるところで楽しむメンバーたちは笑顔がいっぱいに溢れていた。

高木社長がライブ後に語っていたように、「Happy for you(H@PPY 4 YOU!)」は目の前にいる人を祝福する時に使う言葉。その言葉を冠した「Act-1」公演は、みんなを祝福し、感謝に溢れたものであり、最高を更新し続けてきた「ミリオンライブ!」が当時の楽曲をやるとこんなにもすごいんだと、まざまざと見せてくれた2日間となった。

次の舞台は、2023年7月29日、30日にポートメッセなごや 新第1展示館で行われる「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-2 5 TO SP@RKLE!!」。タイトルから今度はどのような内容になるか想像しているプロデューサーもいると思うが、次回も最高を越えたステージを期待したい。

「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-1 H@PPY 4 YOU!」DAY2セットリスト

1. Thank You!/ミリオンスターズ
2. ドリームトラベラー/大関英里、麻倉もも、原嶋あかり、髙橋ミナミ、稲川英里
3. POKER POKER/阿部里果
4. 君想いBirthday/駒形友梨
5. ハッピ〜 エフェクト!/桐谷蝶々
6. グッデイ・サンシャイン!/原嶋あかり
7. スマイルいちばん(Long Intro Ver.)/大関英里
8. ジャングル☆パーティー/Machico、諏訪彩花、駒形友梨、木戸衣吹、髙橋ミナミ、稲川英里、近藤 唯、山口立花子
9. P.S I Love You/小岩井ことり、髙橋ミナミ、阿部里果、近藤 唯、山口立花子、愛美
10. Good-Sleep, Baby♡/原嶋あかり、木戸衣吹、稲川英里
11. Smiling Crescent(Long Intro Ver.)/麻倉もも、桐谷蝶々
12. Melody in scape/大関英里、駒形友梨
13. 合言葉はスタートアップ!/諏訪彩花、小岩井ことり、桐谷蝶々
14. HELLO, YOUR ANGEL♪/原嶋あかり、小岩井ことり
15. Be My Boy/山口立花子
16. 水中キャンディ/髙橋ミナミ
17. オリジナル声になって/木戸衣吹
18. ちいさな恋の足音/近藤 唯
19. たしかな足跡/Machico、大関英里、麻倉もも、木戸衣吹、阿部里果、山口立花子
20. 瞳の中のシリウス/諏訪彩花、駒形友梨、桐谷蝶々、近藤 唯、愛美
21. トキメキの音符になって/箱崎星梨花
22. カーニヴァル・ジャパネスク/諏訪彩花
23. BOUNCING♪ SMILE!/稲川英里
24. Maria Trap(Long Intro Ver.)/小岩井ことり
25. Believe my change!/Machico
26. プラリネ/愛美
27. アイル(Harmonized ver.)/Machico、阿部里果、愛美
28. Dreaming!/ミリオンスターズ
<ENCORE>
29. Crossing!(Long Intro Ver.)/ミリオンスターズ
30. Thank You!/ミリオンスターズ

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

関連ワード
  • 取材
  • エンタメ