SCRAPは、「リアル脱出ゲームの日(7/7)」制定記念記者発表会を、SHIDAXカルチャーホールにて7月4日に実施した。

目次
  1. コロナ禍を経てオンラインへの進出も。リアル脱出ゲームの歴史を振り返る
  2. 即興で井上さんが奥様へあてたラブレターを披露!?
  3. リアル脱出ゲームをプチ体験。隠されたのは“結婚指輪”!?

リアル脱出ゲームとは、SCRAPが提供しているイベントサービスで、画面の中ではなく、自分の肉体そのものを使ってゲームのような謎解きが体験できる。

今回、来る7月7日が「リアル脱出ゲームの日」に制定されることになった。SCRAP代表の加藤氏と、リアル脱出ゲームのファンとして知られるノンスタイル井上さんが登壇した発表会の模様をお届けする。

コロナ禍を経てオンラインへの進出も。リアル脱出ゲームの歴史を振り返る

会の最初に、SCRAP代表の加藤隆生氏より挨拶が行われた。加藤氏は「リアル脱出ゲームは2007年の7月7日に初開催したんですが、狭い会場にあふれんばかりの人がいて、ここから新しいエンタメが始まると感じたのを覚えています」と初開催当時を振り返りつつ、記念日制定の喜びをにじませた。

登壇した加藤氏。エンタメや“面白さ”といった事に対してひたむきな情熱を感じる人物であった。
発表会の司会進行を担当してくれた、SCRAPの青木氏

その後、加藤氏も交えながらリアル脱出ゲームの簡単な年表が紹介された。2004年にフリーペーパー「SCRAP」から始まり、2007年7月7日に初のリアル脱出ゲームを開催。その後常設店舗を10都市にオープンするなどの展開を見せ、今年2023年には累計1000万人動員を記念した事業が実施される。

画像にもある通り、月1~2本リリースされているオンラインリアル脱出ゲーム。
会場まで行くのが億劫という人はこちらで参加してみるのも“アリ”だろう。

中でもコロナ禍に伴って開始されたオンラインリアル脱出ゲームについて加藤氏は、「開催できない期間が続く中、リアル脱出ゲームをやりたいという声がとても多く、オンラインで開催することを決定しました。“オンライン”リアル脱出ゲームという名前には少し無理がありますよね(笑)」とコメントした。

続けて“リアル脱出ゲームの日”制定の理由については、「私のカーナビはつけたときに今日が何の日か教えてくれる機能があるのですが、あれってものすごく多様な記念日がありますよね? それで、初開催の時に感じたあの熱を受け継いでいくためにも、7月7日をリアル脱出ゲームの日とする申請を出しました」と語っており、加藤氏のリアル脱出ゲームへの情熱がうかがえる。

ここで、スペシャルゲストであるお笑いコンビ・ノンスタイルの井上裕介さんが登壇した。井上さんはリアル脱出ゲームの常連とのことで、自身のブログで掲載しているリアル脱出ゲームのプレイ日記を数えたら400以上もあったそうだ。

この後の“とあるコーナー”に備えて、デートコーデで登場した井上さん。
動きやすく、はぐれてもすぐ見つかる派手な色がポイントだそう。

井上さんはリアル脱出ゲームについて、「僕みたいに頭がよくなくても活躍できる場なんですよ。小学生くらいの知識があれば東大生よりも活躍できるかもしれない。もちろん頭は使うんですけど、初対面の人たちと話し合いながら謎を解いていくコミュニケーション能力の方が重要だったりして、そういったところも魅力だと思います。リアル脱出ゲームは歴代の彼女全員連れて行ってますからね!」と、井上さんが感じているリアル脱出ゲームの魅力を語った。

ゲストが登場したところで、リアル脱出ゲームの日制定を記念した4大企画の紹介が行われた。本企画の内容は以下の通りである。

  • 7月7日配信予定の生放送中から始まる総額2000万円分のクーポン配布キャンペーン
  • 1000万人突破を記念した公演「終わらない夏祭りからの脱出」が開催決定
  • 漫画家のうえはらけいた氏とコラボした記念グッズの販売
  • 7月7日からSCRAP店舗に行くと“謎”がプレゼント

中でも公演「終わらない夏祭りからの脱出」について加藤氏は、「過去に我々が思いついた謎と比べても一番すごい謎を用意しています」とコメントしており、井上さんも「ぜひ行ってみたい」と興味を示していた。

そんな井上さんはSCRAPとコラボしてリアル脱出ゲームを制作したこともあり、そのタイトルは「NON STYLE井上からのラブレター」。加藤氏は当時の制作について、「ここをこうするともっと気持ち悪くできるって、井上さんがものすごく的確な指示をくれるんですよ(笑)。さらには曲も作ってくれて、最高に気持ち悪い曲を作ってくれました」と、笑顔で当時を懐かしみながら話していた。

こちらがキービジュアル。一度見たら忘れないインパクトがあるキービジュアルだ。
当時のことを語る加藤氏と、それを聞いて爆笑する井上さん。

井上さんも、「イベント最後の大謎で、僕の写真にキスしたら温度差で文字が浮かび上がる仕掛けにしたかったんですよ(笑)。でも、相談したらものすごいお金かかりますよって言われちゃって。予算と相談しながら、いかに“今まで体験したことのない”謎をお届けするかがすごく難しかったです。」と、制作の難しさを語っていた。

自身もリアル脱出ゲームのファンだからこそ、これまでにない謎解きにこだわったという井上さん。

即興で井上さんが奥様へあてたラブレターを披露!?

そんな「NON STYLE井上からのラブレター」にちなんで、井上さんが今年5月に結婚された奥様へのラブレターを即興で披露するコーナーが開催された。「なんで俺こんなこと書いてんねやろ(笑)。」と苦笑しつつ、意外とサラサラとペンを走らせる井上さん。そして完成したラブレターは以下のとおり。

ラブレターを制作する井上さん。音読も堂々とこなした。

文面にもある通り、リアル脱出ゲーム中に井上さんが謎解きに夢中になってしまい、奥様を放ってどんどん進んでケンカになったことがあったそう。その時の仲直りは、別のリアル脱出ゲームをクリアしてハイタッチした時だったそうで、井上さんは「相手の性格を知りたかったらリアル脱出ゲームは最適ですよ(笑)」とコメントしていた。

ラブレターコーナーを終え、続いてはリアル脱出ゲームのメインコンテンツでもある“謎”にまつわるコーナーへ。まず初めに、井上さんに3分間で謎を一つ制作してもらい、それが良かったらキャンペーンサイトに掲載するという、加藤氏からの挑戦状が井上さんに渡された。

少ない時間の中、問題制作に挑戦する井上さん。

加藤氏曰く、リアル脱出ゲームには30個ほどの謎やギミックが用意され、その制作には7か月近くかかるという。中には製作期間におわれ、ほぼ当日に完成を迎えたこともあったそうだ。そんな“謎作り”にわずか3分で挑むというのもかなりの難題な気がするが……。そうして井上さんが作った謎がこちらだ。

ヒントは「ナルシストな僕が好きなものを使って解いてね」とのこと。3分で作ったとは思えないクオリティで、筆者はしばらく熟考してようやくわかった。これを短時間で思いついてしまうとは、さすがの謎好きっぷりである。謎好きという点では加藤氏もさすがの実力で、筆者が首をかしげている間に「わかりましたけど、前半と後半で使い方が変わるんですね」とあっさり謎を解いたうえで解析までしていた。

クイズの答えをこっそり耳打ちする加藤氏。もちろん一発正解だ。

こちらは文句なしの合格ということで、後日、リアル脱出ゲームの日制定のキャンペーンサイトにも掲載されるとのこと。ぜひ、あなたも井上さんの謎に挑戦してみよう。

リアル脱出ゲームをプチ体験。隠されたのは“結婚指輪”!?

井上さんが謎を作ったら、次は謎を解く番ということで、井上さんの大事なものがしまわれた宝箱の開錠に挑む。怪盗Sなる人物が盗んだ井上さんの大事なものとは、なんと奥様からもらったという結婚指輪。井上さんは「職業柄、いつ落とし穴に落ちてもおかしくないので仕事のときは外していたんですが、このクイズめちゃめちゃ難しそうじゃないですか」と、驚きながらも謎に挑戦し始めた。

こちらがその問題。筆者は3分考えてもさっぱりわからなかったのだが、井上さんは果たして。

井上さんに用意された制限時間は3分。またしてもなかなかの難問だが、井上さんはなんと1分ほど余らせて余裕のクリア。「これ、ダミーとかじゃなくてホンマに俺の指輪やん!」と驚きつつ、無事に結婚指輪を取り戻した。

このクイズは物質の状態変化が答えになっており、「赤い方が“あつい”。冷たい方が“つめたい”っていうのはすぐにわかったんですけど、僕の学の無さがここで一瞬出てしまって、状態変化ってなんやったっけな? って考えちゃいました(笑)。何とか思い出して文字を埋めたら“こたえはたいこのうら”ってことだったんで、0707が答えですね」と井上さんが解説した。

こちらのコーナーの終了後は、日本記念日協会の代表理事・加瀬清志氏より、認定証の授与が行われた。加藤氏は賞の授与後、まじまじと認定証を見つめており、その表情からはあふれんばかりの喜びが見て取れた。

発表会では加瀬氏や井上さんの謎解き力のみならず、謎解きへの愛情を感じることができた。最後に2人からのコメントを紹介する。

加藤氏:リアル脱出ゲームの日をいつかは休日にしたいですし、2007年7月7日は今でも思い出す僕の人生が変わった日です。大げさに言うと世の中のエンターテイメントの新しい流れができた記念すべき日だと思っています。あの日巻き起こった熱狂を忘れないようにモノづくりに取り組んでいきたいと思います。何かすごい思い付きがあれば新しい時代のゲームが作れるんだと思えたことを誇りに思っていますし、あの日生まれた感情や関係性を受け継ぎながら新しいものを作っていきたいと思います。

井上さん:謎解きブームなんていうものが来ていますが、それを作ったのはSCRAPさんだと思います。テレビゲームの中でも楽しいことはたくさんありますが、現実世界で面白さを感じられるのはリアル脱出ゲームだけだと思います。最近参加した時も親子連れの参加者がいて、お父さんをお子さんが叱っているという(笑)。そんな光景が見られるのもリアル脱出ゲームだけだと思います!

先にも紹介した「終わらない夏祭りからの脱出」を筆頭に、「名探偵コナン」とのコラボ公演「黒鉄の海中研究所(ラボラトリー・オルカ)からの脱出」などますますの盛り上がりを見せるSCRAPのリアル脱出ゲーム。まだ行ったことがない人はぜひ、足を運んでみてはどうだろうか。

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