CRI・ミドルウェアは、CRIが提供するサウンドミドルウェア「CRI ADX」に、ヤマハが持つ仮想立体音響ソリューション「Sound xR」を標準搭載した。

目次
  1. これまでの課題と連携により実現できること
  2. ゲームへの立体音響の標準化とその先の未来

これにより、機器の性能差や仕様の違いによって生じる「異なるプラットフォーム間における立体音響の聞こえ方の差」をなくし、今までのゲーム開発では難しいとされていた、さまざまな環境のゲームプレイヤーに対し「同一の立体音響によるリアルな没入感」を提供することが可能となる。

CRI、ゲーム向けサウンドミドルウェア「CRI ADX」にヤマハの仮想立体音響ソリューション「Sound xR」を標準搭載の画像

今回の標準搭載により、音響製品の領域で長い歴史を育んできたヤマハの、精密で高品位な音声技術が、CRIの技術を通してゲームの領域でも容易に利用できるように。この取り組みを第一歩として、両者の強みを生かしながら、あらゆる分野で高品位なサウンド体験の提供に取り組んでいくとのこと。

以下、発表情報をそのまま掲載しています

これまでの課題と連携により実現できること

近年のゲームは、複数のプラットフォーム向けにリリースされるのが一般的です。また、異なるプラットフォーム間での対戦や協力が可能なゲームも増えてきました。しかし、ここで課題となるのが「プラットフォームごとの独自の機能や処理能力の違いにより、ユーザーの体験が異なってしまう」という点でした。特に、ゲーム空間内のプレイヤーと音源の位置関係に応じた聞こえ方を再現する立体音響では、プラットフォームの独自機能によって実現するのが一般的です。

また、スピーカーやヘッドフォンなど、プレイ環境の違いによっても聞こえ方が変わってしまいます。このような背景から、立体音響においては最終的なプレイヤーの体験をサウンドデザインや制作の段階で調整するのは非常に困難でした。

今回の標準搭載で、Sound xRによるイヤフォン・ヘッドフォン向けの高品位な仮想立体音響を、さまざまなプラットフォームに展開することが可能となります。また、ゲームサウンド制作に使用するCRI ADXの専用オーサリングツールも Sound xR に対応いたしました。このためサウンドデザイナーは実際の聞こえ方を確認しながらの制作が行えます。

意図した通りの立体音響表現を作品に反映できることにより、クリエイターが制作に集中できる環境を提供し、クリエイティビティや情熱をプレイヤーにそのまま届けられるようになります。

ゲームへの立体音響の標準化とその先の未来

CRIとヤマハは、今回の取り組みを通じて「ゲーム領域での立体音響の標準化」を目指します。

今回の連携により、これまで課題となっていた技術的障壁を取り除いたことは、ゲームで立体音響を使用するハードルを下げ、ゲーム領域でのサウンド体験の向上に貢献します。

また、今回の標準搭載は世の中の音声表現を拡張し、新たな表現を当たり前にするための取り組みの第一歩です。CRIは今後もヤマハとの技術連携を継続的に行い、ゲームの領域にとどまらずあらゆる音声の体験向上を目指してまいります。

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