アトラスが2024年6月14日に発売を予定している、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam、Windows)用ソフト「真・女神転生V Vengeance」の先行プレイレビューをお届け。

目次
  1. 見下ろし視点の追加や新要素・マガツロで探索ボリュームUP!追加のシステムを一部紹介
  2. 謎多き尋峯ヨーコから目が離せない!新追加の“復讐の女神篇”を体験
  3. 聖マリナ⼥子学院の尋峯ヨーコと旅をする
  4. シリーズ未プレイでも既プレイでも楽しめる圧倒的ボリューム感

「真・女神転生V Vengeance」(以下、女神転生VV)は、2021年11月11日に発売されたNintendo Switch用ソフト「真・女神転生V」(以下、女神転生V)の内容に加えて、配信中のDLCや新規の追加シナリオ・キャラクターを加えたシリーズ最新版だ。

「真・女神転生V Vengeance」先行プレイレビュー:オリジナル版から快適性が大幅UP!追加シナリオ・復讐の女神の尋峯ヨーコも魅力的の画像

本レポートでは、ネタバレは控えつつ、追加のシステム面などを中心にお届けしていくが、説明の都合でオリジナル版にあたる「女神転生V」の部分的なネタバレを含む場合がある。ご覧になる際はその点に注意していただきたい。

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見下ろし視点の追加や新要素・マガツロで探索ボリュームUP!追加のシステムを一部紹介

システム面の改善点では、操作性向上とあわせてボリュームアップを図るものが多く見受けられた。今回のレポートでは筆者が体験してきた物語序盤の中から、興味深かった点をいくつかピックアップしてお届けしていきたいと思う。

見下ろし視点が追加!ミマン探しやルートチェックがとっても快適に

本作「女神転生VV」の改善点の中で、なにより筆者が感動したのは“見下ろし機能”の追加だった。簡単に言うと、自分がいる地点とその周囲を、高空から俯瞰で見下ろせる機能である。ゲーム内では「雲上視界」と呼称されていたので、今後はそちらに統一する。

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前作「女神転生V」では、正直“マップの分かりづらさ”がマイナスポイントとして挙げられていたと思う。実際、筆者もコンテナヤードあたりのマップに苦戦して、一時コントローラーを置いた経験がある。

その原因としては、やはり“高低差の分かりづらさ”という部分が大きかった。「女神転生V」の東京はすでに荒廃している関係で砂漠が多く、色で高低差を判別し難い。マップもモノクロに近かったことから高低差を読み取るのが困難であったため、非常に迷いやすかったのである。

マップ上では一本道だが
マップ上では一本道だが
実際はトンネルと線路が絡んだ高低差のあるマップだったりする。
実際はトンネルと線路が絡んだ高低差のあるマップだったりする。

だが、本作「女神転生VV」では、そんな不便さを解決するために雲上視界がある。実際に今歩いている風景とのリンクがしやすく、迷いにくさが断然アップしていたように思う。ミマンや宝箱といったアイテムも上空から位置を把握できるため、アイテム収集もしやすくなっていた。

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ショートカット機能で旅の快適性&ボリューム感がアップ

続いて紹介するのは、 “マガツロ”だ。こちらは、特定の場所同士をつなぐショートカットのような存在で、本作からの新要素となっている。

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前作でも活動の基点となる龍穴同士でのショートカットは可能だったが、それ以外の移動は基本的に徒歩だったと思う。本作ではこのマガツロを使うことで、場所間の移動が快適にこなせるというわけだ。

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また、探索エリアの拡張、という意味でもマガツロの追加は意味を持っている。というのも、本作に登場するマップは基本的には前作と同一のものなのだが、マガツロを通じて今まで行けなかったエリアや新規に追加されたエリアへ行けるようになっている。

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加えて、マガツロは基本的に隠されており、発見するにはクエストナビに見つけてもらねばならない。調査ポイント発見時の色が通常と異なり赤くなっているので見ただけで識別はできるが、よりクエストナビの声に耳を傾けつつ探索する必要が出てきそうだ。

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クエストナビも新規に追加。序盤から選択できるナビも多数

クエストナビが話題に上がったところで、悪魔たちとの交流周りの新規要素も少しご紹介。前作では、序盤で登場するアマノザコ以外、選択できるクエストナビが登場するのは中盤以降だったと思う。だが、本作ではかなりの序盤から新規のクエストナビを解放できるようになっていた。好きな悪魔を連れて歩きたい人には朗報だろう。

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“裏庭”に呼び出されての悪魔交流。異なる一面が垣間見える“悪魔の裏庭”

そのほかにも仲魔と交流できる要素として、「悪魔の裏庭」というミニマップに龍穴からアクセスできるようになっている。こちらは非戦闘マップで、現在仲魔にしているキャラクターと会話・交流できるスペースだ。

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育成を進めていると、「○○が会話をしたいようだ」というメッセージが表示されることがある。その後、裏庭で該当悪魔と会話することで、追加のステータスアップやアイテムのプレゼントなど、戦力増強につながるボーナスがゲットできる。

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そうでなくとも、単純に悪魔たちと会話する場としても楽しめるので、普段連れ歩いている仲魔をより詳しく知る機会として、積極的に話を聞いてみると面白いだろう。

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謎多き尋峯ヨーコから目が離せない!新追加の“復讐の女神篇”を体験

続いては、追加シナリオである「復讐の女神篇」について軽く見ていこう。復讐の女神篇では、本作「女神転生VV」からの追加キャラクター・尋峯ヨーコが登場し、前作のストーリーに当たる「創世の女神篇」とは違ったストーリー展開が繰り広げられる。

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また、“カディシュトゥ”と呼ばれる4人の女悪魔も登場。彼女らが敵(?)として立ちふさがる様子がこれまでのPV等で明かされていた。実際にプレイしてみると、前作をプレイしていても全く先の読めないストーリー展開に驚かされっぱなしであった。今回は、その一端をご紹介していこう。

聖マリナ⼥子学院の尋峯ヨーコと旅をする

復讐の女神篇は、ゲームを開始した直後に“復讐の⼥神篇か創世の女神篇のどちらででゲームをプレイするかどうか”の選択を迫られる。物語の選択肢でルート突入という形ではなく、開幕から復讐の女神篇でのプレイとなるようだ。

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開幕、主人公は学校一の秀才で友人の敦田ユヅル、クラスのお調子者・太宰イチロウと共に、“幽霊が出る”と噂のトンネルで崩壊事故に巻き込まれる。目が覚めると、そこには見る影もなく崩壊した“東京”の姿があり、神話に登場するような天使や悪魔が跋扈していた。悪魔に襲われかけた主人公は、居合わせた“アオガミ”と名乗る神造魔人と融合し、合一神“ナホビノ”として変わり果てた東京を探索していく

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ここまでは「創世の女神篇」と一緒だが、朽ち果てた東京=魔界を探索していく中で、山手線を発見し、ここが間違いなく東京であることを確認するシーンがある。と、そこへ現れたのは、自身を透明にできる巨大な悪魔・グラシャラボラスと、主人公とは異なる制服を着た悪魔祓いの少女・尋峯ヨーコであった。

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合流したユズル、そしてヨーコと共に何とかグラシャラボラスを退けた一向。ユズルは他の生徒を探しに行き、ヨーコはナホビノである主人公と行動を共にする。

ここからはヨーコが“ゲストキャラクター”として参戦し、仲魔として戦ってくれる。このゲストキャラクターはヨーコ以外にもユズルや同級生のタオなどなど、物語の進行に合わせて様々なキャラクターが出入りする。前作では人間がパーティーメンバーとして行動を共にする機会は稀だったので、嬉しい調整である。

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ヨーコは基本的に常に⾏動を共にしているため、ムービーシーンや既存イベントの会話にもきっちり⼊り込んでくる。それらを通して⾒えてきた性格として は、天使が組織する“ベテル”のことはあまりよく思っていないようで、「弱者はやられても仕⽅がない」という、ドライな思想の持ちぬしの様だ。

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そんな彼女は思ったことを結構ばっさり言う性格なようで、主人公はもちろん主人公の周囲の人間にも影響を与えていく。それによって、物語が変化するシーンもあるようなので、彼女のセリフを含む一挙手一投足に注目していきたいところである。

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謎の女魔たちカディシュトゥにも注⽬

復讐の⼥神篇で登場する敵、“カディシュトゥ”のメンバーもなかなか魅⼒的だ。法や規律を重視するロウ陣営「ベテル」とは敵対しているようで、とある目的のため主人公の前に現れ、主⼈公のことを“復活の鍵”と呼んでいる。もしかしたら、⾃由と⼒を重視するカオス陣営でもない、なにか別のサイドかもしれない。

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序盤では、4⼈いるカディシュトゥメンバーのうち、ナアマと戦闘を繰り広げていく。特殊な状態異常などを絡めた戦法はなかなか厄介で苦戦した。

特に、専用スキル「歓喜への誘い」はスキルモーションからかなり作りこまれていて、見所が色々な意味で満点となっているので、発売後はぜひスキップせず見てみてほしい。

色々と“揺れる”作りこみを感じる「歓喜への誘い」。「女神転生V」は悪魔の造形や演出も見所の一つだ。
色々と“揺れる”作りこみを感じる「歓喜への誘い」。「女神転生V」は悪魔の造形や演出も見所の一つだ。

ナアマ以外のメンバーもかなり個性的なメンバーであるようだ。彼女ら登場する語り部的なシーンでは、聖書の「知恵の実」やジョン・ミルトンの「失楽園」に関わってくるような、神学的に重要な意味を持っていそうな語りが入るシーンも多い。神学的な“元ネタ”を考察するのも同シリーズの面白いところだが、「真・女神転生IV FINAL」の多神連合のような、魅力的なバックボーンを持つ敵組織として期待できそうだ。

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シリーズ未プレイでも既プレイでも楽しめる圧倒的ボリューム感

今回のレビューはここまでとさせていただく。ネタバレを控えている関係で皆様にお伝えできる内容が少々少なくなってしまったが、魅力の一端を感じ取ってもらえたら嬉しい。

筆者も前作をプレイしていた訳だが、新規追加シナリオの「復讐の女神篇」での変更点を感じながら新鮮な気持ちでプレイできた。

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追加悪魔たちもなかなか個性的で、プレイしていて⼀番多く出た感想は「うぉ、誰だお前は︕」だったと思う。道を歩いているとひょっこり新規悪魔に出会うので、散歩するだけでもなかなか⾯⽩かった。

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シリーズ未プレイの⼈でも、「⼈修羅と九⼈の魔⼈」など⼈気DLCクエストをまとめて楽しめるので、購⼊をおすすめしたいところである。個⼈的な趣味としてはアルテミスが仲間にできるDLCサブクエスト「⼥神の修⾏」が遊べるのが嬉しい。

マガツロ等、既プレイの人も楽しめる要素が盛りだくさんなので、購入を検討している人は予約して損はないと筆者は思う。

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格闘ゲーム好きなフリーライター。ファミコンからPS5まで、幅広くゲームを遊んでいます。思い出深いゲームは「ペルソナ4」や「サクラ大戦2」、「GUILTY GEAR Xrd REV 2」「戦場のヴァルキュリア」です。ゲームをプレイするときは、グラフィックなどより、ゲームの独自性や“ならでは”の部分、やりこみ要素などに注目しがちです。コンボができるゲームは無条件で面白いと思ってます。

※画面は開発中のものです。

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